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6月, 2023の投稿を表示しています

第1108回

  【ニュース・ヘッドライン】 ACIP、委員はRSVワクチンを強力勧奨せず  第二のチクングニア熱ワクチンが第3相で良績  キイトルーダ、胃癌術前術後療法試験の結果は今一つ  NASH用薬は承認されず  硝子体網膜リンパ腫用MTXも承認されず  F2Gの抗真菌薬も承認されず  EU、アッヴィの片頭痛用薬などに肯定的意見  第二の円形脱毛症用JAK阻害剤が承認  DMD遺伝子療法が加速承認  ヴィフガートの皮下注用新製剤が承認  コルヒチンが冠動脈疾患に承認  ファイザーのPARP阻害剤が前立腺癌に適応拡大 【今週の話題】 ACIP、委員はRSVワクチンを強力勧奨せず (2023年6月21日回刺し) CDC(米国疾病予防管理センター)はACIP(ワクチン接種諮問委員会)を招集し、5月に承認されたGSKとファイザーのRSVワクチンを接種勧奨する当否について意見を聞いた。FDAに承認された適応は60歳以上だが、報道やホームページにアップされたプレゼン・スライドによると、CDCは65歳以上だけに勧奨を想定していて、委員は、医師と相談した上で希望する場合という条件を付けた上で、60~64歳に関しては13人が接種勧奨に賛成、一人は棄権、65歳以上は賛成9人、反対5人と票が分かれた。60歳以上の全員に勧奨と予想していたので大変意外だ。60~64歳より65歳以上のほうが後ろ向きな委員が多かった理由は分からない。夫々の症例数やワクチン効率を見る限りでは大きな差があるようには思えない。 本人が希望すれば、という手順前後のような前提を付けた理由の一つは、他のワクチンと同時接種する時の免疫原性や安全性に関するエビデンスが少ないことのようだ。RSVもインフルエンザも冬に多いので今秋はCOVID-19ワクチンと合わせて同時期に(高齢者や医療従事者の手間を考えれば同日に)三本打つことになるが、臨床試験の裏付けがあるのはCOVID-19ワクチンとインフルエンザ・ワクチン、あるいはRSVワクチンとインフルエンザ・ワクチンの二本同時接種だけだ。GSKのArexvy(一価ワクチン、アジュバント配合)を4価インフルエンザ・ワクチンと同時接種した試験では2人(0.5%)がADEM(急性播種性脳脊髄炎)を発症し一人は死亡したことも、発生率が...

第1107回

  【ニュース・ヘッドライン】 キイトルーダ、her2陽性胃GEJ腺腫の適応範囲を制限へ  金製剤の第2相ALS試験でNfL抑制作用を発見  スキリージの潰瘍性大腸炎維持療法試験が成功  反応性アルデヒド種調節剤のアレルギー性結膜炎試験が成功  アストラゼネカ、AKT阻害剤を乳癌に承認申請  米国版タケキャブを再承認申請  ロシュ、優しいCD20xCD3抗体が承認  心ミオシン・インヒビターが効能追加  アラジール症候群に適応拡大  【新薬開発】 キイトルーダ、her2陽性胃GEJ腺腫の適応範囲を縮小へ (2023年6月16日発表) MSDはKeytruda(pembrolizumab)の第3相KeyNote-811試験の共同主評価項目のうちPFS(無進行生存期間、盲検独立中央評価)を中間解析で達成したと発表した。既に加速承認されている適応・用法だが、効果が見られたのは専らPD-L1陽性(CPS≧1)だけだったため、適応範囲を限定する方向で承認審査機関と相談する考え。 この試験はher2陽性の進行胃・食道胃接合部腺腫の一次治療を受ける患者を対象に、化学療法とtrastuzumabのレジメンにKeytrudaを追加する便益を偽薬追加群と比較した。もう一つの主評価項目である全生存期間は中間解析の閾値に到達していない模様で、引き続き追跡する。 Keytrudaはこの試験の副次的評価項目の一つであるORR(客観的反応率、盲検独立中央評価)の中間解析が74%と偽薬追加群の52%を有意に上回り、メジアン反応持続期間も10.6ヶ月対9.5ヶ月で上回ったため、主評価項目の開票を待たずに21年に米国で加速承認された。やはり、ORRは当てにならず奏効率などと患者をミスリードする呼び方をすべきではないのだろう。 Opdivoの米国における同様な承認も加速承認で、他の試験で延命またはそれに準じる効果を挙証する必要がある。加速承認のエビデンスとなるデータもPD-1低発現サブグループの数値は今一つだったので、おそらく、クラスイフェクトなのだろう。 リンク: MSDのプレスリリース 金製剤の第2相ALS試験でNfL抑制作用を発見 (2023年6月15日発表) 米国ユタ州のClene(Nasd...

第1106回

【ニュース・ヘッドライン】 ジェコビデンのEUAを取消  EHA:抗C5抗体不十分応答にD因子阻害剤を追加  EHA:本家の抗C5リサイクリング抗体が先輩並みの効果  家ダニの減感作療法の小児試験が成功による  ASCO:エンハーツが様々なher2陽性癌に良績  オンデキサの市販後薬効確認試験が成功  ASCO:IDH阻害剤はIDH変異型グレード2神経膠腫に有効  ASCO:新患cHLの多剤併用療法にオプジーボ追加が有効  ASCO:キイトルーダは二勝一敗  ASCO:豪華な併用レジメンが卵巣がんの一次治療に有効  抗CTGF抗体のDMD試験がフェール  遺伝子編集薬が米国でも承認申請  MSD、キイトルーダを胆道癌に承認申請  GSK、抗PD-1抗体をdMMR/MSI-H内膜腫に承認申請  ASCO:カービクティを二次治療に適応拡大申請  FDA諮問委員会、レカネマブの本承認にGo!  FDA諮問委員会、新規RSV感染症予防薬の承認を支持  Rubracaの適応拡大は承認されず  プレバイマスが腎移植レシピエントに適応拡大  【今週の話題】 ジェコビデンのEUAを取消 (2023年6月2日発表) FDAはジョンソン・エンド・ジョンソン・グループのJanssen BiotechのCOVID-19ワクチンのEUA(非常時使用認可)を取消した。メーカー側が自発的返上を要請してきたため。このアデノウイルス26型をベクターとするワクチンは21年に米国でEUA、EUでも条件付き承認、22年には日本でも承認され、初回接種に一回筋注だけで効果があることが評価された一方で、予防効果はmRNAワクチンに見劣りし、極稀だが深刻な有害事象も見られたことから、需要が伸び悩んだ。米国政府が保有する在庫有効期限が失効し追加調達の計画もないこと、そして、JNJは現在の流行の中心であるXBB株に対応したワクチンを開発する意思がないことから、取消しに至った。 EUAは公衆衛生上の緊急事態宣言に対応するもので、宣言が終了した今日では、いつ取り消されても不思議はない。 リンク: FDAのプレスリリース 【新薬開発】 EHA:抗C5抗体不十分応答にD因子阻害剤を追加 (2023年6月9日発表) ア...

第1105回

  【ニュース・ヘッドライン】 ノバルティスのCDK4/6阻害剤も乳癌術後薬物療法試験が成功  抗生剤の新規組み合わせが難治感染症に有効  ファイザー、新種の血友病用薬の第3相が成功  アストラゼネカは抗IL-23抗体の開発を中止  BMSもROS1阻害剤を承認申請  中華抗PD-1抗体とVEGFR阻害剤を米国でも承認申請  バフセオを米国で再申請へ  AmylyxのALS用薬、CHMPからネガティブなフィードバック  リムパーザがBRCA変異前立腺癌に適応拡大  ファイザーの高齢者RSVワクチンも承認  【新薬開発】 ノバルティスのCDK4/6阻害剤も乳癌術後薬物療法試験が成功 (2023年6月2日発表) ノバルティスは3月にKisqali(ribociclib)の第3相NATALEE試験が中間解析で目的達成した旨明らかにしたが、詳細をASCO(米国臨床腫瘍学会)で発表した。年内に欧米で適応拡大申請する予定。日本での開発は6年前に何故か打ち切られている。 ステージIIとIIIのホルモン受容体陽性、her2陰性の乳癌を切除した約5100人を組入れて、内分泌療法に加えて400mgを21日連続服用し7日休薬するスケジュールで3年間投与する効果を内分泌療法のみの群と比較したところ、iDFS(侵襲的再発なく生存)のハザードレシオが0.748と、統計的にも臨床的にも有意な結果になった。全生存期間の中間解析も0.759と好ましいトレンドが見られた。 iDFSのサブグループ分析では、ステージIIが0.76、IIIは0.74、と癌やリンパ節転移の進行がそれほど進んでいない症例でも同様な効果が見られた。リンパ節転移のない患者も600人程度組入れられ、0.63と有意ではないが好ましい数値が出た。 用量を転移癌における600mgから減らしたが、肝機能検査値異常などによる服用中止が散見された。 イーライリリーのCDK4/6阻害剤Verzenio(abemaciclib)は一足先にステージIII限定のmonarchE試験が成功、米日欧で適応拡大が認められた。ハザードレシオは0.653なので、Kisqaliの数値はやや見劣りする。一方で、ステージIIも承認されれば潜在的な対象患者数はVerzenioの2倍以上に拡大...