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11月, 2023の投稿を表示しています

第1130回

  【ニュース・ヘッドライン】 BET阻害剤を骨髄線維症に承認申請へ  TLR9アゴニストの潰瘍性大腸炎試験がフェール  バイエルのXIa阻害剤、最初の第3相が無益中止  ヤンセン、二重特異性抗体の化学療法併用法を追加申請  アベクマの早期使用承認が不透明に  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【新薬開発】 BET阻害剤を骨髄線維症に承認申請へ (2023年11月20日発表) ドイツのMorphoSys(FSE/Nasdaq:MOR)はCPI-0610(pelabresib)の第3相骨髄線維症試験で主目的を達成したと発表した。12月のASH(米国血液学会)で結果を発表し、24年央に欧米で承認申請する考え。株価は筆頭副次的評価項目がフェールしたことを嫌気して下落した。 21年にConstellation Pharmaceuticalsを17億ドルで買収して入手したBET阻害剤。転写因子の動員に関わるbromodomain and extra-terminal domainを阻害して炎症や癌を抑制することが期待されている。今回のMANIFEST-2試験はDIPSSリスク予測スコアがintermediate-1以上でJAK阻害剤未経験の骨髄線維症430人を組入れて、JAK阻害剤ruxolitinibと併用する効果をruxolitinib・偽薬併用と比較した。主評価項目の第24週脾臓量35%削減奏効率(SVR35)は各群66%と35%となり、統計的に有意な差があった。 一方、最初の副次的評価項目として設定されたTSS(合計症状スコア)50%削減奏効率(TSS50)は52%対46%、p=0.216とフェールした。TSS自体の低下も15.99点対14.05点、差は1.94でp=0.0545だった。但し、intermediateリスク400人のサブグループ分析はどちらもp値が0.05を下回った。TSS50は全体の解析と見比べて偽薬群の数値が低くなっている。逆に言えば、高リスク・サブグループの奏効率が中リスク・グループよりかなり高かったことになり、変な感じだ。尤も、高リスク・サブグループは逸失データが多かったため解析を見送った由であり、同じ理由で全体の解析も歪められているのかもしれない。 リンク: 同社の...

第1129回

  【ニュース・ヘッドライン】 バイエル、PI3K阻害剤の承認を返上へ  第二の神経線維腫用薬を承認申請へ  イミフィンジのステージ3NSCLC試験がフェール  リフヌアは米国では支持されず AKT阻害剤が一部の乳癌に承認  イクスタンジが高リスクHSPCに適応拡大  CRISPR技術の薬が英国で世界初承認  キイトルーダがher2陰性の胃癌等にも承認  中心静脈カテーテル用抗微生物薬が承認  BMSのROS1陽性NSCLC用薬も承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 バイエル、PI3K阻害剤の承認を返上へ (2023年11月13日発表) バイエルはPI3Kアルファ/デルタ阻害剤Aliqopa(copanlisib)の米国における販売承認申請を自主的に撤回すべくFDAと協働する考えであることをプレスリリースで正式公表した。6年前に2種類以上の全身性治療歴を持つ成人の再発濾胞性リンパ腫用薬として加速承認されたが、市販後薬効確認試験で延命またはそれに準じる効果が見られなかった。同薬は中国と台湾でも承認されているが、EUはCHMPが懐疑的で申請撤回を余儀なくされた。 PI3K阻害剤では加速承認後の市販後薬効確認試験フェールが相次いでいる。Aliqopaの場合、加速承認のエビデンスとなった第2相単群試験で良好なORR(客観的反応率)と反応持続性を示し、市販後に完了したCHRONOS-3試験ではrituximabに追加するとメジアンPFS(無進行生存期間)を半年ほど伸ばせることが明らかになったが、同試験の全生存期間の解析はフェールし、適応拡大申請は見送られた。更に、今回、rituxanなどによる1~3次治療歴を持つ難治性緩徐進行非ホジキンリンパ腫を組入れたCHRONOS-4試験で、rituxan-bendamustine併用レジメンあるいはR-CHOP多剤併用レジメンに追加してもPFS延長効果が見られなかった。 効果のない薬の臨床試験がフェールするのは珍しくないが、効果のある薬なら必ず成功するとも限らない。Never give upが重要だが、PI3K阻害剤はORRが意味のある延命と必ずしもリンクしないことがかなり明確になってきたので、セカンド・チャンスやサード・チャンスを貰うのは...

第1128回

  【ニュース・ヘッドライン】 AHA:ウゴービの心血管アウトカム試験成績が発表  バイエル、PI3K阻害剤の承認を自主返上か  BTK阻害剤を蕁麻疹に承認申請へ  イミフィンジ、肝癌のTACE併用試験が成功  ブレヤンジをCLL/SLLに適応拡大申請  CHMP、GSKのJAK阻害剤などの承認を支持  チクングニア熱ワクチンが初めて承認  武田薬品の二剤が米国で承認  イーライリリーの二型糖尿病薬も肥満症に実質的適応拡大  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 AHA:ウゴービの心血管アウトカム試験成績が発表 (2023年11月11日発表) 2020年代のスーパースター、GLP-1作用剤の肥満症心血管アウトカム試験の結果がAHA(米国心臓協会)科学部会とNew England Journal of Medicine誌で発表された。ノボ ノルディスクのWegovy(semaglutide)のSELECT試験に関するもので、トップラインは8月に発表済み。同社は欧米でレーベル収載申請した。 本試験は45歳以上でBMIが27kg/m2以上、且つ心血管疾患を持つ17604人を偽薬群とWegovy群に無作為化割付けして平均40ヶ月追跡し、MACE(主要有害心血管事象:心血管死、非致死的心筋梗塞、または非致死的脳卒中)の発生リスクを比較した。semaglutideはやや低用量が二型糖尿病用薬Ozempicとして販売されているが、本試験では糖尿病患者は除外された。 結果は、ハザードレシオ0.80、p<0.001、と良好な結果になった。発生率は偽薬群が8.0%、試験薬群は6.5%なので、66人に4年間投与すると一人をMACEから救うことができる計算になる。 有害事象による投与中止率は各8.2%と16.6%。胆嚢障害の発生率は各2.3%と2.8%。膵炎や自殺の増加は見られなかった。 過去の肥満症薬は、肺動脈高血圧や不整脈が増えたり、心血管アウトカム試験で効果がなかったり自殺や未遂が増えたりして、散々だったことを考えると、大きな前進だ。但し、このような試験は多くの除外条件が設けられるので、現実の医療では効果は低下し副作用は増えると覚悟すべきだ。また、一人をMACEから救うのに必要な薬剤...

第1127回

【ニュース・ヘッドライン】 サレプタ、DMD遺伝子療法の市販後薬効確認試験がフェール  新規淋病治療薬の第3相が成功  統合失調症用新薬の第3相が成功  アトラセンタンがIgA腎症用薬として復活  DecipheraもCSF-1R阻害剤をTGCTに承認申請へ  点鼻型発作性上室性頻拍治療薬を承認申請  CRSPR/Cas9編集薬が承認に向け前進  ボノプラザンが米国でも食道炎に承認  キイトルーダが胆道癌に承認  コセンティクスが化膿性汗腺炎に適応拡大  中華PD-1阻害薬が米国で遂に承認  【今週の話題】 サレプタ、DMD遺伝子療法の市販後薬効確認試験がフェール (2023年10月31日発表) サレプタ・セラピューティックスはElevidys(delandistrogene moxeparvovec-rokl)の市販後薬効確認試験、EMBARKで主目的を達成できなかったと発表した。副次的評価項目では統計的に有意且つ臨床的に意義がある治療効果が見られたと判断、適応年齢を拡大すべくFDAと相談する考え。 Nationwide Children's Hospitalからライセンスして開発した、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)の遺伝子治療で、アデノ随伴ウイルスをベクターとして通常のジストロフィン遺伝子より小さいがある程度機能するマイクロジストロフィンの遺伝子を導入する。臨床試験でマイクロジストロフィン発現を確認し、22年に4~7歳の歩行能力が未だ残っている患者を対象に米国で承認申請した。FDAの担当部署は運動機能など臨床的な便益が未確認であることを懸念したが、生物学製剤を担当するCBERのヘッドであるPeter Marksの鶴の一声で諮問委員会を招集したところ、12人の委員中6人が承認に賛成した。反対も同数あったが、また鶴の一声があった模様で、今年6月に4~5歳限定で加速承認に至った。 加速承認を得た企業は、市販後薬効確認試験(PMS)を実施して臨床的な便益を確認する必要がある。サレプタは過去7年間にDMD治療薬4品の加速承認を得たが、PMSの進捗が遅く、これが担当部署がElevidysの加速承認に前向きでなかった一因であった様子だ。最初に結果が出たのがフェールというのは皮肉であり、ジストロフ...