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第1005回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   アクテムラが酸素投与/換気補助中の患者にEUA  ワクチン接種後の心筋炎・心膜炎症例  その他の領域:   リリーも抗アミロイド・ベータ抗体を加速承認申請へ  Aduhelmの自己負担  キイトルーダの子宮頸癌一次治療試験が成功  アッヴィのJAK阻害剤の適応拡大承認審査が更に遅延  FDA諮問委員会、インサイトの抗PD-1抗体の承認に反対  CHMP、多発骨髄腫で初の細胞療法などに肯定的意見  【COVID-19関連】 アクテムラが酸素投与/換気補助中の患者にEUA (2021年6月25日発表) 中外製薬が創製し海外ではロシュが開発販売している抗IL-6受容体抗体、Actemra(tocilizumab、和名アクテムラ)を、COVID-19肺炎の治療に用いることがFDAにEUA(非常時使用認可)された。2歳以上で、酸素投与または人工呼吸器/ECMO装着中で全身性コルチコステロイドによる治療を受けている患者に用いる。レーベルによると、体重30kg未満は12mg/kg、以上は8mg/kg(上限800mg)を60分点滴静注し、改善が不十分なら8時間以上経過してからもう一回だけ投与する。 臨床試験の結果は区々だが、おそらく、原動力になったのはオックスフォード大学などが行ったRECOVERY試験だろう。主任研究員の発表数値とは若干異なるが、レーベルによると、28日死亡率推定値が30.7%と投与しなかった群の34.9%を下回り、time-to-deathのハザードレシオは0.85、p=0.0028だった。退院までの日数もメジアン19日と対照群の28日超を下回った。 既報のように他の試験の結果は区々。EMPACTA試験は死亡/人工呼吸器装着リスクが有意に低下したが退院は早まらず、死亡率は有意ではないが増加した。COVACTA試験はフェールし病状改善効果も救命効果も見られなかった。REMDACTA試験もフェールし、入院期間は大差なく、死亡率は若干低かったが有意ではなかった。レーベルにはこの4本の試験の概要が記されているが、RECOVERY試験以外の数値や分析は過去に発表されたものと同じ。つまり、FDAは結果が矛盾していることを承知の上で症例数が圧倒...

第1004回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   中和抗体の入院患者試験が遂に成功  ブラジルでゼルヤンツの試験が成功  抗原ワクチン、米墨第3相も成功  セルトリオン、中和抗体の第3相が成功  アストラゼネカ、中和抗体カクテルの曝露後予防試験がフェール  CureVacのmRNAワクチンは中間解析成功せず  その他の領域:   SAGE-217の高用量第3相が成功  バイオジェン、コロイデレミアの遺伝子療法試験がフェール  第10の抗PD-1/PD-L1抗体が承認申請  化学療法誘導性好中球減少症予防薬を承認申請  Orphazyme社、NPC用薬が承認されず  全身性肥満細胞症に適応拡大  【COVID-19関連】 中和抗体の入院患者試験が遂に成功 (2021年6月16日発表) リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Nasdaq:REGN)は、オックスフォード大学の主導で実施している英国の大規模COVID-19治療試験、RECOVERY試験で、REGN-COV2(casirivimabとimdevimab)が十分な抗体を持っていないCOVID-19肺炎入院患者の死亡リスクを20%抑制したと発表した。抗SARS-CoV-2中和抗体の入院患者試験はこれまで良い結果が出なかったが、第1相、第2相試験の所見に忠実に、自力で抗体を作れない患者にターゲットを絞り込んだことが奏功したのだろう。適応拡大申請する予定。 REGN-CoV2はスパイク蛋白の異なったエピトープに結合する二種類の抗体のカクテル。米国のトランプ前大統領が感染した時の治療に用いられたことがあり、昨年11月に米国で非常時使用認可された。中和抗体は、他社の製品も含めて、入院患者における効果や安全性に懸念があったため、適応は軽中等症で入院の必要がない、但し重症化リスクを持つ患者に限定されている。 RECOVERY試験はマスター・プロトコルで、dexamethasoneなど様々な既存薬や新薬を次から次へとテストしている。医療従事者の負担を緩和するために報告事項を絞り込み、主観の入り込む余地がなく玉石混交の誹りも受けない死亡という決定的な事象を主評価項目に選んでいる。治験の規模が大きく、サブグループ毎の便益をある程度検討できる...

第1003回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   PRACがワクチンの稀な有害事象についてアップデート  その他の領域:   サノフィ、寒冷凝集素症のRCTが成功  BMS、ブレヤンジのLBCL二次治療試験が成功  第三のハーセプチン型ADCの第3相が成功  Dermavant、AhRモジュレータを乾癬治療薬として承認申請  ジャカビの適応拡大申請も審査期間延長  Aduhelmの承認はナンセンスが一杯  20価プレベナーが承認  初のプラスミノゲン欠乏症用薬が承認  GLP-1作用剤の高用量版が体重管理薬として承認  天然痘治療薬が承認 【COVID-19関連】 PRACがワクチンの稀な有害事象についてアップデート (2021年6月11日発表) EUの薬品承認審査機関であるEMAのファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)はCOVID-19ワクチンに関する様々な有害事象報告の評価を進めているが、オックスフォード大学/アストラゼネカのVaxzevriaを接種した患者で発生した毛細血管漏出症候群について、有害事象として添付文書に記載するよう勧告した。既往歴のある人は禁忌とする予定。 この稀だが深刻な疾患は毛細血管から体液が漏出、手足の腫脹や低血圧、ドロドロ血、低アルブミン血症などが現れる。Vaxzevria接種者では14例が報告され、うち6例は診断を裏付ける十分な情報があった。6例の多くは女性で、接種後4日以内に発症。3人は毛細血管漏出症候群既往で、うち一名はその後死亡した。 EUと英国におけるVaxzevriaの接種実績は7800万回超なので、報告頻度は600~1000万回に一度ということになるが、有害事象報告はしばしば、氷山の一角である。 4社のワクチンにおける心筋炎や心膜炎の検討は続行。Eudravigilance有害事象報告システムに報告された心筋炎は、21年5月末現在で、BioNTech/ファイザーのComirnatyが122件、Moderna製が16件、Vaxzevriaが38件、JNJ製はゼロ。同様に、心膜炎はComirnatyが126件、Moderna製が18件、Vaxzevriaが47件、JNJ製が1件となっている。多くは軽症で数日内に解消した。 ...

第1002回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   血管作動性腸管ペプチドのEUAを申請  抗GM-CSF抗体のEUAを申請  その他の領域:   ASCO:ノバルティスの放射性医薬品が進行死亡リスクを4割抑制  ASCO:オプジーボの併用レジメンで食道癌の死亡リスクを4割抑制  ASCO:キイトルーダの腎細胞腫術後補助療法は再発死亡リスクを4割抑制  ASCO:リムパーザによるgBRCA変異早期乳癌の術後補助療法後コースは再発死亡リスクを4割抑制  ASCO:キムリア、濾胞性リンパ腫に完全反応率66%  Santhera、新規ステロイドの筋ジストロフィー試験が成功  アゾール系抗真菌薬を承認申請  新作用機序の抗カンジダ薬が承認  Alkermes、オランザピン配合剤が承認  【COVID-19関連】 血管作動性腸管ペプチドのEUAを申請 (2021年6月1日発表) NRx Pharmaceuticals(Nasdaq:NRXP)は、Zyesami(aviptadil acetate)を呼吸不全を合併したCOVID-19の治療薬としてEUA(非常時使用認可)するようFDAに申請した。後期第2相/第3相無作為化割付偽薬対照試験で、呼吸不全からの回復や調整全生存期間の延長作用が見られたとのこと。 ZyesamiはVIP(血管作動性腸管ペプチド)を化学合成した点滴静注用薬。2000年代にバイオジェンがスイスのmondoBIOTECHからライセンスして肺動脈高血圧症試験を行ったが、権利返還。mondoは数回の事業統合を経てRelief Therapeutics(SIX:RLF)となり、20年にNeuroRxと共同開発販売提携を結んだ。このNeuroRxがビッグ・ロック・グループのSPAC(特定目的企業買収会社)と合併して21年に誕生したのがNRx Pharmaceuticalsだ。 SARS-CoV-2はACE2を通じて二型肺胞細胞に侵入し肺サーファクタントの分泌を妨げる。VIPはVPAC1受容体を通じて二型肺胞細胞に作用し、肺サーファクタントの分泌を促す作用がある。20年に20人の投与実績に基づいてCOVID-19用薬としてEUA申請したが、FDAは無作為化割付試験のデータを求めた。それが...

第1001回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   新たな抗SARS-CoV-2抗体がEUA  Modernaも青少年試験が成功  EMA、シクレソニドなどをCOVID-19に支持せず  その他の領域:   価格破壊志向の抗PD-L1抗体を米国などで承認申請へ 武田薬品、デング熱ワクチンの予防効果は3年だと62%  ノボ、オゼンピックの高用量追加を再申請  BCMA標的CAR-T療法の承認申請が受理  武田、CMV治療薬を承認申請  FDA諮問委員会、一型糖尿病予防薬の評価が意外に分かれた  CHMP、cALDの遺伝子療法などの承認を支持  FDA、アムジェンのKRAS-G12C阻害剤をスピード承認  FDA、FGFR2融合陽性胆管癌の薬を承認  BMS、S1PR1/5調節剤が潰瘍性大腸炎に適応拡大  片頭痛治療薬が予防にも承認  子宮筋腫のアドバック療法用薬が承認  JNJの二重特異性抗体が承認  ベオビュは毎月投与を続けると眼内炎リスクが高まる  Ocalivaは進行肝硬変が禁忌に  【COVID-19関連】 新たな抗SARS-CoV-2抗体がEUA (2021年5月26日発表) FDAは、サンフランシスコのVir Biotechnology(Nasdaq:VIR)が創製しグラクソ・スミスクラインと共同開発している抗SARS-CoV-2抗体、VIR-7831/GSK4182136(sotrovimab)をEUA(非常時使用認可)した。12歳以上、体重40kg以上の軽中等COVID-19感染症で重症化リスク因子(65歳以上、ある種の持病など)を持つ患者に一回、点滴静注する。 元々はSARSの研究から生まれた、よく保存されているエピトープを標的とする抗体で、ラボ試験では英国型、南ア型、ブラジル型、カリフォルニア型、ニューヨーク型、インド型変異にも活性が認められた。583人を組入れた第1/2/3相試験で偽薬群は7%が入院または死亡したが、試験薬群は1%のみだった。 EUでも承認審査中。 FDAはこの薬に関してもCOVID-19感染症で入院中の患者には便益が見られず、ハイフロー酸素や人工呼吸器を必要とする患者は転帰がむしろ悪化する可能性があると警告している。抗SARS-CoV-2...

第1000回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   anakinraの治験論文草稿が公開  ACC:フォシーガのCOVID-19試験は惜しくもフェール  FDAがCytodyn社の広報に異例の反論  その他の領域:   イーライリリー、GIP/GLP-1作動剤のMACE解析成功し承認申請へ  ASCO:テセントリクの術後延長アジュバント試験のデータ  ASCO:BMS、抗PD-1抗体と抗LAG-3抗体の併用データ  ASCO:安価に発売されそうなEGFR阻害剤の第3相データ  JAK阻害剤の第3相白斑試験が成功  百済神州、btk阻害剤をMZLに適応拡大申請  オプジーボ、食道癌アジュバントに承認  【COVID-19関連】 anakinraの治験論文草稿が公開 (2021年5月20日発表) Swedish Orphan Biovitrum(STO:SOBI)とギリシャのHellenic Institute for the Study of Sepsisはanakinraの第三相中重度COVID-19肺炎試験の成功を5月3日に発表したが、治験論文の査読前草稿がmedRxivのウェブサイトで公開された。主評価項目の臨床症状改善だけでなく、治癒退院や重度呼吸不全/死亡のリスクも大きく改善した。 anakinraは天然のIL-1受容体アンタゴニストを遺伝子組換え法で医薬品化したもの。アムジェンが2001年に米国で中重度活性期リウマチ性関節炎の治療薬Kineretとして発売、今日では重症型クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)である新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)やIL-1受容体アンタゴニスト欠乏症にも承認されている。SOBIは08年に事業を買収した。 今回の研究者主導試験、SAVE-MORE試験は、中重度COVID-19肺炎で血漿suPAR(可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ受容体)が6ng/ml以上と亢進している入院患者(プレスリリースによれば606人、治験論文草稿では594人)を、標準的医療に加えて偽薬またはanakinra(100mg)を一日一回、最大10日間に亘って皮注する群に無作為化割付して、28日間の転帰を二重盲検で比較した。転帰はWHOの臨床症状尺...

第999回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   BioNTech/ファイザ-のワクチンが12-15歳にもEUA  その他の領域:   キイトルーダのTNBCアジュバント試験がEFSも達成  バイエル、finerenoneの二本目のアウトカム試験も成功  X連鎖網膜色素変性症の遺伝子治療試験がフェール  アムジェン/アストラゼネカ、抗TSLPを重度喘息症に承認申請  C3補体阻害剤が夜間ヘモグロビン尿症に承認  【COVID-19関連】 BioNTech/ファイザ-のワクチンが12-15歳にもEUA (2021年5月10日発表) FDAはBioNTech/ファイザーのCOVID-19ワクチンを12~15歳の青少年にもEUA(非常時使用認可)した。両社が共同開発したリピッド・ナノパーティクルmRNAワクチンは16~17歳が接種できる唯一のワクチンだったが、対象年齢が更に引き下がった。用量や接種間隔は16歳以上と同じ。 臨床試験では免疫原性が16歳以上の接種者と非劣性だった。偽薬群の978人は2ヶ月以上の追跡期間中に16人が感染したが、ワクチン群の1005人はゼロだった。副作用は16歳以上と同様で、二回目の接種後のほうが発現率が高いことも同様。 CDC(米国疾病管理予防センター)のACIP(ワクチン勧奨委員会)も接種を勧奨した。また、他のワクチンと合わせて接種することも容認した。COVID-19の流行が鎮静化するとインフルエンザが増えるかもしれないので、将来的には、高齢者がCOVID-19ブースター・ワクチンとインフルエンザ・ワクチンを一緒に接種することになる可能性もあるだろう。 米国では調剤薬局でワクチン接種を受けることも可能だが、青少年の接種が認められたことを受けて、大手チェーンが名乗りを上げ始めた。 リンク: FDAのプレスリリース 【新薬開発】 キイトルーダのTNBCアジュバント試験がEFSも達成 (2021年5月13日発表) MSDはKeytruda(pembrolizumab)のKEYNOTE-522試験がもう一つの主目的も達成したと発表した。適応拡大申請が審査完了に終わったばかりだが、今度こそ承認されるだろう。 この試験はステー...