投稿

第1269回

  【ニュース・ヘッドライン】 アムジェン、タブネオスの広聴機会を請求  ブンディブギョ株エボラウイルス疾患による死者が早くも1000人に  JNJ、テクベイリ・タービー併用二次治療試験が成功  イーライリリー、トリプルGの第3相結果をまた公表  HARMONi試験の全生存データがアップデート  siRNA薬の重度高TG血症適応拡大試験が成功  ギリアドとMSDの相乗り配合錠、第3相が成功  サノフィも抗OX40L抗体の承認申請を断念  イプセン、iBAT阻害剤の胆道閉鎖症試験はフェール  膵管腺腫の革命的新薬を承認申請  ファイザー、ターゼナをCSPCに適応拡大申請  ノバルティス、4品の承認申請を公表  7月のCHMP結果  大塚のADHD新薬が承認  硝子体注射用ベバシズマブが承認  GSK、買収合意したばかりの企業のROS1阻害剤が承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 アムジェン、タブネオスの広聴機会を請求 (2026年7月23日発表) アムジェンは、FDAがANCA関連血管炎治療薬Tavneos(avacopan)の承認を取消そうとしているため、広聴機会を請求する文書を送付すると共に、一般公開した。21~22年に日米欧で承認されるエビデンスとなった第3相Advocate試験でデータの不適切な取扱いがあったことが発覚、薬効データの頑強性が疑われ肝毒性などのリスクを上回ると言えなくなったことから、EUのCHMP(医薬品科学的評価委員会)も今年6月に承認取消するよう勧告した。100%効かないと断言できる訳ではないだろうが、どちらかと言えば、不正申請に甘い態度を示すと模倣犯が輩出する可能性を危惧したものだろう。 発端は、アムジェンが22年に37億ドルで買収した、Tavneosを欧米承認まで進めたChemoCentryx社に関する株主代表訴訟。裁判の過程で、Advocate試験は主解析がp=0.1025とフェールしたが、奏効判定の妥当性が疑われた9人の再判定を行ない、試験薬群の6人中5人を持続的寛解達成例に変更していたことが発覚した(偽薬群の疑い例3人は変更なし)。尚、アムジェンは問題発覚後にデューク大に改めて盲検判定を要請したが、今回の文書によると、この再判定で...

第1268回

  【ニュース・ヘッドライン】 シングリックスが疫学研究でまた認知症減少と関連  キイトルーダのdMMR内膜腫一次治療試験が成功  ハイヤスタのグローバル黒色腫試験が成功  バイオジェン、タウ発現阻害薬を第3相へ  イプセン、IqirvoのALP高めPBC試験が成功  GSK、抗PD-1抗体の直腸癌試験が成功  GSKのP2X3受容体アンタゴニストも便益は限定的  ガザイバを膜性腎症に適応拡大申請  BMS、CELMod第2弾を米国でも承認申請  遅報:Cogent社、c-KIT阻害剤を進行性の肥満細胞症にも承認申請  ファビハルタのIgAN適応が米国で本承認  MSDの経口PCSK9阻害剤がいきなり承認  レットヴィモの加速承認が本承認に切替  PAM阻害剤が乳癌に承認  レケンビの最初から皮下注が承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 シングリックスが疫学研究でまた認知症減少と関連 (2026年6月16日発表) GSKの帯状疱疹ワクチン、Shingrixに関しては、複数の疫学試験で認知症減少との関連性が示唆されている。今回、米国における疫学試験でも2~3割のリスク低下が見られた。GSKは今年、前向き介入的試験を開始しており、30年頃にどのような結果が出るか、注目される。 Shingrixは帯状疱疹ウイルスの糖蛋白E抗原とAS01Bアジュバントからなる遺伝子組換えワクチン。17~18年に米日欧で承認された。今回、Annal of Internal Medicine誌にブラウン大学が主導した大規模疫学研究の成果が掲載された。2017~22年に米国の介護施設5500施設に短期/長期入所した66歳以上のメディケア加入者509926人の医療記録を元に、Shingrixを一回以上(正式用法は2~6ヶ月おいて二回)接種した8843人とそれ以外の認知症診断リスクを比較したところ、リスク比は0.76だった(95%信頼区間0.69-0.84)。4年間の推定発症率は前者が18.8%、後者は24.6%だった。接種群のほうが年齢が若く健康状態が良いことを修正してもリスクが小さかった。 3月にロンチされたGSKの第4相300889試験は、フィンランドで76歳以上の認知症などを発症していな...

第1267回

  【ニュース・ヘッドライン】 承認から16年経ったデュピュイトラン拘縮用薬の適応拡大試験が成功  アストラゼネカ、TTRアンチセンス薬の心筋症適応拡大試験がフェール  BMS、フェールした市販後薬効確認試験の成績を学会発表  ピルビン酸脱水素酵素複合体欠乏症用薬を再承認申請  Pharvaris、HAE治療薬を承認申請  Revolution Medicinesの膵臓癌用薬、EUも段階的審査開始  恒瑞とElevar、新薬二剤併用の承認申請がまた審査完了  肝MRI造影剤も審査完了に  パドセブ・キイトルーダのMIBC周術期療法が承認  サークリサ皮下注が承認  TACI-Igが遂に承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【新薬開発】 承認から16年経ったデュピュイトラン拘縮用薬の適応拡大試験が成功 (2026年7月8日発表) ダブリン籍の未上場製薬会社、Keenova Therapeuticsは、Xiaflex(collagenase clostridium histolyticum)が第3相足底線維腫症試験で主目的等を達成したと発表した。26年第4四半期に米国で適応拡大申請する考え。承認が見込まれる28年時点で、米国では30万人が治療を求めると推測している。 436人の患者を組入れて1回(28日後にもう一回も可)投与し、疼痛緩和作用を偽薬と比較した。数値は未公表だが、統計的に有意且つ臨床的に意味のある差があった由。次解析順位の機能尺度(Foot Function Index)も達成した。安全性は承認用途の試験と同様だった。 クロストリジウムヒストリチクス菌由来のコラゲナーゼ。2010年に米国でAuxilium Pharmacueiticalsがデュピュイトラン拘縮(掌などの結合組織にコラーゲンが蓄積)の注射用治療薬として承認を取得、2013年にはペニスに蓄積するペイロニー病にも承認された。同社は2015年にEndo Internationalに買収されたが、Endoは米国のオピオイド訴訟で巨額の和解金を課せられたことからチャプター11(会社更生)申請に至り、同様な状況にあったMallinckrodtと25年に合併、両社のブランド薬部門をKeenova Therapeuticsとし...

第1266回

  【ニュース・ヘッドライン】 ロシュのKRAS-G12C阻害剤が既存薬に勝つ  BeOne社、ブルキンザの未治療MCL試験が成功  エプキンリ、レブラミドを併用したDLBCL二次治療試験が成功  フリードライヒ運動失調症用薬のローリング申請に着手  VistaGen、点鼻ステロイドの第3相社交不安障害試験がまたフェール  ロシュ、エンスプリングを甲状腺眼症に適応拡大申請  Sarepta、二種類のDMD用薬の本承認切替を申請  Replimune、rHSV-1療法を再申請  SOBIの新規痛風薬は審査完了に  Lantheusの新規造影剤も審査完了に  FDA、Capricor社のDMD用薬を諮問委員会に上程へ  Praxis社、抗癲癇薬の審査期限が延期に  CRISPR技術を用いた薬が2~11歳も利用可能に GvHDが起き難い造血幹細胞移植用薬が承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【新薬開発】 ロシュのKRAS-G12C阻害剤が既存薬に勝つ (2026年7月2日発表) ロシュは次世代KRAS-G12C阻害剤RG6330(divarasib)が第3相先輩対照試験で主目的などを達成したと発表した。承認申請に向かう考え。この日本も参加したKrascendo 1試験は、KRAS-G12C変異を持つ治療歴のある進行非小細胞性肺癌338人を対象に、一日一回経口投与する便益を既承認の第1世代品であるsotorasib(アムジェンのLumakras)またはadagrasib(BMSのKrazati)を投与する群とオープン・レーベルで比較したもの。主評価項目のPFS(無進行生存期間、盲検独立中央評価)が統計的に有意且つ臨床的に意味のある改善を見た。副次的評価項目の全生存期間も中間解析で有意差が出た。安全性に関する新規シグナルは見られなかった由。 このほかに初めて治療を受けるG12C変異型進行非小細胞性肺癌を対象に抗PD-1抗体pembrolizumabと併用する便益をpembrolizumab、pemetrexed、白金薬の3剤併用と比較するKrascendo 2試験の結果が28年に、切除術を受けたG12C変異非小細胞性肺癌のアジュバント療法試験であるKrascendo 3試験の結果が32年ごろに...

第1265回

  【ニュース・ヘッドライン】 欧州でもタブネオスの承認取消勧告  欧州委員会がインフルエンザ・ワクチンの情報提供活動に捜査開始  MSD、抗TL1A抗体の第3相が成功  LSD類薬の第3相鬱病試験が成功  Exelixis、承認申請中の新規VEGF阻害剤は一部患者に効果が弱い  Regenxbio、FDAの姿勢軟化を受けて再申請へ  ファイザー、抗インテグリン抗体薬物複合体の第3相がフェール  新規禁煙補助薬は承認されず  CHMP、アジュバント型インフルエンザ・ワクチンなどの承認を支持  甲状腺眼症の治療薬が承認 イブランスがHR+her2+乳癌の維持療法に承認  ApoC-IIIアンチセンス薬が高TG血症に適応拡大  ギリアドの抗TROP-2抗体薬物複合体、PD-L1不問でTNBC一次治療に適応拡大  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 欧州でもタブネオスの承認取消勧告 (2026年6月26日発表) EUの医薬品審査委員会、CHMPは、MPA(顕微鏡的多発血管炎)やGPA(多発血管炎性肉芽腫症)の治療薬として承認されているTavneos(avacopan)の承認を取り消すよう勧告した。承認の根拠となった臨床試験にGCP(実施基準)違反などが発覚したため。欧州委員会が最終決定する。 このC5a受容体阻害剤はChemoCentryx(22年にアムジェンが子会社化)が開発し21年9月に日本でライセンシーのキッセイ薬品が世界に先駆けて承認を取得、翌月にはChemoCentryxが米国で、22年1月にはライセンシーのVifor Fresenius Medical Care Renal PharmaがEUで、承認を得た。しかし、ChemoCentryxの株主が提訴した代表訴訟で、プロトコルに即した解析が両側p=0.1025とフェールしていたこと、そして、データが疑わしい症例を査読させポジティブなデータに変更されていたことが判明、CHMPやFDAが精査を開始した。FDAはアムジェンに自主回収を打診したが断られ、承認取消に向けた時間のかかる公的手続きを開始している。 安全性に関しても、既知のリスクである薬物誘導性肝障害に加えて、市販後に多くの胆管消失症候群が報告されるようになった...

第1264回

  【ニュース・ヘッドライン】 FDAのスタンス転換を受けて、ハンチントン病の遺伝子療法を承認申請へ  新規作用機序の抗菌薬が第3相通過  ジャイパーカを含む3剤併用試験が成功  タービーとダラキューロの併用も有効  テバ、トゥレット症候群用薬を承認申請  ロシュ、LCBCLの二剤併用を承認申請  ユルトミリスをIgA腎症に適応拡大申請  ALK2阻害剤をFOPに承認申請  FDA諮問委員会がインフルエンザ予防用mRNAワクチンを支持  テビペネムが17年遅れで米国でも承認  当面の主なFDA審査期限、諮問委員会  【今週の話題】 FDAのスタンス転換を受けて、ハンチントン病の遺伝子療法を承認申請へ (2026年6月17日発表) オランダのuniQure biopharma(Nasdaq:QURE)は、開発中のハンチントン病遺伝子療法、AMT-130(rAAV5-miHTT)を元々の計画通り26年第3四半期に米国で承認申請すると発表した。一転、二転したが、FDAが最近のタイプB会合で外部対照試験に基づく承認申請を受け入れる姿勢を示したとのこと。昨年12月以降、FDA長官など上層部が次々と更迭されたことが製薬会社に良い方向に働き始めたのかもしれない。 ハンチントン病はHTT遺伝子の変異による常染色体性優性遺伝子疾患。舞踏運動などの運動症状や精神症状を伴う。AMT-130は遺伝子組換えアデノ随伴ウイルス5型をベクターとして変異HTTを黙らせるマイクロRNAを導入する。MRIで薬剤分布を確認しながら定位脳手術により線条体に導入する。米国の第1/2相試験で早期ハンチントン病患者を低量群(6人)、高量群(10人)、そしてシャム群(偽施術)に割付けて安全性やcUHDRS(複合統一ハンチントン病評価尺度)の変化を比較したが、1年と短期であったせいか、シャム群と大差なかった。欧州でも後期第1相/2相試験が実施されたが、こちらは低量と高量の二群オープン・レーベル試験だ。 同社は、代案として欧米試験の3年追跡データとEnroll-HD患者登録データの傾向マッチング外部対照試験を実施したところ、高用量群(6x10^13vg、12人)のcUHDRSの悪化が0.38と、対照群940例の1.52より75%小さかった(p=0....