【ニュース・ヘッドライン】
- ロシュ、IgA腎症用薬の第3相が成功
- パーソナライズド・ワクチンが黒色腫全摘後の再発を抑制
- アッヴィ、抗IL-1二重特異性抗体の化膿性汗腺炎試験が成功
- Priovant社、JAK/TYK2阻害剤の非感染性ブドウ膜炎適応拡大試験が大成功
- ノバルティス、申請中の新薬の治験論文が刊行されたが...
- テゼスパイアが好酸球性食道炎に良績
- 経口ミノキシジル、第3相が再び成功
- Disc Medicine、EPP用薬の第3相が成功、再承認申請へ
- EyePoint、2本目の第3相もフェール
- Biohaven、脊髄小脳失調症の開発品を再申請
- Mundipharmaがエキノカンジンを予防に適応拡大申請
- エステトロールがVMSに適応拡大
- Keytrudaの高TMB適応が閾値を変えて本承認
- ユルトミリスがIgA腎症に承認
- HBV治療薬ヒブサーゴが米国でも承認
- 抗PD-1抗体がMSI-H/dMMR直腸癌に適応拡大
- phentolamineが老眼に適応拡大
- 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会
【新薬開発】
ロシュ、IgA腎症用薬の第3相が成功
(2026年10月23日発表)
ロシュはsefaxersenが第3相IgA腎症試験で主目的を達成したことを9月に公表したが、データをASN(米国腎臓学会)腎臓週間で発表した。加速承認申請に向かうのではないか。
Ionsis Pharmaceuticalsからライセンスした、補体因子Bの発現を妨げるアンチセンス薬。IgA腎症に係る重要な経路である、補体代替経路に介入する。日本も参加したIMAgINATION試験に高リスク原発性IgA腎症の成人459人を組入れて、標準療法に追加する便益を偽薬追加と比較したところ、37週24時間UPCR(尿蛋白クレアチニン比)がベースライン比、偽薬調整後で43.1%低下した。他のIgA腎症薬と同様に、105週時点のeGFR(推算糸球体濾過量)の改善を確認して本承認切替を申請する二段階方式を取る考え。
似たような薬ではノバルティスの経口B因子阻害剤Fabhalta(iptacopan)が米国で24年に加速承認、今年7月に本承認され、9月には日本でも承認された。
リンク: プレス・リリース
パーソナライズド・ワクチンが黒色腫全摘後の再発を抑制
(2026年10月23日発表)
モデルナと共同開発パートナーのMSDは、mRNA-4157/V940(intismeran autogene)の第3相試験成功を8月に発表した。今週末にESMO(欧州臨床腫瘍学会)で発表する予定だったが、エンバーゴ・ポリシー違反があった模様で、繰上げ発表した。
本剤はテーラーメイド・ワクチン。患者の癌細胞と血液を全エクソームの次世代シーケンサーで分析し最大34のネオアンチゲン(遺伝子変異による新規抗原)を選択、一本のmRNAにエンコードし、リピッド・ナノパーティクルに封入して筋注する。今回の日本も参加した第3相INTerpath-001試験は、ステージIIBからIVの皮膚黒色腫を全摘した全身性治療未施行の患者1137人を、抗PD-1抗体Keytruda(pembrolizumab、6ヶ月毎9回投与)と試験薬(3週毎9回投与)を併用する群とKeytruda・偽薬併用群に2対1割付けして、RFS(無再発生存期間、担当医評価)を比較した。中間解析でハザード・レシオ0.58、24ヶ月RFS率82.2%対70.0%と良績を上げた。サブグループ分析も全般に整合的だった由。
副次的評価項目のDMFS(無遠隔転移生存期間)はハザード・レシオが0.62と良好だが、24ヶ月DMFS率は88.5%対80.2%と10パーセンテージポイントに満たない差だった。全生存期間は未成熟だが好ましいトレンドが見られた由。術後アジュバント療法は忍容性が重要だがG3以上の有害事象発現率は14.2%と偽薬併用群の13.4%と大差なかった。
上記の薬効解析は計画された投与を一度も受けなかった患者も含まれている模様で、除外した感受性解析ではRFSもDMFSもハザード・レシオが0.5台となっている。
承認申請に向かうのではないか。
リンク: プレス・リリース
アッヴィ、抗IL-1二重特異性抗体の化膿性汗腺炎試験が成功
(2026年10月22日発表)
アッヴィはABT-981(lutikizumab)の第3相化膿性汗腺炎(HS)試験、Intrepidで主目的等を達成したと発表した。盲検延長試験の結果を待って27年下期に承認申請する考え。
IL-1アルファとIL-1ベータに結合する二重可変領域を持つ免疫グロブリン。今回の日本も参加した試験は、中重度HSの青年成人1280人を組入れて週一回皮下注する効果を偽薬と比較した。主評価項目の16週HiSCR75(膿瘍や炎症性結節がベースライン比75%以上減少)達成率は31.4%と偽薬群の23.4%を上回り、p≦0.001と有意差があった。但し、第2相の45.9%対17.5%よりは差が縮小した。副次的評価項目ではHS関連皮膚痛なども改善した。
忍容性は良好の模様で、有害事象発生率は両群とも53%となっている。
リンク: プレス・リリース
Priovant社、JAK/TYK2阻害剤の非感染性ブドウ膜炎適応拡大試験が大成功
(2026年10月21日発表)
Roivant (Nasdaq:ROIV) と、同社とファイザーの合弁であるPriovant Therapeuticsは、brepocitinibが非感染性ブドウ膜炎の第3相試験二本で主目的を達成したと発表した。27年上期に適応拡大申請する考え。
ファイザーのPF-06700841を導入して開発したJAK/TYK2阻害剤。8月に米国で初の皮膚筋炎治療薬Lisrayaとして承認された。今回の第3相CLARIFY-1と2試験は、二本合計で371人を組入れて、45mgを一日一回、48週間投与する効果を偽薬と比較した。経口コルチコステロイドの漸減(テイパリング)は60mg/日を2週間投与した後、6週間という過去の臨床試験よりも短い期間内に中止するプロトコル。主評価項目は第6週から48週までの期間の治療フェール・リスク(time to event分析)。偽薬比ハザード・レシオは一本が0.27、もう一本が0.22で何れもp値が0.0001を下回った。ちなみに、アッヴィのHumira(adalimumab)のVISUAL 1試験では0.50だった。
網膜浮腫を伴う患者における解消達成率など主要な副次的評価項目も達成した。有害事象による治験離脱率は3%だった。
リンク: プレス・リリース
ノバルティス、申請中の新薬の治験論文が刊行されたが...
(2026年10月21日電子刊行)
ノバルティスはVAY736(ianalumab)を欧米日でシェーグレン疾患用薬として承認申請したことを7月に公表したが、EMA(欧州薬品庁)は2月に承認審査を開始しており、自発的ブラックアウト期間が半年程度あったことになる。同社は承認申請しても直ぐには公表しないのが通例なので意外感はないが、一方で、ストレートに承認されないリスクがあるプロジェクトは公表を控える企業が散見されることも事実である。もしかしたらianalumabにも当てはまるのかもしれない。
New England Journal of Medicine誌に第3相NEPTUNUS-1と同2試験の論文が電子刊行された。成人の活性期シェーグレン疾患患者を一群当り百数十人ずつ組入れた試験で、1試験は300mg月一回皮下注だけを、日本も参加した2試験は月一回に加えて3ヶ月毎皮下注をテストした。
主評価項目の48週ESSDAI(EULAR Sjögren's Syndrome Disease Activity Index)の低下は1試験では6.4点低下し偽薬群の5.1点低下をギリギリ(p=0.0496)下回り、2試験でも月一回投与群は6.5点対5.5点、p=0.041とある程度の有意性を示したが、3ヶ月毎群は6.0点低下でフェールした。今回、唾液分泌刺激テストや口腔乾燥症状などの副次的評価項目の結果も公表されたが、何れも有意水準には達していない。
同社は7月に特に症状の重いシェーグレン疾患570人を300mg月一回皮下注群と偽薬群に割付ける第3相THALASSA試験を開始した。もしかしたら、承認に後ろ向きな国を説得するために薬効再評価が必要になったのかもしれない。
リンク: Marietteらの治験論文
テゼスパイアが好酸球性食道炎に良績
(2026年10月20日発表)
アストラゼネカとアムジェンはTezspire(tezepelumab-ekko)の第3相好酸球性食道炎試験が成功したことを8月に公表したが、UEGW(欧州消化器病週間)でデータを発表した。適応拡大申請する考え。
この両社が共同開発販売している抗TSLP(胸腺間質リンパ球増殖因子)抗体は管理不良重度喘息症や重度CRSwNP(鼻ポリープを伴う慢性副鼻腔炎)に米欧日で承認されている。今回のCrossing試験は食事制限やプロトン・ポンプ阻害剤などによる治療を受けても症候性管理不良の成人・青年を偽薬、低量、高量の3群に割付けて4週毎皮下注射し24週に成果を評価した。共同主評価項目の一つである病理学的完解達成率(食道組織における好酸球数で判定)は各群3.5%、64.8%、68.9%となり2用量とも偽薬比有意。嚥下障害の頻度や重症度(Dysphagia Symptom Questionnaireに基づく患者評価)は各群14.7点、18.8点、22.0点改善し、低量群はp=0.049だが高量群は0.001を下回った。
リンク: プレス・リリース
経口ミノキシジル、第3相が再び成功
(2026年10月19日発表)
米国のVeradermics(NYSE:MANE)はVDPHL01(minoxidil)が第3相脱毛症試験(304試験)で主目的と全ての副次的評価項目を達成したと発表した。類似した内容の第2/3相302試験も成功しており、延長試験や女性試験の結果を待って27年下期にも承認申請に向かうのではないか。
ミノキシジルは塗り薬が広く用いられ米国では経口剤も承認されているが、同社は延長放出性経口剤を開発している。上記二本は米国の施設で18~65歳の軽中度アンドロゲン型脱毛症の患者500人超を偽薬、8.5mg一日一回、同一日二回の3群に無作為合割付けして6ヶ月間投与し、標的領域の平方センチメートル当り毛髪数(TAHC、産毛はカウントしない)の増加を比較した。304試験では各群6.6本、28.6本、36.4本となり、302試験の7.2本、30.3本、33.0本と同様な、有意な治療効果が見られた。患者満足度など副次的評価項目も両試験とも全て達成。有害事象は二本とも、末梢浮腫と多毛症の治療時発現有害事象が数値上は用量依存的に増加した。治療関連深刻有害事象は見られず、心臓関連の特別関心有害事象が発生しなかったことも共通している。二本の試験は被験者を更に半年間、追跡し、忍容性などを確認する。
女性のアンドロゲン型脱毛症に4.5mgを一日一回、または二回、投与する第3相306試験も進行中で27年上期に結果が判明する見込み。第2相では一日一回群は22.7本/cm2、一日二回群は23.3本/cm2増加した。
同社によると、米国のアンドロゲン性脱毛症患者は男性が5000万人、女性は3000万人。こんなに多いなら、過去の脱毛症用薬の適応症のように男性型脱毛症と呼ばないのも頷ける。
リンク: プレス・リリース
Disc Medicine、EPP用薬の第3相が成功、再承認申請へ
(2026年10月19日発表)
米国のDisc Medicine(Nasdaq:IRON)はDISC-0974(bitopertin)が第3相赤芽球性プロトポルフィリン症(EPP)試験で共同主評価項目等を達成したと発表した。第2相に基づく加速承認はFDAに認められなかったが、年内に再承認申請する考え。
EPPは常染色体優性遺伝性希少疾患。ヘム生合成経路に係るフェロケラターゼの遺伝子欠損によりヘム変換が進まずプロトポルフィリンが骨髄や赤血球、皮膚などに蓄積、日光など光線と反応して皮膚の痛みや腫れを起こす。米国で6000人が診断されている。Clinuvel PharmaceuticalsのNC1-RアゴニストScenesse(afamelanotide)がEUで2014年、米で2019年に承認されている。bitopertinはグリシン・トランスポータ1の阻害剤。ヘム生合成に必要なグリシンの供給を妨げる。
第2相試験二本におけるプロトポルフィリンIX抑制作用に基づき25年9月に承認申請、翌月にはCNPV(FDA長官の国家的優先バウチャ)プログラムに指定されたが、今年2月に審査完了通知を受領した。日光過敏を改善する効果やそれに準じる便益が十分に挙証されていないと評価された模様だ。小分子薬なのでCDER部門が担当のはずだが、ヘッドのRichard Pazdurが昨年12月に退任したせいか、審査完了通知に署名したのは生物学的薬などを所管するCBERのヘッドで4月に退任したVinay Prasadなので、上層部のゴタゴタに巻き込まれた可能性もありそうだ。
第3相APOLLO試験は欧米カナダ豪州の施設で12歳以上のEPP患者183人を組入れて60mgを一日一回、経口投与する便益を偽薬と比較した。主評価項目のうち、疼痛無しに光線を浴びることができる時間の増加は偽薬比12.2時間、p=0.001。全血遊離プロトポルフィリンIX量は偽薬比41.4%減少、p<0.001だった。副次的評価項目の光毒性発症頻度なども達成した。
bitopertinはロシュがRO4917838/RG1678として陰性症状優勢の難治統合失調症における第3相を実施したがフェールし、21年に導出したもの。
リンク: プレス・リリース
EyePoint、2本目の第3相もフェール
(2026年10月19日発表)
米国のEyePoint(Nasdaq:EYPT)はDuravyu(vorolanib 硝子体内インサート) の第3相浸出型加齢黄斑変性試験を二本、実施したが、8月のLUGANO試験に続き、LUCIA試験もフェールした。2.7mgを12週毎に投与する効果をaflibercept 2mgを8週毎投与する実薬群と比較したが、1年後のBCVA(最良矯正視力)の改善が2.5対6.0となり、非劣性ではなかった。8月には病気と関係ない視力の低下が見られた症例を除外すれば名目p=0.0096という開示もあったが、今回は無いので、再現されなかったのかもしれない。糖尿病性黄斑浮腫でも第3相が二本進行中で27年第4四半期に開票の見込み。
中国のBetta Pharmaceuticals(貝達薬業、300558.SZ)の関連企業からライセンスしたVEGFR阻害剤vorolanibと同社の特許性生分解性マトリクス技術を組み合わせて長期持効性製剤を開発したもの。
リンク: プレス・リリース
【承認申請】
Biohaven、脊髄小脳失調症の開発品を再申請
(2026年10月22日SEC届出)
Biohaven Pharmaceutical(NYSE:BHVN)は、脊髄小脳失調症(SCA)用薬として開発しているVyglxia(troriluzole)をFDAに再承認申請したとSEC提出開示資料、フォーム8-Kで発表した。25年2月の初回申請は臨床成績や自然歴対照試験のデザインや成績に関する問題を指摘され審査完了となった。今回、ポジティブな内容の支持的解析を追加提出した模様だが、具体的な内容が記されていないので、どの程度説得力があるのか分からない。
活性成分は筋萎縮性側索硬化症用薬Rilutek(riluzole)のプロドラッグ。SCAでは第2/3相試験が実施されたがf-SARA(機能評価尺度)の改善は偽薬並みだった。偽薬群の成績が前提より良かったこともあり、自然歴と比較したところ、f-SARAの悪化が50%小さかった。同社は欧州でも承認申請したが、CHMPの反応が良好でなかったため25年3月に撤回している。
リンク: 同社の8-K
Mundipharmaがエキノカンジンを予防に適応拡大申請
(2026年10月19日発表)
Melinta Therapeuticsはエキノカンジン系rezafunginの導出先であるMundipharmaが10月に米国で侵襲性真菌感染症の予防向けに適応拡大申請したことを明らかにした。優先審査を受け、審査期限は27年第1四半期とのこと。
活性成分は23年3月に米国で、12月にはEUでも、侵襲性カンジダやカンジダ血症の治療薬Rezzayoとして承認されている。今回の適応は第3相ReSPECT試験に基づくものと推察される。他家HSCT(造血幹細胞移植)を受ける成人を組入れた標準療法対照非劣性試験で、心筋症なしで90日間生存した患者の比率が各群60.7%と59.0%となり非劣性が確認された。忍容性も良好だった。
リンク: プレス・リリース
エステトロールがVMSに適応拡大
(2026年10月14日発表)
ハンガリーのGedeon RichterはFylrevy(estetrol)を女性の中重度血管運動症状(VMS)の治療薬としてFDAに承認申請し受理されたと発表した。子宮摘出後の患者に18.9mg、閉経後12ヶ月以上経った患者には14.2mgまたは18.9mgを投与する。27年第3四半期に結果が判明する見込み。
活性成分はヒト・エストロゲン。drospirenone配合剤が欧米で経口避妊薬、日本では月経困難症治療薬として承認されている。VMS用途では3月に欧州委員会に承認された。
リンク: プレス・リリース
【承認】
Keytrudaの高TMB適応が閾値を変えて本承認
(2026年10月22日発表)
FDAはMSDのKeytruda(pembrolizumab)とその皮下注用製剤のTMB-H(高腫瘍遺伝子変異量)型固形癌における適応を、加速承認から本承認に切替えたと発表した。ゲノムコーディング領域1メガ塩基あたりの非同義体細胞遺伝子変異数に関する閾値が、10変異以上から13変異以上に変更された。エビデンスとなる試験で10~12変異の症例には十分な効果が確認されなかったため。
レーベルに記載された症例は102例から220例に増加している。腫瘍ごとのORR(客観的反応率)は症例数が少ないことや基準変更により結構変わった。
図表:KeytrudaのTMB-H腫瘍におけるORR
| 症例数 | ORR | 95%信頼区間 | |
|---|---|---|---|
| 全腫瘍 | 220 | 36% | 30%, 43% |
| 子宮頸癌 | 28 | 39% | 22%, 59% |
| 小細胞性肺癌 | 25 | 36% | 18%, 57% |
| その他の腫瘍 | 21 | 24% | 8%, 47% |
| 内膜腫 | 19 | 53% | 29%, 76% |
| 乳癌 | 18 | 39% | 17%, 64% |
| 神経内分泌腫 | 17 | 47% | 23%, 72% |
| 外陰癌 | 15 | 33% | 12%, 62% |
| 肛門癌 | 11 | 18% | 2%, 52% |
| 結腸直腸癌 | 10 | 10% | 0.3%, 45% |
| 尿路上皮癌 | 10 | 30% | 7%, 65% |
| 胆管肉腫 | 8 | 25% | 3%, 65% |
| 軟組織肉腫 | 8 | 25% | 3%, 65% |
| 皮膚扁平上皮腫 | 8 | 75% | 35%, 97% |
| 基底細胞癌 | 6 | 17% | 0.4%, 64% |
| 食道扁平上皮腫 | 6 | 33% | 4%, 78% |
| 原発不明癌 | 5 | 40% | 5%, 85% |
| 唾液腺癌 | 5 | 60% | 15%, 95% |
リンク: プレス・リリース
ユルトミリスがIgA腎症に承認
(2026年10月21日発表)
アストラゼネカは長期作用性C5補体阻害剤Ultomiris(ravulizumab-cwvz)が米国でIgA腎症に適応拡大したと発表した。成人の疾病進行リスクが高いIgA腎症に投与して蛋白尿を削減する。日本も参加した第3相I CAN試験で34週24時間UPCR(尿蛋白クレアチニン比)が偽薬調整後で43.4%低下した。他のIgA腎症用薬と同様に、まず加速承認を獲得、106週eGFR(推算糸球体濾過量)の改善を確認したら本承認に切替える考え。日本でも適応拡大申請中。
Ultomirisは日米欧などで発作性夜間ヘモグロビン血症、抗AChR抗体陽性全身性重症筋無力症、成人の抗アクアポリン4抗体陽性視神経脊髄炎、非典型溶血性尿毒症症候群にも承認されている。
リンク: プレス・リリース
HBV治療薬ヒブサーゴが米国でも承認
(2026年10月20日発表)
FDAはHibsago(bepirovirsen)を成人の肝硬変を合併していない慢性B型肝炎の治療薬として承認した。逆転写阻害剤による治療を6ヶ月以上継続してHBV DNA量を抑制できている、B型肝炎表面抗原(HBsAg)水準が3000IU/mL以下の患者が適応になる。慢性B型肝炎では初めての、上手くいけば薬物療法を中止できる可能性のある、機能的治癒を目指し得る薬だ。日本で8月に世界初承認、中国や欧州でも承認申請中。
GSKがIonis Pharmaceuticals(Nasdaq:IONS)からライセンスした、B型肝炎ウイルスの表面抗原などの発現を妨げるアンチセンス薬。第3相試験二本で安定した量のヌクレオチド/ヌクレオシド・アナログ(NA)による治療を受けている患者に300mgまたは偽薬を追加投与し(最初の2週間は週2回、その後は1回、皮下注を24週間反復)、その後はNAだけを24週間投与したところ、試験薬群は24%が投与中止基準を達成した(偽薬群はゼロ)。更に24週間後に検査したところ、2試験合計1220人中233人19%がウイルス管理を維持していた。
枠付き警告は、高ビリルビン血症を伴うこともあるALT値の著増と、命に係わることもある血小板減少症。どちらも開始前と開始後の定期的な検査が推奨される。
コンパニオン診断アッセイとしてロシュのElecsys HBsAg II quant II RxDxも承認された。
リンク: プレス・リリース
抗PD-1抗体がMSI-H/dMMR直腸癌に適応拡大
(2026年10月19日発表)
FDAはGSKの抗PD-1k抗体Jemperli(dostarlimab-gxly)を成人のMSI-H/dMMR(高マイクロサテライト不安定性/ミスマッチ修復機能不全)型のステージII/III局所進行直腸癌に適応拡大を加速承認した。CNPV(FDA長官の国家的優先バウチャ)指定されており、申請受理から2ヶ月で承認された。
日本も参加した第2相AZUR-1非対照試験に154人を組入れて500mgを3週毎に9回、点滴静注したところ、評価対象116人中47%がcCR12(12ヶ月持続臨床的完全反応、独立中央評価)を達成した。更に、cCRを維持しているが未だ12ヶ月に到達していない患者も33%いた。深刻有害事象の発生率は20%だった。
直腸摘出術はQOL面で嫌がる患者もいるため、代替的な選択肢になり得る。
リンク: FDAのプレス・リリース
リンク: FDAの小分子薬部門、CDERのプレス・リリース
phentolamineが老眼に適応拡大
(2026年10月16日発表)
Opus Genetics(Nasdaq:IRD)はFDAがRyzumvi(phentolamine点眼液)を老眼治療薬として承認したと発表した。23年にアドレナリン作用剤や副交感神経遮断剤による瞳孔散大の治療薬第1号として承認された、アルファ1・アルファ2アドレナリン・アンタゴニスト。ヴィアトリスが販売している。老眼治療では8日間反復投与後12時間経った時点における奏効率(両眼距離補正近見視力がETDRS視力検査表で3行以上改善するとともに、両眼最良矯正遠近視力が5字以上悪化しない)が27%と偽薬群の12%を有意に上回った。有害事象は結膜充血や点眼箇所の掻痒など。
リンク: プレス・リリース
【当面の主なFDA審査期限と諮問委員会】
| PDUFA | |
|---|---|
| 26/10推 | アッヴィのRinvoq(upadacitinib、非分節型白癬) |
| 26/10/29 | Sun PharmaceuticalのIlumya(tildrakizumab-asmn、乾癬性関節炎) |
| 26/10/30 | Inovio PharmaceuticalsのINO-3107(難治呼吸器乳頭腫) |
| 26/11推 | Merck KGaAのpimicotinib(腱滑膜巨細胞腫) |
| 26/11推 | バイエルのBAY 2433334(asundexian、虚血性脳卒中再発予防) |
| 26/11推 | JNJのTecvayli(teclistamab-cqyv、多発骨髄腫単剤4次治療) |
| 26/11推 | Dizal PharmaceuticalのZegfrovy(sunvozertinib、EGFR ex20ins変異のあるNSNSCLC1L) |
| 26/11推 | ロシュのGazyva(obinutuzumab、原発性膜性腎症) |
| 26/11推 | ファイザーのTalzenna(talazoparib)とアステラス/ファイザーのXtandi(enzalutamide)の併用(去勢感受前立腺癌) |
| 26/11推 | Regeneron PharmaceuticalsのALN-CC5(cemdisiran、全身性筋無力症) |
| 26/11/1 | Agios Pharmaceuticalのmitapivat(鎌状赤血球症適応拡大) |
| 26/11/14 | Summit tderapeuticsのSMT112(ivonescimab、3G EGFR阻害剤歴のあるEGFR変異陽性非扁平上皮非小細胞性肺癌) |
| 26/11/14 | CytokineticsのMyqorzo(aficamten、MAPLE-HCM試験データ) |
| 26/11/17 | Mandos LLC(Beren tderapeuticsの子会社)のVTS-270(adrabetadex、ニーマン・ピック病I型) |
| 26/11/22 | SavaraのMolbreevi(molgramostim、吸入用、自己免疫性肺胞蛋白症) |
| 26/11/22 | Capricor TherapeuticsのCAP-1002(deramiocel、DMD) |
| 26/11/25 | サノフィのSAR402671(venglustat、III型ゴーシェ病) |
| 26/11/27 | BridgeBio PharmaのBBP-418(ribitol、肢帯型筋ジストロフィー2I/R9型) |
| 26/11/27 | Zydus Therapeuticsのsaroglitazar(原発性胆汁性胆管炎) |
| 26/11/27 | Nuvalent(GSKグループ)のNVL-655(neladalkib、TKI歴のあるALK+NSCLC) |
| 26/11/28 | PolypidのD-PLEX100(doxycycline長期局所放出製剤、 |
| 26/11/30 | ロシュのRG6171(giredestrant、早期乳癌術後療法) |
| 26/11/30 | Vertex Pharmaceuticalsのpovetacicept(IgG腎症) |
| 26/11/30 | Cogent BioscienceのCGT9486(bezuclastinib、GIST2L) |
| 諮問委員会 | |
| 26/10/30 | DODAC:SydnexisのRyjunea(atropine、小児進行性近視) |
今週は以上です。