2026年5月16日

第1259回

【ニュース・ヘッドライン】

  • CNPV案件が今年どこかで諮問委員会上程 
  • イミフィンジの3種類目のMIBC試験が成功 
  • Regenxbio、DMDの遺伝子療法薬を承認申請へ
  • アストラゼネカ、PTHR1アゴニストの第3相が成功 
  • Regeneron社、抗LAG-3抗体の最初の第3相がフェール 
  • 遅報:GSK、米国でもB型肝炎新薬を承認申請 
  • SIGA・EMA、エムポックスにテコビリマトを使うな 
  • テセントリクがctDNAでスクリーニングされた患者向けに承認 
  • エンハーツ、乳癌切除術の術前療法と術後療法が承認 
  • 大鵬の合剤が新患AMLに適応拡大 
  • BeOne社、bcl2阻害剤がMCLに承認 
  • ファセンラがHESに適応拡大
  • ウィフガート、全身性重症筋無力症における限定が解除 
  • ヒムペブジがEUでインヒビター保有血友病に適応拡大 
  • FDA:タズベリクの二次原発腫瘍リスクは思っていたより高い 
  • 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会 


【今週の話題】


CNPV案件が今年どこかで諮問委員会上程
(2026年5月12日発表)

FDAは、ホームページで、内分泌代謝学薬諮問委員会の開催予定を公表した。サノフィのTzield(teplizumab-mzwv)の適応拡大申請に関わるもので、昨年10月にCNPV(FDA委員長の国家的優先バウチャ)指定を受け、順調なら26年初めにも承認されていたはずだが、音沙汰がない。今回の発表も前例と異なり、アジェンダは記されているが日程は26年末までに開催としか書かれていない。まあ、第2次トランプ政権下のFDAは前例を次々と打ち破っているし、もしかしたら、FDA委員長のMarty Makaryが突如退任したことも影響しているのかもしれない。本当に、今のFDAはお騒がせだ。

この抗CD3抗体は、イフェクターT細胞を抑制し抑制的T細胞を強化することで一型糖尿病患者のベータ細胞がT細胞に攻撃されるのを抑制する。22年に米国で、26年1月にはEUでも、8歳以上のステージ2(OGTT検査で血糖値が高めだが糖尿病判定基準より低い)一型糖尿病がステージ3(口渇など症状を合併する)に進行するのを遅らせる薬として承認された。米国では4月に対象年齢が1歳以上に広がった。

新用途は、8歳以上の最近ステージ3と診断された1型糖尿病患者の進行抑制。第3相試験でベータ細胞機能の指標である負荷後Cペプチド濃度が78週に偽薬を有意に上回った。25年10月に承認申請が受理されたが順調ではない様子で、1月のロイター報によれば、癲癇や血栓、死亡事例が見られたことことがネックになっている。5月には、専門メディアが、CDER(小分子薬と一部のバイオ薬の承認審査を担当)の担当部門は承認を支持したがヘッドであるTracy Beth Høegが否定的であるため、サノフィがCNPV指定を解除するよう要請したと報じた。

Tzieldは、40年前に米国で急性拒絶反応治療薬として承認された世界初の抗体医薬であるマウス・モノクローナル抗体、Orthoclone OKT3(muromonab-CD3)のアミノ酸二つを置換して免疫刺激性を緩和したヒト化抗体。Ala-Alaの愛称で長い試験歴を持つ。当方の把握している範囲では、2005年にMacroGenicsがTolerance TherapeuticsからIPを取得、2007年にイーライリリーがライセンスし第3相を実施したがフェールし2010年に返還、2018年に全資産を取得したProvention Bioが2021年に承認申請し、障壁を乗り越えて翌年に承認に漕ぎ着けた。今年1月にはEUでも承認。サノフィは23年に同社を29億ドルで買収して入手した。25年売上高は6300万ユーロ。

リンク: プレス・リリース

【新薬開発】


イミフィンジの3種類目のMIBC試験が成功
(2026年5月14日発表)

アストラゼネカは抗PD-L1抗体Imfinzi(durvalumab)が第3相VOLGA試験の中間解析でEFS(無イベント生存率)や全生存期間を達成したと発表した。標準療法群(膀胱全摘、承認されている術後補助療法可)比で統計的に有意な且つ臨床的に意味のある改善を見た。抗CTLA4抗体Imjudo(tremelimumab-actl)を併用した群もEFSが有意且つ臨床的に意味のある成績を上げたが全生存期間は今回の中間解析では改善トレンドに留まった。データは未発表。

この試験は、白金薬レジメンに不適/拒否のMIBC(筋層浸潤性膀胱癌)を対象に、ファイザー/アステラス製薬の抗Nectin-4抗体薬物複合体Padcev(enfortumab vedotin)による術前療法とimfinziによる術前術後療法レジメンや、術前Padcevと術前術後Imfinzi・Imdudo併用のレジメンを、標準療法群と比較した。ClinicalTrials.govには主評価項目としてEFSのほかに安全性ベンチマークが多数列挙されており、2~3剤併用の忍容性も重要な観察事項であることが窺われる。

Imfinziは白金薬レジメンが適応になるMIBCに術前術後投与した第3相アドオン試験が成功、25年に米欧日で適応拡大が承認された。TURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を受けた筋層未浸潤膀胱癌のBCG併用試験もDFS(高リスク疾患無再発/進行生存期間)を達成している。

リンク: プレス・リリース


Regenxbio、DMDの遺伝子療法薬を承認申請へ
(2026年5月14日発表)

Regenxbio(Nasdaq:RGNX)はRGX-202がAFFINITY DUCHENNE試験の承認申請用部分で主目的を達成したと発表した。加速承認申請に向かう考え。発表を受けて株価が急騰したが、値下がりに転じて引けた。

デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)で欠乏するジストロフィンの代わりに、短縮したマイクロジストロフィンの遺伝子をAAV8ベクターで患者に導入する、遺伝子療法。類薬であるSarepta Therapeutics(Nasdaq:SRPT)のElevidys(delandistrogene moxeparvovec-rokl)と異なり、筋細胞発現を増強する意図でC端末ドメインも持たせている。今回の解析は北米の1歳以上の歩行可能なDMD患者30人における12週後のマイクロジストロフィン発現量を検討したもの。93%の患者が正常水準の10%以上という目標を達成した。閾値は不明だが、統計的に有意とのこと。平均で正常水準の71%に到達し、Elevidys(delandistrogene moxeparvovec-rokl)があまり良い成績を上げられなかった8歳以上の患者でも41%と良好な成果を上げた。また、発現率と臨床的評価(NSAAや10メートル歩行走行テストなど)の相関性分析も9名の中間解析が成功した。更に、NSAAなどに関する外部対照検定でも統計的に有意な改善が見られた。

深刻有害事象は亜急性心筋梗塞と無症候性肝障害が1例ずつ発生した。株価下落はこれが原因のようだ。

第2次トランプ政権下のFDAではSareptaが承認されたのだからRegenxbioも行けるはずとは言えない、と言っているうちに政治任命された上層部が続々と退任し、暗雲が薄れたのか違う色が塗り重ねられたのか、何とも予見し難い状況になっている。

リンク: プレス・リリース


アストラゼネカ、PTHR1アゴニストの第3相が成功
(2026年5月12日発表)

アストラゼネカは昨年3月にAZP-3601(eneboparatide)の第3相CALYPSO試験が成功したと発表したが、今回、データをECS(欧州内分泌学学会)で公表した。副甲状腺ホルモン受容体1のアゴニストで、一日一回、皮下注する。第3相のデザインは複雑で、成人の標準療法による治療を受けている慢性副甲状腺機能低下症患者202人を試験薬と偽薬に2対1割付けして24週間追加投与した。標準療法のうち活性化ビタミンDは期中に中止、カルシウム製剤も600mg/日以下に減量することを目指した。主評価項目である奏効率は、これらの目標を達成した上で血清カルシウム水準(アルブミン調整後)が目標範囲(8.3~10.6mg/dL)に収まっている患者の比率。試験薬群は31.1%、偽薬群は5.9%となり、有意な差があった。

奏効率の時系列を見ると、当初は上昇するがその後は徐々に低下している。大半の患者で抗薬物抗体が生じ、一部の患者では効果が減衰したとのことなので、カルシウム増量などで対処し奏効とは言えなくなった症例が足を引っ張ったのかもしれない。

この疾患ではアセンディス・ファーマのPTH(1-34)補充療法薬、Yorvipath(palopegteriparatide)などが既に承認されている。奏効率はYorvipathのほうが高く見えるので、第2選択のような位置付けになるのだろう。

リンク: プレス・リリース


Regeneron社、抗LAG-3抗体の最初の第3相がフェール
(2026年5月15日発表)

Regeneron Pharmaceuticals(Nasdaq:REGN)は、抗LAG-3抗体REGN3767(fianlimab)の第3相切除不能局所進行/転移黒色腫1次治療試験がフェールしたと発表した。12歳以上の小児と成人の患者1546人を、同社の抗PD-1抗体Libtayo(cemiplimab)と低量fianlimab(400mg)を併用する群、Libtayoと高量(1600mg)の併用群、Keytruda(pembrolizumab)群、またはLibtayo単剤との違いを見るための参考群に割付けして、併用2群のPFS(無進行生存期間、治験登録上は盲検独立中央評価となっているがプレス・リリースには記載なし)をKeytruda群と比較した。低量群はメジアン9.6ヶ月と良好だったがハザード・レシオは0.931、p=0.4661。高量群は11.5ヶ月とKeytruda群の6.4ヶ月を上回ったがハザード・レシオは0.845、p=0.0627だった。Libtayo単剤群はメジアン6.3ヶ月だった。尚、低量群は組入れ期間が異なるのか、Keytruda群の同時期に組み入れられた症例と比較している。

fianlimabの第3相は高量をLibtayoと併用する効果をBMSの類似併用薬であるOpdualag(nivolumab、relatlimab-rmbw)と比較する第3相Harmony Head-to-Head試験も進行中だが、ClinicalTrials.govによると、主評価項目はORR(客観的反応率、盲検独立中央評価)。このほかに、PD-L1高発現非小細胞性肺癌のLibtayo併用試験や、黒色腫術後療法試験が進行中。

抗LAG-3抗体はBMSが開発に成功したが、MSDのMK-4280(favezelimab)など、フェールも多い。

リンク: プレス・リリース

【承認申請】


遅報:GSK、米国でもB型肝炎新薬を承認申請
(2026年4月28日発表)

GSKはGSK3228836(bepirovirsen)の承認申請をFDAが受理したと発表した。日本、EU、中国に続いた。優先審査を受け、審査期限は26年10月26日。

Ionis Pharmaceuticals(Nasdaq:IONS)からライセンスした、HBsAg(B型肝炎表面抗原)をコードするmRNAなどを標的とするアンチ・センス・オリゴヌクレオチド。ヌクレオチ(シ)ド・アナログ(NA)による治療を受けている安定した状態の慢性B型肝炎患者を組入れた第3相試験二本で、24週間追加投与→NAだけで更に24週間治療→NAも中止して24週観察し、ファンクショナル・キュア(HBV DNAが24週に亘り定量化下限以下)奏効率を偽薬群と比較した。データは5月下旬のEASL(欧州肝臓学会)で発表する考え。

リンク: プレス・リリース


【承認審査・委員会】


SIGA・EMA、エムポックスにテコビリマトを使うな
(2026年5月11日発表)

SIGA Technologies(Nasdaq:SIGA)とEMA(欧州薬品庁)は、DHPC(直接的医療従事者通知)を発出し、エムポックスの新患にTecovirimat SIGA(tecovirimat)を用いないよう注意を促した。4本の臨床試験で効果が確認されなかったため。これらの試験は病変が確認された6~9日後に投与を開始しており、遅すぎた可能性があることにも言及している。尤も、裏返せば、動物試験における投与時期が現実の医療とかけ離れているのかもしれないが(敗血病の開発品が臨床試験で続々とフェールした時のように)。

オルソポックスウイルスのVP37エンベロープ蛋白の機能を阻害して感染細胞から出芽できなくする抗ウイルス薬。動物試験に基づき18年に米国で天然痘用薬Tpoxxとして承認。EUでは22年に、日本でも24年12月に、天然痘、エムポックス、そして牛痘の治療と痘そうワクチン接種後のワクシニアウイルス増殖による合併症の治療薬として承認された(EUは例外的環境条項に基づく承認)。

天然痘は発生例が少なく致死率は高いため偽薬対照試験を行うのは人道に反するが、エムポックスは天然痘ほどではなく、一部地域で散発的な流行が見られたため、病変治癒を早める効果を確認する研究者主導試験がEU承認後に4本実施された。ところが、死亡率が比較的高いクレードI型の流行期にコンゴ民主共和国で実施されたPALM 007試験が日本承認の4か月前に当たる24年8月にフェール、クレードII流行期の試験も米国などの施設が参加したSTOMP試験が中間解析を踏まえて24年12月に無益中止、UNITY試験もフェールしたことが25年7月に学会発表され、PLATINUM試験は流行が収まり組入れ中止となった。

エムポックス治療薬は無いため、既に治療を受けている患者は継続できる。また、他の適応は変更なし。

Tpoxxの25年売上高は8800万ドルで前年の1億3300万ドルから減少した。うち、2600万ドルは米国連邦の戦略備蓄(天然痘ウイルス・テロに備える)向け静注用製剤。

リンク: プレス・リリース

【承認】


テセントリクがctDNAでスクリーニングされた患者向けに承認
(2026年5月15日発表)

FDAはロシュの抗PD-L1抗体Tecentriq(atezolizumab)の適応拡大を承認した。MIBC(筋層浸潤性膀胱癌)の全摘・リンパ節郭清を受けた患者を12ヶ月間、定期的に血液検査してctDNA(循環腫瘍DNA)が探知されたら1680mgを4週毎、1年間、投与するもの。高リスク患者を素早く発見、素早く治療開始するアイディアだ。コンパニオン診断薬としてNatera(Nasdaq:NTRA)のSignatere CDxも承認された。IMvigor011試験でDFS(無病生存期間、担当医評価)がメジアン9.9ヶ月と偽薬群の4.8ヶ月を上回り、ハザード・レシオは0.64だった。メジアン生存期間も各32.8ヶ月、21.1ヶ月、0.59だった。日本でも中外製薬が承認申請中。

リンク: プレス・リリース


エンハーツ、乳癌切除術の術前療法と術後療法が承認
(2026年5月15日発表)

FDAは第一三共のEnhertu(fam-trastuzumab deruxtecan-nxki)に関する二つの適応拡大を承認した。一つは、成人のher2陽性(IHC3+またはISH+)のステージII/III乳癌における術前付随療法。5.4mg/kgを3週毎に4回、その後THPレジメン(paclitaxel、trastuzumab、pertuzumabの併用)を4回施行するもので、日本も参加した第3相DESTINY-Breast11試験で、pCR(病理学的完全反応率)が67.3%と標準療法群(高強度doxorubicin・cyclophosphamideレジメン後にTHPレジメンを施行)の56.3%を有意に上回った。EFS(無イベント生存期間)や全生存期間の解析は統計学的に万全ではなかったり検出力不足であったりするため確立していないが、後述の試験が支持的エビデンスとなった。

もう一つは、her2標的薬による術前療法後に侵襲性残存病変を有していたher2陽性(同上)乳癌に対する術後療法。日本も参加した第3相DESTINY-Breast05試験でIDFS(無侵襲性疾患生存期間)をロシュのKadcyla(trastuzumab emtansine)と比較したところ、ハザード・レシオが0.47、3年無浸潤疾患生存率は各群92.4%と83.7%となった。全生存期間は未成熟で確立していない。

リンク: プレス・リリース


大鵬の合剤が新患AMLに適応拡大
(2026年5月13日発表)

FDAは大鵬薬品のInqovi(decitabine、cedazuridine)を75歳以上、または強化導入療法不適な成人の、新患AML(急性骨髄性白血病)向けに承認した。DNAメチル化阻害剤とその代謝を抑制するシチジンデアミナーゼ阻害剤の固定用量合剤で、20年にMDS(骨髄異形成症候群)用薬として初承認されている。今回の適応拡大は後期第2相ASCERTAIN-V試験で101人にアッヴィ/ジェネンテックのbcl2阻害剤venetoclaxと併用したところ、完全寛解(CR)率41.6%、CR持続期間はメジアン値未達(レンジは0.5~16.3ヶ月)だった。警告注意は骨髄抑制と胚胎毒性。欧州では23年に適応は同じだがこの合剤だけを投与する用法で承認、venetoclax併用は4月にCHMPを通過したところ。

リンク: プレス・リリース


BeOne社、bcl2阻害剤がMCLに承認
(2026年5月13日発表)

FDAはBeOne Medicines(Nasdaq:ONC)のBeqalzi(sonrotoclax)を成人の再発/難治MCL(マントル細胞腫)向けに加速承認した。btk阻害剤を含む2次以上の全身性治療歴を持つ患者が適応になる。bcl2(B-cell lymphoma-2)阻害剤はアッヴィ/ジェネンテックのVenclexta(venetoclax)がCLL(慢性リンパ性白血病)などに承認されているが、MCLでは初めて。メジアン3次治療歴を持つ患者103人を組入れた201試験でORR(客観的反応率)が52%、完全反応率は16%、メジアン反応持続期間は15.8ヶ月だった。Venclextraと同様に腫瘍崩壊症候群のリスクがあり、4週間かけて1mgから320mg一日一回に8段階で用量漸増する。警告注意事項は腫瘍崩壊症候群(漸増しても発生率7%)、深刻感染症(致死的なものの発生率2.6%)、好中球減少症(G3/4発生率18%)など。市販後薬効確認試験は米州欧中豪日などの施設が参加している第3相CELESTIAL-RR MCL試験。抗CD20抗体を含む1~5治療歴を持ち最終治療抵抗性の再発/難治MCLを組入れて、同社のbtk阻害剤Brukinsa(zanubrutinib)に追加する便益を検討している。

リンク: FDAのプレス・リリース
リンク: BeOne社のプレス・リリース


ファセンラがHESに適応拡大
(2026年5月13日発表)

FDAもアストラゼネカもプレス・リリースは出していない様子だが、抗IL-5受容体アルファ鎖ポテリジェント抗体Fasenra(benralizumab)が12歳以上の小児と成人の好酸球増多症候群(HES)に適応拡大した。FDAの承認通知がDrug@FDAサイトで、レーベルがアストラゼネカの商品ウェブサイトで、確認できた。薬物過敏反応や寄生虫/HIV感染症、非血液腫瘍などによる血液学的二次性疾患の場合は適応外。第3相NATRON試験で30mgを4週毎に24週間、皮下注した群はHESフレアのハザード・レシオ(time to the first event分析)が0.35、発生率は19.4%と偽薬群の42.5%を下回った。日本でも4月に第2部会を通過している。

リンク: FDAの承認通知
リンク: 米国のレーベル(アストラゼネカの製品サイト)


ウィフガート、全身性重症筋無力症における限定が解除
(2026年5月8日発表)

アルジェニクスは、FDAが抗FcRn抗体Vyvgart静注用(efgartigimod alfa-fcab)とVyvgart Hytrulo皮下注用(efgartigimod alfa andhyaluronidase-qvfc)を全身性重症筋無力症に承認したと発表した。これまでは患者の8-9割を占める抗AChR抗体陽性患者に限定されていたが、抗MuSK抗体陽性や抗LRP4抗体陽性、そしてこれら何れも陰性のトリプル・セロネガティブに使えるようになった。抗AChR抗体陰性の患者だけを組入れた第3相ADAPT SERON試験で29日MG-ADLが3.35点改善し、偽薬群の1.9点改善より統計的に有意且つ臨床的に意味のある改善を達成した。

リンク: プレス・リリース


ヒムペブジがEUでインヒビター保有血友病に適応拡大
(2026年5月13日発表)

ファイザーは、Hympavzi(marstacimab)が欧州で12歳以上かつ35kg以上の第8因子インヒビターを持つA型血友病と第9因子インヒビターを持つB型血友病に適応拡大したと発表した。TFPI(tissue factor pathway inhibitor)に結合する抗体医薬で、24年に米欧日で12歳以上のインヒビターを持たない先天性A型/B型血友病における出血傾向を抑制する薬として承認されている。

今回の適応拡大は日本でも申請中。米国では6歳以上のインヒビター保有性患者向けと6~11歳の非保有者向けに適応拡大申請中で、6月までに審査結果が出る見込み。

リンク: プレス・リリース

【医薬品の安全性】


FDA:タズベリクの二次原発腫瘍リスクは思っていたより高い
(2026年5月11日発表)

FDAは、イプセンがEZH2(enhancer of zeste homolog 2)阻害剤Tazverik(tazemetostat)を自主回収していることに注意喚起した。20~25年に米、日、中でEZH2遺伝子変異陽性の濾胞性リンパ腫など向けに承認されたが、米国の加速承認後コミットメント試験であるSYMPHONY-1(難治/再発濾胞性リンパ腫の2次治療、lenalidomideおよびrituximab併用)で二次原発腫瘍(SPM)の発生率が高かったため。

米国の添付文書には加速承認までの臨床試験で729人中0.7%がMDS(骨髄異形成症候群)やAML(急性骨髄性白血病)を発症したと記されているが、今回のFDAリリースによると、承認段階でのSPM発生率は1.7%だった。SYMPHONY-1試験では、併用試験であることも影響したのか、318人中18人、5.7%に上昇した。

中国で販売するHutchmedも、日本の開発販売権を持つエーザイも、販売中止を表明している。

リンク: プレス・リリース

【当面の主なFDA審査期限と諮問委員会】


PDUFA
26/4推サノフィのTzield(teplizumab-mzwv、8歳以上の最近診断されたステージ3の一型糖尿病、CNPV案件)
26/4推アストラゼネカのbaxdrostat(難治高血圧症)
26/5推GSKのArexvy(高リスク18-49歳のRSV性下部気道疾患予防)
26/5推WockhardtのZaynich(zidebactamとcefepime、グラム耐性菌感染症)
26/5推アストラゼネカのAZD9833(camizestrant、ESR1変異乳癌)
26/6推ギリアド・サイエンシズのHepcludex(bulevirtide、D型肝炎)
26/6推GSKのtebipenem pivoxil hydrobromide (複雑性尿路感染症)
26/6推ファイザーのHympavzi(marstacimab-hncq、インヒビターを持つA/B型血友病)
26/6/2第一三共のDatroway(datopotamab deruxtecan-dlnk、mTNBC1L)
26/6/16塩野義製薬のensitrelvir(COVID-19曝露後発症予防)
26/6/18アストラゼネカのTruqap(capivasertib、PTEN欠乏HSPC)
26/6/19MSDのWelireg(belzutifan)とKeytruda(pembrolizumab)、併用で腎細胞腫術後療法
26/6/20Achieve Life Sciencesのcytisinicline(禁煙補助、CNPV案件)
26/6/27SobiのNASP(Nanoecapsulated Sirolimus plus Pegadricase、管理不良痛風)
26/6/29LantheusのLNTH-2501 (Ga-68 edotreotide Injection、神経内分泌腫瘍のPET造影剤)
26/6/30Ionis PharmaceuticalsのTryngolza(olezarsen、重度高トリグリセライド血症)
26/6/30Viridian TherapeuticsのVRDN-001(veligrotug、甲状腺眼症)
26下推ギリアド・サイエンシズのbictegravir・lenacapavir合剤(HIV/AIDS)
26下推ギリアド・サイエンシズのTrodelvy(sacituzumab govitecan-hziy、laur/mTNBC1L PD-L1阻害剤不適向けと併用)
26/7推Intra-Cellular TherapeuticsのCaplyta(lumateperon、統合失調症増悪予防)
26/7推JNJのTremfya(guselkumab、乾癬性関節炎における関節損傷抑制効能追加)
26/7推武田薬品のPTG-300(rusfertide、真性多血症)
26/7推ロシュのRG6171(giredestrant、内分泌療法及びCDK4/6i歴のあるER+her2-la/mBC)
26/7推Ultragenyx PharmaceuticalのUX111(rebisufligene etisparvovec、ムコ多糖症IIIA型)
26/7/3Ascelia Pharma ABのOrviglance(manganese chloride tetrahydrate、重度腎障害患者の肝MRI造影剤)
26/7/6Orca BioのOrca-T(血液癌の制御性T細胞・幹細胞移植)
26/7/7Enhertu(fam-trastuzumab deruxtecan-nxki、her2陽性固形癌)
26/7/7Vera Therapeuticsのatacicept(IgA腎症)
26/7/17Celcuityのgedatolisib(HR+her2-進行乳癌)
26/7/23Elevar Therapeuticsのcamrelizumabとrivoceranib(肝細胞腫)
26/7/23サノフィのSarclisa(isatuximab-irfc、多発骨髄腫用薬の皮下注用新製剤)
26/7/24大塚製薬のcentanafadine(ADHD)


今週は以上です。

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