2021年5月21日

第1000回

 

【ニュース・ヘッドライン】

  • COVID-19関連: 
  • anakinraの治験論文草稿が公開 
  • ACC:フォシーガのCOVID-19試験は惜しくもフェール 
  • FDAがCytodyn社の広報に異例の反論 
  • その他の領域: 
  • イーライリリー、GIP/GLP-1作動剤のMACE解析成功し承認申請へ 
  • ASCO:テセントリクの術後延長アジュバント試験のデータ 
  • ASCO:BMS、抗PD-1抗体と抗LAG-3抗体の併用データ 
  • ASCO:安価に発売されそうなEGFR阻害剤の第3相データ 
  • JAK阻害剤の第3相白斑試験が成功 
  • 百済神州、btk阻害剤をMZLに適応拡大申請 
  • オプジーボ、食道癌アジュバントに承認 


【COVID-19関連】


anakinraの治験論文草稿が公開
(2021年5月20日発表)

Swedish Orphan Biovitrum(STO:SOBI)とギリシャのHellenic Institute for the Study of Sepsisはanakinraの第三相中重度COVID-19肺炎試験の成功を5月3日に発表したが、治験論文の査読前草稿がmedRxivのウェブサイトで公開された。主評価項目の臨床症状改善だけでなく、治癒退院や重度呼吸不全/死亡のリスクも大きく改善した。

anakinraは天然のIL-1受容体アンタゴニストを遺伝子組換え法で医薬品化したもの。アムジェンが2001年に米国で中重度活性期リウマチ性関節炎の治療薬Kineretとして発売、今日では重症型クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)である新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)やIL-1受容体アンタゴニスト欠乏症にも承認されている。SOBIは08年に事業を買収した。

今回の研究者主導試験、SAVE-MORE試験は、中重度COVID-19肺炎で血漿suPAR(可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ受容体)が6ng/ml以上と亢進している入院患者(プレスリリースによれば606人、治験論文草稿では594人)を、標準的医療に加えて偽薬またはanakinra(100mg)を一日一回、最大10日間に亘って皮注する群に無作為化割付して、28日間の転帰を二重盲検で比較した。転帰はWHOの臨床症状尺度(CPS:0<ウイルス検出されず感染していない>から10<死亡>まで11段階ある)を用いて評価した。

結果は、調整オッズ比0.36、p<0.001と成功した。治癒退院のオッズ比は0.36、p<0.0001、重度呼吸不全または死亡のオッズ比は0.46、p<0.01、28日死亡ハザード比は0.45、p=0.045となっており、分かりやすい評価項目でも大変良い結果が出ている。第14日当りから治療効果が明確になる由。入院期間も短縮した。深刻な治療時発現有害事象は偽薬群より少なく、深刻でないものは同程度だった。

適応拡大申請について承認審査機関と相談する考え。

リンク: 同社のプレスリリース
リンク: Kyriazopoulouらの治験論文草稿(medRxiv)



ACC:フォシーガのCOVID-19試験は惜しくもフェール
(2021年5月16日発表)

アストラゼネカはBMSから取得したSGLT2阻害剤Farxiga(dapagliflozin、和名フォシーガ)の適応症を二型糖尿病、慢性心不全、慢性腎疾患と拡大することに成功したが、COVID-19治療試験は僅かにフェールした。データがACC(米国心臓学会)で発表されたが、数値上は悪くはない。有意差が出なかったのは標準療法が全般的に向上し偽薬群の主評価イベント発生率があまり高くなかったことも影響している模様だ。一方で、少なくともベースライン時点ではremdesivirの使用率が18%とそれほど高くなかったことも留意すべきだろう。

このDARE-19試験はCOVID-19感染(疑い例含む)により過去4日以内に入院した患者のうち深刻化リスク因子(高血圧症、二型糖尿病、アテローム硬化性心血管疾患、心不全、ステージ3以上の慢性腎疾患など)を持つ1250人を偽薬群とFarxiga群に無作為化割付して転帰を比較した。

米州や英国の施設が参加したが、ブラジルの施設が被験者の6割を組入れた。ベースライン時点の平均年齢は62歳、女性が43%、持病は高血圧症が84%、二型糖尿病が51%を占めた。

Farxigaは10mgを一日一回、経口投与した。投与期間は30日間で退院後も服用した。

結果は、主評価項目の一つである全死亡・臓器不全(呼吸器、心臓、腎臓:代理マーカーに基づく評価も含む)のハザードレシオが0.80と数値上は良かったがp値が0.17に留まりフェールした。上記イベントの発生率は偽薬群が13.8%、試験薬群は11.2%だった。

もう一つのWin ratio(入院期間などを比較)は1.09、p=0.14でフェールした。

副次的評価項目のうち全死亡はハザードレシオ0.77、p値は0.05を上回り、有意ではないのだが、各群の全死亡率である8.6%と6.6%を用いて敢えてnumber-needed-to-treatを計算すると、48人に1ヶ月投与すると一人の命を救うことになる。もしこれが真実だとしたら、本試験が逃した魚は極めて大きかったことになる。

さて、一部の学会はケトアシドーシスのリスクを懸念してCOVID-19感染者はSGLT2阻害剤の服用を止め他の薬にスイッチすることを推奨している。しかし、本試験では深刻有害事象や急性腎障害は偽薬群より少なく、糖尿病性ケトアシドーシスは各群ゼロ対2例と数値上増加したものの、発生率はそれほど高くなかった。本試験は1250人を1ヶ月と人年ベースではそれほど大きな試験ではなく、また、eGFRが25ml/分/1.73m2未満の腎機能低下患者や糖尿病性ケトアシドーシス歴が除外条件だったので決定的とは呼べないだろうが、取り敢えず一安心と言えるのではないだろうか。

リンク: ACCのニュースリリース
リンク: プレゼンテーション・スライドのリンク・サイト



FDAがCytodyn社の広報に異例の反論
(2021年5月17日発表)

FDAは医薬品などの開発者に対して守秘義務を負っているので、未承認の開発品やその臨床成績等について言及することはできない。但し、例外もあり、かって、FDA長官が、株式公開企業が虚偽を発表した場合は投資家保護の観点から事実公表するよう指示したことがある。尤も、証券取引法違反摘発につながった事例は私の知る限りない。諮問委員会用ブリーフィング資料でそれらしき記述を見かけたことがあるだけだ。

今回、医薬品開発会社の広報に異論を唱えるような異例のリリースをFDAが出した。カナダのCytodyn(OTC.QB:CYDY)のleronlomabのCOVID-19試験二本について、何れも主評価項目と副次的評価項目がフェールしたこと、サブグループ分析では比較的良かったり悪かったりする結果が出ているが、このような分析は一般的に症例数が少なく、患者背景に偏りが生じやすいこと、などを指摘した。

leronlomabはProgenics Pharmaceuticals(現在はLantheus Holdings(Nasdaq:LNTH)と合併)が開発した抗CCR5ヒト化抗体で、Cytodynは12年にインライセンス、20年にHIV/AIDSのサルベージ療法薬として米国で承認申請したが受理されなかった(第955回参照)。

COVID-19では軽中等症86人を組入れて症状改善作用を偽薬と比較したがフェール。今年3月には、重症患者394人を組入れた第3相試験が成功したと発表したが、よく読むと主評価項目はフェールだ。65歳超の構成比に群間の偏りがあったため65歳超と以下に分けて分析したところ、65歳超では28日死亡率が40.9%と偽薬群の44.8%より低かった。人工呼吸器やECMO装着62人でも各27.9%と36.8%で大きな差があった。だが、全集団でも群間の不均衡があったのだからサブグループでもあった可能性があるのではないか。そもそも、COVID-19のように良く分からない病気では、野球ファンよりプロレスファンのほうがリスクが高いとか、ふたご座は重症化しやすいとか、第三の因子が存在するかもしれないので、症例数をできるだけ大きくして個々のノイズの影響を抑制すべきである(第990回参照)。

発表当時のプレスリリースではオープンレーベルで組入れを予定より拡大する考えを示していた。追加症例で仮説検証することは不可能ではないので好ましい方向に進んでいるように受け止めたが、FDAがわざわざリリースを出したということは、違うのだろうか?

株価はFDAのリリースがダメ押しとなって更に下落したが、最近のピークは2月で、成功発表プレスリリースが出た後も軟調に推移したので額面通りに受け止めた投資家は多くなかっただろう。3月末に反発しているので、おそらく、この頃に会社側が取った何らかのアクションが、株価だけでなくFDAも刺激したのだろう。

リンク: FDAのプレスリリース


【新薬開発】


イーライリリー、GIP/GLP-1作動剤のMACE解析成功し承認申請へ
(2021年5月20日発表)

イーライリリーはGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)・GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体アゴニストLY3298176(tirzepatide)を二型糖尿病の血糖治療薬として開発しているが、5本目の承認申請用試験と心血管疾患転帰(CVO)に関するメタアナリシスが成功したことを発表した。年末までに承認申請に向かう予定。

FDAは糖尿病薬の承認に際して、長期大規模なCVO試験または複数の試験のCVOメタアナリシスを行って、心血管疾患リスクが顕著に増加しないことを確認するよう求めている。具体的には、対照群(偽薬または実薬)と比べてハザードレシオの信頼区間上限が1.3を下回ることが必要だ(メタアナリシスがそれほど悪い結果でなければ、市販後のCVO試験で確認することも可)。

tirzepatideの場合、MACE(ここでは全死亡、心筋梗塞、卒中、または心不全入院の何れか)のハザードレシオが0.81、97.85%信頼区間は0.52~1.26となった。心不全入院を除いた三点MACEではどうだったのか、あるいは、どのような経緯で95%でなく97.85%信頼区間を使ったのかは明らかではないが、取り敢えず、ハードルはクリアした。

尤も、ライバルであるノボ ノルディスクのGLP-1作用剤、Victoza(liraglutide)とOzempic(semaglutide)は大規模CVO試験で心血管リスク削減効果が確認され、米国のレーベルに記載することが認められた。ハザードレシオ(三点MACE)はtirzepatideとそれほど大きくは変わらないが、効能が確立しているのと未確立では大きな違いだ。

リンク: 同社のプレスリリース



ASCO:テセントリクの術後延長アジュバント試験のデータ
(2021年5月20日発表)

ASCO(米国臨床腫瘍学会)の抄録が一般公開され、一部Late-breakerについてはメディア向けブリーフィングも始まった。ロシュが3月に成功発表したTecentriq(atezolizumab、和名テセントリク)のIMpower010試験のデータも明らかになった。

ステージIBからIIIAまでの切除可能早期非小細胞性肺癌で術後にcisplatinベースのアジュバント療法を受けた患者を組入れて、最良支持療法にTecentriq(1200mgを3週毎に16回点滴静注)を追加する効果を最良支持療法だけの群と比較したもので、二つの主評価項目(ステージII-IIIAの治験医評価無病生存期間と、このうちPD-L1陽性だけの解析)を達成した。データはPD-L1陽性の方が良く、ハザードレシオ0.66(95%信頼区間0.50~0.88)でメジアン値は未達対35.3ヶ月。陰性も含むデータは各0.79(0.64-0.96)、42.3ヶ月、35.3ヶ月となっている。陰性だけのデータはどうなのだろうか?

ステージIBも含むintent-to-treatの解析も予定されている。副次的に全生存の解析も行う予定。

忍容性は、G3/4有害事象の発生率は各21.8%と11.5%、Tecentriq群のG5(致死的)有害事象発生率は0.8%だった。

承認審査機関と適応拡大申請について相談することになりそうだ。

リンク: 同社のプレスリリース
リンク: Wakeleeらの抄録(ASCO 2021、抄録#9503)



ASCO:BMS、抗PD-1抗体と抗LAG-3抗体の併用データ
(2021年5月19日発表)

ブリストル マイヤーズ スクイブは、IgG1型抗PD-1抗体Opdivo(nivolumab、和名オプジーボ)とIgG4型抗LAG-3抗体BMS-986016(relatlimab)の併用効果を検討した第2/3相RELATIVITY-047試験の成功を3月に発表したが、ASCO抄録公開に合わせて、プレスリリースでトップラインを報じた。癌細胞が免疫攻撃を免れるために悪用する免疫チェックポイントを阻害する薬としては複数の抗PD-1/PD-L1抗体とIgG1型抗CTLA-4抗体Yervoy(ipilimumab(抗LAG-3抗体、和名ヤーボイ)が既に実用化されているが、次に続くのは、前評判通りに、抗LAG-3抗体になりそうだ。

本試験は切除不能/転移悪性黒色腫714人の一次治療無作為化割付二重盲検試験。Opdivo(480mg)とrelatlimab(160mg)の配合薬を4週毎に点滴静注する群のPFS(無進行生存期間、盲検独立中央評価)をOpdivoだけの群と比較した。結果は、ハザードレシオ0.75、p=0.0055で、各群のメジアン値は10.1ヶ月と4.6ヶ月だった。G3/4の治療関連有害事象発現率が各18.9%と9.7%、G5は各3人と2人、治療関連有害事象による治験離脱は14.6%と6.7%だった。

先輩レジメンであるOpdivoとYervoyの併用は、CheckMate-067試験によると、Yervoy比PFSハザードレシオが0.42。Opdivo群との比較は探索的解析だがハザードレシオ0.74となっているので、効果の面ではどちらも遜色なさそうだ。G3/4治療時発現有害事象発現率は併用が58%、Yervoy群28%、Opdivo群21%だったので、忍容性は抗LAG-3抗体併用のほうが良さそうだ。

PD-L1高発現(≧5%)ならOpdivoとYervoyの併用ではなくOpdivoだけで十分のように感じられる。抄録によるとrelatlimab併用は事前に設定された主要なサブグループ分析全てについてOpdivoだけより好ましい数値が出た由なので、どの程度の上乗せなのか、学会発表が注目される。

リンク: 同社のプレスリリース
リンク: Lipsonらの抄録(ASCO 2021、抄録#9503)



ASCO:安価に発売されそうなEGFR阻害剤の第3相データ
(2021年5月19日発表)

米国マサチューセッツ州ケンブリッジのEQRx社とライセンス元である中国のHansoh Pharma(翰森製薬集団、3692.HK)は、aumolertinibの第3相試験成功を2月に発表したが、ASCO抄録公開に合わせて概要をプレスリリースで公表した。

この薬は不可逆的EGFRチロシン・キナーゼ阻害剤で、第2相単群試験のデータに基づき昨年3月に中国でEGFRにT790M変異を持つ非小細胞性肺癌の二次治療薬として承認された。

第3相はEGFR変異を持つステージIIIB/IVの非小細胞性肺癌429人を組入れた一次治療試験で、PFSを初期のEGFR-TK阻害剤であるgefitinibと比較した。結果は、ハザードレシオ0.46、メジアン値は19.3ヶ月対9.9ヶ月と大変良く、EGFR阻害剤共通の副作用であるラッシュや下痢は少なかった。

EQRxは革新的な医薬品を安価に提供することを目指す新興企業。昨年7月にHansohから中国以外での開発販売権をライセンスした。gefitinibを負かしたEGFR阻害剤は数多あり、上記のデータはライバルのものと大差ないが、多数の製品が競合するEGFR阻害剤市場でも抗PD-1/PD-L1抗体市場でも起きていない価格破壊が起きるなら、面白くなる。

リンク: 両社のプレスリリース



JAK阻害剤の第3相白斑試験が成功
(2021年5月17日発表)

インサイト(Nasdaq:INCY)は、ruxolitinibのクリーム製剤を用いた第3相白斑治療試験が二本とも成功したと発表した。下期に承認申請する計画。

ruxolitinibはJAK1/2阻害剤で、経口投与用製剤が骨髄線維症などの治療薬Jakafi(和名ジャカビ)として承認されている。米国外はノバルティスが販売。クリーム製剤はアトピー性皮膚炎の開発が成功、2月に米国で承認申請された。

今回の試験は、12歳以上の非分節型(発現部位が特定の神経の支配領域に限定されていない)で全身性の白斑患者を組入れて、F-VASI75(顔面白斑重症度指標が75%以上改善)達成率を偽薬と比較した。データは未公表。第2相では、第3相と同じ1.5%を一日二回、塗布した群の75%が達成した。

JAK阻害剤は血栓性疾患や感染症、癌などの懸念があり、日常生活に大きな影響を与える疾患で他に適切な治療法がないなら有用かもしれないが、深刻度が低い疾患になればなるほど、便益と危険のバランスを議論する余地が拡大する。FDAは特に警戒感を強めており、高用量が承認されなかったり、第3相が成功したのに米国で承認申請を断念する会社が出てきたりしている。局所投与ならリスクをある程度緩和できるのかもしれないが、私は薬物動態データを見たことが無いので良く分からない。経口剤の長期安全性試験が好ましくない結果になった以上、局所性製剤についても疑うのが妥当と思われ、無垢を証明するには長期安全性試験が必要なのではないか。

このようなことから、JAK阻害剤のアトピー性皮膚炎や円形脱毛症における承認審査結果には大いに注目している。他剤のように審査期限延期にならなければ、6月21日までに結果が出る予定のアトピー用ruxolitinibクリーム製剤が承認または審査完了通知の第一号になる。

リンク: インサイトのプレスリリース


【承認申請】


百済神州、btk阻害剤をMZLに適応拡大申請
(2021年5月19日発表)

2010年に北京(Beijing)で設立された新興企業、BeiGene(百済神州、Nasdaq:BGNE、HKEX:6160)は、btk阻害剤のBrukinsa(zanubrutinib)を再発難治辺縁帯リンパ腫(MZL)に用いる適応拡大申請を米国で行い、受理された。優先審査を受け、審査期限は9月19日。第2相試験のORR(74%)に基づくもの。

BiGeneは新興企業。Brukinsaは19年に米国で治療歴を持つマントル細胞リンパ腫(MCL)に用いる薬として承認され、翌年には中国でも治療歴を持つMCLや慢性リンパ性白血病/小リンパ球性白血病(CLL/SLL)に承認された。

米国ではワルデンシュトレームマクログロブリン血症にも適応拡大申請中。

リンク: 同社のプレスリリース


【承認】


オプジーボ、食道癌アジュバントに承認
(2021年5月20日発表)

FDAはBMSのOpdivo(nivolumab)を食道・GEJ(胃食道接合部)癌の術後アジュバント療法に使うことを承認した。化学療法と放射線療法によるネオアジュバントでpCR(病理学的完全奏功)に到達しなかったが完全切除に成功した患者に、単剤投与を最大1年間、施行する。

CheckMate-577試験ではDFS(無病生存期間)のメジアン値が22.4ヶ月と偽薬群の11.0ヶ月を上回り、ハザードレシオは0.69、p=0.0003だった。PD-L1発現状況や組織学的分類を問わず効果が見られた。G3/4治療関連有害事象の発現率は13%と偽薬群の6%を上回った。全生存の解析はまだ成熟していない。

リンク: FDAのプレスリリース
リンク: BMSのプレスリリース




今週は以上です。

2 件のコメント:

  1. 1000回おめでとうございます.製薬メーカーの開発担当者として,ジレッタント様の毎週の投稿をたいへん楽しみにしております.今後も,ぜひ勉強させてください.

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  2. ありがとうございます。正直に言って、1000回達成したら止めようかと思ったこともありましたが、20年続けると最早生き甲斐のようなもので、微力でも自分にできることはやっていきたいと思います。

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