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10月, 2022の投稿を表示しています

第1074回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   TREM-1阻害剤が危機的COVID-19試験で良績  コミナティの市場価格は110~130ドル?  その他の領域:   アルナイラム、薬価規制を恐れて遺伝病臨床試験を見送り  FDAがlurbinectedinの承認を取り消さない理由  アストラゼネカ、乳癌二新薬のデータを発表  ノバルティス、PNH治療薬の第3相が成功  バビースモの静脈閉塞症試験が成功  GSK、抗GM-CSF抗体のリウマチ試験は期待外れの結果に  ファセンラの好酸球性食道炎試験は案外な結果に  代謝性アシドーシス試験がフェール  CD3・CD20二重特異性抗体を欧米で承認申請  解離性ステロイドをDMDに承認申請  抗IL-13抗体をアトピーに承認申請  BMS、心ミオシン阻害剤の適応拡大を申請  マイクロバイオーム療法の承認申請が受理  FDA諮問委員会、透析期腎性貧血にはダプロデュスタットを支持  FDA諮問委員会、Y-mAbsの新薬の承認を支持せず  D型肝炎用薬、米国では承認見送り  BCMAとCD3の二重特異性抗体が米国でも承認  アストラゼネカの抗CTL抗体が承認  リンヴォックがnr-axSpAに適応拡大  EUもJAK阻害剤の適応縮小へ  PRAC、ステラーラに曝露した胎児の出生後生ワクチン接種を警告  【COVID-19関連】 TREM-1阻害剤が危機的COVID-19試験で良績 (2022年10月25日発表) フランスのInotrem社は、フランス政府の補助を受けて実施しているLR-12(nangibotide)の第2相危機的COVID-19試験の結果をEuropean Society of Intensive Care Medicineの年次総会で発表した。数値上の延命効果は大変高く、欧米の承認審査機関と今後を相談する考え。 LR-12は免疫細胞が発現するTREM-1(Triggering receptor expressed on myeloid cells 1)の第94-105アミノ酸の合成ペプチド。レガンドに結合してTREM-1が調停する免疫の異常活性化を抑制する。先日、敗血症ショックの後期第2相試験の成功が発表された(...

第1073回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   日本政府、使えない抗SARS-CoV-2抗体を1600億円以上調達へ  その他の領域:   遺伝子組換え型プロバイオティクスでフェニルケトン尿症の第3相へ  オプジーボ、黒色腫完全切除後の再発死亡を半減  点鼻用CaブロッカーのPSVT洞調律試験が成功  rhALPの敗血症性球性腎障害試験が無益中止に  FDA諮問委員会、圧倒的多数が早産予防薬の承認取消に賛成  Minerva、向精神薬の承認申請が受理されず  【COVID-19関連】 日本政府、使えない抗SARS-CoV-2抗体を1600億円以上調達へ (2022年10月18日発表) ロシュは、Ronapreve(casirivimab、imdevimab)の日本における売上高が第4四半期に11億スイスフラン(約1650億円)と急増する見込みであることを2022年第3四半期決算発表会で明らかにした。オミクロン株には無効であることを考えると、税金の無駄遣いと言わざるを得ない。何とかキャンセルできないものだろうか。 RonapreveはRegeneron Pharmaceuticals(Nasdaq:REGN)が開発した二種類の抗SARS-CoV-2抗体。元々は二本のバイアルに分かれていたが、米国では合剤も承認されている。軽中等症COVID-19患者の重症化抑制や濃厚接触者の曝露後発症抑制に承認され、21年の同社の売上高は58億ドル、米国外で販売するロシュは17億ドルと超大型化した。しかし、オミクロン株には無効であることから、22年の1-6月のRegeneronの売上高は僅少、中外製薬の日本の売上高も1-3月の608億円が4-6月にはゼロだった。ロシュの決算発表によると、7-9月の日本における売上は為替変動の影響もありマイナスとなっている。 このような薬に更に1650億円も払うのは、おそらく、二つの理由があるだろう。既に契約してしまったこと、そして、この薬が有効な株が今後、流行しないとは限らないことだ。だが、この種の契約は開発に成功し承認されることが成立条件であり、現在流行している株に効かないということは、承認されていないことと実質的に大差ない。また、少なくとも現状では、シンガポールなどを除いて、BA...

第1072回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ラゲブリオは現実の世界で効く?効かない?  ワクチン二品が小児のブースターにEUA  その他の領域:   Helsinn、FGFR阻害剤の販売を終了へ  GSKの高齢者用RSVワクチンも第3相成功  iBAT阻害剤のアラジール症候群試験が成功  activinブロッカーの肺動脈高血圧症試験が成功  NMDA受容体拮抗剤の鬱病試験がフェール  アイリーアを米国でも未熟児網膜症に適応拡大申請  TROP-2標的ADCを適応拡大申請  活性化PI3Kデルタ症候群用薬を欧州でも申請  ドパミン連続点滴器の承認はお預け  CHMP、デング熱ワクチンや他家T細胞療法などの承認を支持 【COVID-19関連】 ラゲブリオは現実の世界で効く?効かない? (2022年10月6日発表) MSDは、抗SARS-CoV-2薬Lagevrio(molnupiravir)の現実の世界での治療成績を調べた英国とイスラエルにおける臨床試験論文二本の草稿が公開されたと発表した。承認のエビデンスとなった第3相と同じ主評価項目を採用し再現性を検討したが、一勝一敗だった。また、トランスジェニックマウスの癌原性試験が好ましい結果になったことも明らかにした。 英国の試験はオックスフォード大学が主導して、英国における承認内容に即して、50歳以上、または高リスクの18歳以上、且つ、発症5日以内のCOVID-19患者25783人を対象としたオープンレーベル試験。被験者の平均年齢は56歳、多くが65歳未満だった。第3相との大きな違いは9割超がワクチン接種済であることと、無作為化割付時期は昨年12月8日から今年4月27日で主としてオミクロン株流行期に実施されたこと。 主評価項目の28日間全入院/全死亡はLagevtrio服用者12516人中103人、服用しなかった12484人中では96人で、両群とも0.8%前後、有意差はなかった。一方、副次的評価項目の一つであるメジアン罹病期間(患者評価)は各9日と15日、年齢や持病の調整後でも10.4日対14.5日で、症状が早く解消する可能性が浮上した。 イスラエルの試験は大手管理医療機関Clalit Health Servicesの医療記録の後顧的解析。...

第1071回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ラゲブリオは案外効かないという論文草稿は撤回  エバシェルドはBA.4.6が苦手  ラムダ・インターフェロンのEUA申請を断念  その他の領域:   イクスタンジ・PARP阻害剤併用試験が成功  ClovisのPARP阻害剤も前立腺癌試験が成功  金製剤のALS試験はフェール  Tdapワクチンは胎児にも有益  アルナイラム、PH1治療薬の便益追加  【COVID-19関連】 ラゲブリオは案外効かないという論文草稿は撤回 MSDの抗SARS-CoV-2薬に関する英国の疫学研究論文の草稿が査読前論文レジストリーで公開されたが、既に撤回されたようで、内容の真偽は暗闇の中だ。報道によると、入院死亡は治療を受けなかったグループと有意差なし、但し、快復までのメジアン期間は通常医療が15日であったのに対して9日だった。どちらも驚くべき発見だが、原典にアクセスできないので、PICOをチェックできない。 MSDのRNA依存性RNAポリメラーゼ阻害剤Lagevrio(molnupiravir)は、ファイザーの3CLプロテアーゼ阻害剤Paxlovid(nirmatrelvir、ritonavir)と前後して、昨年12月に米国で重症化リスク因子を持つ軽中等症COVID-19の入院死亡リスクを抑制する薬として承認された。エビデンスとなる臨床試験の対象はワクチン未接種者で、実施時期はオミクロン株登場前だった。従って、成人人口の大半を占めるワクチン接種済みの人が、重症化率が低いオミクロン株に感染した場合の、重症化予防率とnumber-needed to-treatは臨床試験のデータより見劣りすると考えるべきである。 実際、Paxlovidの重症化リスク因子を持たない、あるいは、持っているがワクチン接種済の患者を組入れた試験は途中で中止された。どちらの患者でも入院死亡を5割以上抑制したのだが、偽薬群の入院死亡数が前提を下回ったため、検出力不足になってしまったのだ。下回った理由は明確ではないが、オミクロン株に代わったことが響いたのではないか。 今回のデータを見られないのは残念だが、今後、似たような疫学論文が医学誌に刊行されても驚くべきではないだろう。 エバシ...

第1070回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   ゾコーバの第3相が成功  BioNTech/ファイザー、二価ワクチンを5~11歳にも申請  その他の領域:   レカネマブの早期アルツハイマー病試験が成功  ロフルミラストの頭体部乾癬試験が成功  週2回皮注型短腸症候群用薬の第3相が成功  OCAのNASH肝硬変試験はフェール  ミエロペルオキシダーゼ阻害剤のALS試験が打ち切りに  DMDの遺伝子療法を承認申請  バイオマリン、A型血友病の遺伝子療法を再申請  活性化PI3Kデルタ症候群用薬を承認申請  FDA、大鵬の胆管癌用薬を承認  FDAがALS治療薬を承認  デュピクセントが結節性痒疹に適応拡大  エイベリス点眼液が米国でも承認  リムパーザの4次治療データ  PRAC、terlipressinのリスク対策を発表  【COVID-19関連】 ゾコーバの第3相が成功 (2022年9月28日発表) 塩野義製薬は、日韓ベトナムの施設で実施したS-217622(エンシトレルビル フマル酸、和名ゾコーバ)の第2/3相COVID-19試験の第3相部分が成功したと発表した。オミクロン株流行期に、COVID-19治療薬としては初めて、罹病期間短縮効果を示した。海外でもACTIV-2d/SCORPIO-HR試験が進行中。 ファイザーのPaxlovid(nirmatrelvirとritonavirを同梱、和名パキロビッド)と同様に、SARS-Cov-2の複製に必要な3CL蛋白分解酵素を阻害する経口剤で、北海道大学発。第3相部分の特徴は、ワクチン接種の有無を問わず、Paxlovidなどが適応にならないリスク因子を持たない患者も組入れていること。軽症・中等症の1821人を偽薬、低用量、高用量の3群に無作為化割付して、一日一回、5日間投与した。先行二品の第3相は重症化リスクを主評価項目としており、罹病期間短縮作用は確認されていないが、塩野義はオミクロン株に特徴的な5症状(鼻水または鼻づまり、喉の痛み、咳の呼吸器症状、熱っぽさまたは発熱、疲労感)が消失するまでの期間という、インフルエンザ治療薬と類似した分かりやすい指標を採用した。 結果は、承認申請中の低用量群が偽薬比有意に短かった。メジアン値は1...