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4月, 2021の投稿を表示しています

第997回

  【ニュース・ヘッドライン】 RSV予防用抗体の第3相が成功  武田、EGFRエクソン20挿入変異阻害剤が優先審査に  大日本住友の子会社、先天性無胸腺症用薬を再承認申請  バルドキソロンメチルの承認申請は標準審査に  Axsome社、既存薬の配合剤を鬱病に承認申請  加速承認を巡る諮問委員会の結果  アトピー治療用の抗IL-13抗体は審査完了  Tysabriの皮注用新製剤は審査完了  Protalix、FDAが工場査察できずに承認遅延  【新薬開発】 RSV予防用抗体の第3相が成功 (2021年4月26日発表) アストラゼネカと共同開発パートナーのサノフィは、MEDI8897(nirsevimab)の第3相RSウイルス感染予防試験が成功したと発表した。下期には早産児や慢性肺疾患・鬱血心臓疾患を持つ幼児の第3相の結果も出る予定。2022年に承認申請を行う考え。 RSウイルスは0~1歳の幼児の多くが感染し、多くは症状が軽微だが、早産児や慢性肺疾患・鬱血性心臓疾患を持つ幼児は重症化リスクがあるため、アストラゼネカの子会社であるメディミューンが開発したSynagis(palivizumab、和名シナジス)による予防が行われる。nirsevimabはRSVのF蛋白の、Synagisとは異なった部位に結合する抗体で、固定領域のアミノ酸3個を置換することによって半減期を長期化。Synagisは感染リスクのある冬の間、月一回筋注するが、nirsevimabは一回で足りる。 今回のMELODY試験は在胎35週以上の健康な1歳未満の幼児3000人を試験薬群(体重5kg未満は50mg、以上は100mg)と偽薬群に無作為化2対1割付して、RSV感染による下部気道感染症の治療を受けるリスクを150日間、観察した。当初は23年に開票する見込みだったが、COVID-19の余波でRSV感染症例が減少したため前倒して1500例の薬効解析を行ったところ、成功した。 安全性面では臨床的に重要な偽薬群との差異は見られなかった由。 Synagisの承認用途である在胎35週以下の早産児と慢性肺疾患・鬱血性心臓疾患を組入れて両剤の安全性を比較する第2/3相MEDLEY試験も今年後半に前倒し解析を行う予定。 順調に進めば...

第996回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   JNJのワクチンにも血小板減少性血栓症の大変稀なリスクありと判定  その他の領域:   JAK阻害剤の第3相円形脱毛症試験が二本目も成功  Jazz社、Xywavの特発性過眠症試験データを学会発表  RNA介入薬を遺伝性ATTRアミロイドーシスに承認申請  CHMP、NMOSD治療薬などに肯定的意見  FDA、アルキル化薬のADCを承認  FDA、GSKの抗PD-1抗体を内膜腫に承認  【COVID-19関連】 JNJのワクチンにも血小板減少性血栓症の大変稀なリスクありと判定 (2021年4月23日発表) ジョンソン・エンド・ジョンソンのCOVID-19ワクチンを接種した人のうちごく一部で血小板減少を伴う血栓症が発現し致死例もある件について、EUと米国の諮問委員会は、夫々に、大変稀だが深刻な副作用としてレーベルに追加すべきと結論した。便益が危険を上回ることから接種中止までは求めなかった。結論が出たことからJNJはロールアウト再開を決めた。 同様なリスクはアストラゼネカのワクチンでも観察されているが、今のところ、報告頻度はJNJのワクチンのほうが少ない。EMAによると深刻例は約700万回接種して8例(うち1例は致死的)とのことだ。 米国のCDC(疾病管理予防センター)はTTS(血小板減少を伴う血栓症候群)という若干異なったカテゴリーで15例が報告されたことを明らかにした。全員が女性で18-49歳が13例と太宗を占めた。小分類では12例がCVST(脳静脈洞血栓症)。転帰は死亡3人、ICU入室中4人、その他入院3人、5人は退院した。 接種実績は800万回程度なので、頻度は100万回当たり2例弱。女性の年齢別頻度は18-29歳が同5.2例、30代11.8例、40代4.3例、50-64歳1.5例、65歳以上はゼロとなっている。イベント数が少ないせいか綺麗な逆相関にはなっていないが、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンと同様に、50歳未満のリスクが高い。 接種後3週間以内に息切れや胸痛、下肢腫脹、持続的な腹痛、重度で持続的な頭痛や霞目のような神経学的症状、そして接種箇所以外での点状出血などの血栓症の症状が現れたら、医療従事者に速やかに...

第995回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連: イーライリリーの中和抗体単剤のEUA取消  リジェネロンの中和抗体は感染者の同居者の予防にも有益  BioNTech/ファイザーのワクチンのNNTは30  ワクチン誘導性血小板減少性血栓症の世代別リスク  EMA、アデノウイルス・ベクター・ワクチンの安全性シグナルの検討を開始  JNJのワクチンの接種中断を勧告  抗寄生虫薬の第2相が成功?  抗GM-CSF受容体抗体が第2相で良績  MSD、外来患者に抗ウイルス薬の第3相開始へ  MSD、CD24Fcは開発断念  シクレソニドの第3相がフェール  フォシーガの第3相はフェール  それ以外の疾患: オプジーボが肺癌術前療法で良績  バイエルのPI3K阻害剤、NHL二次治療試験が成功  Amylyx、AMX0035をALSに承認申請へ  新規低用量ピルが米国で承認  オプジーボ、胃癌や食道癌の一次治療に適応拡大  ギリアドの抗EGP-1抗体が膀胱癌に適応拡大  【COVID-19】 イーライリリーの中和抗体単剤のEUA取消 (2021年4月16日発表) FDAは昨年11月にイーライリリーのLY-CoV555(bamlanivimab)を12歳以上、体重40kg以上の軽中等症COVID19感染症で入院の必要はないが重症化リスクを持つ患者の治療薬としてEUA(非常時使用認可)したが、取り消した。この抗SARS-CoV-2抗体に抵抗性を持つウイルスの感染例が増加したため。検出率が1月中旬の約5%から3月中旬には約20%に上昇した。同社のLY-CoV016(etesevimab)との併用レジメンや、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Nasdaq:REGN)のREGN-COV(casirivimabとimdevimabの併用レジメン)は有効性を維持しているので、敢えて単剤投与に拘る必要はない。 既報のように、上記三製品のファクトシート(レーベル類似の文書)は3月に改訂され、様々な変異株に関するシュードウイルス試験のデータが掲載された。一番失望的だったのがbamlanivimab(モノセラピー)で、英国型変異(B.1.1.7系統)は感受するが、ニューヨーク型(B.1.525系統やB.1...

第994回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:オルミエントの二本目の第3相は区々な結果に  COVID-19:アストラゼネカのワクチンの血栓症リスクが公認  COVID-19:Modernaのワクチンも11回分取ってよい  キイトルーダ、腎細胞腫術後アジュバント試験が成功  オプジーボ、食道扁平上皮腫試験が成功  一型糖尿病予防薬の承認が遅れそう  JAK阻害剤の審査期間延長が続発  エベレンゾは心血管リスクがエポエチンより有意に小さくはなかった  Acadia社、pimavanserinの適応拡大が承認されず  抗EGP-1抗体薬物複合体がトリプル・ネガティブ乳癌に本承認  Supernus社、ADHD治療薬が承認  【今週の話題】 COVID-19:オルミエントの二本目の第3相は区々な結果に (2021年4月8日発表) イーライリリーとインサイト(Nasdaq:INCY)は、Olumiant(baricitinib、オルミエント)の第3相COVID-19試験の結果を発表した。主評価項目はフェールしたものの、死亡リスクを抑制する可能性が示唆された。NIAID(米国立アレルギー・感染症研究所)が主導したACTT-2試験は主目的を達成したが全死亡の解析は有意水準に達しておらず、区々な結果になった。サブグループ分析による感受性分析結果の公表が期待される。 Olumiantはインサイトが創製したJAK1/2阻害剤で、中重度活性期リウマチ性関節炎用薬として承認されている。上記ACTT-2試験に基づいて、酸素投与や人工呼吸器・ECMO装着を受けている患者にremdesivirと併用することが昨年11月にEUA(非常時使用認可)された。 今回のCOV-BARRIER試験は米州欧露日韓の施設で炎症性マーカーが亢進している入院患者1525人を組入れて、偽薬または4mgを一日一回投与する転帰を28日間追跡した無作為化割付二重盲検試験。ACTT-2試験との違いは、呼吸補助を受けている患者は除外したことと、remdesivir併用が必須ではなく被験者の19%に留まったこと。ステロイドは79%が併用した(ACTT-2は不明)。 主評価項目は死亡または侵襲的/非侵襲的呼吸補助のリスク。結果はオッズ比は0.85...

第993回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:ワクチンの効果が6ヶ月持続  COVID-19:抗GM-CSF抗体の第3相が成功?  COVID-19:回復期抗体の試験がまたフェール  COVID-19:一回1000円程度の連続自己検査キットが承認  カイト、CAR-TをALLに適応拡大申請  バフセオ錠が米国でも承認申請  アッヴィ、CGRP受容体拮抗剤を片頭痛予防に申請  TGTX、PI3K阻害剤と抗CD20抗体を併用で承認申請  カバノキ由来の新薬を表皮水疱症に承認申請  オプジーボ、欧州で膀胱癌術後アジュバントに申請  キイトルーダ、早期乳癌術前術後補助療法の米国承認はお預け  FDA、サークリサとカイプロリス等の併用を承認  プラルエントもHoFHに承認  FDA、ブルーバード/BMSのBCMA標的型CAR-Tを承認  FDA、ラモトリギンの催不整脈性を通知  【今週の話題】 COVID-19:ワクチンの効果が6ヶ月持続 (2021年4月1日発表) ドイツのBioNTechと共同開発販売パートナーのファイザーは、BNT162b2の第3相COVID-19感染予防試験の6ヶ月追跡データを公表した。46000人超を組入れて、二回目の接種の7日後から6ヶ月後までの症候性感染を偽薬と比較したところ、各77例と850例となり、ワクチン効率は91.3%だった。 EUA(非常時使用認可)の根拠となった2~3ヶ月追跡時のワクチン効率は95%だったので、その後の3か月程度にも同じくらいの予防効果を示したことになる。 CDC(疾病予防管理センター)とFDAは重症の定義が異なるようだが、この試験ではCDC定義による重症例はゼロ対32例でワクチン効率100%、FDA定義では1例対21例で95.3%だった。 地域別では、米国は症候性感染が50例対647例でワクチン効率は92.6%。南アフリカではゼロ対9例で100%だった。この9例中6例はエスケープ変異を持つB.1.351系統だった。組入れ数やイベント数が少ないので信頼区間は広いが、少なくとも南ア変異株に対する効果を疑う余地は小さそうだ。 インフルエンザと異なりCOVID-19は季節性ではないので、ワクチンの効果は半年保つだけでは足りない。...