【ニュース・ヘッドライン】
- イミフィンジのNMIBCアジュバント試験が成功
- GSK、iBAT阻害剤のPBC掻痒治療試験が成功
- エンハーツの早期乳癌術前療法試験が成功
- Aldeyra社、再々申請用試験が成功
- ビレーズトリの喘息症試験が成功
- エプキンリの濾胞性リンパ腫試験が成功
- Lantheus社、PSMA標的放射性核種の開発を断念
- ノボ、経口GLP-1作用剤を肥満症に承認申請
- ヌーカラの適応拡大も遅延
- 心ミオシン阻害剤の審査期限が延期
- 希少卵巣癌の新薬2剤の併用が承認
- EMA:5アルファ還元酵素阻害剤に自殺リスク
- EMA、チクングニア熱ワクチンを65歳以上に接種しないよう暫定的勧告
- 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会
【新薬開発】
イミフィンジのNMIBCアジュバント試験が成功
(2025年5月9日発表)
アストラゼネカは抗PL-L1抗体Imfinzi(durvalumab)が第3相POTOMAC試験で主目的を達成したと発表した。ファイザーに続いて承認申請となるのではないか。
この試験は、NMIBC(筋層非浸潤膀胱癌)のTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を受けた再発進行リスクの高い患者1018人を組入れて、BCGによる標準療法(導入と維持)に追加する便益を検討した。DFS(高リスク疾患の再発または進行なく生存)に統計的有意且つ臨床的に意味のある改善が示された。数値は未公表。全生存の解析は検出力不足だが悪影響は見られなかった。忍容性は二剤の過去の経験と同様だった。尚、BCGを導入療法だけに抑えてImfinziを追加した群のDFSはフェールした。
ファイザーは4月にAUA(米国泌尿器学会)で抗PD-1抗体PF-06801591(sasanlimab)が第3相CREST試験で主目的を達成したことを明らかにしている。BCG標準療法に追加した群のEFS(高グレード疾患再発、進行、または持続的CISなく生存)が標準療法群比ハザードレシオ0.68だった。全生存期間は中間解析で両群差がなかった。一方、BCGを導入療法だけに抑えてsasanlimabを追加した群はハザードレシオ1.16でPFSに有意差がなかった。ファイザーは当局に報告済みとのことなので、承認申請を視野に入れているのだろう。
リンク: アストラゼネカのプレスリリース
GSK、iBAT阻害剤のPBC掻痒治療試験が成功
(2025年5月8日発表)
GSKは昨年11月にGSK2330672(linerixibat)が第3相GLISTENで主目的を達成したことを明らかにしたが、EASD(欧州糖尿病学会)でデータを発表した。欧米中日の施設で成人の中重度胆汁鬱滞性掻痒症を伴う原発性胆汁性胆管炎(PBC)患者238人を組入れて、標準療法に追加する便益を検討したところ、第24週におけるWI-NRS(最大掻痒数値評価尺度、月間、レンジは0-10)がベースライン比2.86低下し、偽薬群の2.15低下を有意に上回った。有害事象は下痢の発生率が61%対18%で上回ったが、胃腸有害事象による治験離脱率は4%対1%未満でそれほど増えていない。
GSKは欧米で25年上期に申請し米国は年内承認を想定している。欧州、中国、日本でも26年の承認を想定。
この薬はiBAT(回腸胆汁酸輸送体)阻害剤。他社の類薬が進行性家族性肝内胆汁鬱滞症やアラジール症候群の治療薬として承認されている。
リンク: GSKのプレスリリース
エンハーツの早期乳癌術前療法試験が成功
(2025年5月7日発表)
第一三共と開発販売パートナーのアストラゼネカは、抗her2抗体薬物複合体Enhertu(fam-trastuzumab deruxtecan-nxki)の早期乳癌ネオアジュバント試験におけるpCR(病理学的完全反応)解析が成功したと発表した。臨床的転帰に関わるEFS(無イベント生存率、副次的評価項目)は未成熟だが良好な早期トレンドは見られるとのこと。
この第3相DESTINY-Breast11試験は、日本も含むグローバルの施設で、her2陽性の局所進行/炎症性早期乳癌の切除術を予定する、高リスク患者927人を組入れて、標準療法であるddAC-THPレジメン(高強度doxorubicin・cyclophosphamideレジメンを4サイクル施行後にpaclitaxel、trastuzumab及びpertuzumabのTHCレジメンを4サイクル施行)のddACレジメンに代えてEnhertuを4サイクル投与する便益を検討した。pCRは主評価項目で、標準療法群と比べて統計的に有意且つ臨床的に意味のある違いがあった。数値は未発表。
適応拡大申請するかどうかは言及されていない。FDAはpCRだけで承認することに慎重な姿勢を示したことがある。
リンク: 両社のプレスリリース
Aldeyra社、再々申請用試験が成功
(2025年5月5日発表)
Aldeyra Therapeutics(Nasdaq:ALDX)はADX 102(reproxalap)0.25%点眼液の第3相チャンバー試験で主目的を達成したと発表した。申請前会議を経て25年央にドライアイ治療薬として承認申請する考え。
22年11月に承認申請したが、FDAがドラフト・ガイダンスで兆候試験(目の赤さなどの改善作用を検討)と症状試験(目の不快感の抑制作用を検討)を二本ずつ実施するよう推奨する中、後者は一本だけだったため、審査完了通知を受領した。24年にチャンバー・クロスオーバー試験を実施、試験薬点眼後にチャンバー室で目に風を当て続け、80~100分後の目の不快感を偽薬群と比較したところ、有意に抑制した。10月に再申請したが、ベースライン値に群間の偏りがあったことなどから、再び審査完了通知を受領した。
今回の試験はベースライン値の偏りはないとのこと。同社は屋外の試験も実施、数値上改善が見られたため、支持的証跡として提出する考え。
リンク: 同社のプレスリリース
ビレーズトリの喘息症試験が成功
(2025年5月2日発表)
アストラゼネカは、Breztri Aerosphere(budesonide、glycopyrronium、formoterol fumarate)の第3相喘息症試験二本で主目的を達成したと発表した。二剤合剤比で統計的に有意且つ臨床的に意味のある優越性を示した。データは未公表。適応拡大申請に向かうだろう。
コルチコステロイド、長期作用性ムスカリン拮抗剤、長期作用性ベータ2作用剤の吸入用固定用量合剤。19~20年に日米欧でCOPD治療薬として承認された。
今回の試験は成人と青少年の管理不良喘息が対象で、KALOS試験は日本も参加した。各剤320mcg、28.8mcg、9.6mcgずつを一日二回吸入した。対照群はSymbicort(budesonideとformoterol fumarate を一日二回、320mcgと9mcgずつ吸入する合剤)またはPT009(同じ2剤を320mcgと9.6mgずつAerosphereディバイスで吸入する合剤)を用いた。主評価項目は第24週におけるFEV1(一秒量、0-3時の曲線下面積)と12~24週及び24週のトラフFEV1。
尚、ClinicalTrials.govに登録された主評価項目は、24週FEV1と二本のプール分析による喘息発作頻度で、異なっている。
この試験は、glycopyrroniumの用量をCOPDと同じ14.4mcgにした群も設定されているが、主題は28.8mcg採用群とのことで、成績は言及されていない。
承認後はGSKのTrelegy Ellipta(fluticasone furoate、umeclidinium、vilanterol)と喘息症でも争うことになる。Breztriは朝晩二回ずつ吸入するがTrelegyは一回で足りる。
リンク: アストラゼネカのプレスリリース
エプキンリの濾胞性リンパ腫試験が成功
(2025年5月2日発表)
ジェンマブは、Epkinly(epcoritamab-bysp)が第3相EPCORE FL-1試験の中間解析で主目的のORR(客観的反応率、独立データ監視委員会査読)を達成したと発表した。数値は未公表。年内に米国で適応拡大申請する考え。共同主評価項目であるPFS(無進行生存期間)の成否には言及していない。おそらく未成熟なのだろう。
アッヴィと共同開発販売している抗CD3/CD20二重特異性抗体。23年に米欧日で難治/再発性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の3次治療などに単剤投与することが承認された。難治/再発性濾胞性リンパ腫でも3次治療にlenalidomide及びrituximabと併用で24~25年に米欧日で承認されているが、今回、この3剤併用の2次治療における効果を検討した。
リンク: ジェンマブのプレスリリース
Lantheus社、PSMA標的放射性核種の開発を断念
(2025年5月7日発表)
Lantheus(Nasdaq:LNTH)はPNT2002の第3相転移去勢抵抗性前立腺癌試験結果についてアップデートすると共に、これ以上の投資や承認申請を行わないと発表した。イーライリリーも少なくともこの用途は断念するのではないか。
PNT2002はPSMAを標的にlutetium 177でベータ線を照射する放射性医薬品。22年にPOINT Biopharma(23年にイーライリリーに買収された)から世界独占商業化権(アジアの一部を除く)を取得した。今回のSPLASH試験はアンドロゲン受容体パスウェイ阻害剤(ARPI:abirateroneなど)に応答せず化学療法不適/拒否の患者412人を試験薬群と別のARPIにスイッチする群に2対1無作為化割付けして、PFS(放射線学的無進行生存期間)を比較したところ、ハザードレシオが0.71となり有意に上回った。ところが、全生存期間の46%開票時点の解析は1.11、進行後にクロスオーバー(PNT2002による治療を施行)した症例を調整後でも1.14と見劣りしていた。75%開票時点でも、今回の最終解析でも、同じような結果になった模様だ。
ノバルティスの類薬であるPluvicto(lutetium 177 vipivotide tetraxetan)は22年に同様な試験で主目的のPFSが成功したが、FDAが延命効果に注目していたため解析結果が出るのを待って24年に申請、25年に適応拡大が認められた経緯がある。全生存期間のハザードレシオは0.91で別のARPIにスイッチした群と有意差がなかった。偽薬群の過半が進行後にクロスオーバーしたことも影響したようだ。類似前例では、実薬対照試験でこの程度の点推定値なら有意差がなくても承認を取れたことになる。今回は1.1程度なので0.2ポイント程度の差に過ぎないが、大きな違いとなった。
リンク: 同社のプレスリリース
【承認申請】
ノボ、経口GLP-1作用剤を肥満症に承認申請
(2025年5月2日発表)
ノボ ノルディスクの米国法人はWegovy(semaglutide)の25mg経口錠を肥満症薬としてFDAに承認申請し受理されたと発表した。10~12月期に審査結果が出る見込み。
GLP-1作用剤semaglutideは米欧日で皮下注用製剤がWegovyやOzempic名で肥満症や二型糖尿病向けに承認され、経口剤も二型糖尿病用薬Rybelsusとして19~20年に米欧日で承認されているが、今回は倍量を一日一回投与する。適応・効能は成人の肥満症や一つ以上の併発疾患を持つオーバーウェイトにおける体重管理と、確立した心血管疾患も伴う患者における主要有害心血管事象の抑制。エビデンスはOASIS 4試験とのことだ。
リンク: ノボの米国法人のプレスリリース
【承認審査・委員会】
ヌーカラの適応拡大も遅延
第2次トランプ政権発足以降、PDUFA(処方薬申請者課金法)に基づき設定される承認審査期限までにFDAから回答が来ない事例が散見されるようになった。Novavax社のCOVID-19ワクチンNuvaxoid(本承認切替)、Stealth BioTherapeuticsのバース症候群用薬elamipretideに続き、各種報道によると、GSKの抗IL-5抗体Nucala(mepolizumab)も好酸球性COPDの適応拡大審査が5月7日の期限に至っても音沙汰ないようだ。
PDUFA法は承認審査にかかわる経費の一部を承認申請者に負担させる一方で、審査期間に縛りを設けた。Nucalaの場合、申請受理から6ヶ月間と推測される。期限は必達ではなく、年度の承認申請件数の90%以上を期限内に審査終了することが、目標になっている。過去には90%を割った年度もあるので、今回が特に異常ということでもないが、FDA首脳陣や上部組織であるHHS(米国保健福祉省)の長官の交代、あるいはFDAの大規模な人員削減と、無関係とは考えにくい。
そういえば、大塚製薬がPTSD(トラウマ後ストレス障害)に効能追加申請したRexulti(brexpiprazole)も審査期限の2月8日から大幅に超過している。諮問委員会に上程することになったためとのことだったが未だに開催が発表されていない。どうなったのだろうか?
心ミオシン阻害剤の審査期限が延期
(2025年5月1日発表)
米国カリフォルニア州のCytokinetics(Nasdaq: CYTK)は心ミオシン阻害剤CK-3773274(aficamten)を閉塞性閉塞性肥大型心筋症用薬として欧米などで承認申請中だが、米国は審査期限が25年12月26日に3ヶ月延期された。FDAの要請に基づきREMS(リスク評価緩和戦略)を提出したことが申請内容の主要な変更と見なされたため。審査期間延長は珍しくはないが、今回は異例だ。事前会議を踏まえて昨年9月にREMS無しで申請し受理されたのに、今になって要請された。期限まで4ヶ月以上残っているのに延期も珍しい。
こちらも、第2次トランプ政権がFDA職員の大規模なリストラを実施したことや、これまでの薬効審査や安全性評価の方法に批判的な人たちがHHS(米保険福祉省)やFDAのトップに就任したことが影を落としているのでは二かと思われる。
REMSの具体的な内容は不明。aficamtenは第3相SEQUOIA-HCM試験でpVO2(最高酸素摂取量)やKCCQ-CSS症状評価尺度などが有意に改善した一方で、3.5%(5人)の患者で左室駆出率(LVEF)が50%未満に低下したり、4.9%(7人)でLVEF低下による用量減が発生したことに関するものかもしれない。
競合薬となるBMSのCamzyos(mavacamten)もREMS関連の資料を追加提出したことから審査期限の2ヶ月前に延期通告を受け、22年4月に承認された。REMSの内容は心不全リスクで、投与開始前や治療中にLVEFを検査して50%未満なら投与しないというもの。第3相EXPLORER-HCM試験では6%(7人)で50%未満に低下した。
リンク: 同社のプレスリリース
【承認】
希少卵巣癌の新薬2剤の併用が承認
(2025年5月8日発表)
FDAはVerastem Oncology(Nasdaq:VSTM)のAvmapki・Fakzynjaコ・パック(avutometinib、defactinib)を成人の全身性治療歴のあるKRAS変異陽性難治低グレード漿液性卵巣癌用薬として承認した。この適応を持つ薬は初めて。審査期限より2ヶ月近く早く、すべての薬の審査が長期化しているわけではないことになる。
avutometinibは中外製薬からライセンスしたRAFとMEKの阻害剤。0.8mgカプセル4個を、週2回経口投与する。defactinibはファイザーからライセンスしたFAK阻害剤。200mg錠を一日二回経口投与する。どちらも4週サイクルで、3週間反復投与し1週間休む。MEKを阻害するとリンFAK経路が代わりに活性化されることがあるため、併用でシナジーを生むアイディアだ。第2相RAMP 201試験でcORR(確認客観的奏効率、盲検独立中央評価、n=57)が44%、反応持続期間のレンジは3.3~31.1ヶ月だった。警告・事前注意事項は視覚異常、深刻皮膚毒性、肝毒性、横紋筋融解症、胚胎毒性。
低グレード漿液性卵巣癌の患者数は米国で6000~8000人、世界で8万人と推定され、うち3割程度がKRAS変異型と推定されている。
リンク: FDAのプレスリリース
【医薬品の安全性】
EMA:5アルファ還元酵素阻害剤に自殺リスク
(2025年5月8日発表)
EMA(欧州薬品庁)は、PRAC(ファーマコビジランス・リスク評価委員会)が自殺思慮を5アルファ還元酵素阻害剤finasterideの副作用として認めたと発表した。便益のほうが上回るため承認は維持するが、レーベルを改訂し、DHPC(直接的医療従事者連絡)を発出する。類薬であるdutasterideのレーベルにも関連情報を記載する。
finasterideはMSDが1mgを脱毛症治療薬として、5mgを良性前立腺肥大治療薬として実用化し、今では多くのGE品が販売されている。EUの市販後監視システムであるEudraVigilanceには313件の自殺思慮に関する疑い例/可能例が報告された。頻度は不明とのことだが、推定曝露は2.7億人年とのことなので極めて稀だ。自殺思慮や鬱病などの気分変調は従来から警告されているが、自殺思慮症例の多くを占める1mg製剤のレーベルに、発生したら服用を止めること、性欲低下や勃起不全など前兆の可能性がある症状が発生したら医師に相談することなどを記述し患者カードも用意する。尚、皮膚スプレー用の製品は関連性が見られないため対象外。
dutasterideは0.5mgが良性前立腺肥大治療薬として承認されている。自殺思慮報告は13件と少ない。推定曝露は8200万人年。因果関係は確立していないが作用機序が同じなので、レーベルにfinasterideで散見されるリスクを記載する。
MSDのPropeciaやGSKのAvodartの米国におけるレーベルには自殺思慮に関する記載はない。
リンク: EMAのプレスリリース
EMA、チクングニア熱ワクチンを65歳以上に接種しないよう暫定的勧告
(2025年5月5日発表)
EMA(欧州薬品庁)のPRAC(ファーマコビジランス・リスク評価委員会)とETF(エマージェンシー・タスク・フォース)は、フランスのValneva(Euronext Paris:VLA)のチクングニア熱弱毒化生ワクチン、Ixchiqを接種した患者の一部で深刻有害事象が発生した件について検討を開始する共に、暫定的に、65歳以上に接種しないよう勧告した。DHPC(直接的医療従事者連絡)を発出する考え。
Ixchiqは23年に米国で加速承認され、24年にEUで、25年には英国でも、承認された。18歳以上に一回接種した第3相では28日における防御的中和抗体獲得率が98.5%(95%信頼区間98.5%)だった。重度チクングニア様有害事象の発生率が1.6%と偽ワクチン群の0%を上回り、入院例もあったことから、FDAは市販後に観察的試験等を行うよう求めた。
今年に入って、2月にCDC(米国疾病予防管理センター)が米国で65歳以上の5人が接種後に心臓/神経学的事象で入院したことを検討すると発表した。4月のACIP(ワクチン接種委員会)では継続調査と接種勧奨の両方が支持された。欧州では4月にHAS(フランスの高等保険機構)が65歳以上の接種停止を決めた。チクングニアが流行しているインド洋のフランス領ReunionとMayotteで接種キャンペーンを行ったところ、前者(約6400人に接種)で深刻有害事象が6例発生し、うち5人が入院、一名は死亡したため(ワクチンとの関連性は確立していない)。
今回のEMA発表によると、世界で17件の深刻有害事象が報告されている。年齢は62歳から89歳。致死例は接種キャンペーンが進められているフランス領La Réunionの2名。84歳男性が脳炎を発症後に、77歳の男性パーキンソン病が嚥下性肺炎後に、物故した。同島では約6400人、世界では43400人が接種を受けている。
EMAは、臨床試験症例は専ら65歳未満であるのに対して、深刻有害事象報告は65歳以上が圧倒的多数であるため、暫定的に65歳以上の接種を禁止することを決めた。
また、SmPC(製品仕様書)に記載されているように病気や治療により免疫力が低下/抑制されている人は禁忌であることもリマインドした。
尚、米国の症例は全員回復したとのことだ。
リンク: EMAのプレスリリース
【当面の主なFDA審査期限、諮問委員会】
PDUFA | |
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25/5/26 | MSDのWelireg(belzutifan、褐色細胞腫・傍神経節腫) |
25/5/27 | Saol TherapeuticsのSL-1009(sodium dichloroacetat、ピルビン酸脱水素酵素複合体欠乏症 |
25/5/31 | モデルナのmRNA-1283.222(COVID-19) |
25/6推 | UCBのdoxecitine・doxribtimine併用(チミジン・キナーゼ2欠乏症) |
25/6/10 | MSDのMK-1654(clesrovimab、0歳児のRSV予防) |
25/6/12 | モデルナのmResvia(RSVワクチン、18-59歳の高リスクに適応拡大) |
25/6/13 | UroGen PharmaのUGN-102(mitomycin膀胱内注入、筋層非浸潤膀胱癌) |
25/6/17 | KalVista PharmaceuticalsのKVD900(sebetralstat、遺伝性血管性浮腫) |
25/6/19 | ギリアドのlenacapavir(HIV曝露前予防) |
25/6/20 | GSKのShingrix(帯状疱疹ワクチンのプレフィルドシリンジ版) |
25/6/20 | Regeneron社のDupixent(dupilumab、水疱性類天疱瘡を追加) |
25/6/23 | Nuvation Bioのtaletrectinib(ROS1+非小細胞性肺癌) |
25/6/23 | MSDのKeytruda(pembrolizumab、頭頚部癌周術期付随と維持療法) |
25/6/27 | SOBIのGamifant(emapalumab-lzsg、Still病における血球貪食リンパ組織球症/マクロファージ活性化症候群 |
25/6/30 | Sentynl TherapeuticsのCUTX-101(copper histidinate、メンケス病) |
諮問委員会 | |
25/5/20 | ODAC:ロシュのColumvi(glofitamab、DLBCL 2L追加)とJNJのDarzalex Faspro(daratumumab及びhyaluronidase、くすぶり型多発骨髄腫追加) |
25/5/21 | ODAC:UroGen PharmaのUGN-102(mitomycin、胱内注入用、筋層非浸潤膀胱癌)とファイザーのTalzenna(talazoparib、転移性去勢抵抗性前立腺癌<相同組換修復不全型限定解除?>) |
25/5/22 | VRBPAC:25/26COVID-19ワクチンの配合株 |
今週は以上です。
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