投稿

7月, 2022の投稿を表示しています

第1061回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   EMA、承認審査をフライング・スタート  その他の領域:   パドセブがキイトルーダと併用で良績  カンジダ治療薬を承認申請  アッヴィ、リンヴォックをクローン病に申請  バイオジェン、ALS用薬をサブパ-トH申請  米国でもエンハーツをher2低発現MBCに承認申請  新規アルキル化剤をHSCT前処理に再申請  武田、エクソン20変異標的薬のEU申請を撤回  ObsEva、米国申請を撤回し権利をキッセイに返還へ  【COVID-19関連】 EMA、承認審査をフライング・スタート (2022年7月27日発表) EMA(欧州薬品庁)はETF(緊急タスクフォース)がVERU-111(sabizabulin)の承認審査を開始したと発表した。Veru(Nasdaq:VERU)が第3相重症COVID-19試験を成功させ、6月に米国でEUA(非常時使用認可)を申請したが、EUではまだ申請していない段階。EU加盟国の一つであるドイツの要請に基づきETFが審査、CHMPに報告し、CHMPが肯定的意見を纏めたら、ドイツなどの加盟国がEUの承認前に使用を開始することができるようになる。COVID-19ワクチンなどで類似前例があるが、今回は1月に成立した2022/123規制の第18条3項に基づく手続きだ。 sabizabulinは微小管阻害剤。アルファ/ベータ・サブユニットのcolchicine結合部位に結合する。POCは転移性乳癌だったが、微小管はインフルエンザ・ウイルスの細胞内移動にも関わっており、また、sabizabulinはCOVID-19の重大な合併症であるARDS(急性呼吸促迫症候群)における炎症反応を抑制する作用もあるようだ。 第3相は米州やブルガリアでARDSを合併する中等症・重症入院患者204人を9mgを一日一回、経口投与する群と偽薬群に2対1割付して死亡リスクを60日間追跡した。150人の中間解析が成功、死亡率は各群20%と45%、相対リスク削減率は55%、p=0.0029と大変良い結果になった。全てのサブグループ分析で試験薬のほうが良かった。 5ヶ国の27施設で150人を組入れたので、個々の施設の組入れは必ずしも多くなく、第三の因...

第1060回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   EU、ベクルリーを正式承認へ  CHMP、スパイクバックスを12-17歳の追加免疫に肯定的意見  その他の領域:   オプジーボ・カボメティクス併用の延命効果が当初データより低下  武田、CIPD維持療法試験が成功  テセントリクの腎細胞腫術後補助療法試験がフェール  キイトルーダの頭頚部癌CRT併用試験がフェール  リムパーザの大腸癌試験がフェール  VBLの遺伝子療法、卵巣癌試験もフェール  Rett症候群用薬を承認申請  C3阻害剤を地図状萎縮に承認申請  不快な味のない尿素サイクル異常症用薬を再承認申請  エンハーツ対抗品を欧州でも承認申請  CHMPがsiRNAなどに肯定的意見  ルキソリチニブ・クリームが白斑に適応拡大  欧州でAADC欠損症用薬が承認  ザーコリが希少疾患に適応拡大  【COVID-19関連】 EU、ベクルリーを正式承認へ (2022年7月22日発表) EUの薬品審査機関であるEMAの医薬品科学的評価委員会、CHMPは、Veklury(remdesivir)の条件付き販売承認を終了し通常の承認とすることに肯定的意見を纏めた。20年5月から6月にかけて米、日、欧でCOVID-19用薬として特例的に承認されたが、米国は既にEUA(非常時使用認可)から通常の承認に切り替えており、三極のうち二極が特例的承認という不確かな位置付けを速やかに終了することになる。 リンク: ギリアド・サイエンシズのプレスリリース CHMP、スパイクバックスを12-17歳の追加免疫に肯定的意見 (2022年7月22日発表) CHMPは、モデルナのCOVID-19ワクチン、Spikevax(elasomeran)を12~17歳の追加免疫に用いることを支持した。用量は初回免疫の半分の50mcg。接種時期が初回免疫から3ヶ月以上後と、意外に早いことが印象的。初回免疫の効果が3ヶ月程度で減弱するというエビデンスがあるのかもしれない。 リンク: モデルナのプレスリリース 【今週の話題】 オプジーボ・カボメティクス併用の延命効果が当初データより低下 (2022年7月14日発表) ...

第1059回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ヌバキソビッド、米国でもEUA  EU、mRNAワクチンの再追加接種を60歳以上などに推奨  モデルナのBA.1対応ワクチンもBA.4/5には効果が低下しそう  抗GM-CSFの臨床試験がフェール  その他の領域:   米国で経口避妊薬のOTCスイッチを申請  腎細胞腫のトリプル・セラピーが成功  週一回静注用第VIII因子の第3相が成功  ノボ、ヘムライブラ対抗品を承認申請へ  【COVID-19関連】 ヌバキソビッド、米国でもEUA (2022年7月13日発表) FDAはNovavax(Nasdaq:NVAX)のCOVID-19ワクチンを18歳以上の初回免疫にEUA(非常時使用認可)した。7月19日にACIP(ワクチン接種諮問委員会)が勧奨の当否や対象を検討する予定。SARS-CoV-2のスパイク蛋白抗原5mcgにMatrix-M免疫刺激剤50mcgを添加した製品で、欧州では昨年12月にNuvaxovidとして初回免疫に条件付き承認、日本では今年4月にヌバキソビッドとして初回および追加免疫に承認された。同社は米国では自社製品を販売する予定だったが、生産が順調に進まなかった模様で、インドのSerum Institute of India製に切り替えた。 21日置いて2回、筋注した第3相米国試験ではワクチン効率が90%だった。偽薬群も含めて感染例はアルファ株が多く、オミクロン株に対する効果は他のワクチンと同様に低下すると想像される。 EUAなので、18歳以上の初回免疫に正式承認されている二製品のほうが優先される。mRNAワクチンは嫌だが従来技術なら良い、という人が対象になりそうだが、どの程度いるのだろうか?尤も、接種を推進する上では、蜘蛛の糸でも掴めるものは掴んで、切れたらその時に考えればよいと達観するのが正統的なのだろう。 リンク: FDAのプレスリリース リンク: 同社のプレスリリース EU、mRNAワクチンの再追加接種を60歳以上などに推奨 (2022年7月11日発表) EMAとECDC(欧州疾病管理予防センター)は、60歳以上の人とリスク因子(一部の基礎疾患など)を持つ人達を対象に、COVID-19ワ...

第1058回

  【ニュース・ヘッドライン】 中華抗PD-1抗体を再承認申請  ロシュ、抗CD20xCD3抗体が米国でも申請受理  尿酸酸化酵素製剤のMTX併用が承認  PRAC、クロルマジノンなどの髄膜腫リスク緩和策を発表  【承認申請】 中華抗PD-1抗体を再承認申請 (2022年7月6日発表) Coherus BioSciences(Nasdaq:CHRS)は上海君実生物医薬(HKSE:1877)から抗PD-1抗体toripalimabの北米における権利を取得、昨年9月に米国で進行難治/転移性上咽頭癌の一次治療化学療法併用と単剤二次治療薬として承認申請したが、今年5月に審査完了通知を受領した。今回、再承認申請が受理され、審査期限が12月23日に設定されたことを発表した。 審査完了通知では品質問題と中国工場査察の遅れが指摘された模様。前者は対応を終えたが、後者は未だである様子だ。中国のロックダウンが緩和されたので、査察担当者の渡航もそのうち可能になるのだろう。 toripalimabは中国では上記に加えて悪性黒色腫や尿路上皮癌、食道扁平上皮腫などに承認され、欧米系の抗PD-1/PD-L1抗体の数分の1の価格で販売されている。米国でも承認されれば価格破壊型製品になるだろう。尤も、医療保険や医療機関は利ザヤの大きい高額製品を使い続けるかもしれないが。 リンク: Coherusのプレスリリース ロシュ、抗CD20xCD3抗体が米国でも申請受理 (2022年7月6日発表) ロシュはFDAがLunsumio(mosunetuzumab)の承認申請を受理したと発表した。優先審査を受け、審査期限は12月29日。予定適応は濾胞性リンパ腫の三次治療。EUでは6月に条件付き承認された。米国でも早晩承認と想像していたが思ったより遅かった。 B細胞のCD20と細胞傷害的T細胞のCD3に結合する二重特異性抗体で、テーラーメイドする必要のない、CAR-T療法の代替品となることが期待されている。承認申請の根拠となった臨床試験では、完全反応率60%(90人中54人)、客観的反応率80%、メジアン反応持続期間は22.8ヶ月だった。CAR-T療法はサイトカイン放出症候群など特徴的な有害事象がしばしば発生するが、mo...

第1057回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ファイザー、抗ウイルス剤を正式に承認申請  FDA、BA.4/5対応二価ワクチンの開発を推奨  コミナティのオミクロン対応ワクチンもBA.1株に有効  その他の領域:   EMA、天然痘ワクチンをサル痘に適応拡大審査開始  EPAのCVO試験が成功したのは偽薬に鉱油を使ったから?  抗PD-1抗体の食道扁平上皮腫一次治療試験が成功  HDAC阻害剤のDMD試験成功  レキサルティをアルツハイマー性アジテーションに適応拡大申請へ  ジャズ、多発性硬化症の痙攣予防試験がフェール  イプセン、FOP治療薬を承認申請  ギリアド、カプシド阻害剤を米国で再承認申請  テビペネム ピボキシル臭化水素酸塩は承認されず  Vivusのダイエット補助用合剤が小児にも承認  ブレヤンジがLBCLの二次治療に承認  サノフィ、酵素補充療法二品がEUで承認  デュベリシブは死亡リスクが抗CD20抗体を上回る  【COVID-19関連】 ファイザー、抗ウイルス剤を正式に承認申請 (2022年6月30日発表) ファイザーはPAXLOVID(nirmatrelvirとritonavirの同梱製品)をCOVID-19治療薬としてFDAに承認申請したと発表した。適応は昨年12月のEUAと同様のようだ(12歳40kg以上の軽中度だが重症化リスクのある患者)。 EUAの根拠となった軽中等症だが重症化リスク因子を持つ患者を組入れたEPIC-HR試験の最終解析では、入院・全死亡が偽薬比86%少なかった。28日死亡はゼロ対12人。この試験の対象外で便益が曖昧だったワクチン接種済みの重症化リスク因子を持つ患者については、EUA後にEPIC-SR試験の結果が出て、当該サブグループの28日入院・死亡リスクが偽薬比57%少なかった。程度の差はあれ、高リスク患者にはワクチン接種の有無(実務的には接種後の経過期間も)に関わらず有効ということになる。 ところで、抗ウイルス薬のご多分に漏れずPAXLOVIDもリバウンド(ウイルス検査陰転後の陽転)が1%前後の患者で発生する。最近では米国大統領の首席医療顧問であるアンソニー・ファウチ国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)所長(81歳)が6月1...