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7月, 2020の投稿を表示しています

第956回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:ファビピラビルのインドでの治験結果  COVID-19:ワクチンの第二相データが続々と発表  ジャカビの第三相慢性移植片宿主病試験が成功  カルシニューリン阻害剤がループス腎炎に承認申請  ACADIA、Nuplazidを認知症精神症状治療薬として適応拡大申請  BMS、CAR-Tを欧州でも承認申請  アストラゼネカ、ビレーズトリが米国でも承認  ジャズ、ナルコレプシー用薬のミネラルバランス改良製剤が承認  【今週の話題】 COVID-19:ファビピラビルのインドでの治験結果 (2020年7月22日発表) インドのグレンマーク・ファーマシューティカルズは、インドで実施しているFabiFlu(favipiravir)の第三相軽中等症COVID-19試験の結果を発表した。主評価項目のウイルス口内放出期間はフェールしたが、主要副次的評価項目である罹病期間は悪くない結果になった。6月にインドで承認されたばかりなので、裏切る結果にならなかったのは取り敢えず一安心だろう。同社は中等症患者を対象にumifenovir併用の第三相試験も実施中。 favipiravirはRNAポリメラーゼ阻害剤。新型インフルエンザが流行した時の治療薬として日本で14年に承認された。COVID-19治療効果は中国やロシアの小規模な試験や日本の観察的試験で良好な数字が出ているが、対照試験は藤田医科大学などで行われた無症候性・軽症患者の第二相がフェール、今回も主評価項目はフェールと、判然としない結果になっている。 今回の試験は、RT-PCR検査で陽性判定されてから48時間以内の入院患者150人(軽症90人、中等症60人)を7臨床施設で組入れて、800mg(初日は1600mg)を一日2回、最長14日間経口投与する群と対照群に無作為化割付して、転帰をオープンレーベルで比較したもの。結果は、ウイルス口内放出期間のハザードレシオが1.36(95%信頼区間0.944、1.979)、p=0.129となり、フェールした。一方、罹病期間のほうはメジアン3日対5日、ハザードレシオ1.749(95%信頼区間1.096、2.792)、p=0.029となった。深刻有害事象はゼロ、対照群は一人で発現した。 主評価項目がフェールしたの...

第955回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:アビガンの国内第二相がフェール  イーライリリーの抗IL-23p19抗体も第三相が成功  ブリリンタの脳卒中再発予防試験論文が刊行  テセントリク、卵巣癌の四剤併用試験がフェール  バイエル/MSD、新規作用機序の慢性心不全治療薬を米国でも承認申請  FDA諮問委員会、テルリプレシンの評価が割れる  FDA諮問委員会、GSKの抗BCMA抗体薬物複合体の承認に賛成  カンタリジンは承認審査完了に  CytoDyn社、抗CCR抗体の承認申請がFDAに受理されず  JNJ、トレムフィアが乾癬性関節炎に承認 【今週の話題】 COVID-19:アビガンの国内第二相がフェール (2020年7月10日発表) 藤田医科大学が主導して実施していたfavipiravirの第二相試験が主目的を達成できなかったことが公表された。点推定値自体は悪くなさそうだが、favipiravirを使わない対照群と有意な差がなかった。 臨床試験の目的は白黒はっきりさせることであり、結果が期待通りであろうがなかろうが、有効か無効かハッキリするならば人類にとって大きな意義がある。逆に、曖昧な結果に終わった場合、治験に投じられたボランティアの好意と研究者の熱意、そして関わった全ての人の時間や資金が徒労に終わってしまうだけでなく、今後の研究の患いにすらなりかねない。 一例はremdesivirだ。ACTT-1試験が成功し日本などで承認されたが、当初は、中国湖北省で行われたremdesivirの重症COVID-19試験がフェールしたこととの整合性が議論になった。このYeming Wangらの試験も点推定値は良好なもので、偽薬群と有意差が出なかったのは組入れが目標に達せず検出力不足に陥ったことが原因だろう。武漢などでの流行が鎮静化したのは住民にとっては良かったが治験の新規組入れが困難になってしまった。 藤田医科大学ら47医療機関で実施された特定臨床研究の場合、無症状又は軽症のCOVID-19感染者の組入れが89名と予定の86名を越えたので組入れ不足が原因ではなさそうだ。治療開始時点ですでにウイルス消失していた患者など20名が薬効解析対象から除外されたため検出力不足に陥ったのかもしれないが、治療効果の前提や解析計画が...

第954回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:ケブザラは人工呼吸器装着患者にも効果が不十分?  COVID-19:WHOも2剤の臨床試験を中止  COVID-19:抗体カクテルの暴露後予防試験が開始  COVID-19:Novavaxなどが米国政府とワクチン等の供給契約  バイエル、ミネラルコルチコイド受容体拮抗剤の糖尿病アウトカム試験が成功  イドルシア、daridorexantの二本目の不眠症治療試験が成功  キッセイのGnRHアンタゴニストの海外第三相試験が成功  Immunomedics、Trodelvyの承認後薬効確認試験が成功  バイオジェン/エーザイ、aducanumabをアルツハイマー病に承認申請  レオ ファーマ、抗IL-13抗体をアトピーに承認申請  第一三共、エンハーツをEMAに承認申請  キイトルーダとレンビマの併用、肝癌承認はお預け  FDA、大塚製薬グループ会社の経口デシタビンを承認  【今週の話題】 COVID-19:ケブザラは人工呼吸器装着患者にも効果が不十分? (2020年7月2日発表) リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Nasdaq:REGN)とサノフィは、抗IL-6受容体アルファ・サブユニット抗体Kevzara(sarilumab)のCOVID-19肺炎試験のうち米国試験がフェールしたと発表した。第2/3相試験のフェーズIIポーションで重症(ベースライン時点で酸素投与)サブグループの成績が悪かったためフェーズIIIポーションでは400mg群の危機的(人工呼吸器装着、ハイフロー酸素投与、またはICU入室)患者196人の治療転帰を偽薬群と比較したが、統計的に有意な差がなくトレンドに留まった。一方、重症患者に関してはネガティブな結果だった。 データは未公表だが、深刻有害事象発現率は、多臓器不全症候群は6%(偽薬群は5%)、低血圧は4%(3%)、と若干ではあるが上回っている。前者は薬効評価項目の一部とオーバーラップするので、偽薬より数値上多いのは残念だ。 この試験は800mgを投与するコフォートも設定されていたが、どちらも、中止となった。 Kevzaraはサノフィが主導して日欧露でも第三相COVID-19肺炎試験が進行中。投与スケジュールなどが若干異なるらしく、両試験...

第953回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:RECOVERY試験がカレトラ群をドロップ  COVID-19:FDAがワクチンの開発ガイダンスを公表  COVID-19:ギリアドの治療薬の価格は5日コースが2340ドル  ジェンマブ、抗組織因子ADCを子宮頸がんに承認申請へ  抗IL-1抗体の再発性心膜炎試験が成功  アステラス子会社の遺伝子療法試験で2名死亡  インターセプト、NASH治療薬承認第一号はならず  アラガンら、VEGF-A拮抗薬で審査完了通知を受領  CHMP、ベクルリーなどの承認に肯定的意見  鎮静剤アネレムが米国でも承認  長鎖脂肪酸酸化障害の脂肪酸補充療法が承認  キイトルーダがMSI-H/dMMR大腸結腸癌の一次治療に光速承認  FDA、ロシュのher2陽性乳癌用抗体合剤を承認  【今週の話題】 COVID-19:RECOVERY試験がカレトラ群をドロップ (2020年6月29日発表) オックスフォード大学の主導で英国の医療施設で実施されている大規模なCOVID-19治療試験、RECOVERY試験は大きな成果を上げている。hydroxychloroquineにはCOVID-19感染症で入院した患者の28日死亡率を改善する効果がないことや、低量dexamethasoneが酸素投与や人工呼吸器/ECMO装着が必要な患者の死亡リスクを削減することに続いて、今度は、lopinavirとritonavirの合剤(HIV治療薬Kaletra、和名カレトラ)が無益であることも明らかにした。 KaletraはSARSが流行した頃から一部で用いられていたが、今回は中国のNational Health CommissionがCOVID-19肺炎の治療法として推奨した。武漢で行われた199人規模の無作為化割付対照試験はフェールしたが、点推定値は悪くなく検出力不足だった可能性もあるので決定的なエビデンスとは言い難い。 しかし、RECOVERY試験ではKaletra群(1,596人)の28日死亡率が22.1%と通常医療群(3,376人)の21.3%と大差なく、相対リスクは1.04、p=0.58だった。サブグループ分析も同様で、更に、悪化して人工呼吸器が必要になるリスクや入院期間を短縮する効果も見られなかった。...