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第1001回

【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   新たな抗SARS-CoV-2抗体がEUA  Modernaも青少年試験が成功  EMA、シクレソニドなどをCOVID-19に支持せず  その他の領域:   価格破壊志向の抗PD-L1抗体を米国などで承認申請へ 武田薬品、デング熱ワクチンの予防効果は3年だと62%  ノボ、オゼンピックの高用量追加を再申請  BCMA標的CAR-T療法の承認申請が受理  武田、CMV治療薬を承認申請  FDA諮問委員会、一型糖尿病予防薬の評価が意外に分かれた  CHMP、cALDの遺伝子療法などの承認を支持  FDA、アムジェンのKRAS-G12C阻害剤をスピード承認  FDA、FGFR2融合陽性胆管癌の薬を承認  BMS、S1PR1/5調節剤が潰瘍性大腸炎に適応拡大  片頭痛治療薬が予防にも承認  子宮筋腫のアドバック療法用薬が承認  JNJの二重特異性抗体が承認  ベオビュは毎月投与を続けると眼内炎リスクが高まる  Ocalivaは進行肝硬変が禁忌に  【COVID-19関連】 新たな抗SARS-CoV-2抗体がEUA (2021年5月26日発表) FDAは、サンフランシスコのVir Biotechnology(Nasdaq:VIR)が創製しグラクソ・スミスクラインと共同開発している抗SARS-CoV-2抗体、VIR-7831/GSK4182136(sotrovimab)をEUA(非常時使用認可)した。12歳以上、体重40kg以上の軽中等COVID-19感染症で重症化リスク因子(65歳以上、ある種の持病など)を持つ患者に一回、点滴静注する。 元々はSARSの研究から生まれた、よく保存されているエピトープを標的とする抗体で、ラボ試験では英国型、南ア型、ブラジル型、カリフォルニア型、ニューヨーク型、インド型変異にも活性が認められた。583人を組入れた第1/2/3相試験で偽薬群は7%が入院または死亡したが、試験薬群は1%のみだった。 EUでも承認審査中。 FDAはこの薬に関してもCOVID-19感染症で入院中の患者には便益が見られず、ハイフロー酸素や人工呼吸器を必要とする患者は転帰がむしろ悪化する可能性があると警告している。抗SARS-CoV-2...

第1000回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   anakinraの治験論文草稿が公開  ACC:フォシーガのCOVID-19試験は惜しくもフェール  FDAがCytodyn社の広報に異例の反論  その他の領域:   イーライリリー、GIP/GLP-1作動剤のMACE解析成功し承認申請へ  ASCO:テセントリクの術後延長アジュバント試験のデータ  ASCO:BMS、抗PD-1抗体と抗LAG-3抗体の併用データ  ASCO:安価に発売されそうなEGFR阻害剤の第3相データ  JAK阻害剤の第3相白斑試験が成功  百済神州、btk阻害剤をMZLに適応拡大申請  オプジーボ、食道癌アジュバントに承認  【COVID-19関連】 anakinraの治験論文草稿が公開 (2021年5月20日発表) Swedish Orphan Biovitrum(STO:SOBI)とギリシャのHellenic Institute for the Study of Sepsisはanakinraの第三相中重度COVID-19肺炎試験の成功を5月3日に発表したが、治験論文の査読前草稿がmedRxivのウェブサイトで公開された。主評価項目の臨床症状改善だけでなく、治癒退院や重度呼吸不全/死亡のリスクも大きく改善した。 anakinraは天然のIL-1受容体アンタゴニストを遺伝子組換え法で医薬品化したもの。アムジェンが2001年に米国で中重度活性期リウマチ性関節炎の治療薬Kineretとして発売、今日では重症型クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)である新生児期発症多臓器系炎症性疾患(NOMID)やIL-1受容体アンタゴニスト欠乏症にも承認されている。SOBIは08年に事業を買収した。 今回の研究者主導試験、SAVE-MORE試験は、中重度COVID-19肺炎で血漿suPAR(可溶性ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベータ受容体)が6ng/ml以上と亢進している入院患者(プレスリリースによれば606人、治験論文草稿では594人)を、標準的医療に加えて偽薬またはanakinra(100mg)を一日一回、最大10日間に亘って皮注する群に無作為化割付して、28日間の転帰を二重盲検で比較した。転帰はWHOの臨床症状尺...

第999回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   BioNTech/ファイザ-のワクチンが12-15歳にもEUA  その他の領域:   キイトルーダのTNBCアジュバント試験がEFSも達成  バイエル、finerenoneの二本目のアウトカム試験も成功  X連鎖網膜色素変性症の遺伝子治療試験がフェール  アムジェン/アストラゼネカ、抗TSLPを重度喘息症に承認申請  C3補体阻害剤が夜間ヘモグロビン尿症に承認  【COVID-19関連】 BioNTech/ファイザ-のワクチンが12-15歳にもEUA (2021年5月10日発表) FDAはBioNTech/ファイザーのCOVID-19ワクチンを12~15歳の青少年にもEUA(非常時使用認可)した。両社が共同開発したリピッド・ナノパーティクルmRNAワクチンは16~17歳が接種できる唯一のワクチンだったが、対象年齢が更に引き下がった。用量や接種間隔は16歳以上と同じ。 臨床試験では免疫原性が16歳以上の接種者と非劣性だった。偽薬群の978人は2ヶ月以上の追跡期間中に16人が感染したが、ワクチン群の1005人はゼロだった。副作用は16歳以上と同様で、二回目の接種後のほうが発現率が高いことも同様。 CDC(米国疾病管理予防センター)のACIP(ワクチン勧奨委員会)も接種を勧奨した。また、他のワクチンと合わせて接種することも容認した。COVID-19の流行が鎮静化するとインフルエンザが増えるかもしれないので、将来的には、高齢者がCOVID-19ブースター・ワクチンとインフルエンザ・ワクチンを一緒に接種することになる可能性もあるだろう。 米国では調剤薬局でワクチン接種を受けることも可能だが、青少年の接種が認められたことを受けて、大手チェーンが名乗りを上げ始めた。 リンク: FDAのプレスリリース 【新薬開発】 キイトルーダのTNBCアジュバント試験がEFSも達成 (2021年5月13日発表) MSDはKeytruda(pembrolizumab)のKEYNOTE-522試験がもう一つの主目的も達成したと発表した。適応拡大申請が審査完了に終わったばかりだが、今度こそ承認されるだろう。 この試験はステー...

第998回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   PRAC、COVID-19ワクチンの副作用シグナルについてアップデート  IL-1受容体アンタゴニストの第3相が成功  その他の領域:   イミフィンジと抗CTLA4抗体および化学療法の併用試験が成功  キイトルーダとレンビマの併用レジメンを承認申請  オプジーボをMIUCに適応拡大申請  FDA諮問委員会、アバコバンの評価が二分  キイトルーダ、her2陽性胃癌の一次治療に加速承認  SGLT2阻害剤が糖尿病以外の慢性腎疾患にも適応拡大 【COVID-19関連】 PRAC、COVID-19ワクチンの副作用シグナルについてアップデート (2021年5月7日発表) EMAのファーマコビジランス委員会であるPRACは、COVID-19ワクチンの幾つかの副作用や兆候を検討していることを明らかにした。4製品共に、便益が危険を上回るという評価に変わりはない。 BioNTech/ファイザーのComirnaty(tozinameran、和名コミナティ)は、美容用皮膚充填剤注入歴を持つ人における顔面腫脹を副作用に追加するよう勧告した。EUの副作用報告システムや文献で症例報告されている由。頻度は未公表。 同様な事象はModerna(Nasdaq:MRNA)のワクチンの第3相試験でも2例、報告されている(第984回参照)。頬をふっくらさせる施術を行う医師とは頻繁には話さないだろうし、かかりつけ医は施術歴を知らないだろうから、このリスクは医療従事者に伝達しても無意味だろう。メディアを通じて直接、伝えるべきであり、だから、私も第984回で書いた。 Comirnatyを接種後に心筋炎や心膜炎が報告されていることも公表した。因果関係は不明。EUでCOVID-19ワクチンの条件付き承認を得たものは月次で安全性報告書を提出する義務があるが、PRACは次回の報告で年齢別や性別の分析を行うよう要請した。ということは、結構な数の症例報告があるのだろう。報道によるとイスラエルや米軍施設で夫々10例程度、報告されているようだ。ComirnatyほどではないがModernaのワクチンでも報告されているようで、同社に対しても監視強化や症例分析を求めた。 尚、SARS-C...

第997回

  【ニュース・ヘッドライン】 RSV予防用抗体の第3相が成功  武田、EGFRエクソン20挿入変異阻害剤が優先審査に  大日本住友の子会社、先天性無胸腺症用薬を再承認申請  バルドキソロンメチルの承認申請は標準審査に  Axsome社、既存薬の配合剤を鬱病に承認申請  加速承認を巡る諮問委員会の結果  アトピー治療用の抗IL-13抗体は審査完了  Tysabriの皮注用新製剤は審査完了  Protalix、FDAが工場査察できずに承認遅延  【新薬開発】 RSV予防用抗体の第3相が成功 (2021年4月26日発表) アストラゼネカと共同開発パートナーのサノフィは、MEDI8897(nirsevimab)の第3相RSウイルス感染予防試験が成功したと発表した。下期には早産児や慢性肺疾患・鬱血心臓疾患を持つ幼児の第3相の結果も出る予定。2022年に承認申請を行う考え。 RSウイルスは0~1歳の幼児の多くが感染し、多くは症状が軽微だが、早産児や慢性肺疾患・鬱血性心臓疾患を持つ幼児は重症化リスクがあるため、アストラゼネカの子会社であるメディミューンが開発したSynagis(palivizumab、和名シナジス)による予防が行われる。nirsevimabはRSVのF蛋白の、Synagisとは異なった部位に結合する抗体で、固定領域のアミノ酸3個を置換することによって半減期を長期化。Synagisは感染リスクのある冬の間、月一回筋注するが、nirsevimabは一回で足りる。 今回のMELODY試験は在胎35週以上の健康な1歳未満の幼児3000人を試験薬群(体重5kg未満は50mg、以上は100mg)と偽薬群に無作為化2対1割付して、RSV感染による下部気道感染症の治療を受けるリスクを150日間、観察した。当初は23年に開票する見込みだったが、COVID-19の余波でRSV感染症例が減少したため前倒して1500例の薬効解析を行ったところ、成功した。 安全性面では臨床的に重要な偽薬群との差異は見られなかった由。 Synagisの承認用途である在胎35週以下の早産児と慢性肺疾患・鬱血性心臓疾患を組入れて両剤の安全性を比較する第2/3相MEDLEY試験も今年後半に前倒し解析を行う予定。 順調に進めば...

第996回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連:   JNJのワクチンにも血小板減少性血栓症の大変稀なリスクありと判定  その他の領域:   JAK阻害剤の第3相円形脱毛症試験が二本目も成功  Jazz社、Xywavの特発性過眠症試験データを学会発表  RNA介入薬を遺伝性ATTRアミロイドーシスに承認申請  CHMP、NMOSD治療薬などに肯定的意見  FDA、アルキル化薬のADCを承認  FDA、GSKの抗PD-1抗体を内膜腫に承認  【COVID-19関連】 JNJのワクチンにも血小板減少性血栓症の大変稀なリスクありと判定 (2021年4月23日発表) ジョンソン・エンド・ジョンソンのCOVID-19ワクチンを接種した人のうちごく一部で血小板減少を伴う血栓症が発現し致死例もある件について、EUと米国の諮問委員会は、夫々に、大変稀だが深刻な副作用としてレーベルに追加すべきと結論した。便益が危険を上回ることから接種中止までは求めなかった。結論が出たことからJNJはロールアウト再開を決めた。 同様なリスクはアストラゼネカのワクチンでも観察されているが、今のところ、報告頻度はJNJのワクチンのほうが少ない。EMAによると深刻例は約700万回接種して8例(うち1例は致死的)とのことだ。 米国のCDC(疾病管理予防センター)はTTS(血小板減少を伴う血栓症候群)という若干異なったカテゴリーで15例が報告されたことを明らかにした。全員が女性で18-49歳が13例と太宗を占めた。小分類では12例がCVST(脳静脈洞血栓症)。転帰は死亡3人、ICU入室中4人、その他入院3人、5人は退院した。 接種実績は800万回程度なので、頻度は100万回当たり2例弱。女性の年齢別頻度は18-29歳が同5.2例、30代11.8例、40代4.3例、50-64歳1.5例、65歳以上はゼロとなっている。イベント数が少ないせいか綺麗な逆相関にはなっていないが、アストラゼネカのCOVID-19ワクチンと同様に、50歳未満のリスクが高い。 接種後3週間以内に息切れや胸痛、下肢腫脹、持続的な腹痛、重度で持続的な頭痛や霞目のような神経学的症状、そして接種箇所以外での点状出血などの血栓症の症状が現れたら、医療従事者に速やかに...

第995回

  【ニュース・ヘッドライン】 COVID-19関連: イーライリリーの中和抗体単剤のEUA取消  リジェネロンの中和抗体は感染者の同居者の予防にも有益  BioNTech/ファイザーのワクチンのNNTは30  ワクチン誘導性血小板減少性血栓症の世代別リスク  EMA、アデノウイルス・ベクター・ワクチンの安全性シグナルの検討を開始  JNJのワクチンの接種中断を勧告  抗寄生虫薬の第2相が成功?  抗GM-CSF受容体抗体が第2相で良績  MSD、外来患者に抗ウイルス薬の第3相開始へ  MSD、CD24Fcは開発断念  シクレソニドの第3相がフェール  フォシーガの第3相はフェール  それ以外の疾患: オプジーボが肺癌術前療法で良績  バイエルのPI3K阻害剤、NHL二次治療試験が成功  Amylyx、AMX0035をALSに承認申請へ  新規低用量ピルが米国で承認  オプジーボ、胃癌や食道癌の一次治療に適応拡大  ギリアドの抗EGP-1抗体が膀胱癌に適応拡大  【COVID-19】 イーライリリーの中和抗体単剤のEUA取消 (2021年4月16日発表) FDAは昨年11月にイーライリリーのLY-CoV555(bamlanivimab)を12歳以上、体重40kg以上の軽中等症COVID19感染症で入院の必要はないが重症化リスクを持つ患者の治療薬としてEUA(非常時使用認可)したが、取り消した。この抗SARS-CoV-2抗体に抵抗性を持つウイルスの感染例が増加したため。検出率が1月中旬の約5%から3月中旬には約20%に上昇した。同社のLY-CoV016(etesevimab)との併用レジメンや、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Nasdaq:REGN)のREGN-COV(casirivimabとimdevimabの併用レジメン)は有効性を維持しているので、敢えて単剤投与に拘る必要はない。 既報のように、上記三製品のファクトシート(レーベル類似の文書)は3月に改訂され、様々な変異株に関するシュードウイルス試験のデータが掲載された。一番失望的だったのがbamlanivimab(モノセラピー)で、英国型変異(B.1.1.7系統)は感受するが、ニューヨーク型(B.1.525系統やB.1...