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第952回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:英国のデキサメタゾン試験の論文原稿が公開  バベンチオをEUでも尿路上皮癌の一次治療後維持療法として適応拡大申請  レルミナを米国で前立腺癌に承認申請  フォスフォマイシンのNDAは審査完了  FDA、フェンフルラミンをドラベ症候群治療薬として承認  FDA、キイトルーダを皮膚扁平上皮癌に適応拡大  FDA、Xpovioをびまん性大細胞型B細胞リンパ腫に適応拡大  【今週の話題】 COVID-19:英国のデキサメタゾン試験の論文原稿が公開 (2020年6月22日発表) 医学誌などで刊行される前の論文原稿のレジストリーであるmedRxivに、RECOVERY試験の低量dexamethasone(DEX)群に関する治験論文原稿が登録・公開された。6月16日付のプレスリリースから一部の数値が変更されており、今後も変わる可能性があるが、重要なエビデンスになり得る試験なので主要指標をチェックしてみよう。 RECOVERY試験はCOVID-19に感染し英国の医療施設に入院した患者をDEX群と通常医療群に無作為化割付して、救命効果をオープンレーベルで比較した。RECOVERY試験はアダプティブ・デザインで有望な候補薬が登場したら追加設定できるようになっており、DEX群以外にhydroxychloroquine(HCQ)群、Kaletra(lopinavirとritonavirの合剤)群、azithromycin群などが設定されたが、HCQは中間解析で効果が認められなかっため中止。DEXは成功したため、今後は、酸素投与・呼吸補助が必要に関してはDEXを全員に投与した上で試験薬を追加するプロトコルに変わるのではないか。 DEX試験の結果を改めて吟味すると、まず、患者背景は、平均年齢66歳、女性は36%、持病は糖尿病(被験者の24%)、心臓疾患(27%)、慢性肺疾患(21%)など。SARS-CoV-2検査で陰性(10%)・不明(9%)の患者もいた。 介入方法は、DEX群は6mgを経口又は静注で一日一回、10日間を上限に、投与した。実際にDEXを投与した患者の比率はDEX群が95%、通常医療群は7%だった。azithromycinは両群とも23~24%が使用。RECOVERY試験は重症化した...

第951回

【ニュース・ヘッドライン】 FDA、ADHD治療用ゲームソフトの販売を認可  COVID-19:低量デキサメタゾンが呼吸不全患者の死亡リスクを削減  COVID-19:イタリアでアクテムラの臨床試験がフェール  COVID-19:FDA、CQ/HCQのEUAを撤回  COVID-19:FDA、レムデシビルとCQ/HCQの相互作用リスクを警告  COVID-19:ノバルティス、HCQのCOVID-19試験を打ち切り  COVID-19:アストラゼネカ、ワクチンの先行予約が11億回分に  COVID-19:免疫パスポートは期限切れが早い?  ロシュ、AKT阻害剤の第三相試験が成功  テセントリクのTNBCネオアジュバント試験が成功  ベージニオの早期乳癌アジュバント試験が成功  ダラザレックスのALアミロイドーシス試験が成功  FDA、エピザイムのEZH2阻害剤を濾胞性リンパ腫に適応拡大  クリースビータが腫瘍性骨軟化症に適応拡大  キイトルーダが高TMB腫瘍に承認  FDA、小細胞性肺癌の新薬を承認  ノバルティス、コセンティクスがnr-axSpAに適応拡大  ノバルティス、イラリスが米国でもスチル病に承認  【今週の話題】 FDA、ADHD治療用ゲームソフトの販売を認可 (2020年6月15日発表) FDAは、Akili Interactiveのデジタル・ヘルス治療用ディバイス、EndeavorRxの販売を認可した。8~12歳の注意欠如型または混合型のADHD(注意欠如・多動症)の治療に用いるゲームソフトで、医師の処方を得たうえで、App StoreからiPhoneなどにダウンロードして使う。ゲーム型医療機器の認可は初めて。 Akiliはボストンの中枢神経疾患治療用ソフトウェア開発会社。EndeavorRxはレース型の3Dゲームで、モバイル機器を左右に動かしたり画面をタップしたりして障害物を回避しながら、30分間に五つの簡単ではないミッションを遂行する。リアクションに基づいてソフトが集中力などをリアルタイム評価し困難度を調節する。 30分経つと翌日までプレイできない。週五日、一ヶ月が一サイクルで、必要に応じて繰り返す。 複数の無作為化割付二重盲検(!)対照試験で、TOVA(Tests of V...

第950回

【ニュース・ヘッドライン】 アルナイラム、原発性高シュウ酸尿症I型治療薬の第三相データを発表  MSD、キイトルーダの膀胱癌化学療法併用一次治療試験がフェール  FDA、ビエラ・バイオのNMOSD治療薬を承認  オプジーボが米国でも食道がんに適応拡大  【新薬開発】 アルナイラム、原発性高シュウ酸尿症I型治療薬の第三相データを発表 (2020年6月7日発表) 米国マサチューセッツ州ケンブリッジののRNA介入薬開発会社、アルナイラム(Nasdaq:ALNY)は、ALN-GO1(lumasiran)の第三相ILLUMINATE-A試験の概要をERA-EDTA国際会議でバーチャル発表した。原発性高シュウ酸尿症I型(PH1)で軽中度の腎障害を持つ患者39人を組入れた試験で、ALN-G01群は尿シュウ酸塩が顕著に減少、5割の患者で正常化した。 PH1はアラニン:グリオキシル酸アミノトランスフェラーゼの欠損による常染色体性劣性遺伝疾患。シュウ酸が過剰になり腎臓などに障害を与える。罹患率は数万人に一人と推定されている。、ALN-G01はグリコール酸酸化酵素の遺伝子、HAO1を沈黙させるRNA介入薬。本試験では、3mg/kgを最初の3回は月一回、その後は3ヶ月毎に、皮注した。主評価項目の尿シュウ酸塩減少率(24時間蓄尿、第3~6月の平均値をベースラインと比較)は65.4%、偽薬調整後で53.5%となった。副次的評価項目の一つである、第6月の尿シュウ酸塩正常化(≦0.514 mmol/24hr/1.73m2)率は52%、偽薬群はゼロだった。有害事象は注射箇所反応など。重度以上の有害事象は見られなかった。 代理マーカーに基づく評価だが、事前にFDAの同意を得ている由なので、問題ないのだろう。 アルナイラムは4月に欧米で承認申請した。米国は優先審査で審査期限は12月3日、EUも加速審査を受ける。 サノフィが欧米外の地域でのオプト・イン・オプションを持っていたが行使しなかったため、アルナイラムが全権利を持っている。 リンク: 同社のプレスリリース MSD,キイトルーダの膀胱癌化学療法併用一次治療試験がフェール (2020年6月9日発表) MSDは、Keytruda(pembrolizumab、和名キイトルーダ)のKE...

第949回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:米国の感染死亡者の1/4は老人ホーム入居者  COVID-19:イーライリリー、抗体医薬の臨床試験を開始  COVID-19:レムデシビルの中等症COVID-19試験結果が発表  COVID-19:ヒドロキシクロロキン、介入的試験でCOVID-19に効果を示せず  COVID-19:クロロキンの安全性に関するLancet論文などが撤回  BMS、多発硬化症用薬の潰瘍性大腸炎適応拡大試験が成功  バイエル、可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を日欧で承認申請  FDA、MSDのカルバペネム合剤を院内感染細菌性肺炎に適応拡大  イーライリリー、トルツが米国でnr-axSpAに適応拡大  イーライリリー、サイラムザがEGFR抵抗性変異NSCLCに適応拡大  アストラゼネカ、ブリリンタが高リスク冠動脈疾患の初発予防に承認  【今週の話題】 COVID-19:米国の感染死亡者の1/4は老人ホーム入居者 (2020年6月2日発表) COVID-19は欧州や米国、ブラジルなどで大流行しているが、日本などアジアの罹患率は比較的低い。何が違うのかは諸説あり、民意と言われるのはこそばゆいが、PCRの検体は唾液でも良いと言われると、唾が飛びにくくなるのでマスクがやっぱり大事なのかなとも思う。 一つ気になるのは、イタリアやアメリカでは老人介護施設での感染や死亡が多いという報道だ。日本でもクラスターがあったし、公表されていない事例も多いだろうが、日本は特に都市部では入居が順番待ちで、自宅介護を望む老人や家族も多いだろう。集団生活する老人が少なければ乗数的な老人間感染も少なくなるだろうから、それが罹患率や死亡率の違いの一因になっているのではないか? 残念ながら、高齢者の老人ホーム入居率の国際比較、のようなデータは未だ見つけることができないでいる(知っている人がいたら教えてください)。 そんな折、やっぱり老人ホーム入居者の被害が大きいことを確認できるデータが米国のCMS(高齢者や低所得者向け社会保障制度を担う連邦政府機関)から発表された。感染者数では全米の3%を占める程度だが、千人当り感染者数は62人と全米平均の10倍、感染者の死亡は25,923人で全米の1/4を占め、千人当り27.5人、致死率...

第948回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:GSK、COVID-19ワクチン用アジュバントを量産へ  ASCO:エンハーツが第二相三本で好成績  ASCO:キイトルーダとレンビマの併用試験二本  ASCO:キイトルーダはMSI-H/dMMR結腸直腸癌なら一次治療にも有効  ASCO:タグリッソがEGFRm+NSCLCの切除後アジュバントで良績  Argenx社、抗FcRn抗体フラグメントを全身性重症筋無力症薬として承認申請へ  イブランスの術後アジュバント試験はフェール  GSK、ヌーカラを好酸球増多症候群用薬として承認申請  Protalix社、今度はファブリー病の酵素補充療法を承認申請  CHMP、エボラワクチンや分子標的薬の承認を支持  FDA、子宮筋腫による過多月経の治療薬を承認  ロシュ、テセントリクが肝細胞腫に適応拡大  BMS、オプジーボとヤーボイが肺癌で用法追加  FDA、ALK阻害剤をALK転座陽性NSCLCの一次治療に承認  【今週の話題】 COVID-19:GSK、COVID-19ワクチン用アジュバントを量産へ (2020年5月28日発表) グラクソ・スミスクラインは、21年にパンデミックCOVID-19ワクチン用のアジュバントを10億回分生産すべく、リスクを覚悟で増産投資する決意を発表した。パンデミック期は利益を追求せず、利益はCOVID-19ワクチンの研究開発や他のパンデミックに備えた投資に充当する考え。 アジュバントはワクチンの抗原性を強化する添加物で、一回分に含まれる抗原量を節約できるので、今回のように大量の抗原が必要とされる環境下では重要な要素技術となる。通常はアルミなどを用いるが、同社は新種のアジュバントに積極的に取り組んでおり、例えば、子宮頸がんワクチンのサーバリックスには、Corixa社が開発したグラム陰性菌由来のTLR4刺激剤、monophosphoryl lipidを含有するAS04アジュバントが添加されている。 GSKはサノフィとCOVID-19ワクチンで協業を発表したが、欧州や中国でもコラボを決め、他にも多くの開発者と交渉中とのこと。サノフィ提携だけでも年10億回分以上を供給する計画なので、供給先が増えればアジュバントも10億回分では足りないが、すべての開発...

第947回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:アビガンの中国治験論文原稿の結論が変わった!  COVID-19:アストラゼネカ、英米で4億本のCOVID-19ワクチンを供給へ  COVID-19:中国のワクチンの第一相論文が刊行  COVID-19:ワクチンの最初の臨床データ  レムデシビルの治験論文が遂に刊行  デュピクセントの好酸球性食道炎試験が成功  フィルゴチニブの潰瘍性大腸炎試験が成功  ヴィーブ、2ヶ月毎筋注の抗HIV薬の暴露前予防試験が成功  Syndax、HDAC阻害剤の乳癌第三相試験がフェール  新作用機序の避妊薬が承認  サノビオン、アポモルヒネ舌下フィルムが米国で承認  リムパーザも遺伝子修復不全の去勢抵抗性前立腺癌に承認  FDA、テセントリクをモノセラピーでもNSCLC一次治療薬として承認  【今週の話題】 COVID-19:アビガンの中国治験論文原稿の結論が変わった! (2020年5月22日) 第941号で、武漢大学中南医院のChenらが行ったfavipiravir(日本でアビガンという商品名でパンデミック・インフルエンザに承認)のCOVID-19治療試験の論文原稿に触れたが、アブストラクトの結論部分が変更されたことに遅まきながら気づいたのでアップデートしたい。medRxiv(刊行前の医学論文を掲示するインターネットサイト)の知名度はCOVID-19の流行で一段と高まったが、よく言われる、『査読を経て記述が変わるかもしれないので気を付けよ』という警告が過剰ではないことを示す実例になった。 このオープンレーベル試験は、発症12日以内のCOVID-19肺炎240人をfavipiravir群とumifenovir(中国でArbidol名でインフルエンザに承認)群に無作為化割付して臨床的回復率を比較した。7日時点の臨床的回復率は各61%と52%となり、p=0.14で有意な差は見られなかった。umifenovirがCOVID-19に有効であることを示すエビデンスは確立していないので、favipiravirの有効性も確認できなかったことになる。 一方、副次的評価項目(重症患者も含む)では熱や咳の改善が有意に早かった。臨床的回復率に関しても、事後的に行われた重症患者を除外した解析では各71%と...

第946回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:米国で抗原検査が初承認  COVID-19:FDAがアボットの迅速核酸検査の偽陽性報告を検討へ  ASCO:ロシュの抗TIGIT抗体がNSCLCにおける抗PD-L1抗体の効果を増強  ASCO:ノバルティスも抗PD-1抗体を開発  ASCO:オプジーボ、ヤーボイ、CTの併用で非小細胞性肺癌の全生存期間を延長  MSD、キイトルーダのトリプルネガティブ乳癌と古典的ホジキンリンパ腫試験が成功  臍帯血由来の細胞療法の第三相造血幹細胞移植試験が成功  サノフィ、抗CD38抗体の多発骨髄腫二次治療試験が成功  禁煙補助薬の第三相ドライアイ試験が成功  MyoKardia社、症候性閉塞性肥大型心筋症の第三相が成功  Genfit、PPAR作動剤の第三相NASH試験がフェール  サノフィ、寒冷凝集素症用薬を承認申請  ブループリント社、GIST治療薬の適応拡大ならず  BMS、CAR-Tは7月に再承認申請へ  スノビオン、dasotrelineの承認申請を撤回  FDA、GIST4次治療薬を3ヶ月前倒しで承認  FDA、オプジーボとヤーボイの併用を非小細胞性肺癌の一次治療に承認  FDA、ポマリストをカポジ肉腫に承認  FDA、Clovis社のPARP阻害剤をBRCA変異前立腺癌に効能追加  リムパーザ、卵巣癌一次治療後維持療法にベバシズマブ併用が承認  【今週の話題】 COVID-19:米国で抗原検査が初承認 (2020年5月8日発表) Quidel(Nasdaq:QDEL)は、SARS-CoV-2の抗原検査がFDAの緊急時使用認可(EUA)を取得したと発表した。検査時間は15分で、特定の条件を満たす医療施設ならポイント・オブ・ケア検査として使用することができる。 同社のSofia 2蛍光免疫アナライザー用のラテラル・フロー免疫蛍光サンドイッチ法アッセイで、鼻腔や上咽頭スワブの中のヌクレオカプシド蛋白抗原を検出する。季節性コロナウイルスには反応しないがSARS-CoV(SARSウイルス)とSARS-CoV-2を識別することはできない。 試験成績は、上咽頭スワブ冷凍検体(陽性59例、陰性84例)を用いた試験では感度が80%(95%信頼区間下限68%)、特異度1...