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9月, 2021の投稿を表示しています

第1018回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   高リスク限定でコミナティの三回目接種がEUA  コミナティを5~11歳にも申請へ  JNJ、一回投与型ワクチンの二回接種試験が成功  ベクルリーの外来治療試験が成功  その他の領域:   アステラス、更年期障害用新薬の第3相結果を発表  ESMO:キイトルーダのTNBC一次治療試験、全生存期間の解析も成功  ブルーバード、ベータ・サラセミアの遺伝子治療を米国でも承認申請  BMS、抗LAG-3抗体合剤を承認申請  スキリージをクローン病に承認申請  リズム社、MC4Rアゴニストをバルデー・ビードル症候群などに適応拡大申請  伝染性軟属腫治療薬の承認がCMO問題により遅延  インサイト、JAK阻害剤の局所用新製剤がアトピーに承認  ジャカビが慢性の移植片対宿主病に適応拡大  抗TF抗体薬物複合体が子宮頸癌二次治療に承認  カボメティクスが分化甲状腺癌に適応拡大  【COVID-19関連】 高リスク限定でコミナティの三回目接種がEUA (2021年9月22日発表) バイデン米国大統領は9月20日の週からCOVID-19ワクチンのブースター接種を開始する考えだったが、FDAはBioNTech/ファイザーのComirnaty(tozinameran、和名コミナティ)の三回目接種を一部の人にしかEUA(非常時使用認可)しなかった。両社は16歳以上の全人口を対象にEUAではなく正式な承認を求めていた。Modernaのワクチンは申請/審査手続きが終わっておらず、政府の構想は大きく後退した。 Comirnatyの現在の適応をまとめると、16歳以上に21日置いて二回のプライマリー接種は正式承認、12~15歳はEUA。臓器移植レシピエントなど免疫不全に二回目の28日後に三回目のプライマリー接種はEUA。そして、今回、以下の人たちに二回目から少なくとも6ヶ月置いてブースター接種を行うことがEUAされた。 ・65歳以上 ・18~64歳で重症COVID-19感染症のリスクが高い人 ・18~64歳で施設内/職業的曝露により重症感染症などの深刻合併症リスクが高い人(介護施設入居者/従事者や医療従事者など) VRBPAC(ワクチン及び関連...

第1017回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   FDA諮問委員会、バイデン政権のブースター接種計画に反対  リリーの抗SARS-CoV-2抗体も暴露後予防にEUA  その他の領域:   ESMO:エンハンスト・ハーツーの好成績が続々披露  ESMO:キイトルーダの黒色腫補助療法と子宮頸癌一次治療データ  アステラスの遺伝子療法で4人目の死亡者  リンヴォックを潰瘍性大腸炎に適応拡大申請  百済神州、抗PD-1抗体を米国で承認申請  CHMP、抗癌剤などの承認に肯定的意見  武田、Ariadの第3の医薬品が承認  百済神州、BTK阻害剤が米国で適応拡大  【COVID-19関連】 FDA諮問委員会、バイデン政権のブースター接種計画に反対 (2021年9月17日発表) FDAはVRBPAC(ワクチン及び関連生物学的製品諮問委員会)を招集し、BioNTech(Nasdaq:BNTX)がファイザーと共同で承認申請した、COVID-19ワクチンComirnaty(tozinameran)のブースター・ショットの便益と危険について意見を聞いた。ファイザーは二回接種を終えてから6ヶ月以上経った16歳以上の全人口を適応とする考えだったが、16対2の圧倒的多数が反対した。一方、65歳以上の高齢者と感染したら重症化するリスクのある人(基礎疾患のある人など)に関しては、全員が賛成した。公式な採決ではないが、後者に医療従事者のような感染リスク自体が高い人を含めることも支持された。 バイデン政権は9月20日の週から接種完了後9ヶ月経った人のCOVID-19ワクチンのブースター接種を開始する予定だが、FDAの中には否定的な意見も多いようで、この件が引き金になったのかトランプ大統領時代の政策のせいなのかは分からないが、ワクチンを担当するCBERの高官二名が退職を決めたという。この諮問委員会にも影を落としており、通常は一週間前に委員用ブリーフィング資料と共に公表される諮問事項が、直前になって一つ公表されただけだった。ファイザーのブースター接種の投与実績は数百人とワクチンとしては少なく、低年齢や高齢者は特に少なかったので、この質問にYesと答えるのは困難であり、クリーブランド・クリニック時代から一部製薬会社のスタンス...

第1016回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   Humanigen、抗GM-CSF抗体のEUA取れず  その他の領域:   アストラゼネカ、SABA・ICS合剤の喘息症第3相が成功  アストラゼネカ、抗PD-L1抗体と抗CTLA4抗体の併用試験がやっと成功したが  C3阻害剤の第3相地図状萎縮試験は一勝一敗  サノフィ、BTK阻害剤の第3相天疱瘡試験がフェール  MacroGenics、Margenzaの延命効果確認できず  レルゴリクス合剤が米国で適応拡大申請  【COVID-19関連】 Humanigen、抗GM-CSF抗体のEUA取れず (2021年9月9日発表) Humanigen(Nasdaq:HGEN)はKB003(lenzilumab)をCOVID-19肺炎の治療薬としてEUA(非常時使用認可)するようFDAに求めていたが、認められなかった。今後に向けてFDAからどのようなフィードバックがあったのかは開示されていない。様々な新興企業が治験で良績を上げEUA申請したが、プレス発表の勇ましさとは裏腹の結果になることが少なくない。 lenzilumabはGM-CSFに結合するIgG1型ヒト化抗体。第3相は米国と南米の施設で肺炎の画像所見があり酸素投与(ハイフロー酸素も含む)を受けているが人工呼吸器装着までは悪化していない患者約500人を組入れて、標準療法(8割の被験者がdexamethasone、6割がremdesivirを使用)に追加する効果を偽薬と比較した。結果は、28日間人工呼吸器フリー生存のハザードレシオが1.54、p=0.0365と高度ではないが有意な差があった。人工呼吸器装着または死亡のカプラン・マイヤー推定率は15.6%で偽薬群の22.1%より低く、検出力不足で有意ではないが死亡率も9.6%対13.9%と良好だった。 結果発表時のプレスリリースで一つだけ気になるのは、無作為化割付512人のうち33人は投与を受けなかったことだ。現場はバタバタしているだろうから責められないし、一部の施設がキチンと執行しない前例も偶には見られるが、もしかしたら、インプリメンテーション自体が厳格でなかったのかもしれない。 lenzilumabは昨年10月にNIAID(米国立炎症・ア...

第1015回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ECDCはワクチンの追加接種に否定的  米国はイーライリリーの抗体医薬の出荷を再開  PRAC、COVID-19ワクチンの安全性監視状況をアップデート  その他の領域:   抗タウ抗体の第2相アルツハイマー試験が一部成功  ESC:バイエル、Kerendiaの二本目の糖尿病性腎症試験も成功  ファイザー、JAK1阻害剤新薬の直接比較試験が成功  武田、NEDD8阻害剤の第3相がフェール  HIV感染予防ワクチンの後期第2相がフェール  上海君実、米国で抗PD-1抗体を承認申請  FDA、百済神州のbtk阻害剤をWM症候群に適応拡大  キイトルーダ、膀胱癌一次治療が結局、本承認に  FDA、JAK阻害剤の規制を強化  PRAC、イムブルビカ・リツキシマブ併用とACE阻害剤の相互作用懸念を公表  【COVID-19関連】 ECDCはワクチンの追加接種に否定的 (2021年9月1日発表) EU版疾病予防管理センター、ECDCは、COVID-19ワクチンの追加接種に関する暫定的な評価を明らかにした。米国と異なり否定的だが、ワクチンの信頼性や世界的な供給不足に与える影響にも配慮していることが特徴だ。 まず、免疫不全の人の追加接種と、人口全般のブースター接種は意味合いが違うことを強調した。今回、ワクチンの専門家はブースター・ショットの定義から議論を始めることが多く、東電福島原発の事故でメルトダウンが危惧された時、原子力の専門家は『もしこれをメルトダウンと呼ぶならば、』と最初に定義を問うことが多かったことを思い起こす。ワクチンで十分な免疫を獲得できない人がもう一回接種するのはプライマリー接種の継続であり、免疫を獲得した人が経時的な低下を補うためにするのがブースター接種とのことだが、私にとって重要なのは、定義や名称が何であろうが、私たちに危害や便益を及ぼすか否かなので、無視したい。 ブースター接種の便益については、現時点のエビデンスは、EUで承認されているワクチンの入院、重症感染、死亡予防効果が高いことを示しており、急いで追加接種する必要はないと指摘した。ワクチンの主目的は重症感染症を防ぐことなので、もっと軽い感染症を予防する効果がもし低下した...