2020年7月18日

第955回

【ニュース・ヘッドライン】

  • COVID-19:アビガンの国内第二相がフェール 
  • イーライリリーの抗IL-23p19抗体も第三相が成功 
  • ブリリンタの脳卒中再発予防試験論文が刊行 
  • テセントリク、卵巣癌の四剤併用試験がフェール 
  • バイエル/MSD、新規作用機序の慢性心不全治療薬を米国でも承認申請 
  • FDA諮問委員会、テルリプレシンの評価が割れる 
  • FDA諮問委員会、GSKの抗BCMA抗体薬物複合体の承認に賛成 
  • カンタリジンは承認審査完了に 
  • CytoDyn社、抗CCR抗体の承認申請がFDAに受理されず 
  • JNJ、トレムフィアが乾癬性関節炎に承認


【今週の話題】


COVID-19:アビガンの国内第二相がフェール
(2020年7月10日発表)

藤田医科大学が主導して実施していたfavipiravirの第二相試験が主目的を達成できなかったことが公表された。点推定値自体は悪くなさそうだが、favipiravirを使わない対照群と有意な差がなかった。

臨床試験の目的は白黒はっきりさせることであり、結果が期待通りであろうがなかろうが、有効か無効かハッキリするならば人類にとって大きな意義がある。逆に、曖昧な結果に終わった場合、治験に投じられたボランティアの好意と研究者の熱意、そして関わった全ての人の時間や資金が徒労に終わってしまうだけでなく、今後の研究の患いにすらなりかねない。

一例はremdesivirだ。ACTT-1試験が成功し日本などで承認されたが、当初は、中国湖北省で行われたremdesivirの重症COVID-19試験がフェールしたこととの整合性が議論になった。このYeming Wangらの試験も点推定値は良好なもので、偽薬群と有意差が出なかったのは組入れが目標に達せず検出力不足に陥ったことが原因だろう。武漢などでの流行が鎮静化したのは住民にとっては良かったが治験の新規組入れが困難になってしまった。

藤田医科大学ら47医療機関で実施された特定臨床研究の場合、無症状又は軽症のCOVID-19感染者の組入れが89名と予定の86名を越えたので組入れ不足が原因ではなさそうだ。治療開始時点ですでにウイルス消失していた患者など20名が薬効解析対象から除外されたため検出力不足に陥ったのかもしれないが、治療効果の前提や解析計画が甘かったのかもしれない。第二相という立て付けなので、そもそもオフィシャルな仮説はなかったのかもしれないが、だとしたら、この試験に基づいてfavipiravirを承認するというのはずいぶん乱暴な話だったことになる。

主評価項目の累積ウイルス消失率は試験薬群が66.7%、対照群は56.1%、調整後ハザード比は1.42で95%信頼区間は0.76-2.62とのこと。この治療効果では不満という人もいるかもしれないが、通常、何かの病気の臨床試験で有効率が偽薬を10ポイント上回れば、副作用面で大きな問題がない限り、承認を取ることが可能だ。第三相に向かえば成功するかもしれない、との思いを捨てきれない。

尤も、富士フィルム富山化学が主導する非重篤肺炎合併患者の第三相は目標症例数96名、薬効評価項目は7ポイントスケールによる患者状態推移となっており、検出力が足りているかどうか、不安になる。

COVID-19治療薬の探索は世界中で実施されているが、ACTT-1試験の組入れは1000人超、オックスフォード大学が主導しているRECOVERY試験はhydroxychloroquineやlopinavir・ritonavir併用が無効、dexamethasoneは有効であることを明確にする大きな成果を上げたが、各剤の組入れ数は1500名を越えている。英国は大流行したからこれだけの患者を組入れられたのだろうが、中国のCOVID-19ワクチン開発企業がブラジルの医療施設を追加するなど、感染者数不足をグローバル化で克服する動きも出ている。日本も、いつまでもガラパゴスを決めつけないで、大規模な国際治験に一兵卒として参加することによって井の中の蛙ではないことを証明すべきではないだろうか。スマホでは、既に、外国企業の製品が席巻している。政治家や行政はテリトリーがありグローバル化が遅れているが、国民や企業は日本に拘る理由はなく、日本の企業、大学というだけで肩入れしてもらえると思わない方が良い。

リンク: 藤田医科大学のプレスリリース
リンク: 治験登録(JRCTサイト)
リンク: 富士フィルム富山化学主導試験の治験登録(JAPIC臨床試験情報サイト)


【新薬開発】


イーライリリーの抗IL-23p19抗体も第三相が成功
(2020年7月17日発表)

イーライリリーは、IL-23のp19サブユニットに結合する抗体医薬LY3074828(mirikizumab)の最初の第三相試験の結果を発表した。中重度尋常性乾癬における治療効果を偽薬やノバルティスの抗IL-17抗体Cosentyx(secukinumab)と比較したOASIS-2試験で、主評価項目の16週治療奏効率が偽薬を有意に上回り、副次的評価項目のCosentyx群比16週非劣性解析と52週優越性解析も成功した。プレスリリースには明記されていないが承認申請に向かうのではないか。

本試験はsPGA(医師による静的総合評価)とPASI90を用いて奏効評価した。250mgを4週毎皮注した群の16週sPGA奏効率は79.7%と偽薬群の6.2%を有意に上回り、Cosentyx群の76.3%とは非劣性だった。PASI90も同様で、達成率は各74.4%、6.3%、72.8%だった。

LY3074828群は厳密には2群あり、一方は16週以降は125mgを8週毎に、もう一方は250mgを8週毎に、皮注した。Cosentyxは承認用法に則り継続、偽薬群は16週で終了した。52週時点のsPGA奏効率は各83.1%、83.3%、68.5%、PASI90達成率は各81.4%、82.4%、69.4%となり、LY3074828が有意に上回った。

忍容性は類薬と大差なかったとのこと。

既存の抗IL-23p19抗体は、17年に欧米で承認されたジョンソン・エンド・ジョンソンのTremfya(guselkumab、和名トレムフィア)、18年承認のサンファーマのIlumya(tildrakizumab-asmn、和名イルミア)、19年承認のアッヴィのSkyrizi(risankizumab-rzaa、和名スキリージ)。何れもIgG1抗体だがイーライリリーはIgG4抗体であることが目を引く。

夫々の第三相試験で達成したPASIを見比べると、PASI75達成率が他の三剤のPASI90達成率を下回っているIlumya以外は大差ないように見える。用法は何れも皮注。分かりやすい違いは投与頻度で、SkyriziとIlumyaは維持期の投与頻度が12週毎で、初年度は6回投与するが、8週毎のTremfyaは8回、LY3074828は9回と多い。

こうして見ると、類薬と差別化するためには工夫が必要だろう。同社はクローン病や潰瘍性大腸炎の第三相試験も実施しており、適応の広さでビハインドを縮める戦略なのかもしれない。

リンク: 同社のプレスリリース

ブリリンタの脳卒中再発予防試験論文が刊行
(2020年7月16日発表)

アストラゼネカとMSDは、THALES試験の治験論文がNew England Jourmal of Medicine誌に刊行されたのに合わせて、データ概要を発表した。非心原性の急性虚血性卒中(AIS)または一過性虚血発作(TIA)を発症してから24時間以内の患者約11000人を組入れて、アスピリンとP2Y12受容体拮抗剤Brilinta(ticagrelor、和名ブリリンタ)を30日間併用するレジメンの再発予防効果をアスピリン・偽薬併用と比較したところ、死亡・脳卒中リスクが有意に低下したが、頭蓋内出血や致死的出血も増加した。

アストラゼネカはFDAに適応拡大を申請し受理された。審査期限は今年第4四半期の予定。

Brilintaのような抗血小板薬は血栓が詰まることで発生する脳卒中や心筋梗塞のリスクを削減するが、体内で頻繁に発生する出血が自然治癒するのを妨げるので、どの薬でも、どの用途でも、便益と出血リスクを天秤にかける必要がある。適応患者全てに処方するのではなく、医師が患者毎に適否を判定して使うことになるのではないか。

この試験ではアスピリンは初日は300~325mg、2日目からは75~100mgを一日一回、Brilintaは初日は一回180mg、2日目からは一回90mgを、一日二回、服用した。先日承認された、冠動脈疾患患者の初発予防用途での用量(60mg一日一回)とは異なり、再発予防用途での一年目の用量と同じだ。

主評価項目の30日死亡・卒中リスクはハザードレシオが0.83(95%信頼区間0.71~0.96)、p=0.02となった。併用群の発生率は5.4%と偽薬併用群の6.5%を1ポイント強、下回った。卒中だけのハザードレシオは0.81、発生率は各5.1%と6.3%と良好な結果が出た一方で、死亡だけのハザードレシオは1.33、発生率は0.6%と0.5%で、信頼区間は1を跨いでいるものの、気にかかる。

安全性指標は、重度出血のハザードレシオは3.99、p=0.001、発現率は0.5%と0.1%。中でも深刻な頭蓋内出血・致死的出血はハザードレシオ3.66で有意、発現率は0.4%と0.1%。中でも深刻な致死的出血の発現数は各11人と2人で、差は9人なので、611人に投与すると一人が副作用で出血死亡する計算になる。有意性の有無は記されていないが、事後的にでも検定を行なえば有意に達するのではないか。Time-to-eventではなく単純に母数と発現数を元に簡便法に基づいてp値を推定したところ、0.01となった。

リンク: Johnstonらの治験論文抄録(NEJM)
リンク: アストラゼネカのプレスリリース

テセントリク、卵巣癌の四剤併用試験がフェール
(2020年7月13日発表)

ロシュは、抗PD-L1抗体Tecentriq(atezolizumab、和名テセントリク)のIMagyn050試験の主評価項目の一つがフェールしたと発表した。進行卵巣癌の一次治療を受ける患者のネオアジュバント/アジュバント療法として、paclitaxel、carboplatin、およびAvastin(bevacizumab)のレジメンにTecentriqを追加する効果を偽薬追加群と比較したが、PFS(無進行生存期間、担当医評価)の解析がフェールした。この試験は全生存期間も主評価項目。また、PFSも全生存期間もIntent-to-treatとPD-L1陽性サブグループの解析を行う由。プレスリリースには明記されていないが、PFS解析は両方フェールしたのだろう。全生存期間は未成熟なので治験を続行する。

抗PD-1/PD-L1抗体のような免疫療法は腫瘍を小さくする効果の割には延命効果が大きい傾向があるが、常識的に考えれば、PFSがフェールした以上、全生存期間の解析に期待するのは難しそうだ。

リンク: ロシュのプレスリリース


【承認申請】


バイエル/MSD、新規作用機序の慢性心不全治療薬を米国でも承認申請
(2020年7月16日発表)

バイエルとMSDは、BAY 1021189/MK-1242(vericiguat)を慢性心不全治療薬として米国で承認申請し受理されたと発表した。優先審査を受け、審査期限は来年1月20日。日欧でも承認申請中。

慢性血栓塞栓性肺高血圧症などの治療薬として日米欧で承認されているAdempas(riociguat、アデムパス)と同じ可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤で、酸化窒素-sGC-cGMP回路に介入、sGCの酸化窒素感受性を高め、血管平滑筋の弛緩を誘導する。

承認申請の根拠となるVICTORIA試験では、慢性心不全が増悪して入院したり利尿薬静注を受けたりした患者のうち、駆出率が45%未満で、過去6ヶ月に心不全悪化による入院歴があり、収縮期血圧が100mmHg以上、等の条件を満たす約5000人を日米欧中など42ヶ国の施設で組入れて、心血管疾患死または心不全入院のリスクを偽薬と比較した。結果はハザードレシオ0.90、p=0.019と、すごく良いわけではないが、メジアン10ヶ月の追跡で主評価イベント発現率が各35.5%と38.5%と高いため、number-needed to-treatは24と良好な数値になった。

NT-proBNPの四分位で最も高いサブグループを除外すると、もっと良い数値になる。サブグループ分析は信頼性が低いが、感受性分析などで支持されるようならば、このサブグループに限定して承認される可能性もあるのではない。

尚、この試験では両群とも治療ガイドラインに即した標準医療を施行するプロトコルだったが、実際の遵守率は60%程度で、最近の新薬であるノバルティスのEntresto(sacubitril-valsartan)を服用していたのは15%のみだった。心不全の治療ではガイドラインが推奨するような多剤併用によるアグレッシブな治療を差し控えることが少なくない、とよく言われる。

リンク: 両社のプレスリリース


【承認審査・委員会】


FDA諮問委員会、テルリプレシンの評価が割れる
(2020年7月15日発表)

アイルランド籍のマリンクロット(NYSE:MNK)は、1型肝腎症候群の治療薬として米国で承認申請しているterlipressinをFDA心血管腎臓薬諮問委員会が検討し、承認賛成が8人、反対が7人だったと発表した。FDAの諮問委員会は承認の是非を判断する組織ではなく、特定の事項について意見を聞く場に過ぎないので、差が一人に過ぎないとなると、承認される可能性も、されない可能性もありそうだ。審査期限は9月12日。

肝腎症候群は肝硬変や肝炎の合併症で急性腎不全を起こす。メジアン生存期間2週間の危機的疾患だ。terlipressinはバソプレシンの類縁体でV1受容体を選択的に作動する。欧州では肝腎症候群の深刻な合併症である食道静脈瘤による出血の治療薬Glypressinとして承認されている。

米国での開発歴は順調ではなく、最初の第三相はフェール。Orphan Therapeutics社は09年に承認申請を断行したが審査完了通知を受領した。翌年に北米とオーストラリアの権利を取得したIkaria社が第三相を実施したがフェール。マリンクロットは15年にIkariaを23億ドルで買収、三度目の第三相が成功し、今年3月にローリング承認申請を完了した。

主評価項目の1型肝腎症候群反転奏効率は29%と偽薬群の16%を有意に上回ったが、効能は専ら血清クレアチニンの低下で、ICU入室期間や腎移植後生存期間などは偽薬と有意差がなかった。深刻な疾患であるにもかかわらず延命効果は不明で、呼吸不全による死亡や敗血症による死亡はむしろ偽薬群の数倍に増加した。標準療法であるアルブミンとの相性が影響している可能性も考えられるようだ。

危機的状況の患者の生命予後は区々なので救命効果を検討するためには組入れ数を多く取る必要があるが、米国の対象患者は年3-4万人と決して多くはないので難しい。治験中に腎移植を受けられるか否かでも大きく変わってしまう。それでも、1~2割の患者が副作用で死亡する懸念があるのだから、それ以上に多くの患者の寿命が延びるというエビデンスが欲しいところだ。

リンク: 同社のプレスリリース

FDA諮問委員会、GSKの抗BCMA抗体薬物複合体の承認に賛成
(2020年7月14日発表)

FDAは腫瘍学薬諮問委員会を招集し、グラクソ・スミスクラインが多発骨髄腫のサルベージ療法として承認申請したGSK2857916(belantamab mafodotin)について意見を聞いた。12人の諮問委員全員が承認に賛成した。

BioWaのポテリジェント技術で強化した抗BCMA抗体と、シアトル・ジェネティクスからライセンスしたリンカーでMMAF細胞毒を結合した抗体薬物複合体。再発・難治多発骨髄腫試験で2.5mg/kg群のORR(客観的反応率)が31%、VGPR以上だけだと18%、メジアン反応期間は6ヶ月以上だった。3.4mg/kgもテストされたが、ORRは34%と大差なかった。G3/4有害事象は角膜症など。顕著な視力低下を来した症例もあるので眼科医との連携が必要だ。

この試験は3次以上の治療歴を持つ患者を対象としたが、被験者の84%が4次以上、メジアン7治療歴であったため、5次治療薬として承認申請されている模様。審査期限は未公表だが、承認申請の公表時期から推測すると、7~8月ではないか。

リンク: GSKのプレスリリース

カンタリジンは承認審査完了に
(2020年7月14日発表)

Verrica Pharmaceuticals(Nasdaq:VRCA)はVP-102(cantharidin)0.7%局所用液を伝染性軟属腫(みずいぼ)治療薬としてFDAに承認申請していたが、審査完了通知を受領した。二重盲検試験二本で84日完全寛解率が一本は46%(偽薬群は18%)、もう一本は54%(13%)と良好な成績を上げたが、6月に同社が公表した問題がネックになったようだ。

伝染性軟属腫は必ずしも治療が必要なわけではないが、周りの人に警戒されるのを恐れるのか、切除などの治療を受ける患者も多いようだ。カンタリジンは日本でもかって使われていた昆虫由来の成分で、皮膚に水疱を起こすのを逆用して疣取りに使われることがあるが、リスクもあるので使い方が難しい。米国では未承認。

6月のプレスリリースによると、アプリケータを正しく使わないと安全性懸念が生じることが判明。対策を講じたが、患者が用法を正しく理解・実行することができるかどうか確認するための試験や、アンプルではなくアプリケータ内での安定性を調べる検査が行われていないようだ。

リンク: Verricaのプレスリリース

CytoDyn社、抗CCR抗体の承認申請がFDAに受理されず
(2020年7月13日発表)

米国ワシントン州のCytoDyn(OTC.QB:CYDYO)はleronlimabをHIV/AIDSのサルベージ治療薬としてFDAに承認申請していたが、受理されなかった。資料不足と判定されたようだ。同社はFDAとタイプAミーティングを持って対応を協議する考え。

leronlimabは、今年6月にLantheus Holdings(Nasdaq:LNTH)の子会社となったProgenics Pharmaceuticalsの抗CCR5ヒト化抗体、PRO 140をライセンスしたもの。CCR5は白血球のケモカイン受容体で、HIVウイルスが細胞に侵入する時の取っ掛かりとなる。阻害薬はフェイザーが小分子薬Selzentry(maraviroc、和名シーエルセントリー)を商品化したが、CXCR4向性ウイルスを選択するリスクがあり、主流にはなっていない。

米国の新興企業はパイプラインの開発状況を小まめにアップデートしながら毎年のように資本市場から資金調達するのが習わしとなっている。CytoDynは4月にローリング承認申請を完了した旨発表したが、不具合があったようで、5月に改めて完了宣言した。その後も優先審査要請したことや、FDAから7月10日にも審査期限が決まる可能性があるとの連絡を受けたことなどを公表したが、同社の周りは時空が歪んでいるのか、思わぬ展開になった。

同社はleronlimabをトリプルネガティブ乳癌などにも開発しており、今年に入って、COVID-19試験も開始した。同社はこの第二相試験の結果が間もなく纏まることなども公表して、失地回復に努めている。

リンク: CytoDynのプレスリリース


【承認】


JNJ、トレムフィアが乾癬性関節炎に承認
(2020年7月14日発表)

ジョンソン・エンド・ジョンソン・グループのヤンセン・ファーマシューティカルは、Tremfya(guselkumab、和名トレムフィア)を成人の活性期乾癬性関節炎の治療に用いる適応拡大がFDAに承認されたと発表した。この適応拡大は抗IL-23p19抗体では初めて。

Tremfyaは17年に欧米で、18年には日本でも、中重度乾癬治療薬として承認された。乾癬患者の最大30%が関節炎を合併と推定されているので、当該患者には効能追加という意義もある。

臨床試験では、TNF阻害剤経験者ではACR20が52%(偽薬群は22%)、ナイーブ試験では64%(同33%)だった。

リンク: JNJのプレスリリース






今週は以上です。

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