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海外医薬品ニュース週末版 2012年6月24日号

今週はCHMP月例会議の結果発表と副作用関連の話題があった為、長文になってしまいました。台風と同じで、こんな日もあると大目に見て頂けると幸いでする。 【ニュース・ヘッドライン】 ノボ ノルディスクも週一回投与型GLP-1作用剤で第三相試験へ ファイザーのザーコリは薬効確認試験が成功 ロシュのPerjetaは全生存の解析も成功 FDA諮問委員会が多発骨髄腫の新薬を支持、超低分子量ヘパリンは支持せず CHMPが複数の新薬に肯定的評価 ファイザーの超希少疾患用薬はFDAに承認されず イグザレルトの急性冠症候群再発予防もFDAに承認されず セルジーンが欧州でレブラミドの一次治療承認申請を撤回 フィニバックスで院内感染肺炎を治療する時は用量用法に注意 オルメテックに又々副作用疑惑 【新薬開発】 ノボ ノルディスクも週一回投与型GLP-1作用剤で第三相試験へ ノボ ノルディスクは週一回投与型GLP-1作用剤NN9535(semaglutide)の二型糖尿病第三相試験を2013年に開始することを6月21日に発表した。複数の試験に計8000人以上を組入れる予定。第二相試験は数年前に完了していたのだが、同社のVictoza(liraglutide、和名ビクトーザ、一日一回皮注)の長期徐放製剤と比較検討していたため、遅れた。薬効自体はliraglutideと同程度である模様なので、作用の安定性などが優れているのだろう。 GLP-1作用剤は他のインスリン分泌促進剤と異なり低血糖が起こり難く、穏やかな体重抑制作用を持つことが特徴。アミリン(Nasdaq: AMLN)が2005年に第一号のByetta(exenatide、和名バイエッタ、一日二回皮注)を米国で発売した。しかし、注射薬であることなどが原因で売上高が期待されたほど伸びていない。 このため、週一回型の開発が活発化しており、アミリンが2011~2012年に欧米でexenatideの長期徐放製剤Bydureonを発売したのに続き、2013年にはグラクソ・スミスクラインがGSK716155(albiglutide)を、イーライリリー/ベーリンガー・インゲルハイムはLY2189265(dulaglutide)を、夫々承認申請する予定だ。 夫々に異なった技術を用いているので、血糖降下作用や体重減少作用、あるいは副作用のプロファイルがどの程度...

海外医薬品ニュース週末版 2012年6月17日号

ニュース・ヘッドライン ADA:イーライリリーの長期作用性インスリンが初お目見え MSDの不眠症治療薬の第三相試験が成功 サノフィが抗CD52抗体を多発性硬化症に承認申請 ADA:ランタスと高濃度オメガ3ポリ不飽和脂肪酸の心血管アウトカム試験がフェール コンサルティング会社のレポート紹介 新薬開発 イーライリリーの長期作用性インスリンが初お目見え イーライリリーがベーリンガー・インゲルハイムと共同開発している長期作用性インスリン、LY2605541の第二相試験結果がADA米国糖尿病学会科学部会で発表された。全体としてみれば効果や安全性はサノフィのLantus(insulin glargine、和名ランタス)と大差なさそうだが、体重が低下したことと、肝毒性の兆しが見られたことが注目される。 LY2605541のプロファイルはベールに包まれていたが、同社の短期作用性インスリンHumalog(insulin lispro、和名ヒューマログ)にポリエチレン・グリコールを結合してPEG化したもののようだ。「ファンクショナル・サイズ」が7~10万ダルトンと大きいため、注射後の末梢作用が通常のインスリン製剤より小さく、膵臓から分泌される内在性インスリンと同様に肝臓で代謝された後に作用する。このため、脂肪が増加しにくく、血中のトリグリセライドは増加する。 第二相試験ではLantus群と同程度にHbA1cを管理できた。一型糖尿病患者を組入れた試験では低血糖症が有意に多かったが、夜間低血糖は少なかった。体重は8週間の治療でLantus群が平均1kg程度増加したのに対して、LY2605541群は1kg減少した。一方で、肝機能検査値の上昇が見られた。上記の薬物動態上の特性を考えれば、薬との関連性を疑う余地があり、投与を続けるうちに上げ止まる、あるいは元に戻るかどうか、そして、症候性肝障害が発生するかどうかを確認する必要がありそうだ。 リンク: 両社のプレスリリース MSDの不眠症治療薬の第三相試験が成功 MSD(米国のメルク)は、慢性不眠症の治療薬MK-4305(suvorexant)の第三相試験結果を学会発表すると共に、プレスリリースで概要を公表した。多くの評価項目の解析が成功し、長期的に連続投与しても効果が維持されることと、忍容性面で大きな問題はないことを確認した。年内に承認申請予定。...

海外医薬品ニュース週末版 2012年6月10日号

(リンク先は殆どが英文です。改行で切れてしまう場合があります) ニュース・ヘッドライン ASCO:GSKの二剤の転移性黒色腫第三相試験が成功 ASCO:ベーリンガーのafatinibの肺癌試験が遂に成功 ASCO:バイエルのregorafenibはGIST試験も成功 MSD/アリアドのmTOR阻害剤は承認されず ノボの新型インスリンの承認が遅延 ロシュの新規抗癌剤が米国で承認 レグパラの心血管アウトカム試験がフェール 新薬開発 GSKの二剤の転移性黒色腫第三相試験が成功 グラクソ・スミスクラインの二種類の化合物をテストした末期・転移性黒色腫第三相試験が何れも成功した。ASCO(米国臨床腫瘍学学会)で発表され、日本たばこから導入したMEK1/2阻害剤、trametinibの試験はNew England Journal of Medicineのホームページで論文も同時刊行された。 trametinibのMETRIC試験はbrafという腫瘍関連遺伝子にV600E又はV600Kというアミノ酸置換変異を持つ患者(3分の2は治療未経験)を対象にPFS(無増悪生存期間)を化学療法(dacarbazine又はpaclitaxel)と比較したところ、メジアン4.8ヶ月と化学療法群の1.5ヶ月を上回り、ハザードレシオ(HR)は0.45、pは0.001未満だった。オーブンレーベル試験なので第三者評価に基づく解析も行われたが、HRは0.42と大差なかった。 この試験は全生存期間の解析は行われていない。治験開始後にロシュやBMSの新薬が承認され増悪後の治療に偏りが生じる懸念が発生したことが原因である模様だ。クロスオーバー(化学療法群に割当てられていた患者が増悪・治験離脱後にtrametinibを使う)を認めた。尤も、延命効果を示唆するデータもある。6ヶ月生存率が81%と化学療法群の67%を上回ったことだ。 重度以上の有害事象はラッシュ、疲労、高血圧など。braf阻害剤と異なり扁平上皮腫は増えなかった。GSKは承認申請する予定。 もう一つはbraf阻害剤dabrafenibのBREAK3試験で、brafのV600E変異を持つ転移性黒色腫の一次治療薬としての効果をdacarbazineと比較した。メジアンPFSは5.1ヶ月と対照群の2.7ヶ月を上回り、HRは0.30、pは0.0001を下回った。...

海外医薬品ニュース週末版 2012年6月3日号

(リンク先は殆どが英文です。改行で切れてしまう場合があります) ニュース・ヘッドライン ASCO:BMS/小野のPD-1標的薬が複数の癌に有望な成果 ASCO:Zytigaの一次治療試験が成功 ASCO:ロシュのT-DM1は転移性乳癌の二次治療として有望 ASCO:アバスチンは何度でも使える? SGLT2阻害剤が米国で承認申請 エグゼリキシスが甲状腺髄様腫用薬を米国で承認申請 血小板が少なくC型肝炎治療を受けられない患者の為に アクトスの膀胱癌リスク 新薬開発 BMS/小野のPD-1標的薬が複数の癌に有望な成果 ASCO(米国臨床腫瘍学会)が始まった。今年の目玉第一弾は、BMSの抗PD-1完全ヒト化抗体、BMS-936558だ。200人以上を組入れた大規模な第一相試験で肺癌、黒色腫、腎細胞癌に有望な成果を挙げた。 PD-1は活性化したT細胞に発現する抑制刺激受容体で、京都大学の本庶佑教授が発見し1992年に論文発表した。癌細胞ではレガンドであるPD-L1やPD-L2が多く存在し、T細胞の殺細胞力を妨げている。PD-1やレガンドをブロックしてやれば、免疫力を強化できるかもしれない。BMS-936558はBMSが09年に買収したMedarex社と小野薬品の共同研究の産物で、かってはMDX-1106と呼ばれていた。小野の開発コードはONO-4538。 BMSはT細胞の副刺激受容体を標的とする抗体医薬の開発で実績があり、抗リウマチ薬Orencia(abatacept、和名オレンシア)、腎移植後拒絶反応抑制薬Nulojix(balatacept)、抗黒色腫薬Yervoy(ipilimumab)を商品化した。ASCOでは抗PD-1抗体の第一相試験結果も発表されるが、抄録を読む限りではBMS-936558のほうが良さそうだ。 今回の第一相試験は296人を組入れて、最初のコフォートは0.1mg/kgをテストし、段階的に10mg/kgまで引き上げていった。二週間に一回の点滴静注。有効性(RECIST基準の反応率)の中間解析は、非小細胞性肺癌が76人中18%、黒色腫は94人中28%、腎細胞癌は33人中27%だった。反応した30例中20例では奏効が12ヶ月以上持続。尚、結腸直腸癌と前立腺癌は反応率ゼロだった。重篤な有害事象の発生率は11%、有害事象治験離脱率は5%。薬物関連の間質性肺炎が...