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第948回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:GSK、COVID-19ワクチン用アジュバントを量産へ  ASCO:エンハーツが第二相三本で好成績  ASCO:キイトルーダとレンビマの併用試験二本  ASCO:キイトルーダはMSI-H/dMMR結腸直腸癌なら一次治療にも有効  ASCO:タグリッソがEGFRm+NSCLCの切除後アジュバントで良績  Argenx社、抗FcRn抗体フラグメントを全身性重症筋無力症薬として承認申請へ  イブランスの術後アジュバント試験はフェール  GSK、ヌーカラを好酸球増多症候群用薬として承認申請  Protalix社、今度はファブリー病の酵素補充療法を承認申請  CHMP、エボラワクチンや分子標的薬の承認を支持  FDA、子宮筋腫による過多月経の治療薬を承認  ロシュ、テセントリクが肝細胞腫に適応拡大  BMS、オプジーボとヤーボイが肺癌で用法追加  FDA、ALK阻害剤をALK転座陽性NSCLCの一次治療に承認  【今週の話題】 COVID-19:GSK、COVID-19ワクチン用アジュバントを量産へ (2020年5月28日発表) グラクソ・スミスクラインは、21年にパンデミックCOVID-19ワクチン用のアジュバントを10億回分生産すべく、リスクを覚悟で増産投資する決意を発表した。パンデミック期は利益を追求せず、利益はCOVID-19ワクチンの研究開発や他のパンデミックに備えた投資に充当する考え。 アジュバントはワクチンの抗原性を強化する添加物で、一回分に含まれる抗原量を節約できるので、今回のように大量の抗原が必要とされる環境下では重要な要素技術となる。通常はアルミなどを用いるが、同社は新種のアジュバントに積極的に取り組んでおり、例えば、子宮頸がんワクチンのサーバリックスには、Corixa社が開発したグラム陰性菌由来のTLR4刺激剤、monophosphoryl lipidを含有するAS04アジュバントが添加されている。 GSKはサノフィとCOVID-19ワクチンで協業を発表したが、欧州や中国でもコラボを決め、他にも多くの開発者と交渉中とのこと。サノフィ提携だけでも年10億回分以上を供給する計画なので、供給先が増えればアジュバントも10億回分では足りないが、すべての開発...

第947回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:アビガンの中国治験論文原稿の結論が変わった!  COVID-19:アストラゼネカ、英米で4億本のCOVID-19ワクチンを供給へ  COVID-19:中国のワクチンの第一相論文が刊行  COVID-19:ワクチンの最初の臨床データ  レムデシビルの治験論文が遂に刊行  デュピクセントの好酸球性食道炎試験が成功  フィルゴチニブの潰瘍性大腸炎試験が成功  ヴィーブ、2ヶ月毎筋注の抗HIV薬の暴露前予防試験が成功  Syndax、HDAC阻害剤の乳癌第三相試験がフェール  新作用機序の避妊薬が承認  サノビオン、アポモルヒネ舌下フィルムが米国で承認  リムパーザも遺伝子修復不全の去勢抵抗性前立腺癌に承認  FDA、テセントリクをモノセラピーでもNSCLC一次治療薬として承認  【今週の話題】 COVID-19:アビガンの中国治験論文原稿の結論が変わった! (2020年5月22日) 第941号で、武漢大学中南医院のChenらが行ったfavipiravir(日本でアビガンという商品名でパンデミック・インフルエンザに承認)のCOVID-19治療試験の論文原稿に触れたが、アブストラクトの結論部分が変更されたことに遅まきながら気づいたのでアップデートしたい。medRxiv(刊行前の医学論文を掲示するインターネットサイト)の知名度はCOVID-19の流行で一段と高まったが、よく言われる、『査読を経て記述が変わるかもしれないので気を付けよ』という警告が過剰ではないことを示す実例になった。 このオープンレーベル試験は、発症12日以内のCOVID-19肺炎240人をfavipiravir群とumifenovir(中国でArbidol名でインフルエンザに承認)群に無作為化割付して臨床的回復率を比較した。7日時点の臨床的回復率は各61%と52%となり、p=0.14で有意な差は見られなかった。umifenovirがCOVID-19に有効であることを示すエビデンスは確立していないので、favipiravirの有効性も確認できなかったことになる。 一方、副次的評価項目(重症患者も含む)では熱や咳の改善が有意に早かった。臨床的回復率に関しても、事後的に行われた重症患者を除外した解析では各71%と...

第946回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:米国で抗原検査が初承認  COVID-19:FDAがアボットの迅速核酸検査の偽陽性報告を検討へ  ASCO:ロシュの抗TIGIT抗体がNSCLCにおける抗PD-L1抗体の効果を増強  ASCO:ノバルティスも抗PD-1抗体を開発  ASCO:オプジーボ、ヤーボイ、CTの併用で非小細胞性肺癌の全生存期間を延長  MSD、キイトルーダのトリプルネガティブ乳癌と古典的ホジキンリンパ腫試験が成功  臍帯血由来の細胞療法の第三相造血幹細胞移植試験が成功  サノフィ、抗CD38抗体の多発骨髄腫二次治療試験が成功  禁煙補助薬の第三相ドライアイ試験が成功  MyoKardia社、症候性閉塞性肥大型心筋症の第三相が成功  Genfit、PPAR作動剤の第三相NASH試験がフェール  サノフィ、寒冷凝集素症用薬を承認申請  ブループリント社、GIST治療薬の適応拡大ならず  BMS、CAR-Tは7月に再承認申請へ  スノビオン、dasotrelineの承認申請を撤回  FDA、GIST4次治療薬を3ヶ月前倒しで承認  FDA、オプジーボとヤーボイの併用を非小細胞性肺癌の一次治療に承認  FDA、ポマリストをカポジ肉腫に承認  FDA、Clovis社のPARP阻害剤をBRCA変異前立腺癌に効能追加  リムパーザ、卵巣癌一次治療後維持療法にベバシズマブ併用が承認  【今週の話題】 COVID-19:米国で抗原検査が初承認 (2020年5月8日発表) Quidel(Nasdaq:QDEL)は、SARS-CoV-2の抗原検査がFDAの緊急時使用認可(EUA)を取得したと発表した。検査時間は15分で、特定の条件を満たす医療施設ならポイント・オブ・ケア検査として使用することができる。 同社のSofia 2蛍光免疫アナライザー用のラテラル・フロー免疫蛍光サンドイッチ法アッセイで、鼻腔や上咽頭スワブの中のヌクレオカプシド蛋白抗原を検出する。季節性コロナウイルスには反応しないがSARS-CoV(SARSウイルス)とSARS-CoV-2を識別することはできない。 試験成績は、上咽頭スワブ冷凍検体(陽性59例、陰性84例)を用いた試験では感度が80%(95%信頼区間下限68%)、特異度1...

第945回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:FDA、家庭で採取した唾液も検査できるRNA検査キットを承認  TG社、抗CD20抗体とPI3Kデルタ阻害剤の併用CLL試験が成功  抗PD-1抗体の基底細胞癌試験が成功  アムジェン、オテズラの軽中度尋常性乾癬試験が成功  ニューロン社、sarizotanのRett症候群試験はフェール  FDA、RET変異癌の分子標的薬を承認  FDA、METエクソン14スキップ型非小細胞性肺癌用薬を承認  フォシーガが左室駆出率低下心不全に適応拡大  【今週の話題】 COVID-19:FDA、家庭で採取した唾液も検査できるRNA検査キットを承認 (2020年5月8日発表) FDAは、4月に緊急時使用認可(EUA)を与えたRutgers Clinical Genomics LaboratoryのTaqPath SARS-CoV-2 Assayに関して、特定のキット(Spectrum Solutions LLCのSDNA-1000 Saliva Collection Device)を用いて被検者が自分で取得し郵送した標本を検査することも認めた。家庭採取の鼻ぬぐい液に対応した核酸検査は4月にLaboratory Corporation of America(LabCorp)のCOVID-19 RT-PCR TestがEUAを受けたが、唾液にも対応したアッセイは初めて。報道によると、価格は一回分が150ドル、キャパは一日一万件程度だが拡大中とのこと。検査は上記ラボで行う。 このアッセイは、中咽頭、上咽頭、前鼻、または中鼻甲介のぬぐい液や唾液中のRNAを検出する。唾液の採取から48時間後に行われた検査の成績は、上咽頭ぬぐい液(26例)または中咽頭ぬぐい液(4例)で陽性判定された30例の感度が100%(95%信頼区間下限88.7%)、陰性判定31例(上咽頭27例と中咽頭4例)の特異度は100%(同88.7%)だった。 因みに、LabCorpのほうの成績は、採取72時間後に検査して、陽性標本36例は全て陽性、陰性30例は全て陰性だった。自分で鼻ぬぐい液を取るのは痛みやくしゃみが気になるが、説明書を読むと、綿棒を奥まで差し込む必要はなく球状の部分が入れば十分と書いてある。 COVID-19につい...

第944回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:Modernaが今四半期中にワクチンのP2へ  ロシュのSMA用薬、1型試験も成功  リジェネロンらの抗PD-1抗体も非小細胞性肺炎試験が成功  MSD、ertugliflozinの心血管アウトカム試験は非劣性に留まる  BMS、経口アザシチジンを承認申請  CHMPがノバルティスの喘息用トリプルコンビ薬などの承認を支持  COVID-19:FDA、レムデシビルを特例承認  FDA、GSKのPARP阻害剤を卵巣癌一次治療後維持療法として適応拡大  EMA、フルオロウラシル系抗癌剤を使う前にDPD欠損症の検査を推奨  【今週の話題】 COVID-19:Modernaが今四半期中にワクチンのP2へ (2020年4月27日発表) 米国の新興新薬開発会社、Moderna(Nasdaq:MRNA)は、FDAにCOVID-19ワクチンの治験許可申請を行った。NIAID(米国立アレルギー及び感染症研究所)が3月に開始した第一相試験を礎に、今四半期中に第二相試験を開始、順調なら秋にも第三相へ進む見込み。 同社はmRNAを投与して抗体を誘導する技術に特化しており、CMVワクチンやMSDにライセンスしたRSVワクチンが第二相試験段階。COVID-19に関しては、CEPI(感染症流行対策イノベーション連合)やBARDA(生物医学先端研究開発局)、NIAIDの支援を得てmRNA-1273を開発している。第一相試験では25mcg、100mcg、250mcgをテスト、18~55歳のコフォートは45人を組入れ完了、56~70歳と71歳以上のコフォートを組入れ中。 第二相は18~55歳と55歳以上を対象に偽薬、50mcg、250mcgを28日置いて2回接種し、2回目の接種から12ヶ月間、追跡する方向でFDAと相談を進めている由。長期間だが、免疫の持続性(数年維持されるのか、インフルエンザのように毎年接種しなければならないのか)は重要な検討課題だ。 リンク: Modernaのプレスリリース 【新薬開発】 ロシュのSMA用薬、1型試験も成功 (2020年4月28日発表) ロシュがPTCセラピューティクス(Nasdaq:PTCT)からライセンスして開発したSMN2スプライシン...

第943回

訂正:remdesivirの中国試験について、事実関係の誤解を訂正しました。論文が刊行され、ハザードレシオ1.23はremdesivirのほうが悪いのではなく良かったことが判明しました(2020/5/1付) 【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19:テムセルが人工呼吸器患者の回復を支援  COVID-19:NY地区入院患者の特性と転帰  COVID-19:remdesivirの中国試験の結果がリーク  COVID-19:ヒドロキシクロロキンは有効か  Idorsia社、オレキシン受容体アンタゴニストの最初の第三相が成功  BMS、オプジーボの適応拡大試験が二本成功  サノフィ、髄膜菌性疾患ワクチンが承認  Immunomedics、TROP-2標的ADCがTNBCに承認  JNJ、イムブルビカをリツキシマブと併用することが承認  【今週の話題】 COVID-19:テムセルが人工呼吸器患者の回復を支援 (2020年4月24日発表) オーストラリアのMesoblast(ASX:MSB、Nasdaq:MESO)は、COVID-19で中重度急性呼吸窮迫症候群を合併し人工呼吸器のサポートを受けている患者12人に同社が開発しているヒト間葉系幹細胞医薬品、Ryoncil(remestemcel-L、和名テムセル)を投与したところ、9人が人工呼吸器を外すことができ、7人が退院、死亡率は17%に留まっていることを明らかにした。この事例をもとに、北米で第2/3相試験を実施する考え。 この症例報告は、NY市のMt Sinai病院が非常時の治験許可(IND)に基づいて実施したもの。対照群がないのではっきりしたことは分からないが、次項のNY市地域全体のデータと比べると、良さそうに見える。 remestemcel-Lは健常者の骨髄から抽出した間葉系幹細胞。開発が難航し経営困難に陥った会社からMesoblastが事業取得したもの。日本ではJCRファーマが導入し15年に急性移植片宿主病(GvHD:血液癌で他家造血幹細胞移植を受けた患者などで移植細胞が患者の組織を攻撃してしまう病気)治療用の再生医療等製品として承認された。米国でも今年に入って小児急性GvHDに承認申請され、9月30日に審査期限を迎える。 リンク: Methoblast...

通算第942回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19肺炎のサイトカインストーム治療試験が続々開始  Immunomedics、ADCのTNBC試験が早期成功  リジェネロン、エボラの抗体治療薬を承認申請  MSD、キートルーダを高TMB固形癌に承認申請  FDA、SGENのher2阻害剤を承認  FDA、インサイトのFGFR阻害剤を承認  FDA、神経線維腫1型用薬を承認  【今週の話題】 COVID-19肺炎のサイトカインストーム治療試験が続々開始 (2020年4月14日発表) ギリアド・サイエンシズ(Nasdaq:GILD)のremdesivirは、中国での試験が流行鎮静化で患者が集まらず中断になった。中国の公衆にとっては幸福な結果だが、グローバルではまだまだ新規感染が多く、中国も再流行しないとは限らない。対策はワクチンが最重要だが、中国の報告によると、ワクチンより抗体誘導力が高い自然感染でも十分な量の抗体を獲得できない人がいるようなので、ワクチン普及後も抗ウイルス治療薬や肺炎治療薬のニーズは残るだろう。 COVID-19感染症は全体としては症状が軽かったり殆どなかったりする人が多いが、急に呼吸機能が低下し重篤な状態になることがあるので油断できない。一因と疑われているのが炎症性サイトカインの異常増加を伴う免疫機構の過剰反応によって臓器が損傷を受けることだ。対策として中外製薬/ロシュのActemra(tocilizumab)を始めとする抗インターロイキン薬の臨床試験が続々と開始されている。先週は、JAK1/2阻害剤やBTK阻害剤、抗Ang2抗体の臨床試験が発表された。 まず、イーライリリーが、NIAIDが行っているアダプティブ・デザインのCOVID-19治療試験に同社のbaricitinibの群を設定することで合意した。4月中に米国で開始して欧州アジアに拡大する計画で、2ヶ月内に結果をまとめる考え。 baricitinibはインサイト(Nasdaq:INCY)がイーライリリーと共同開発販売しているJAK1/2阻害剤で、欧米でOlumiant名で、日本ではオルミエントとして、中重度関節リウマチなどに承認されている。インサイトはノバルティスと共同で骨髄線維症などに開発販売しているJAK1/2阻害剤、Jakafi(ruxoli...