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8月, 2025の投稿を表示しています

第1222回

  【ニュース・ヘッドライン】 CDCの複数の高官がCOVID-19ワクチン政策を巡り免職/辞任  FDA、一転してチクングニア熱生ワクチンの承認を停止  FDA、有害事象報告件数を日次発表  リリー、ベージニオの術後投与試験で延命効果も確認  C5生成阻害剤の第3相筋無力症試験が成功  イーライリリー、経口GLP-1アゴニストのT2D肥満試験が成功し承認申請へ  ウィフガートの抗AChR抗体を持たない筋無力症試験が成功  25/26シーズンのCOVID-19ワクチンが承認  レパーサが初発予防に承認  レケンビのMRI検査は早めに始めるべし  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 CDCの複数の高官がCOVID-19ワクチン政策を巡り免職/辞任 (2025年8月27日発表) 第2次トランプ政権下の医療政策は大きく変貌しており高官人事の面でも波乱万丈だ。今回は、FDAがCOVID-19ワクチンの適応範囲を狭めたこと(後記)などに反発した、HHS(アメリカ合衆国保健福祉省)傘下で感染症対策などを担うCDC(疾病管理予防センター)のヘッドが更迭され、抗議のため主要部門のヘッドなど3人が辞任した。 ワクチンの承認はFDAの権限なのでCDCのディレクターが反対するのは奇異だが、おそらく、背景には、HHSのロバート・F・ケネディ長官がCDCの役割を縮小しようとしている(と報じられている)ことがあるのだろう。今回、COVID-19ワクチンの適応範囲を狭めたことは、大流行期が終わったことを考えれば自然な成り行きと思っていたが、CDCの役割を一部取り込んだという側面もあるのだろう。HHS長官はワクチン全般に対して慎重あるいは懐疑的なスタンスのようなので、それに対する反発もあったのではないか。 CDCディレクターのSusan Monarez博士は1ヶ月前に議会で承認されたばかり。HHSはXで退任と発表したが、博士の弁護士はメディアに退任も免職もないと回答、その後、免職が正式発表された。CDCの主要部門であるNational Center on Immunization and Respiratory DiseasesとNational Center for Emerging and Zoonot...

第1221回

【ニュース・ヘッドライン】 アストラゼネカ、フルミストを自己噴霧用にロンチ  CSL、ワクチン事業をスピンアウトへ  NO-ビマトプロストの二本目の第3相が成功  リンヴォックの二本目の脱毛症試験も成功  ctDNA検査でスクリーニングしたMIBCの術後テセントリク試験が成功  ステルス、バース症候群用薬を再承認申請  脊髄小脳失調症用薬の諮問委員会は開催せず  PTCのフリードライヒ運動失調症薬は承認されず  Hunter症候群用薬の審査期間が延長  ファンコニ貧血用薬の欧州における承認申請を撤回  遺伝性血管浮腫のアンチセンス薬が承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 アストラゼネカ、フルミストを自己噴霧用にロンチ (2025年8月15日発表) アストラゼネカは点鼻噴霧用季節性インフルエンザ・ワクチンFluMistを米国の消費者に直接販売する、FluMist Homeをロンチした。成人は自分自身で、2~17歳の小児は親や介護者が、接種する。米国はインフルエンザ・ワクチンなどを薬局で接種することが可能だが、アクセシビリティがさらに一歩前進する。 購入希望者がオンラインで質問票に回答した上で発注すると、オンライン・ファーマシーのASPN Pharmaciesの有資格医療従事者が内容を確認し処方、Polaris Pharmacy Servicesが指定された日に冷蔵宅配する。カリフォルニアやイリノイ、テキサス、フロリダなど34州で実施する予定で、ニュー・ヨークやイリノイ、テキサスなどは規制があるため25/26年シーズンは見送る。 FluMistは07年に米国で、11年にEUで、23年には日本でも承認された弱毒化生ワクチン。米国では2歳以上に承認されている。自己点鼻はユーザビリティ試験(指示通りに接種できるか確認する)に基づき24年9月に承認された。注射を回避できるメリットと、喘鳴歴等やアスピリン同時使用に関わる注意事項や注射用より高価というデメリットがある。 リンク: 同社の米国法人のプレスリリース CSL、ワクチン事業をスピンアウトへ (2025年8月19日発表) オーストラリアのCSL(ASX:CSL)は、25年6月期決算発表に合わせて、人員...

第1220回

  【ニュース・ヘッドライン】 イーライリリー、英国でチルゼパチドを値上げへ  膀胱癌周術期にキイトルーダ・パドセブ併用が有効  ノバルティス、シェーグレン症候群とITPの第3相が成功  IO Biotech、癌ワクチンの第3相がフェールもサブグループ・データに期待  ファイザー、抗P-セレクチン抗体の第3相がフェール  Biohaven社、リルゾール類薬の強迫性障害用途は開発中止  GSK、淋病治療薬を承認申請  Arvinas、SERDを承認申請  線維筋痛症薬が15年ぶりに承認  初の呼吸器乳頭腫症用薬が承認  ウゴービがMASHに適応拡大  インスメッド、非嚢胞性線維症気管支拡張症の新薬が承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 イーライリリー、英国でチルゼパチドを値上げへ (2025年8月14日発表) CNBCなど複数の報道によると、イーライリリーは体重管理薬tirzepatideの英国におけるリスト・プライスを値上げすることでNHS(英国政府の公的医療制度)と合意した。トランプ米国大統領が医薬品の内外価格差の是正を呼びかけたことが引き金、という見方が多い。 GIP/GLP-1受容体アゴニストで肥満症用途では23年11月に英米で、翌月にはEUで、その1年後には日本でも、承認された。米国や日本では二型糖尿病向けの製品名はMounjaro、肥満症向けはZepboundと別名販売されているが、欧州ではMounjaroに統一されている。英国では当初、1ヶ月分のリスト・プライスが用量により92~122ポンドだったが、9月1日付で133~330ポンドに1.4~2.7倍に値上げする。英国は薬価抑制に熱心でイーライリリーも薬価収載前に値引きを迫られたのかもしれないが、価格改定により欧州他地域水準に近づける考え。 それでも米国と比べれば半値水準なので、米国を最恵国待遇するには届かないが、できることからやっていくということなのかもしれない。 リンク: CNBCの報道 【新薬開発】 膀胱癌周術期にキイトルーダ・パドセブ併用が有効 (2025年8月12日発表) ファイザー及びアステラス製薬と、MSDは、夫々、第3相EV-303/KeyNote-905...

第1219回

  【ニュース・ヘッドライン】 BI社、統合失調症のデジタル治療試験が成功  イーライリリーの経口GLP-1作用剤  Journavxの慢性疼痛向けはDPNを優先  ブレヤンジを辺縁帯リンパ腫に適応拡大申請  BI社のher2チロシン・キナーゼ阻害剤が承認  ジャズのClpPアゴニストがK27M変異びまん性正中グリオーマに加速承認  ノバルティス、レクビオのモノセラピーが承認  cALD遺伝子療法のレーベル改訂  FDAもIxchiqの使用制限を解除  オピオイド鎮痛剤の長期使用警告を強化  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【新薬開発】 BI社、統合失調症のデジタル治療試験が成功 (2025年8月7日発表) ベーリンガー・インゲルハイムと米国のClick Therapeuticsは、BI 3972080/CT-155の第3相CONVOKE試験で主目的を達成したと発表した。10月にECNP(欧州神経精神薬理学会)の学会シンポジウムで発表する予定。 Click社はPDT(医家デジタル治療)アプリの開発を進めており、3月には大塚製薬と共同開発したRejoynが大鬱病の補助療法としてFDAの510(k)認可を受けた。BI 3972080/CT-155は統合失調症の経験的(experiential)陰性症状の補助療法。昨年4月にFDAのブレークスルー・ディバイス指定を受けた。 今回のCONVOKE試験は、向精神薬治療を受け安定的な状態だが経験的陰性症状を示す統合失調症の患者における補助療法としての効果を対照デジタル・アプリと比較した。主評価項目は第16週におけるCAINS-MAP(Negative Symptoms, Motivation and Pleasure Scale)。忍容性は良好とのこと。 尚、統合失調症の陰性症状のうち、意欲低下、引きこもり、関心喪失などを経験的陰性症状と呼び、感情鈍麻や言語障害などは表出性(expressive)陰性症状と呼ぶようだ。 リンク: 両社のプレスリリース イーライリリーの経口GLP-1作用剤 (2025年8月7日発表) イーライリリーは経口GLP-1作用剤LY3502970(orforglipron)の最初の第3相...

第1218回

  【ニュース・ヘッドライン】 トランプ大統領、製薬会社17社に値下げ要請  FDAがElevidysの再出荷を認可、CBERヘッドが退任  マンジャロ、心血管アウトカム試験でトルリシティと非劣性  リンヴォックの円形脱毛症試験が成功  JAK1阻害剤ジセレカのaxSpA試験が成功  ジャイパーカのCLL/SLL試験が成功  汎PI3K・mTORC1/2阻害剤の第3相が成功  GSK、抗TIM-3抗体の第3相がフェール  ベネクレクスタ・カルケンス併用を承認申請  トレムフィアの関節損傷抑制作用を効能追加申請  イミフィンジを胃・GEJ癌に適応拡大申請  皮下注用ダラザレックスの適応拡大申請が審査完了に  Regeneron社、複数の承認申請が審査完了に  ノボ、アレモが米国でもインビビター保有限定の解除  新規老視治療薬が承認  PTC社のPKU用薬が承認  エムパベリがC3腎症などに適応拡大  FDA、クラトムを高量含有する商品の麻薬指定を推奨  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 トランプ大統領、製薬会社17社に値下げ要請 (2025年7月31日発表) 米国連邦のトランプ大統領は大手製薬会社17社に書簡を送付し、米国の医薬品価格を主要国で最低水準にするために果たすべき行動を通知した。60日以内に回答するよう求めている。拒否された場合は連邦政府のあらゆる手段を通じて米国家族を守る由。最初にぶち上げて、相手の出方によっては譲歩するという、いつものやり口のようだ。関税交渉のパターンで言えば、双方が譲歩することによって、政府側も、相手側も、成果を国民(株主)にアピールする(アメリカには朝三暮四という言葉がないのだろう)。 米国の薬価は日本やEUと比べて高い。トランプ大統領は第一次政権でも是正を図ったが実現しなかった。第二次政権では、5月に最恵国(MFN)待遇を求める大統領令を発出したが、薬品製造者との協議で十分な進捗が見られなかったため、次の段階に進んだ。要求事項は、 全メディケイド患者にMFN価格を提供する 他の先進国で新薬の価格を米国より割安にしない 患者に直接販売する手段を用意する(MFN価格を上回らないことが条件) 製薬会社が海外で値上げするのを政...