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2017年10月29日号

【ニュース・ヘッドライン】 アッヴィの抗IL-23p19抗体も第三相試験成功  アムジェン、CETP阻害剤の自社開発を断念  ロシュ、アバスチンの卵巣癌一次治療適応拡大を申請  atalurenはやっぱり承認されず  GSKの帯状疱疹ワクチンが米国で承認  ソリリス、重症筋無力症に承認  EU、Zinbryta(daclizumab)の規制を強化へ  【新薬開発】 アッヴィの抗IL-23p19抗体も第三相試験成功 (2017年10月26日発表) アッヴィはABBV-066/BI 655066(risankizumab)の第三相中重度乾癬治療試験が成功したことを明らかにした。偽薬や実薬とPASI90奏効率を比較したもので、ジョンソン・エンド・ジョンソンのStelara(ustekinumab、和名ステラーラ)を投与する群が設定された二本は何れも75%となり偽薬群(一本は2%、もう一本は5%)やStelara群(42%と48%)を上回った。Humira(adalimumab)対照試験では72%対47%で有意に上回った。 IL-23はTh17細胞が誘導する免疫に関与するサイトカインで、活性化した抗原提示細胞が発現し、T細胞をTh17細胞に分化させる。StelaraはIL-23とIL-12のサブユニットであるp40に結合するがrisankizumabはIL-23だけに関わるp19サブユニットに結合するヒト化抗体で、IL-12阻害に伴う有害事象を誘導しにくい可能性がある。 16年にベーリンガー・インゲルハイムから共同開発商業化権を取得したもの。Humiraで皮膚科チャネルに実績を持つアッヴィが販売、ベーリンガーは喘息症領域でコプロモするオプションを留保している。抗IL-23p19抗体は7月にジョンソン・エンド・ジョンソンのTremfya(guselkumab)が米国で承認、MSDのMK-3222(tildrakizumab)が欧米で承認審査中と、開発競争が活発化している。 リンク: アッヴィのプレスリリース アムジェン、CETP阻害剤の自社開発を断念 (2017年10月25日発表) アムジェンは、17/12期第3四半期決算発表リリースの中で、AMG 899の開発を断念し導出する考えであることも明らかにし...

2017年10月22日号

【ニュース・ヘッドライン】 JNJ、抗IL-6抗体と抗CD123抗体でセットバック  セルジーン、クローン病用薬の第三相を中間解析で打ち切り  テバも抗CGRP抗体を承認申請  BMS、オプジーボの黒色腫再発予防を適応拡大申請  アストラゼネカ、抗PD-L1抗体を肺癌維持療法に適応拡大申請  アストラゼネカ、PARP阻害剤を転移性乳癌に適応拡大申請  VEGFR阻害剤が腎細胞腫一次治療に適応拡大申請  FDA諮問委員会がsemaglutideの承認を支持  FDAが第二のCAR-Tを承認  【新薬開発】 JNJ、抗IL-6抗体と抗CD123抗体でセットバック (2017年10月17日発表) ジョンソン・エンド・ジョンソンは抗IL-6完全ヒト化抗体のCNTO 136(sirukumab)を中重度リウマチ性関節炎の治療薬として日米欧で承認申請していたが、断念することを決めた。2017年第3四半期決算に関するプレスリリースの中で公表したもの。 8月に開催されたFDA関節炎諮問委員会では13人の委員のうち12人が承認に反対した。臨床試験で100人年当りの死亡率が50mg群(4週毎皮注)で0.5、100mg群(2週毎皮注)で0.8と、偽薬群の0.2を大きく上回ったため。類薬が既に存在することもあり、FDAは安全性の確認が不十分と判定、審査完了通知を送付した。 CNTO 136はグラクソ・スミスクラインが共同開発していたが、今年7月に、パイプラインの選択と集中戦略に基づいて権利を返還した。 IL-6や受容体を標的とする抗体医薬は中外/ロシュのActemra(tocilizumab)が代表格で、リジェネロン/サノフィのKevzara(sarilumab)も今年、欧米で承認された。JNJも抗IL-6キメラ抗体のSylvant(siltuximab)が多発骨髄腫用薬として欧米で14年に承認されている。 JNJは、JNJ-56022473/CSL362(talacotuzumab)の臨床試験中止も発表した。オーストラリアのCSLがXencor(Nasdaq:XNCR)の固定領域改変技術を用いて創製しヤンセンにライセンスした抗CD123抗体で、急性骨髄性白血病のP2/3段階だった。理由は開示されていないが、C...

2017年10月15日号

【ニュース・ヘッドライン】 JNJ、『第二のイクスタンジ』を承認申請  イーライリリー、Verzenioの一次治療適応拡大申請と肺癌適応拡大フェール  今月のCHMPは新薬なし  米国初の遺伝子療法が諮問委員会を通過  Rhoキナーゼ阻害剤も諮問委員会を通過  【承認申請】 JNJ、『第二のイクスタンジ』を承認申請 (2017年10月11日発表) ジョンソン・エンド・ジョンソンはARN-509(apalutamide)を非転移性去勢抵抗性前立腺癌用薬として米国で承認申請した。この用途で正式に承認されれば初。 ファーザー/アステラス製薬のXtandi(enzalutamide、和名イクスタンジ)と同じ学者が創製した高力価アンドロゲン・シグナル・インヒビターで、JNJは13年に開発会社を一時金6.5億ドル、達成報奨金最大3.5億ドルで買収した。 第三相試験は、前立腺癌のアンドロゲン枯渇療法を施行中にPSA値が急上昇し始めた、しかしまだ転移はしていない患者1200人を組入れて、240mgを一日一回経口投与する群と偽薬群の無転移生存期間を比較した。データは今後、学会発表される予定。 前立腺癌の治療は進行段階に応じて細分化されており、XtandiもJNJのZytiga(abiraterone)も一つ一つ、適応を増やしてきた。ARN-509も今後は他剤とバッティングする用途で開発を進めることになる。Zytigaとの併用がどの程度上手く行くかが注目点の一つになりそうだ。 リンク: JNJのプレスリリース イーライリリー、Verzenioの一次治療適応拡大申請と肺癌適応拡大フェール (2017年10月12日発表) イーライリリーのCDK4/6阻害剤、Verzenio(abemaciclib)は9月に米国でホルモン受容体陽性her2陰性乳癌に承認されたところ。内分泌療法歴を持つ患者にFaslodex(fulvestrant、和名フェソロデックス)と、または、内分泌療法と化学療法歴を持つ患者のサルベージに単剤で、用いる。CDK4/6阻害剤の開発・販売はファイザーやノバルティスが先行しているので適応拡大が急務だが、先週は、一次治療適応拡大申請と肺癌の第三相試験フェールが発表された。 一次治療はアロマターゼ阻害...

2017年10月8日号

【ニュース・ヘッドライン】 aTTP治療薬の第三相が成功  iclaprim、10年を経て再承認申請へ  イグザレルト、ESUS試験はフェール  【新薬開発】 aTTP治療薬の第三相が成功 (2017年10月2日発表) ベルギーのAblynx(Euronext Brussels:ABLX)は、ALX-0081(caplacizumab)の第三相試験が成功したと発表した。後天性血栓性血小板減少性紫斑症(aTTP)の急性期治療効果を検討したもので、主評価項目である血小板数正常化までの期間が偽薬比有意に短かった。数値は未発表。 臨床的効能を検証する副次的評価項目は、四項目のうち二項目が成功。aTTP関連死亡・再発・主要血栓塞栓イベントの複合評価項目が偽薬比74%減(主として再発が少なかった)。投与中止後28日間のフォローアップ期間も含めて試験期間中のaTTP再発が67%減少した。 一方、出血性有害事象の発生率は66%と偽薬群の49%を上回ったが、多くは軽中度だった。 aTTPは、フォン・ヴィレブランド(vW)因子を切断するADAMTS13という酵素の機能不全が原因でvW因子の塊ができて毛細血管が狭隘化、赤血球が通過できず破壊される。急性期治療は血漿交換が有効だが、それでも死亡率15%と言われている。 ALX-0081はvW因子を標的とする抗体医薬で、特徴は軽鎖を持たないこと。同社がナノバディと呼ぶ技術で、通常の抗体と比べて分子量が12~15kDaとやや小さく、親和性が高く安定的で、投与方法がフレキシブルとのこと。第三相では、毎日血漿交換療法を行い、免疫抑制剤も使った上で、偽薬またはALX-0081を、初回は10mgをボーラス静注、その後は同量を一日一回、皮注した。 Ablynxは18年に米国で承認申請する計画。EUは今年2月に第二相試験のデータ(血小板数正常化まで3日、偽薬群は4.9日)に基づいて承認申請済み。 リンク: Ablynxのプレスリリース iclaprim、10年を経て再承認申請へ (2017年10月4日発表) Motif Bio(Nasdaq:MTFB)は、MTF-100(iclaprim)の二本目の第三相試験成功を発表した。急性細菌性皮膚皮膚構造感染症(ABSSSI)の治療効果を...

2017年10月1日号

【ニュース・ヘッドライン】 フェンフルラミンのドラベ症候群試験が成功  5HT6アンタゴニストのアルツハイマー病試験がまたフェール  ロシュ、パージェタのアジュバント適応拡大を申請  FDA諮問委員会はPTCの筋ジストロフィー用薬を支持せず  イーライリリーのCDK4/6阻害剤が早くも承認  ノボ、アスパルトの新製剤が米国でも承認  DupixentがEUでも承認  【新薬開発】 フェンフルラミンのドラベ症候群試験が成功 (2017年9月29日発表) 米国カリフォルニア州の希少疾患用薬開発会社、Zogenix(Nasdaq:ZGNX)は、ZX008(fenfluramine hydrochloride)の第三相ドラベ症候群試験が成功したと発表した。もう一本進行中で、結果を見て18年下期に欧米で承認申請する計画。 ドラベ症候群は乳幼児期から痙攣発作を起こす。多くはナトリウムチャネル遺伝子の機能低下変異を持つ。fenfluramineは1990年代にダイエット薬としてブームになったが、心臓弁膜症や肺高血圧症のリスクが表面化、メーカーは数兆円のPL訴訟和解金を拠出した。当時の用量は一日60~120mg。ZX008は経口液で用量は小さい。今回の試験では一日0.8mg/kgと0.2mg/kgをテストしたところ、痙攣発作頻度が治療前(平均で40回/月)と比べて各72%と33%減少、両群とも偽薬群の17%減を有意に上回った。 二次的評価項目の多くも有意差があった由だ。深刻有害事象は各群12.5%、10.3%、10.0%。有害事象による治験離脱は各群39~40人のうち5人、ゼロ、ゼロとなっており、高用量は効果も高いが忍容性も若干悪化するようだ。尚、この試験は滴定を導入している。 上記のデータは、北米試験と欧豪試験の事前に計画された統合解析とのこと。治験登録によれば目標症例数はどちらも120人だが、統合解析対象は119人なので、患者組入れが進まず途中でプロトコルを変更したのかもしれない。 もう一本の第三相は、ドラベ症候群の標準的治療法であるstiripentol、valproate、そしてclobazamの三剤併用している患者に追加する効果を検討しており、こちらの方がハードルは高そうだ。薬物相互作用がある模様で、第1コフォート...

2017年9月24日号

【ニュース・ヘッドライン】 hATTRアミロイドーシス治療試験が成功  bcl-2阻害剤のリツキサン併用試験が成功  プレウロムチリン系抗生剤の最初の第三相が成功  FDA諮問委員会、スーテントの適応拡大に意見分かれる  JNJの抗IL-6抗体はFDA審査完了  オプジーボ、米国は肝細胞腫を承認  EUでバベンチオなどが承認  Ocalivaは適正使用されていない?  【新薬開発】 hATTRアミロイドーシス治療試験が成功 (2017年9月20日発表) Alnylam Pharmaceuticals(Nasdaq: ALNY)は、ALN-TTR02(patisiran)の第三相遺伝性ATTRアミロイドーシス試験が成功したと発表した。年内の米国を皮切りに世界で承認申請する予定。サノフィ・グループのジェンザイムが販売権を持つ日本の施設も第三相に参加しており、18年に承認申請予定。 AlnylamはsiRNA技術を元に遺伝子疾患の治療薬などを開発している。他の開発品で副作用が表面化し、patisiranの第三相試験のデータ監視委員会が続行の当否を検討するなど、心配な話が続いただけに、一安心だ。 この試験はポリニューロパチーを合併する患者225人を、試験薬群(0.3mg/kgを3週毎に70分点滴)と偽薬群に2対1割付してニューロパチー改善効果を検討した。主評価項目である18ヶ月間のmNISの変化でも主要な副次的項目であるQOL指標でも有意差が見られ、試験薬群は指標が改善した。データは未発表。 深刻有害事象発生率は36.5%で偽薬群の40.3%より低く、死亡率は4.7%対7.8%、有害事象による治験離脱も4.7%対14.3%と良好だった。病気の症状に関連する有害事象が少なかったのだろう。できすぎのような感じもするが... リンク: Alnylamのプレスリリース bcl-2阻害剤のリツキサン併用試験が成功 (2017年9月18日発表) ロシュは、Venclexta(venetoclax、欧州名Venclyxto)の第三相再発性難治性CLL(慢性リンパ性白血病)試験が成功したと発表したRituxan併用で、PFS(無進行生存期間)を標準療法の一つであるRituxan(rituximab、和名リツキサ...

2017年9月18日

【ニュース・ヘッドライン】 死ね、デニース  抗IL-4Rアルファ抗体は喘息症にもある程度の効果  ヌーカラはCOPDにもある程度の効果  ビデュリオンは心血管リスクを高めない  イクスタンジ、非転移性去勢抵抗性前立腺癌試験が成功  アッヴィのJAK阻害剤もリウマチ試験成功  黒色腫アジュバント試験のデータ発表  ザイティガを転移性前立腺癌に適応拡大申請  CHMPがPARP阻害剤などの承認を支持 FDA諮問委員会がGSKの帯状疱疹ワクチンを支持  バイエルのPI3K阻害剤が米国で承認  Ocalivaのドクターレター  【今週の話題】 死ね、デニース (2017年9月11日発表) ジョンソン・エンド・ジョンソンは、慢性C型肝炎治療薬JNJ-4178の開発を中止すると発表した。Olysio(和名ソブリアード)の活性成分であるNS3/NS4Aプロテアーゼ阻害剤simeprevirとNS5Bポリメラーゼ阻害剤AL-335、そしてNS5A阻害剤ACH-3102(odalasvir)の三剤合剤で後期第二相段階だったが、優れた類薬が既に複数販売されていることや市場の成長が見込み難いことに鑑みたのだろう。今後はB型肝炎治療薬の開発に経営資源をシフトする。 慢性C型肝炎治療薬の研究開発は、米国政府の支援とゲノム技術の進歩に後押しされて、開花。C型肝炎ウイルスのゲノムが解析され、増殖に必要な上記酵素を標的とするDAA(直接作用性抗ウイルス剤)が、2011年承認のtelaprevirを皮切りに、続々と登場した。 近年の三剤配合薬はSVR12(治療終了後12週間経ってもウイルスが検出されない、持続的ウイルス学的奏功率)が90%を超えるものが少なくない。ウイルスはどこかに隠れてしまうことがあり完全に駆除するのは難しいが、C型肝炎の場合はSVR12ニアリーイコール完治と考えられており、大変重要な成果だ。 一方、今から新薬を開発して既存薬の効果を上回るのは容易ではないだろうし、何とか発見しても発売する頃には治療すべき患者が減っている可能性が高い。第二相試験の発表を見聞きする度に、まだやるのかと思っていたが、今回のJNJの発表は、遂にXデイが来たことを意味する。 病気の進行を抑える薬は長く使ってもらえるが、治癒する...