投稿

1月, 2026の投稿を表示しています

第1243回

  【ニュース・ヘッドライン】 FDA:多発性骨髄腫用薬はMRDに基づき加速承認申請できる  抗OX40L抗体のアトピー試験が成功  Corcept社、relacorilantが全生存期間も達成  毛細血管拡張性運動失調症のロイシン補充療法試験が成功  ボッシュ、リファキシミン新製剤の肝性脳症一次予防試験がフェール  疾病装飾ポテンシャルを持つ変形性膝関節症用薬を承認申請  Valneva、チクングニア熱ワクチンの米国販売を断念  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 FDA:多発性骨髄腫用薬はMRDに基づき加速承認申請できる (2026年1月20日発表) FDAは多発性骨髄腫用薬に関するガイダンス資料を公表した。MRD(微小残存病変)に基づく加速承認申請を容認するもので、開発期間短縮に資するだろう。 多発性骨髄腫は過去20年間に新薬が続々と登場し、かっては贅沢過ぎた3剤、4剤併用が今日では標準療法になっている。効果が高まる一方で、新薬開発のハードルも上がった。新患の場合で完全反応率90%、メジアン生存期間7~10年という標準療法を有意に上回るためには多くの患者を長期間追跡する必要があり、開発期間の長期化を招きかねない。 対応策として、FDAはMRDに基づく加速承認申請を認めた。複数の試験でPFS(無進行生存期間)や全生存期間との相関性が示されているからだ。24年の腫瘍学諮問委員会でも支持された。MRD陰転の閾値は、最低でも、骨髄穿刺液のシーケンサーまたはフローサイトメトリー検査により正常細胞10万個当たりの腫瘍細胞数が1個未満、となる。逸失例は非達成例とカウントする。一時的な偏りの検出を回避するために、MRD解析時点で患者組入れを完了している必要がある。同じ臨床試験、または別の臨床試験でPFS(無進行生存期間)や全生存期間の延長作用を確認して本承認を取得する必要がある。 寛解導入期、地固め期、維持療法期など複数のフェーズを跨ぐ試験を行う場合は、夫々のフェーズの寄与を評価できるようデザインすべき。多発性骨髄腫に進展する可能性のある、くすぶり型多発性骨髄腫やMGUS(意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症)は、MRDの有用性が確立していないため、対象外。 24年の諮問委員...

第1242回

【ニュース・ヘッドライン】 田辺ファーマ、プロトポルフィリン症用薬の第3相が成功  JNJ、テクベイリの第3相多発骨髄腫単剤投与試験が成功  エプキンリのDLBCL市販後薬効確認試験がフェール  ウィフガートを抗AChR抗体陰性gMGに適応拡大申請 ベスレミを本態性血小板血症に承認申請  メルク、TGCT用薬を承認申請  ラクオリア創薬導出品が米国で承認申請  Travere社、FSGS適応拡大審査が3ヶ月延長  ESV細胞療法は審査完了に  メンケス病薬が承認  FDA、GLP-1作用剤の自殺リスクをシロ判定  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【新薬開発】 田辺ファーマ、プロトポルフィリン症用薬の第3相が成功 (2026年1月15日発表) 田辺ファーマはdersimelagonが第3相INSPIRE試験で赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)やX連鎖性プロトポルフィリン症(XLP)患者の光線過敏症状を抑制したと発表した。承認申請に向かおう。 EPPはフェロケラターゼの、XLPはデルタ-アミノレブリン酸合成酵素の、遺伝子変異が関わる疾患で、ヘム合成が妨げられ血中や組織にプロトポルフィリンが蓄積、日光に曝露すると疼痛などが発現する。7.5~20万人に一人の希少疾患。 dersimelagonは選択的メラノコルチン1受容体作動剤。eumelaninの分泌を促し皮膚を光線から防御する。EPPを対象としたPOC試験では、日光曝露下において光線過敏症の前駆症状が発現するまでの時間が100mg群は偽薬比53分、300mgは同62分、長かった。第3相は200mgを一日一回、16週間に亘り経口投与した。主評価項目は、日光曝露に伴う最初の前駆症状(灼熱感、ピリピリ感、そう痒感又は刺痛感)発現までの時間。データは今後、発表する。 EPPではオーストラリアのClinuvel Pharmaceuticals(ASX:CUV)の皮下インプラント用メラノコルチン1受容体作動剤Scenesse(afamelanotide)がEUでは14年に、米国では19年に承認されている。昨年9月にはDisc Medicine(Nasdaq:IRON)が米国でGlyT1阻害剤DISC-0974(bitopertin)を12歳以上のEP...

第1241回

  【ニュース・ヘッドライン】 インクレチン系薬は乾癬性関節炎にも有効  HBVアンチセンス薬で持続的陰性化を達成  Ziiheraが先輩抗her2抗体に勝つ  次世代TYK2阻害剤の第3相乾癬試験が成功  インサイト、ミンジュビの一次治療試験が成功  CD19系二重特異性抗体の第3相IgG4関連疾患試験が成功したが...  真性多血症治療薬を承認申請  モデルナ、インフルエンザのmRNAワクチンを承認申請  アラアラを7歳以下にも承認申請  Vanda、メラトニン作用剤を時差ボケに適応拡大できず  当面の主なFDA審査期限  【新薬開発】 インクレチン系薬は乾癬性関節炎にも有効 (2026年1月8日発表) イーライリリーはGIP/GLP-1作用剤Zepbound(tirzepatide)が後期第3相TOGETHER-PsA試験でポジティブな成績を上げたと発表した。肥満またはリスク因子を持つオーバーウェイト(mow)を併発する乾癬性関節炎(関節症性乾癬)の患者を組入れて、同社の抗IL-17A抗体Taltz(ixekizumab)と併用する便益をTaltz単剤群と36週間比較したところ、主評価項目であるACR50と体重の複合評価項目だけでなく、ACR50奏効率だけの副次的評価項目も33.5%対20.4%、p<0.05と、高度に有意ではないものの、好ましい点推定値が出た。Taltzの承認申請用試験では24週ACR50が抗TNFアルファ抗体歴のある患者で35%、ない患者で40%ともっと高かったので、今回の試験のほうが治療抵抗性の高い患者を組入れたことになる。 肥満やmowは多くの疾病と関連性が見られ、米国は有病率が高いこともあり乾癬性関節炎の65%が該当するとされる。肥満/mowならどっちにせよZepboundが適応になるが、他の持病にも有益であることを明確にしたのは価値がありそうだ。体重管理薬の保険適応は以前より進捗しているように感じられるが、便益が拡大すれば費用対効果も改善するので、追い風になりうる。 肥満/mowを伴う尋常性乾癬を組入れたTOGETHER-PsO試験も進行中で今上期中に成否判明する見込み。 同社は中重度閉塞性睡眠時無呼吸を併発する肥満症を組入れたSURMOUNT-OSA試験で...

第1240回

  【ニュース・ヘッドライン】 抗sclerostin抗体の骨形成不全症試験が二本ともフェール  糖原病Ia型の遺伝子療法を承認申請  Inovio、承認申請は受理されたが...  眼科用ベバシズマブは承認されず  relacorilantの副腎皮質ホルモン過剰症用途は審査完了  乗り物酔いの新薬が承認  当面の主なFDA審査期限  【新薬開発】 抗sclerostin抗体の骨形成不全症試験が二本ともフェール (2025年12月29日発表) Ultragenyx Pharmaceutical(Nasdaq:RARE)はUX143(setrusumab)が第3相骨形成不全症試験二本で主目的を達成できなかったと発表した。経費抑制策を始める考え。 sclerostinを標的とする完全ヒト化抗体。ノバルティスからパイプラインを取得して設立された英国のMereo BioPhrma(Nasdaq:MREO)から欧州以外の地域での開発販売権を取得した。第2/3相Orbito試験の第3相ポーションで5~25歳の患者159人を組入れて臨床的骨折頻度を偽薬と比較したが、大差なかったようだ。第3相Cosmic試験で2~6歳の患者69人を組入れてこちらは静注ビスフォスフォン酸と比較したところ、点推定値は良かったが有意ではなかった。副次的評価項目のBMD(骨塩密度)は第2相同様、有意に改善した。 FDAは、先般、骨粗鬆症用薬の開発に際して2年間の全腰BMDをサロゲート・マーカーとすることを認める旨、発表している。骨形成不全症は約9割の患者でコラーゲンに関わる遺伝子変異が見られるなど病因病態が異なり、また、臨床試験のフェールは厳密にいえば薬が敗因とは限らないが、皮肉なタイミングのようにも感じられる。 リンク: プレスリリース 【承認申請】 糖原病Ia型の遺伝子療法を承認申請 (2025年12月30日発表) Ultragenyx Pharmaceutical(Nasdaq:RARE)はDTX401(pariglasgene brecaparvovec)を糖原病Ia型の治療薬として米国で承認申請したと発表した。この疾患はG6Pase(グルコース-6-ホスファターゼ)の遺伝子変異によりグリコーゲンが臓...