2026年3月21日

第1251回

 

【ニュース・ヘッドライン】

  • リリーのトリプルG、A1c低下作用は偽薬比1%余 
  • ターゼナのmCSPC試験が成功 
  • 遅報:ミクロシスティックリンパ管奇形の初の治療薬を承認申請へ 
  • ロシュは抗ミオスタチン抗体のSMAとFSHD向け開発を中止 
  • Imcivreeの対象患者拡大試験がフェール 
  • LAG-3経路阻害剤の第3相肺癌試験がフェール 
  • イルミアを乾癬性関節炎に適応拡大申請 
  • 26年1~2月の欧州承認申請受理状況 
  • Aldeyra、ドライアイ用薬で3度目の審査完了通知 
  • CHMP、tasimelteonのSMS適応拡大に再び否定的意見 
  • オプジーボが未治療ホジキンリンパ腫に適応拡大 
  • ウゴービHDが光速承認 
  • MC4Rアゴニストが後天性視床下部性肥満症に適応拡大 
  • GSK、胆汁鬱滞性掻痒症の治療薬が承認 
  • 経口IL-23受容体拮抗剤がプラク乾癬に承認 
  • パーキンソン病薬の警告にビタミンB6欠乏症を追加へ
  • 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会 


【新薬開発】


リリーのトリプルG、A1c低下作用は偽薬比1%余
(2026年3月19日発表)

イーライリリーはGLP-1、GIP、そしてグルカゴンの受容体を作動するLY3437943(retatrutide)、通称トリプルGを肥満症や二型糖尿病の治療薬として開発している。昨年12月に膝関節痛を伴う肥満/オーバーウェイトの第3相が成功したのに続き、今回、二型糖尿病の第3相、TRANSCEND-T2D-1で主目的などを達成したことが発表された。食事・運動療法だけでは管理不良な成人患者537人を偽薬、4mg、9mg、または12mgを週一回皮下注する群に無作為化割付けして40週間治療したところ、HbA1cがベースライン(7.9%)と比べて各群0.8%、1.7%、1.9%、1.9%低下した(米国の添付文書に掲載されるであろうtreatment-regimen estimandベース)。副次的評価項目の体重(ベースライン値は96.9kg)は各群2.6%、11.5%、13.9%、15.3%低下(同)。試験薬群は非HDL-Cや収縮時血圧も改善した。

偽薬調整値を見ると大したことないが、偽薬群のA1c低下がやけに大きく、少なくともこの試験の被験者に関しては、トリプルGというアグレッシブな治療に挑戦する前に生活習慣改善を努力する余地が大きかったということなのだろう。GLP-1作用剤やGLP-1/GIP作用剤のデータを見ても二型糖尿病の血糖管理において用量を増やす便益は顕著ではない。トリプルGも同様に、二型糖尿病における体重管理の便益のほうが訴求点になるのだろう。ということは、この試験の主評価項目と副次的評価項目は逆だ。

リンク: プレス・リリース


ターゼナのmCSPC試験が成功
(2026年3月19日発表)

ファイザーは、PARP2阻害剤Talzenna(talazoparib)が相同組換修復不全のある転移去勢感受性前立腺癌(mCSPC)の第3相試験で主目的を達成したと発表した。数値は未発表。適応拡大申請することになりそうだ。

この日本も参加したTALAPRO-3試験は、アンドロゲン除去療法を開始してから3ヶ月以内で相同組換え修復に関わる遺伝子に変異を持つmCSPC患者599人を組入れて、偽薬またはTalzennaを同社のXtandi(enzalutamide)と共に追加投与する便益を検討した。主評価項目のPFS(無進行生存期間、治験医による放射線学的評価)は事前に設定された目標(ハザード・レシオ0.63)よりかなり良かった。相同組換え修復不全のうちBRCA変異サブグループにも、それ以外にも、便益が見られた。副次的評価項目の全生存期間も改善のトレンドが見られたとのこと。

この二剤と競合する製品を持つジョンソン エンド ジョンソンも、PARP阻害剤niraparibとCYP17阻害剤abiraterone acetateの合剤であるAkeegaが類似した内容の第3相AMPLITUDE試験で主目的のPFSを達成したが、25~26年に承認されたのはBRCA2有害変異型だけだった。PARP阻害剤の臨床試験は『悪魔は細部に潜む』という警句が当て嵌まることがしばしばあるので、油断できない。

リンク: プレス・リリース


遅報:ミクロシスティックリンパ管奇形の初の治療薬を承認申請へ
(2026年2月24日発表)

米国のPalvella Therapeutics(Nasdaq:PVLA)はQTORIN rapamycin(rapamycin 3.9%無水ゲル)が第3相ミクロシスティックリンパ管奇形試験で主目的等を達成したと発表した。26年下期に米国で承認申請する考え。承認されればこの小さい膿疱を伴うリンパ管奇形の初の治療薬になる。

今回のSELVA試験は米国の6歳以上の患者49人と参考例として3~5歳の患者1人を組入れた単群試験。一日一回、24週間投与して、mLM-IGA(Microcystic Lymphatic Malformation Investigator Global Assessment:-3(大変悪化)から+3(大変改善)まで7段階の評価)を実施したところ、2.13、p<0.001となった。主要副次的評価項目とされるmLM-MCSS(多要素静的尺度)は-3.36、他の副次的評価項目もp<0.001。3-5歳の患者はmLM-IGAが3だった。

治療関連有害事象が17人で報告され、うち塗布箇所の挫創、変色、掻痒が各3人だった。有害事象による治験離脱は2人。mTOR阻害剤rapamycinは経口剤が免疫抑制剤として用いられているが、本剤の全身循環水準は全被験者、全期間において2ng/mL未満だった。

この疾患はPI3K/mTOR経路の制御不良による遺伝性疾患。リンパ管の突出やリンパ液漏出、出血などを伴い、難治性深刻感染症や蜂巣炎による入院がしばしば起きる。米国の診断された患者数は3万人超と推定されている。

リンク: プレス・リリース


ロシュは抗ミオスタチン抗体のSMAとFSHD向け開発を中止
(2026年3月19日発表)

ロシュは、中外製薬から導入した潜在型ミオスタチンに結合するリサイクリングandスイーピング抗体、RG6237(別称GYM329、emugrobart)で顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)と脊髄性筋萎縮症(SMA)の臨床試験を行ってきたが、中止を決定した。両疾患の支援団体が公表したもの。

FSHDは欧米の施設で第2相MANOEUVRE試験に51人の患者を組入れて4週毎皮下注する便益を検討したが、52週経っても筋肉の量や機能がコンスタントには改善しなかった。データはFSHD Societyが6月に開催する国際学会で発表される予定。この協会の発表文によると、ミオスタチンの抑制には成功した由。SMAは日本も参加した第2/3相MANATEE試験で同社のSMA治療薬Evrysdi(Risdiplam)に追加する便益を検討してきたが、パート1(用量決定段階)で筋成長や運動機能がコンスタントに改善せず、パート2に進むのを断念した。

イーライリリーのGLP-1/GIP作用剤Zepbound(tirzepatide)の除脂肪体重抑制作用を緩和する用途の第2相試験は続行する。数ヶ月内に結果が判明するだろうから、それまで待つ考えなのだろう。

類薬ではScholar Rock(Nasdaq:SRRK)が抗潜在型ミオスタチン抗体SRK-015(apitegromab)を25年に欧米でSMA治療薬として承認申請した。米国はノボ ノルディスクの工場問題の道連れで9月に審査完了通知を受領したが、EUは今年、審査結果が出るだろう。

リンク: FSHD Societyの発表文
リンク: FSHD Societyが公開した、ロシュのFSHDコミュニティー向け書簡
リンク: Cure SMAが公開した、ジェネンテックのSMAコミュニティー向け書簡


Imcivreeの対象患者拡大試験がフェール
(2026年3月16日発表)

Rhythm Pharmaceuticals(Nasdaq:RYTM)はImcivree(setmelanotide)の第3相EMANATE試験がフェールしたと発表した。サブグループ分析を行って有望なサブタイプを探索し、バックアップ・コンパウンドを用いて再挑戦する考え。

Imcivreeはメラノコルチン4受容体アゴニスト。20年に米国で、21年にはEUでも、POMC欠乏症、PCSK1欠乏症、またはLEPR欠乏症の成人と6歳以上の小児の体重管理薬として承認され、22年には米欧でバルデー・ビードル症候群に適応拡大した。何れも超希少疾患。今回の試験はPOMC/PCSK1ヘテロ変異型、LEPRヘテロ変異型、SRC1ホモ/ヘテロ変異型、SH2B1ホモ/ヘテロ変異型のサブグループ夫々における52週BMI変化を偽薬群と比較した。偽薬調整後で1~4%低下したがp値は0.12~0.94と悪かった。偽薬群を含め、被験者の20~60%が期中にドロップアウトしてしまったことが響いた。

リンク: プレス・リリース


LAG-3経路阻害剤の第3相肺癌試験がフェール
(2026年3月13日発表)

オーストラリアのImmutep(ASX:IMM)はIMP321(eftilagimod alpha)の第3相TACTI-004試験の独立データ監視委員会が中間解析に基づき無益中止を勧告したと発表した。終了手続きを開始する考え。

LAG3の4種類の細胞外ドメインと免疫グロブリンG1のFc領域を融合した遺伝子組換え薬。抗原提示細胞のMHCクラスIIの一部に結合して、LAG-3による免疫抑制刺激を受けないよう仕向ける。今回の試験は、EGFRやALK、ROS1などの分子標的を持たない転移非小細胞性肺癌の1次治療として、pembrolizumabと白金ベース化学療法を併用する標準療法に追加する便益を検討した。主評価項目はPFSと全生存期間。

IMP321は難治/転移頭頚部扁平上皮腫の一次治療としてpembrolizumabと併用した後期第2相でPD-L1陰性にも良好なORR(客観的反応率)を示すなど、複数の癌腫で有望な成果を上げてきた。LAG-3の遺伝子や機能を同定した研究者が創立し現在もCSOを務める会社だが、残念な結果になった。

リンク: プレス・リリース

【承認申請】


イルミアを乾癬性関節炎に適応拡大申請
(2026年3月16日発表)

インドのSun Pharmaceuticalは米国でIlumya(tildrakizumab-asmn)を活性期乾癬性関節炎に適応拡大申請し受理されたと発表した。審査期限は26年10月29日。14年にMSDからライセンスした、IL-23p19に結合する抗体医薬。18~20年に米欧日でプラク乾癬に承認された。乾癬性関節炎ではTNFアルファ阻害剤歴を持つ患者を組入れた第3相と、持たない患者を組入れた日本も参加した試験でACR20が偽薬比有意に改善した。

リンク: プレス・リリース


26年1~2月の欧州承認申請受理状況

今回から、EMA(欧州薬品庁)が月次公表している医薬品承認審査開始状況から新規案件を掲載する。開示されているのは一般名と申請された適応症、各種分類だけなので、申請者名と開発コード、米国審査状況などは当方が推定/補足した。今回は26年1~2月に受理された案件を示す。

図表:EMAが審査を開始した新薬販売承認申請(26年1~2月分)
審査開始申請者名称一般名種類適応症米国
26/1アストラゼネカCIN-107baxdrostatアルドステロン合成酵素阻害剤管理不良高血圧症25/12申請受理
26/1SOBIGamifantemapalumab抗インターフェロン・ガンマ抗体6ヶ月児以上の小児と成人の
急性/難治性二次性血球貪食リンパ組織球症
18/11承認
26/1Regeneron PharmaceuticalsREGN2477garetosmab抗Activin A抗体成人の進行性骨化性線維異形成症25/12承認申請
26/1モデルナmRNA-1010-mRNAワクチン成人の季節性インフルエンザ予防26/2申請受理
26/1イーライリリーLY3502970orforglipron経口GLP-1作用剤成人の肥満症と二型糖尿病25/12承認申請
26/1BeOne MedicinesBGB-11417sonrotoclaxbcl-2阻害剤成人の再発/難治マントル細胞腫25/1申請受理
26/1Annexon BiosciencesANX005tanruprubart抗C1q抗体成人小児のギラン・バレー症候群の治療相談中
26/2WockhardtWCK 5222cefepime / zidebactam複合セファロスポリングラム陰性菌感染症25/9承認申請
26/2Sun Pharmaceutical推CTP-543deuruxolitinibJAK阻害剤成人の円形脱毛症の治療24/7承認
26/2Asieris PharmaceuticalsCevirahexaminolevulinate光力学療法成人の子宮ハイ・グレード扁平上皮内病変の治療計画中
26/2ノバルティスVAY736ianalumab抗BAFF受容体抗体成人のシェーグレン疾患承認申請予
26/2Viridian TherapeuticsVRDN-001veligrotug抗IGF-1R抗体甲状腺眼症25/10承認申請
出所:EMA資料等を基に作成

【承認審査・委員会】


Aldeyra、ドライアイ用薬で3度目の審査完了通知
(2026年3月17日発表)

Aldeyra Therapeutics(Nasdaq:ALDX)はADX 102(reproxalap 0.25%点眼液)をドライアイの兆候・症状治療薬として22年11月に承認申請したが、23年11月と25年4月に続き、3度目の審査完了通知(CRL)を受領した。薬効のエビデンスが不十分と見做されたようだ。

RASP(反応性アルデヒド種)調節剤と呼ばれる新しいタイプの点眼薬。免疫原となる有機アルデヒド遊離体に結合し炎症推進作用を妨げる。23年の初申請時はエビデンスとして兆候(目の赤さなど)を改善する作用を確認した試験2本と症状改善作用を確認した試験1本を提出したが、FDAはガイドラインで各2本ずつを推奨していることなどからCRLを受領。チャンバー試験(眼に風を当てて人為的に症状を発生させる)を実施して再申請したがベースライン値の偏りなどを指摘するCRLを受領した。チャンバー試験とフィールド試験を実施し、FDAとの相談を踏まえて前者を追加して再申請したが、上位組織であるOCM(特殊薬オフィス)が後者も必要と判定、追加提出した経緯がある。

今回、FDAは試験結果が区々であることから信頼性を懸念。敗因を検討し、効果のありそうなサブグループを探索することを推奨している由。同社はFDA会議を経て今後を決定する考え。

リンク: プレス・リリース


CHMP、tasimelteonのSMS適応拡大に再び否定的意見
(2026年3月17日発表)

EUの薬品審査機関であるEMAの医薬品科学的評価委員会、CHMPは、来週の定期会合を前に臨時会合を行って、Vanda Pharmaceuticals(Nasdaq: VNDA)のHetlioz(tasimelteon)を3~15歳のスミス・マギニス症候群(SMS)における夜間睡眠障害に適応拡大する件を再検討し、昨年12月と同様に、否定的意見をまとめた。臨床試験のデザインや実施状況、解析が不適切とされた。

Hetliozはブリストル マイヤーズ スクイブからライセンスしたMT1/2受容体作動剤。14~15年に米欧で非24時間障害(全盲患者の多くで発現する睡眠障害)の治療薬として承認された。SMSは染色体17p11.2における遺伝子欠失による発達障害で、重度睡眠障害を伴う。25人を組入れた臨床試験で総睡眠時間がベースライン比41分間改善し、偽薬群の20分改善を上回り、米国では20年に16歳以上の患者に用いる適応拡大が承認されたがEUでは未承認。今回の3~15歳に関する開発状況は、当方は聞いたことはないし年次報告書などにも記されていない。

リンク: EMAプレス・リリース

【承認】


オプジーボが未治療ホジキンリンパ腫に適応拡大
(2026年3月20日発表)

ブリストル マイヤーズ スクイブは抗PD-1抗体Opdivo(nivolumab)をある種の古典的ホジキンリンパ腫(cHL)に用いることが欧米で承認されたと発表した。内容は異なり、米国は12歳以上の未治療ステージIII/IVのcHLに、AVDレジメン(doxorubicin、vinblastine、dacarbazineの併用)と併用するもの。ファイザーの抗CD30抗体薬物複合体、Adcetris(brentuximab vedotin)とAVDレジメンの併用法と比較したSWOG 1826試験でPFS(無進行生存期間)のハザード・レシオが0.42だった。全生存期間は未成熟だが死亡率は下回っている。EUでも承認審査中。尚、米国では今回の承認に基づき、10年前と9年前の類似した適応・用法の仮承認が本承認に切替えられた(自家HSCT後にAdcetrisと併用と、自家HSCTを含む3次以上の全身性治療歴を持つ患者)。

EUでは、1月のCHMPで肯定的意見を得た、5~30歳の一次治療歴のある再発/難治古典的ホジキンリンパ腫にAdcetrisと併用することが承認された。エビデンスとなった第2相CheckMate-744試験は、造血幹細胞移植や強化化学療法を施行するほどではない患者の代替的な治療プロトコルを検討したもので、この2剤で開始し、応答に応じて次のレジメンに移行した。

リンク: BMSのプレス・リリース
リンク: FDAのプレス・リリース


ウゴービHDが光速承認
(2026年3月20日発表)

ノボ ノルディスクのGLP-1作用剤、Wegovy(semaglutide)の高量版であるWegovy HDが米国で成人の体重管理薬として承認された。従来の最大用量である2.4mgの3倍に当たる7.2mgまで用量漸増するもので、肥満症試験では72週間の体重減少が18.7%と偽薬群の3.9%や2.4mg群の15.6%を上回り、二型糖尿病を合併する患者を組入れた試験でも各群14.1%、3.6%、10.7%だった。後者の試験でHbA1c治療効果は2.4mgとそれほど変わらなかった。

高用量はジセステジア(異常皮膚感覚)の発現率が2.4mgより高かった。FDAによると投与を継続した症例でも減量した症例でも多くは軽快したが、現在も検討を継続しているとのこと。

欧州では2月にWegovyの用量追加という形で2.4mgを一度に3回皮下注することが承認された。米国では7.2mgペンとして4月に発売する計画。

Wgovy HDの承認はCNPV(FDA長官の国家的優先バウチャ)が供与された新薬として3件目。承認申請受理から54日後に承認された。このプログラムには様々な批判があるが、FDAは6月に公聴会を開催する考えを明らかにした。まあ、現行のFDAは賛成しそうな人ばかり集めるようなこともやりかねないので、『世界中の患者に健康と平穏をもたらせるのはマーチンだけだ』みたいな無知なおべっかは言わないほうが良いだろう。


図表:CNPV案件
発表企業対象疾患など進捗
25年10月Disc MedicineDISC-0974(bitopertin)赤芽球性プロトポルフィリン症CRL(26/2)
EMD SeronoPergoveris(follitropin alfa、lutropin alfa)LH/FSH欠乏性不妊症ローリング申請開始(25/11)
サノフィTzield(teplizumab-mzwv)一型糖尿病ステージ3申請受理(25/10)
Achieve Life SciencescytisiniclineEシガレット依存症PDUFA26/6/20
Regeneron PharmaceuticalsDB-OTOotoferlin関連難聴承認申請(25/12)
Dompe farmaceuticicenegermin非動脈炎性前部虚血性視神経症の
点鼻用新製剤
不明
Revolution MedicinesRMC-6236(daraxonrasib)膵癌第3相
USAntibioticsAugmentin XR(amoxicillin、
clavulanate potassium)
重要な抗菌剤の国内生産承認(25/12)
不明ketamine全身麻酔不詳
25年11月ベーリンガー・インゲルハイムHernexeos(zongertinib)her2陽性肺癌承認(26/2、44日審査)
ジョンソン エンド ジョンソンSirturo(bedaquiline)幼児の薬物耐性肺炎承認(26/3)
GSKJemperli(dostarlimab)直腸癌不明
Vertex PharmaceuticalsCasgevy(exagamglogene autotemcel)鎌状赤血球病不明
イーライリリーorforglipron肥満症承認申請(25/12)
ノボ ノルディスクWegovy 7.2mg(semaglutide)肥満症承認(26/3、54日審査)
25年12月ジョンソン エンド ジョンソンTecvayli(teclistamab-cqyv)・Darzalex Faspro
(daratumumab、hyaluronidase-fihj)併用
多発骨髄腫承認(26/3、55日審査)
MSDMK-0616(enlicitide decanoate)高脂血症不透明
MSD推MK-2870(sacituzumab tirumotecan)不明不明
出所:FDA発表などを基に作成

リンク: プレス・リリース
リンク: FDAのプレス・リリース(3/19付)


MC4Rアゴニストが後天性視床下部性肥満症に適応拡大
(2026年3月19日発表)

Rhythm Pharmaceuticals(Nasdaq:RYTM)は、FDAがImcivree(setmelanotide)を4歳以上の後天性視床下部性肥満症の体重管理に用いる適応拡大を承認したと発表した。視床下部の空腹感や体重管理に関わる部位が腫瘍や傷害などにより適切に機能しなくなる疾患で、米国の推定患者数は1万人。第3相TRANSCEND試験でBMIが偽薬調整後で18.4%低下した。欧州などでも申請中。この試験は日本人12人を組入れるコフォートも設定されており、今四半期に結果が判明する見込み。

Imcivreeはメラノコルチン4受容体のアゴニスト。一日一回皮下注する。20~21年に米欧でPOMC、PCSK1、またはLEPRの欠乏による遺伝子性肥満症(米国の推定患者数2500人)の治療薬として承認され、22年には米欧でバルデー・ビードル症候群(同5000人)に適応拡大した。

リンク: プレス・リリース


GSK、胆汁鬱滞性掻痒症の治療薬が承認
(2026年3月19日発表)

GSKはFDAがLynavoy(linerixibat)を成人の原発性胆汁性胆管症(PBC)における胆汁鬱滞性掻痒症の治療薬として承認したと発表した。欧米中日などの施設で標準療法を受けている中重度患者を偽薬群と40mgを1日2回経口投与する群に無作為化割付けした第3相GLISTEN試験で、第24週月間掻痒尺度が偽薬群を有意に改善した。主な有害事象は下痢(発生率61%、偽薬群は18%)。胃腸有害事象による離脱率は4%(偽薬群は1%未満)。

PBC治療薬としては24~25年にギリアド・サイエンシズのLivdelzi(seladelpar)とイプセンのIgirvo(elafibranor)が米国で加速承認、EUでは条件付き承認されている。どちらもPPAR作動剤で、第3相の主目的はアルカリフォスフォターゼ抑制作用。但し、Livdelziは被験者の1/3を占めた掻痒スコア高値サブグループにおける掻痒改善も偽薬比有意だった。一方、Lynavoyは回腸胆汁酸輸送体(iBAT)阻害剤で、掻痒改善作用に基づき通常承認された点が異なる。

GSKはイタリアのAlfasigmaに全世界独占開発製造販売権を供与することで合意している。AlfasigmaはIntercept Pharmaceuticalsを買収しPBC治療薬Ocaliva(obeticholic acid)を入手したが、市販後薬効確認試験がフェールし肝毒性が見られることからEMAは24年に条件付き承認を取消し、米国でも加速承認取消の危機に瀕し25年9月に自発的に販売を中止した経緯を持つ。

リンク: プレス・リリース


経口IL-23受容体拮抗剤がプラク乾癬に承認
(2026年3月18日発表)

ジョンソン エンド ジョンソンはFDAがIcotyde(icotrokinra)を全身性治療又は光学療法の候補となる成人と12歳以上で体重40kg以上の小児の中重度プラク乾癬の治療薬として承認したと発表した。200mg錠を一日一回、食事の30分以上前に水と共に服用する。欧州や日本でも承認申請中。

IL-23を標的とする抗体医薬は同社のTremfya(guselkumab)など複数市販されているが、受容体を阻害する経口剤は初めて。アミノ酸13個のペプチド薬で利用率は低く、投与量の99%以上は胃腸で分解される。20年にJanssen BiotechがProtagonist Therapeutics(Nasdaq:PTGX)から開発商業化権を取得した。複数の薬効確認試験が成功しているが、副次的評価項目としてブリストル マイヤーズ スクイブのTYK阻害剤Sotyktu(deucravacitinib)と比較した2本の試験で16週奏効率(IGA 0/1かつ2段階以上改善)とPASI75が有意に上回った。

リンク: プレス・リリース

【医薬品の安全性】


パーキンソン病薬の警告にビタミンB6欠乏症を追加へ
(2026年3月20日発表)

FDAは、パーキンソン病の代表的な治療薬であるcarbidopaやlevodopaを販売している製薬会社に、添付文書を改訂してビタミンB6欠乏症リスクの警告と対策を追加するよう求めた。投与開始前と開始後は定期的に検査を行う。発生頻度は低いが致死例も出ているようだ。

levodopaは体内で活性代謝物のdopaminに変換され作用を発揮するが、その過程でビタミンB6が消費される。carbidopaはlevodopaの代謝を遅らせ中枢神経における作用を強化するが、それ自体がB6に結合する。このため、ビタミンB6欠乏症が生じて癲癇発作や鬱病、混乱などの症状が表れることがある。但し、FDAに報告された癲癇発作報告は13件、文献を合わせても14件のことで、氷山の一角に過ぎないとしても、発生頻度は低そうだ。この14件は全て1000mg/日以上のlevodopaを服用していた。治療開始から発症までの期間は23~132ヶ月となっており厄介。転帰は2名が死亡した。ビタミンB6補給例は9例とも回復したが、これらの患者は抗癲癇薬には応答しなかった。

ノバルティスのStalevo(carbidopa、levodopa、entacaponeの3剤合剤)やアッヴィのVyalev(foslevodopa、foscarbidopa)持続皮下注システムでは報告されていないが、リスクがないとは考えられないとのこと。

リンク: プレス・リリース

【当面の主なFDA審査期限と諮問委員会】


PDUFA
26/3推サノフィのTzield(teplizumab-mzwv、8歳以上の最近診断されたステージ3の一型糖尿病、CNPV案件)
26/3推Regeneron PharmaceuticalsのDB-OTO(otoferlin変異による小児難聴、CNPV案件)
26/3推ノボ ノルディスクのAwiqli(insulin icodec、二型糖尿病)
26/3/28Rocket PharmaceuticalsのKresladi(marnetegragene autotemcel、重度白血球接着不全症1型)
26/3/29LantheusのLNTH-2501 (Ga-68 edotreotide Injection、神経内分泌腫瘍のPET造影剤)
26/4推アストラゼネカのbaxdrostat(難治高血圧症)
26/4/3バイオジェンのSpinraza(nusinersen、高用量追加)
26/4/5Denali TherapeuticsのDNL310(tividenofusp alfa、ハンター症候群)
26/4/6Orca BioのOrca-T(血液癌の制御性T細胞・幹細胞移植)
26/4/10ReplimuneのRP1(vusolimogene oderparepvec、進行黒色腫)
26/4/13Travere TherapeuticsのRE-021(sparsentan、巣状分節状糸球体硬化症を追加)
26/4/23サノフィのSarclisa(isatuximab-irfc、多発骨髄腫用薬の皮下注用新製剤)
26/4/23Grace TherapeuticsのGTx-104(点滴静注用nimodipine、脳動脈瘤によるくも膜下出血)
26/4/28MSDのMK-8591A(doravirineとislatravir、HIV-1感染症)
26/4/29サノフィのTzield(teplizumab-mzwv、1-7歳のステージ2一型糖尿病)
26/4/30Axsome TherapeuticsのAuvelity(dextromethorphan Hbrとbupropion HCI、アルツハイマー性激昂)
26/5推GSKのArexvy(高リスク18-49歳のRSV性下部気道疾患予防)
26/5推ビーワン・メディシンズのBGB-11417(sonrotoclax、マントル細胞腫)
26/5推WockhardtのZaynich(zidebactamとcefepime、グラム耐性菌感染症)
26/5/10argenxのVyvgart(efgartigimod alfa-fcab、抗体陰性全身性重症筋無力症)
26/5/18第一三共のEnhertu(fam-trastuzumab deruxtecan-nxki、早期乳癌術前療法)
26/5/24エーザイのLeqembi皮下注(lecanemab-irmb、早期AD、維持療法限定解除)
諮問委員会
26/4/3腫瘍学諮問委員会(アストラゼネカのcamizestrantとcapivasertib)



今週は以上です。

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