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第1014回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   コミナティが米国で承認  Modernaも米国で承認申請  中国発の抗体カクテルの外来第3相が成功  アストラゼネカ、抗体カクテルの感染予防試験が成功  その他の領域:   早産防止薬の承認取消前に公聴会開催へ  ESC:ジャディアンスが駆出率保持心不全の再入院を2割抑制  銅キレーター新薬のウィルソン病試験が成功  ユルトミリスのALS試験はフェール  キムリアのアグレッシブB-NHL二次治療試験がフェール  ピルビン酸キナーゼ欠乏症用薬が承認申請  TCR・抗CD3抗体融合蛋白をブドウ膜黒色腫に承認申請  バース症候群の初認申請を断行  オレンシアをaGvHDに適応拡大申請  オプジーボとヤーボイを食道癌に適応拡大申請  ロシュ、米国でテセントリクのTNBC承認を返上  FDA、TibsovoをIDH1変異陽性再発胆管癌に承認  週一回投与型成長ホルモンが承認  イグザレルト、下肢血行再建術後投与が承認  透析患者の掻痒緩和薬が承認  オプジーボが膀胱がんのアジュバントに承認  【COVID-19関連】 コミナティが米国で承認 (2021年8月23日発表) ファイザーとドイツのBioNTech(Nasdaq:BNTX)は、Comirnaty(tozinameran、コミナティ)がFDAに承認されたと発表した。16歳以上がCOVID-19感染症の予防を目的に3週間隔で二回筋注する。BioNTechが創製したリピッド・ナノパーティクル封入mRNAワクチンで、米国では昨年12月にEUA(非常時使用認可)されたが、これは正式な承認ではなく、非常時でなくなれば消滅する。12~15歳は未だEUAだけだが、臨床試験の6ヶ月追跡データがまとまった段階で一部変更申請を行う予定。 3回目接種に関しては、12歳以上で臓器移植レシピエントなど免疫不全にEUAされたところだが、両社は16歳以上の一般人口に広げるためのローリング申請に着手した。18~55歳で2回目接種から4.8~8ヶ月経った306人を組入れた第3相試験で野生株に対する中和抗体価が2回目接種後の3.3倍に増加した。ブースターが必要なのは免疫が低下することが前提なので確認のために3...

第1013回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   米国はワクチンの3回目接種を9月から開始  FDA、免疫不全にワクチン三回接種を承認  Rigel、Syk阻害剤のEUA認められず  その他の領域:   ETA/AT1受容体拮抗剤のIgA腎症試験が成功  中国発の抗PD-1抗体、肺癌一次治療試験が成功  MSDの難治慢性咳嗽治療薬は審査期限が延期  イプセン、FOP治療薬の承認申請を撤回  Sesen Bioの抗体薬物複合体は承認されず  FDAはエベレンゾを承認せず  フォン・ヒッペル・リンドウ病薬が承認  ダニ媒介脳炎ワクチンが米国でも承認  ジャディアンスも心不全に承認  GSK、抗PD-1抗体が適応拡大  キイトルーダとレンビマの併用も腎細胞腫一次治療に承認  オキシベートが特発性過眠症に適応拡大   【COVID-19関連】 【今週の話題】 米国はワクチンの3回目接種を9月から開始 (2021年8月17日報道) 米国連邦政府は、FDAの承認とACIP(CDC<米国疾病管理予防センター>のワクチン接種諮問委員会)の勧奨を条件に、mRNAワクチンの3回目接種を9月20日の週から開始すると発表した。2回目から8ヶ月経った時点で接種する。COVID-19ワクチンの接種頻度は、1~2年に一回で足りることが期待されていたが、季節性インフルエンザ・ワクチンより短くなった。対象年齢はFDAやACIPの判断に委ねる考え。 米国ではジョンソン・エンド・ジョンソン・グループのヤンセンの一回接種用のアデノウイルス26型ベクター・ワクチンもEUA(非常時使用認可)を受けているが、ブースター・ショットの有効性が未確認であることや、接種が始まってから5ヶ月しか経っていないことから、9月時点ではBioNTech/ファイザーとModernaのmRNAワクチンを接種した人だけが対象になる。日本ではブースター・ショットを有料化する意見も出ているようだが、米国は無料を続ける。 WHOは、ワクチンの供給が需要に追い付かない現状を踏まえて、低中所得国で接種が進むまで3回目接種を自粛するよう提言しているが、ジョー・バイデン大統領は、アメリカ人を守る責務があることや、外国に総計で6億回分のワクチンを寄付...

第1012回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   BNT162b2はデルタ変異に弱い? その他の領域:   ポライビー、DLBCL一次治療試験が成功  エンハーツ、乳癌二次治療試験が成功  ブルーバードの遺伝子治療、今度はSkysonaでMDS症例  キイトルーダの二つの適応拡大申請  GSK、米国で二番目となるMMRワクチンを承認申請  Axsome、抗鬱剤の承認が遅延へ  アッヴィ、abicipar pegolのライセンスを返還 【COVID-19関連】 BNT162b2はデルタ変異に弱い? (2021年8月9日発表) COVID-19ワクチンは2020年にBioNTech/ファイザーのBNT162b2とModernaのmRNA-1273が実用化、米国などで大規模接種が開始された。武漢で第1号症例が報告されてから1年という、光速の対応だ。尤も、ウイルスのほうもワクチンの雛型となったスパイク蛋白に様々な変異が生まれており、第3相試験の成績が再現されるかどうか、不透明になっている。 メーカーや研究者が主導した接種者の血清と偽ウイルスを用いたin vitro試験では、武漢型ほどではないがアルファやベータ、ガンマ、デルタにも比較的高い有効性が見られた。 しかし、BNT162b2を早期大規模接種したイスラエルにおける疫学試験では、デルタ株の流行のせいか、予防効果の低下が示唆され高リスク層に対する3回目の接種が始まった。また、第1010回で取り上げたように、米国マサチューセッツ州で発生したデルタ株中心のイベント関連大規模クラスターでは、感染者の74%がワクチン接種を完了していた。マサチューセッツ州の接種完了率は8割なので、もしリスクを9割予防できるなら3割弱の筈である。入院患者でも8割を占めており、サンプル数が少ないのではっきりしたことは分からないが、少なくとも数値上は『ワクチンは感染予防以上に重症化予防効果が高い』とは言えない。 このような中、メイヨー・クリニック系医療施設の疫学研究の論文草稿が査読前論文サーバーであるmedRxivに登録された。ミネソタ州で今年1月から7月までに上記ワクチンを接種した人としなかった人合わせて5万人から年齢や性別、人種、PCR検査歴、ワクチン接種日などがマッチする事例...

第1011回

【ニュース・ヘッドライン】 チクングニア熱ワクチンの承認申請用試験が成功  Libtayoの肺癌一次治療化学療法併用試験が成功  ファイザーのJAK阻害剤も円形脱毛症試験が成功  セルヴィエ、IDH1阻害剤のAML一次治療化学療法併用試験が成功  Dicerna社のRNAi、PH1には有効も肝心のPH2は?  キイトルーダをステージII黒色腫の術後アジュバントに申請  Marinus、CDKL5欠乏障害用薬を承認申請  テセントリクの早期非小細胞性肺癌術後補助療法を承認申請  韓美のG-CSF、米国では承認されず  イストダックスのPTCL適応、米国で撤回へ  ポンペ病の新らしい酵素補充療法が承認  アストラゼネカ、SLE治療薬が承認  【新薬開発】 チクングニア熱ワクチンの承認申請用試験が成功 (2021年8月5日発表) 日本脳炎ワクチンIxiaroの開発で知られるフランスのワクチン会社、Valneva(Euronext Paris:VLA)は、VLA1553の第3相免疫原性試験が成功したと発表した。承認申請に向かう見込み。 ネッタイシマカやヒトスジシマカが媒介するチクングニアウイルスによる感染症で、60年前にアフリカで発見され、各地に広がった。日本でも少数の感染例があるが、今のところは渡航時に感染したものと推定されている。VLA1553はゲノムの一部を除去して弱毒化した生ワクチン。米国でファースト・トラック指定とブレークスルー・セラピー指定、EUでもPRIME指定を受けている。 第3相は米国の施設で18歳以上の4115人を組入れ、一回投与後第28日の免疫原性や安全性を検討した。薬効解析対象268人のうち98.5%(95%信頼区間96.2-99.6)が感染予防に必要な中和抗体価を獲得し、FDAが加速承認申請を許容する水準として事前に示唆した70%を上回った。高齢者にもヤングアダルトと同程度の効果が見られた。重度有害事象の発生率は1.6%で、発熱など。 アフリカや南アジアの風土病は欧米の国民にとってはそれほど重要ではないが、油断しているとSARSのように世界的大流行になりかねない。軍事活動や外交、経済活動、娯楽目的で渡航して感染するリスクもある。問題は、価格を高く設定すると購買力に合わず普及しない...

第1010回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ロナプリーブが暴露後予防にEUA  コミナティの効果のオンセットとディケイ  MMWR:ワクチン接種してもデルタ株には要警戒  その他の領域:   デュピクセントの第3相蕁麻疹試験が成功  ロシュ、二重特異性抗体を網膜疾患に承認申請  NHE3阻害剤は承認されず  インサイトの抗PD-1抗体は承認されず  sulopenemは承認されず  BMS、オプジーボ単剤の肝細胞腫適応を返上  ヌーカラが鼻ポリープに適応拡大  ウプトラビの静注用製剤が承認  キイトルーダ、TNBC切除術付随療法が今度は承認  2月に加速承認されたメルファラン系新薬に死亡リスク浮上  【COVID-19関連】 ロナプリーブが暴露後予防にEUA (2021年7月30日発表) FDAは、リジェネロン・ファーマシューティカルズのREGEN-COV(casirivimabとimdevimab、和名ロナプリーブ)をCOVID-19感染者の濃厚接触者や同施設入居者の暴露後予防に用いることをEUA(非常時使用認可)した。前者は1.8メートル以内に24時間累積で15分以上いた人、後者は高齢者施設や刑務所入所者などを指す。年齢12歳以上かつ体重40kg以上で、ワクチン接種を完了していない、あるいは免疫抑制剤使用などにより免疫が低下している人が適応。点滴または皮注、一回投与だが、継続的暴露が予想される人は4週毎投与も可。 この抗SARS-CoV-2カクテルは重症化リスクを持つ軽中度COVID-19感染症患者に発症後10日以内に点滴・皮注することがEUAされているが、少なくとも現時点では、入院・酸素投与が必要な患者に対する便益は示されていないと注記されている。また、投与方法は点滴が強力推奨で、皮注はやむを得ない場合に限定されているが、今回はなぜか限定されていない。 今回のほうが使いやすく、需要拡大に資するだろう。ワクチン接種未完了者などに限定されたのは意外だが、中和抗体補充療法は感染またはワクチン接種により自力で抗体を作れた人にはあまり効かなそうなので、止むを得ない。 臨床試験では、ベースライン時点でRT-PCRまたは血清陰性だった人では症候性感染症の発症を81%抑制、全被験者でも6...

第1009回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ロナプリーブが日本で世界初承認  EMA、IL-1受容体アンタゴニストの適応拡大申請を受理  CHMP、モデルナのワクチンを12-17歳に接種しても良い  EMAもGBSをヤンセンのワクチンのリスクとして記載  その他の領域:   ノバルティス、アロステリックABL阻害剤を承認申請  ファイザーのJAK阻害剤二剤、承認が更に遅延  tenapanorの承認が遅延  CHMP、ポンペ病用薬の承認に肯定的意見  家族性肝内胆汁うっ滞の対症療法が承認  アフリカ睡眠病の経口治療薬が米国でも承認  MSD、15価肺炎球菌結合ワクチンが承認  ☆休む予定でしたが間に合ったのでリリースします 【COVID-19関連】 ロナプリーブが日本で世界初承認 (2021年7月20日発表) リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Nasdaq:REGN)および米国外における開発販売パートナーであるロシュは、ロナプリーブ(カシリビマブ、イムデビマブ)が日本でCOVID-19治療薬として承認されたと発表した。ロシュの日本子会社である中外製薬が申請していたもので、12歳且つ体重40kg以上の小児・成人で酸素投与の必要がないが重症化リスク因子を持つ軽症から中等症Iの入院患者に用いる。 両社によると、この抗SARS-COV-2抗体カクテルが承認されたのは世界で初めて。米独仏伊などで既に販売されているので違和感があるが、非常時使用認可(EUA)制度に基づくもので正式な販売承認ではないので、日本の特例承認とは異なるという整理なのだろう。 適応は若干異なり、米国のEUAは外来患者が対象で、ファクトシートには入院患者に対する便益は確立していないと記されている。オックスフォード大学が主導したRECOVERY試験では、入院患者のうち抗SARS-CoV-2抗体陰性サブグループ(全被験者の1/3)の死亡率が24%と通常医療のみの30%を有意に下回ったが、抗SARS-CoV-2抗体陽性患者では便益が見られず、全集団の解析でも有意な差はなかった。当該サブグループの66%はベースライン時点で酸素投与を、20%は非侵襲的換気を受けていたので、日本の適応範囲とはあまり一致しない。 リジェネロ...

第1008回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ヤンセンのワクチンでギラン・バレー報告  その他の領域:   ANAがAuhelmの加速承認に不満を表明  GSK、HIF-PH阻害剤の第3相がすべて成功  キイトルーダ、TNBC補助療法試験がEFS達成  オプジーボとヤーボイの頭頚部癌一次治療試験が目的未達  FDA諮問委員会、エベレンゾの承認に反対  ROCK2阻害剤が慢性移植片宿主病に承認  FDA、観察的試験に基づきプログラフを肺移植患者向けに承認  ダラキューロが七つ目の適応・用法を獲得  ☆来週はお休みします 【COVID-19関連】 ヤンセンのワクチンでギラン・バレー報告 (2021年7月12日発表) ジョンソン・エンド・ジョンソン傘下のJanssen Pharmaceuticalは、COVID-19ワクチンの米国におけるファクト・シート(パッケージ・インサート類似の説明資料)を改訂し、接種後42日間にギラン・バレー症候群のリスクが高まることを警告した。欧州で承認されているアストラゼネカのワクチンも承認審査機関が同様なリスクについて検討しており、アデノウイルス・ベクターを使うワクチンのクラス・イフェクトなのかもしれない。 ファクトシートには詳細は記されていないが、CDC(疾病予防管理センター)を情報源とする報道によると、報告数は100例で、うち95例は深刻な入院事例、一人は死亡した。接種実績は1250万人とのことなので、発症頻度はおよそ10万人に一人となる。発症時期として多いのは接種後2週間。専ら男性で、年齢は50代以上が多いとのことだ。 ワクチンは健康な人が対象なので高い安全性が求められる。免疫刺激に伴うリスクは避けられないので、リスクと便益を定量的に評価することが重要だ。 CDCの纏めによると、米国におけるワクチン接種後のアナフィラキシーの頻度は100万人当たり2~5人。ヤンセンのワクチンのTTS(血栓性血小板減少を伴う血栓症候群)頻度は接種回数1260万回に対して確認症例が38例で、50歳未満の女性のリスクが比較的高い。三種類のワクチンの接種後死亡報告は3.31億回に対して5946例(0.0018%)となっているが、FDAが副作用か否かを問わず全ての死...