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5月, 2025の投稿を表示しています

第1209回

【ニュース・ヘッドライン】 米連邦政府、トリ・インフルエンザ・ワクチンの開発助成を終了  ASCO:ビラフトビの結腸直腸癌試験が成功  抗IL-33抗体のCOPD試験は一勝一敗に  抗PD-1xVEGF二重特異性抗体の第3相は判然としない結果に  塩違いオラペネムのcUTI試験が成功  モデルナ、LP.8.1対応ワクチンを承認申請  第一三共、延命効果が確認できずher3標的ADCの承認申請を取下げ  バース症候群用薬は承認されず  自己免疫性肺胞蛋白症用薬の承認申請が受理されず  新規作用機序のドライ・アイ治療薬が承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 米連邦政府、トリ・インフルエンザ・ワクチンの開発助成を終了 (2025年5月28日発表) モデルナはmRNA-1018(H5トリ・インフルエンザ・ワクチン)の開発に当たって米国連邦政府から24年7月に1.76億ドルの助成金を獲得し、今年1月には更に最大5.9億ドルの助成金で合意したばかりだが、後期開発助成金とプリパンデミック・インフルエンザ・ワクチン購入権を終了するとの通知を受けた。 この開発品は第1/2相免疫原性試験で良好な抗体誘導能や安全性を示した由であり、同社は代替的な開発手段を検討する考え。実用化しても流行しなければ需要が発生しないし、流行したとしてもウイルス型がプロトタイプで採用したRNAと適合するか分からない高リスクプロジェクトなので、米国が駄目なら他の国や機関と交渉することになるのではないか。 HHS(米国連邦保健福祉省)長官のRobert F. Kennedy Jr.は予てより、一部のワクチンの安全性に懸念を表明しており、COVID-19大流行期には同社のmRNAワクチンを始めとするCOVID-19ワクチンにも否定的な見解を示していた。トリ・インフルエンザは鳥では散発的な集団感染が見られるがヒト感染例は限られていることなども考慮したのかもしれない。 リンク: 同社のプレスリリース 【新薬開発】 ASCO:ビラフトビの結腸直腸癌試験が成功 (2025年5月30日発表) ファイザーはASCO(米国臨床腫瘍学会)でBraftovi(encorafenib)の第3相BREAKWATER...

第1208回

【ニュース・ヘッドライン】 トランプ政権、製薬会社に最恵国薬価を要求  FDA、COVID-19ワクチンで方針変更  FDA諮問委員会、COVID-19ワクチン株選定に意見分かれる  ASCO:大鵬ら、ex20ins変異キラーのデータ発表  ApoC-IIIアンチセンス薬の中度高TG血症試験が成功  二剤併用による睡眠時無呼吸試験が成功  BI、肺線維症新薬の成績発表  喘息症増悪治療用合剤の追加第3相が成功  モデルナ、COVID-19・インフルエンザ混合ワクチンの申請を撤回  CHMP、新規CAR-Tなどの承認を支持  Susvimoが糖尿病性網膜症に適応拡大  ヌーカラが好酸球性COPDに適応拡大 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 トランプ政権、製薬会社に最恵国薬価を要求 (2025年5月20日発表) トランプ米国大統領は米国の医薬品が著しく高い状態を是正するために製薬会社に薬価を引き下げを求める大統領令に署名した。30日以内に目標水準を公表する。製薬会社が応じない場合は立法化に動く。貿易赤字是正のための巨大関税と同様な、最初に口先だけでぶち上げて譲歩を迫る戦略だろう。 対象はあらゆる医薬品。目標となる最恵国薬価は、OECD加盟国のうち一人当たりGDPが米国の6割以上の国(スペインやエストニア辺りまでか)の中で最低の価格。 内外格差の解消は米国外の薬価を上げるという方法もあるが、実現するにしても時間がかかるので、この抜け道は塞がれたと考えてもいいだろう。外国政府と異なり米国の製薬会社や子会社は司法に救済を求めることが可能なので、メディケアで課せられた特定品目の薬価引き下げと同様に、裁判で争うことになりそうだ。 このほかに、カナダで米国より低い価格で販売されている薬の輸入販売を州政府が容認するプログラムにFDAが協力することなどを改めて発表した。 リンク: HHS(米保険福祉省)のプレスリリース リンク: 大統領令(5月12日付) FDA、COVID-19ワクチンで方針変更 (2025年5月20日発表) FDAでワクチンなど生物学的製剤を担当するCBERのヘッドに就任したV. Prasadディレクターが、MakaryFDA長...

第1207回

  【ニュース・ヘッドライン】 EMA、今冬のCOVID-19ワクチンにLP.8.1株を推奨  キイトルーダの卵巣癌試験が成功  心ミオシン阻害剤の実薬対照試験が成功  ノボ、週一回皮下注用成長ホルモンを3疾患に適応拡大申請  Travere社、FilspariをFSGSに適応拡大申請  インサイトの抗PD-1抗体が肛門管癌に適応拡大  アッヴィのADCが承認  MSDのHIF-2アルファ阻害剤がPPGLに適応拡大  FDAがcetirizineの稀だが深刻な離脱症状を警告  米国も高齢者のIxchiq接種を停止へ  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 EMA、今冬のCOVID-19ワクチンにLP.8.1株を推奨 (2025年5月16日発表) EMAのETF(非常事態タスク・フォース)は25/26年シーズンのCOVID-19ワクチンにLP.8.1株抗原を配合するようメーカーに求めるよう推奨した。現行のJN.1株またはKP.2株ベースのワクチンで良しとするWHOと見解が分かれた。 LP.8.1株はオミクロンJN.1系統の変異株で、受容体結合親和性が高く、感染やワクチン接種による免疫から逃避する能力も高い。MC.10などの新規変異株と比べても増殖有意性を持つ。米国では4月27日の週の感染例の7割を占めた(CDC推定)。欧州でも増加している。 対応ワクチンが導入されるまでは現在承認されているワクチンの使用を容認する。 米国政府は新規変異株対応COVID-19ワクチンの承認に際して大規模な偽薬対照試験を求める可能性が浮上してきている模様だが、ETFは現行の試験で十分と評価している。 リンク: EMAのプレスリリース リンク: EMAの説明資料 【新薬開発】 キイトルーダの卵巣癌試験が成功 (2025年5月15日発表) MSDはKeytruda(pembrolizumab)が第3相白金抵抗性卵巣癌試験の中間解析で主目的を達成したと発表した。データは未発表。卵巣癌領域で初めて適応拡大申請に向かうのではないか。 この日本の施設も参加したKyeNote-B96/ENGOT-ov65試験は、paclitaxel(bevacizumab追...

第1206回

  【ニュース・ヘッドライン】 イミフィンジのNMIBCアジュバント試験が成功  GSK、iBAT阻害剤のPBC掻痒治療試験が成功  エンハーツの早期乳癌術前療法試験が成功  Aldeyra社、再々申請用試験が成功  ビレーズトリの喘息症試験が成功  エプキンリの濾胞性リンパ腫試験が成功  Lantheus社、PSMA標的放射性核種の開発を断念  ノボ、経口GLP-1作用剤を肥満症に承認申請  ヌーカラの適応拡大も遅延  心ミオシン阻害剤の審査期限が延期  希少卵巣癌の新薬2剤の併用が承認  EMA:5アルファ還元酵素阻害剤に自殺リスク  EMA、チクングニア熱ワクチンを65歳以上に接種しないよう暫定的勧告  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【新薬開発】 イミフィンジのNMIBCアジュバント試験が成功 (2025年5月9日発表) アストラゼネカは抗PL-L1抗体Imfinzi(durvalumab)が第3相POTOMAC試験で主目的を達成したと発表した。ファイザーに続いて承認申請となるのではないか。 この試験は、NMIBC(筋層非浸潤膀胱癌)のTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を受けた再発進行リスクの高い患者1018人を組入れて、BCGによる標準療法(導入と維持)に追加する便益を検討した。DFS(高リスク疾患の再発または進行なく生存)に統計的有意且つ臨床的に意味のある改善が示された。数値は未公表。全生存の解析は検出力不足だが悪影響は見られなかった。忍容性は二剤の過去の経験と同様だった。尚、BCGを導入療法だけに抑えてImfinziを追加した群のDFSはフェールした。 ファイザーは4月にAUA(米国泌尿器学会)で抗PD-1抗体PF-06801591(sasanlimab)が第3相CREST試験で主目的を達成したことを明らかにしている。BCG標準療法に追加した群のEFS(高グレード疾患再発、進行、または持続的CISなく生存)が標準療法群比ハザードレシオ0.68だった。全生存期間は中間解析で両群差がなかった。一方、BCGを導入療法だけに抑えてsasanlimabを追加した群はハザードレシオ1.16でPFSに有意差がなかった。ファイザーは当局に報告済みとのことなので、承認申請を視野に入れ...

第1205回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19ワクチンに朗報、しかし新たな懸念も  ファイザー、抗PD-1抗体の膀胱癌術前術後投与試験が成功  AACR:BIのher2阻害剤の治験成績  AACR:キイトルーダの頭頚部癌付随療法試験が成功  アストラゼネカ、トルカプの第3相通算成績が二勝二敗に  ノバルティス、蕁麻疹用btk阻害剤を承認申請  Telixの脳腫瘍造影剤は承認されず モデルナ、COVID-19・インフルエンザ混合ワクチンの承認が遅延へ  バース症候群用薬の承認がまたまたまた遅延  JNJの筋無力症用薬が承認  劣性栄養障害型表皮水疱症の遺伝子療法が承認  リンヴォックが巨細胞動脈炎に適応拡大  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 COVID-19ワクチンに朗報、しかし新たな懸念も (2025年4月24~30日発表) 第2次トランプ政権でワクチンなどの安全性に懐疑的な医学者が公衆衛生を担う主要官庁のトップに就任して以来、方針転換の動きが活発化しているか、無事にやり過ごせそうな事例も出始めた。 Novavax(Nasdaq:NVAX)は、COVID-19ワクチンの本承認切替申請がなかなか認められないが、市販後試験の要請を受け回答したとのこと。承認審査手続きが最終段階に入ったのだろう。 更に、Vaxart (Nasdaq:VXRT)の経口COVID-19ワクチンも後期第2相試験を再開できそうだ。BARDA(生物医学先端研究開発局)などの政府補助金を得て昨年9月に開始したが、今年2月に事業中止命令(Stop work order)を受領した。撤回/変更されない限り90日以内に終了するはずだったが、このたび、撤回通知を受領した。当初の予定通り、KP.2対応品を用いて1万人規模のmRNAワクチン対照感染予防試験を開始する考え。 一方で、新たな懸念材料も浮上した。CNNなどの報道によると、ケネディFDA長官のイニシアティブで、新規ワクチンの開発に際して偽薬対照安全性確認試験の実施が求められることになった。近年の画期的ワクチンは数万人規模の偽ワクチン対照試験が実施されたが、開発中のCOVID-19ワクチンのように大規模な偽ワクチン対照試験を実施するのが倫理に反する可...