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6月, 2017の投稿を表示しています

2017年6月25日号

【ニュース・ヘッドライン】 PD-L1検査方法の違いが問題に  ノバルティス、抗IL-1ベータ抗体のCVO試験成功  ClovisのPARP阻害剤もBRCA変異不問  抗CD33ADCの第三相試験が中止に  抗CGRP受容体抗体、EUでも承認申請  ギリアド、新規HIV治療薬を承認申請  遺伝子組換え型vWFを欧州でも承認申請  アドセトリスの適応拡大申請  CHMPが抗HCVコンビ薬などの承認を支持  Brintellixの効能追加申請、米国はまたCRL  PortolaのXa阻害剤も承認  湧永のキノロンが米国で遂に承認  シャイアーのADHD治療薬が11年ぶりに承認  BRAF V600E変異陽性肺癌に適応拡大  ロシュ、FDAがリツキサンの皮注用製剤を承認  皮注用C1エステラーゼインヒビターが承認  【今週の話題】 PD-L1検査方法の違いが問題に (2017年6月22日発表) 抗PD-1抗体は従来の免疫療法に応答する黒色腫や腎細胞腫だけでなく様々な癌にも効果を示し、超大型薬化した。現在も適応拡大試験や併用試験が活発に進められているが、意外な結果も散見されるようになった。その一つがBMS/小野薬品のOpdivo(nivolumab、和名オプジーボ)のCheckMate 026試験だ。 ステージIV・難治性非小細胞性肺癌の一次治療としての効能を化学療法と比較した第三相試験で、MSDのKeytruda(pembrolizumab、和名キイトルーダ)の同様な試験は成功したが、こちらはフェール。PFS(無進行生存期間)が有意に上回らなかった。何故か? New England Journal of Medicine誌に掲載された治験論文のエディトリアルは、PD-L1の閾値やアッセイの違いを指摘している。BMSはDako社のPD-L1 IHC 28-8 pharmaDxを用いている。026試験では腫瘍細胞の1%以上でPD-L1が発現していることを組入れ条件とした。 一方、Keytrudaのコンパニオン診断薬はDako社のPD-L1 IHC 22C3 pharmDxで、非小細胞性肺癌の二次治療以降では発現1%以上が適応だが、一次治療は50%以上だ。 一次治療は生存期間が二次治療より長いので治療効...

2017年6月18日号

【ニュース・ヘッドライン】 ADA:カナグルの心血管アウトカム試験の意義  ADA:トレシーバの心血管リスクはランタス比非劣性  キイトルーダの三剤併用試験で死亡リスク懸念  【新薬開発】 ADA:カナグルの心血管アウトカム試験の意義 (2017年6月12日発表) ADA米国糖尿病学会やNew England Journal of Medicine誌でInvokana(canagliflozin、和名カナグル)の心血管アウトカム試験の結果が発表された。心筋梗塞などのリスクを削減する効能が示された一方で、下肢切断や骨粗鬆症のリスクが表面化。この二つのリスクは他のSGLT2阻害剤では観察されておらず、この薬独自の問題なのか、臨床試験実施方法の細部が違うのか、今後の探索課題になるだろう。この臨床試験を行った医療関係者や製薬会社は称賛されるべきである。 思えば、米国でFDAや高名な医学者が血糖治療薬の心血管アウトカム試験を要求した時、日本では、糖尿病患者の死因として最も多いのは癌であって心血管疾患ではないという屁理屈を盾に、必要なしと結論した。こういうのを曲学阿世と呼ぶのだろうか。 血糖治療薬は生存にとって重要なエネルギー代謝システムに影響するせいか様々な副作用を持つ。糖尿病の患者は何十年もの間、薬を飲み続けなければならないのだから、3ヶ月や半年の試験だけでは全ての功罪を洗い出すことはできない。患者数が多いので、1万人年に一人の副作用でも世界では年数千人、数万人が被害を受けることになるから軽視できない。長期、大規模な心血管アウトカム試験を行えば、様々な副作用に関して統計学的にある程度価値のある情報を収集することができる。 今回の試験は、医学研究において謙虚な姿勢がいかに重要か、真実に対する謙虚さを失った権威が如何に有害であるかを示した。 発表されたデータはCANVAS試験とCANVAS-R試験の統合分析結果で、通常と異なるので最初に経緯を説明しよう。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、当初、CANVAS試験の中間解析で心血管リスクが大きく増えないことを確認した上で販売承認を取得し、最終解析でFDAの要求基準(リスクが1.3倍以上高まらない)を満たす考えであった。しかし、中間解析の結果がアンブラインドされたために、試験医や患者に...

2017年6月11日号

【訂正】 6月4日号のZytigaの臨床試験に関する記述に間違いがありました。対照群の治療法をADTとprednisoneを併用する標準療法と書きましたが、ADTだけでした。以下、訂正再掲致します。 【ニュース・ヘッドライン】 (訂正再掲)ASCO:ザイティガはホルモン・ナイーブにも有効  ICML:CTL019もリンパ腫に有効  ASCO:パージェタのアジュバントはケースバイケースに  ASCO:アレセンサは海外でもザーコリに勝つ  ASCO:肝臓癌試験が久々に成功  ASCO:PARP阻害剤の乳癌試験が成功  ASCO:オプジーボとヤーボイは悪性胸膜中皮腫に有効  ASCO:ヤーボイの用量は多すぎる?  (訂正再掲)ASCO:ザイティガはホルモン・ナイーブにも有効 (2017年6月3日発表) ASCOではジョンソン・エンド・ジョンソンのZytiga(abiraterone acetate、和名ザイティガ)の適応拡大試験成績も発表された。転移性前立腺癌用薬で、2011年の初承認時の適応はホルモン療法に反応しなくなり癌の症状が悪化して化学療法を受けたが再発/無効だった患者、翌年の適応拡大はその一歩前の段階であるホルモン療法抵抗性無/軽度症候性患者だったが、今回は更に手前の試験が成功、日本も含めて、適応拡大申請した。対象患者数が再び大きく増加することになる。 このLATITUDE試験は、転移性前立腺癌で初めてホルモン療法を受ける(ナイーブ)患者のうち、Gleason scoreや骨転移、内臓転移の状況などから高リスクと判定された患者を組入れて、ADT(アンドロゲン除去療法薬)群とZytigaとprednisoneを併用する三剤併用群の全生存期間を比較した。結果は、ハザードレシオが0.62、p値は0.0001未満、メジアン値は標準療法群が34.7ヶ月、三剤併用群は未到達と大変良い結果になった。主なG3以上の有害事象は高血圧や低カリウム血症。 前立腺癌は進行の遅いものが少なくないため副作用のきつい化学療法は癌が進行して骨転移痛などの症状が強くなるまで待つことが多い。今回のデータは便益と危険のバランスが取れているように見えるので、再考の契機になるのではないか。適応拡大なので今週(6月4日号)のトピックスの3番目に置いた...

2017年6月4日号

【ニュース・ヘッドライン】 ASCO:LoxoのTRK阻害剤は反応率76%  ASCO:リリーのCDK4/6阻害剤は先行品と大差なさそう  ASCO:ザイティガはホルモンナイーブにも有効  テバの抗CGRP抗体も第三相が成功  ムコ多糖症VII型の治療薬が欧米で承認申請  GSKとViiV、二剤だけの抗HIV療法を欧米で承認申請  スーテント、アジュバントに適応拡大申請  ノボの第IX因子、米国はルーチン予防を承認せず  EUで脊髄性筋萎縮症用薬が承認  CLN2治療薬もEUで承認  ファイザーのB群髄膜炎菌ワクチンがEUで承認  EU、オプジーボを膀胱癌に承認  【新薬開発】 ASCO:LoxoのTRK阻害剤は反応率76% (2017年6月3日発表) 米国コネチカット州の医薬品開発企業、Loxo Oncology(Nasdaq:LOXO)は、ASCO(米国臨床腫瘍学会)で、LOXO-101(larotrectinib)の第一相、第二相試験合計50人の成績を発表した。TRK融合蛋白型の腫瘍に対する効能を調べた試験で、ORR(客観的反応率)は76%、このうち完全反応率12%、部分反応率64%と、中々良いものだった。 今回の試験はTRK融合蛋白陽性なら癌の発生部位は不問で、17種類の癌が組み入れられたが、比較的多かったのは唾液腺腫、幼児線維肉腫、甲状腺、結腸、肺、黒色腫、紡錘細胞肉腫、胆管癌、筋周皮腫。 NTRKはtropomyosin receptor kinase(TRK)をコードする遺伝子だが、癌のごく一部(0.5~1%)では他の遺伝子との融合により受容体結合ドメインが欠落、レガンドの刺激がなくても活性化してしまう。このような癌を標的とすべくArray BioPharma(Nasdaq:ARRY)がLoxo社の支援を受けて創製したのが高度選択的TRK阻害剤LOXO-101とバックアップだ。一日二回、経口投与する。 TRKはニューロンの制御に関与しているため、神経認知学的副作用が独自の副作用。全125症例の有害事象分析では、G3の眩暈が2%で発生。有害事象による減量が13%で発生し、その殆どは神経認知性有害事象だった。 Loxoは第三者によるORRの査読を行ったうえで来年初めまでに承認申請する考え...