2026年2月7日

第1245回

 

【ニュース・ヘッドライン】


  • TrumpRxがロンチ 
  • アムジェン、タブネオスの自主回収要請を拒否 
  • バイエル、抗血栓薬の脳梗塞再発予防試験が成功 
  • ノボ、CagriSemaがT2D肥満試験で主目的達成 
  • サノフィ、III型ゴーシェ病用薬を承認申請へ 
  • 皮膚筋炎用薬を承認申請 
  • ヒムペブジをインヒビター持ち血友病に適応拡大申請 
  • ノバルティス、二剤の適応拡大を申請 
  • リンヴォックを白斑に適応拡大申請 
  • ダトロウェイをTNBC1Lに適応拡大申請 
  • サフネロー皮下注、米国では審査完了に 
  • エピネフリン系舌下フィルムの承認はお預け 
  • APDS用薬の11歳以下適応が遅延 
  • ノボ ノルディスク、二型糖尿病用のオゼンピック錠も承認 
  • FDA、フルオロウラシル系抗がん剤のDPD関連リスクを枠付き警告 
  • 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会 

  • 【今週の話題】


    TrumpRxがロンチ
    (2026年2月5日ロンチ)

    トランプ米国大統領の名前を冠した医薬品情報サイトがやっと公開された。昨年、米国の大手製薬会社十数社と結んだ最恵国価格ディールに基づくもので、公式価格より安く買えるようになった製品とその価格を紹介している。保険還付を望む公的私的医療保険加入者は対象外。購入希望者は、製品により、製薬会社/EC企業のウェブサイトで購入するか、クーポンを取得してこの制度に参加している薬局で購入する。質疑集によると、薬局は通常価格で仕入れた製品を安売りすることになるので、拒否することができるようだ。

    製薬会社は従来から保険非加入者向けの値引き販売プランを提供しており、どの程度お買い得なのかは明らかではない。ただ、ノボ ノルディスクなど、最恵国価格ディールなどの影響で26年の実現価格が低下すると予想する会社もあるので、ケース・バイ・ケースなのだろう。

    もう一つ、良く分からないのは、トランプ大統領が昨年7月に値下げ要請の書簡を出した17社以外の動向。JAK阻害剤のように複数のブランドが競争している領域では、参加したほうがより多くのオーディエンスにお得価格をアピールできるのではないか。

    参考:TrumpRxの価格例


    オリジナルの価格TrumpRx価格割引率
    Wegovyピル1.5mg錠、4mg錠$1,349.02$149.0089%
    9mg錠、25mg錠$1349.02$299.0078%
    Xeljanz XR11mg錠$6,407.10$3,204.0050%
    Xeljanz XR(ファイザー)11mg錠$9,134$3,20467%
    注:価格は30日分。ファイザーのJAK阻害剤Xeljanz(tofacitinib)はTrumpRxで記されているオリジナル価格と、ファイザーがTrumpRx価格の参照先と示す、GoodRxで記されている割引前の価格が異なっており、こんな所にも米国の医薬品価格の複雑さが垣間見える。

    リンク: TrumpRxサイト


    アムジェン、タブネオスの自主回収要請を拒否
    (2026年2月3日発表)

    アムジェンは2025年決算発表に際して、Tavneos(avacopan)の販売を自発的に中止するようFDAに求められたが拒否したと発表した。ANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody)関連血管炎の治療に用いる補体C5a受容体阻害剤で、22年に子会社化したChemoCentryxが21年10月に米国で承認を取得したもの。尚、日本ではライセンシーのキッセイ薬品が世界に先駆けて21年9月に承認を取得している。

    ライセンシーのVifor Fresenius Medical Care Renal Pharma France(VFMCRPフランス)が22年に承認取得したEUでも、今年1月にEMAのCHMPが審査を開始している。なぜ今になって、何を問題にしているのかは明らかではないが、EMAは承認の根拠となったAdvocate試験のデータの取り扱いについて新しい情報があったためとしている。FDAは、アムジェンによると、全被験者331人中9人の主評価項目データを再査読するプロセスに関して懸念を表明したという。同社は、問題があるとは認められないとして、販売を継続する考え。

    VFMCRPは17年にEUに条件付き承認を申請したが、CHMPが治験のデザインや効果の程度などに疑問を示し、一旦、撤回となった。20年に再申請して、ANCA関連血管炎の主なサブタイプであるMPA(顕微鏡的多発血管炎)とGPA(多発血管炎性肉芽腫症)の治療薬として承認された。

    米国では21年5月に関節炎諮問委員会で検討された。なぜか、FDAの諮問委員会ページで検索しても当時の資料がヒットしないが、当方のメモによると、FDAは臨床試験のデザインなどに疑問を呈しており、26週ステロイド対照非劣性解析結果に関してはrituximabやcyclophosphamideなどによる治療を受けている患者にステロイドを追加する便益は確立していないので比較対象として適切でない、従って非劣性とは言えないと判定した。全員に投与した26週延長フェーズを含めた52週優越性解析については、このような解析の意義や、査読委員会による正式な寛解判定と治験医のそれが両群とも異なり、寛解判定方法の妥当性に疑問が残ることを指摘していた。

    諮問委員会を受けて株価が半減したため株主代表訴訟が起こされたがたが、一部報道によると、今回の問題の発端は裁判で提示された資料。訴えは認められなかったのだが、何らかの新情報があった模様だ。

    リンク: プレス・リリース

    【新薬開発】


    バイエル、抗血栓薬の脳梗塞再発予防試験が成功
    (2026年2月5日発表)

    バイエルは、昨年11月、活性化血液凝固第XI因子(XIa)阻害剤BAY 2433334(asundexian)が第3相OCEANIC-STROKE試験で薬効と安全性の主目的等を達成したことを明らかにしたが、データをISC(国際卒中学会)のlate-breakerセッションで発表した。なかなか良い結果で、グローバル承認申請に向かうのではないか。フェールした心房細動試験との整合性も気になるところだ。

    この日本も参加した試験は、非心原性の虚血性脳卒中または高リスクTIA(一過性脳虚血発作)を発症してから72時間以内の患者12327人(平均年齢68歳)を50mgまたは偽薬を一日一回経口投与する群に無作為化割付けして虚血性卒中と大出血(ISTH基準)のリスクを比較した。両群とも抗血小板薬を同時使用しており、その多くはDAT(アスピリンとclopidogrelなどの併用)を採用していた。解析はtime-to-eventベース、メジアン追跡期間は今のところ当方は把握できていない。

    虚血性卒中の発生率は試験薬群が6.6%、偽薬群は8.8%で、ハザード・レシオ(csHR)は0.74、p<0.0001だった。脳卒中の種類や重症度、抗血小板薬の併用の有無などによるサブグループ分析の結果も整合的だった。共同主評価項目のISTH大出血の発生率は1.9%対1.7%、ハザード・レシオ1.10で有意な差はなかった。副次的評価項目の心血管死/非致死的心筋梗塞/非致死的脳卒中の複合評価項目なども達成した。

    本剤は第3相心房細動患者の脳卒中/全身性塞栓症予防試験、OCEANIC-AF試験で効果がXa阻害剤apixabanと非劣性という仮説が立証されず、むしろ、発生率1.3%対0.4%、ハザード・レシオ3.79と残念な結果になった。病態の違いや実薬対照試験であることなどを考えれば必ずしも整合性がないとは言えないが、気になるところである。

    ライバルは、ブリストル マイヤーズ スクイブがジョンソン エンド ジョンソンと共同開発しているXIa阻害剤、JNJ-70033093/BMS-986177(milvexian)。第3相Librexia STROKE試験が進行中。治験デザインは似ているが、発症後48時間以内の患者が対象であることや、こちらは25mg一日二回投与であることが異なる。急性心筋梗塞から7日経った患者の第3相Librexia-ACS試験は昨年、中間解析で無益認定された。心房細動患者の卒中/全身性塞栓予防Xa阻害剤対照試験は今年中にも開票しそうだ。

    XIa阻害剤を理解する上で二剤のエビデンスが相互補完する展開が期待される。

    リンク: バイエルのプレス・リリース
    リンク: American Heart Associationの関連プレス・リリース


    ノボ、CagriSemaがT2D肥満試験で主目的達成
    (2026年2月3日発表)

    ノボ ノルディスクはCagriSemaが第3相REIMGINE 2試験で主目的を達成したと発表した。さらに2本の成功を待って承認申請する考え。

    新開発のアミリン類縁体cagrilintideと既承認のGLP-1作用剤semaglutideの合剤。週一回皮下注する。昨年12月に米国で肥満/リスク因子を持つオーバーウェイトを目標適応として承認申請された。今回の試験はmetformin(SGLT2阻害剤併用可)を服用しても血糖値を十分管理できない二型糖尿病でBMIが25kg/m2以上の患者2728人を組入れて、各剤2.4mgずつと各剤1.0mgずつの2種類の用量について、HbA1c低下作用と体重減少作用をsemaglutideだけ同量投与する群と比較した。尚、cagrilintideのみ投与する群や偽薬群も設定されている。

    結果は、2.4mg/2.4mg群は68週間でHbA1c(ベースライン値は8.2%)が1.91%低下、semaglutide 2.4mg群は1.76%低下となり、少なくとも統計学的には有意な差があった。体重(ベースライン値は101kg)は各群14.2%低下と10.2%低下で有意差があった。以上は指示通りに投与できた患者の成績に基づくefficacy etimandベースの数値。投与を止めた患者やレスキュー薬を追加した患者も追跡する、intent-to-treatに近いためFDAや医師、患者が重視するtreatment regimen estimandベースではHbA1c低下が1.80%と1.67%低下、体重は12.9%と9.2%低下した。1.0mg/1.0mg群などのデータは未公表。

    二型糖尿病ではない肥満/有リスク因子オーバーウェイトを組入れた第3相では、例えばREDEFINE 1試験では体重はtrial product estimandベースで22.7%低下、semaglutideだけの群は16.1%低下、treatment policy estimandベースでは各20.4%と14.9%だった。この種の薬のこの種の試験ではよく見られることだが、同じ肥満/オーバーウェイトでも二型糖尿病合併患者に対する効果の方が若干小さく見える。

    尚、〇〇ベースの表記は会社側発表に従った。efficacy estimandとtraial product estimandは違うのか、イーライリリーなど他社が採用している表記も含めて、誰か整理してくれないだろうか。

    リンク: プレス・リリース


    サノフィ、III型ゴーシェ病用薬を承認申請へ
    (2026年2月2日発表)

    サノフィはSAR402671(venglustat)が第3相III型ゴーシェ病試験で共同主評価項目等を達成したと発表した。承認申請へ向かう考え。一方、ファブリー病における症状改善作用を検討した第3相Peridot試験はフェールした。

    ゴーシェ病はグルコセレブロシドが分解されず組織に蓄積する常染色体劣性遺伝子疾患。乳児期に発症するI型と、乳児期以降に発症する、精神発達遅延や痙攣など神経症状を発現するII型(急性神経型)およびIII型(亜急性神経型)に分類される。本剤はグルコシルセラミド合成酵素阻害剤。同社のI型ゴーシェ病用薬、Cerdelga(eliglustat tartrate)と作用機序が同じだが、中枢神経浸透性が見られるため、神経症状を伴うIII型に適している可能性がある。今回のLEAP2MONO試験は酵素補充療法を3年以上施行して安定した状態にある12歳以上の患者43人を組入れて、一日一回投与する便益を酵素補充療法と比較した。主評価項目の52週SARA(Scale for Assessment and Rating of Ataxia)調整総合スコアと、RBANS(Repeatable Battery for the Assessment of Neuropsychological Status)の両方とも有意に上回った。副次的評価項目に設定された非神経症状4項目のうち、脾臓量と肝臓量、ヘモグロビン水準は同程度だった。データは未発表。

    ファブリー病試験は16歳以上の患者122人を組入れて、各被験者にとって最も煩わしい症状が半年後、および1年後の改善を偽薬と比較したが、成功しなかった。

    リンク: プレス・リリース

    【承認申請】


    皮膚筋炎用薬を承認申請
    (2026年2月6日発表)

    Roivant(Nasdaq:ROIV)は、26年3月期第3四半期決算発表に合わせて、子会社の Priovant Therapeuticsが開発しているJAK1/TYK2阻害剤、brepocitinibを米国で皮膚筋炎治療薬として承認申請したことを明らかにした。ファイザーから米日における商業化権を取得したもので、他に非感染性ブドウ膜炎や皮膚サルコイドーシスなどの臨床試験が進行中。

    今回のBeacon試験は30人の患者を偽薬、15mg、45mgの何れかを一日一回経口投与する群に無作為化割付けして16週間投与した。CSAMI-A(Cutaneous Sarcoidosis Activity and Morphology Instrument Activity)が各群0.7、22.2、22.3点低下し、45mg群は偽薬比統計的に有意、15mg群はp値は同程度だがアルファの割当が少ないのか、有意ではなかったようだ。IGA 0/1達成率は各群0、不明、69%だった。重度以上の有害事象は見られなかった。

    リンク: Roivantのプレス・リリース


    ヒムペブジをインヒビター持ち血友病に適応拡大申請
    (2026年2月6日発表)

    ファイザーは抗TFPI抗体Hympavzi(marstacimab-hncq)の適応拡大をFDAに申請し受理されたと発表した。審査期限は26年第2四半期とのこと。

    24年に12歳以上のインヒビターを持たないA型またはB型血友病の治療薬として米欧日で承認されているが、今回は、12歳以上のインヒビターを持つA型/B型血友病と、6~11歳のインヒビターを持たないA型/B型血友病の適応を求めている。

    リンク: プレス・リリース


    ノバルティス、二剤の適応拡大を申請
    (2026年2月4日発表)

    ノバルティスは25年決算発表に際して、二件の適応拡大申請を行っていたことを明らかにした。ひとつは、Pluvicto(lutetium Lu 177 vipivotide tetraxetan)。放射性医薬品で、米欧日でPSMA陽性の去勢抵抗性前立腺癌に承認されているが、まだホルモン療法感受性を失っていないが転移が見られる患者向けに申請された。第3相PSMAddition試験で標準療法に追加する便益を検討したところ、PFS(放射線学的評価)のハザード・レシオが0.72、副次的評価項目の全生存期間はクロスオーバーの影響か有意ではないが0.84と悪くない結果になっている。

    もう一つはBTK阻害剤のremibrutinib。25年9月に米国で成人の抗ヒスタミンに応答不十分な慢性特発性蕁麻疹用薬Rhapsidoとして承認された。今回の目標適応は、抗ヒスタミンに応答不十分な症候性皮膚描記症型慢性誘発性蕁麻疹。日本も参加している第3相REMIND試験の該当するコフォートに基づくもの。治験登録によると、主評価項目は12週総合Fricスコア。この試験は寒冷蕁麻疹コフォートやコリン性蕁麻疹コフォートも設定されているが、結果が出るのは26年の見込み。

    リンク: プレス・リリース


    リンヴォックを白斑に適応拡大申請
    (2026年2月3日発表)

    アッヴィはJAK1阻害剤Rinvoq(upadacitinib)を成人青年の非分節型白斑に適応拡大すべく欧米で承認申請した。12歳以上の患者を組入れた第3相Viti-Up試験で48週時点の奏効率が、F-VASI 75(顔面の白斑領域評価スコアが75%以上改善)でも、T-VASI 50(全身の評価スコアが50%以上改善)でも、偽薬を有意に上回った。

    非分節型白斑は皮膚の脱色範囲が左右対称に全身に広がっていく。類薬ではインサイトのJAK1/2阻害剤Opzelura(ruxolitinib)クリームが22年に米国で、23年にはEUでも承認されている。こちらの試験は偽薬対照期間が24週とRinvoqの48週より短いが2対1割付けとなっている。観察期間が異なるものの、Opzeluraの48週時点のデータなどと見比べると、どちらも似たような成果を挙げている。

    リンク: プレス・リリース


    ダトロウェイをTNBC1Lに適応拡大申請
    (2026年2月3日発表)

    第一三共と開発販売パートナーのアストラゼネカは、夫々、米国でDatroway(datopotamab deruxtecan-dlnk)を抗PD-(L)1抗体による治療が選択肢にならない切除不能/転移トリプル・ネガティブ乳癌(TNBC)の一次治療薬として承認申請し受理されたと発表した。優先審査を受け、審査期限は、第一三共によると26年6月2日、アストラゼネカによると26年第2四半期。

    Datrowayは抗TROP-2抗体薬物複合体。644人を組入れた第3相TROPION-Breast02試験で全生存期間を医師が選んだ化学療法を施行した群と比較したところ、メジアン値は23.7ヶ月と18.7ヶ月、ハザード・レシオは0.79で統計的に有意だった。共同主評価項目のPFS(無進行生存期間、盲検独立中央評価)はメジアン10.8ヶ月と5.6ヶ月、ハザード・レシオ0.57で有意。G3以上の有害事象発現率は29%対33%で若干少なかった。Datroway群では薬物関連の可能性のある間質性肺疾患で1名が死亡した。

    抗TROP-2(別名EGP-1)抗体薬物複合体はギリアド・サイエンシズのTrodelvy(sacituzumab govitecan-hziy)も第3相Ascent-03試験でメジアンPFSが9.7ヶ月と化学療法群の6.9ヶ月を上回り、ハザード・レシオ0.62で有意だった。学会/論文発表時点では副次的評価項目である全生存期間の解析は未成熟とのことだった。クロス・オーバーが可能なので有意差が出るかどうか良く分からない面がある。

    この二本の試験は細かい所が異なっている模様なので比較可能ではないかもしれないが、概ね似た内容でPFSに関しては概ね似たような結果になっている。延命効果が確立している分、前者の方が重要にも感じられるが、NCCT(National Comprehensive Cancer Network)の最新のガイドラインは、Trodelvyをカテゴリー1のpreferred regimen、Datrowayはother recommendedに、位置付けている。昨年10月にNew England Journal of MedicineでAscent-03試験論文が刊行されたことも評価の違いに繋がっているのかもしれない。。

    ギリアドは適応拡大申請したか公表していないが、昨年5月に第3相成功を発表、26年下期のロンチを計画しているようなので、2月10日の決算発表時にアップデートがあるのではないか。

    リンク: 第一三共のプレス・リリース

    【承認審査・委員会】


    サフネロー皮下注、米国では審査完了に
    (2026年2月3日発表)

    アストラゼネカはSaphnelo(anifrolumab-fnia)の皮下注版を開発し、EUで25年12月に承認取得、日本でも今年1月に第二部会を通過したが、米国は審査完了通知を受領した。詳細は不明だが、請求された追加情報を既に提出したとのこと。FDAが上期中に回答することを予想している。

    アルファ、ベータなど1型のインターフェロンのサブユニット1に結合する抗体医薬。点滴静注用製剤が米日欧で中重度SLE(全身性エリテマトーデス)用薬として承認されている。

    リンク: プレス・リリース


    エピネフリン系舌下フィルムの承認はお預け
    (2026年2月2日発表)

    米国ニュー・ジャージー州のAquestive Therapeutics(Nasdaq:AQST)はAnaphylm(dibutepinephrine)をアナフィラキシーを含む一型アレルギー反応の治療薬としてFDAに承認申請していたが、審査完了通知を受領した。誤用誤認リスクなどヒューマン・ファクターに関する指摘を受けた。第3四半期に回答する考え。

    エピネフリンのプロドラッグを含有する舌下フィルム製剤。昨年4月に承認申請、今年1月にFDAから欠陥があるためレーベルなどに関する協議に進めない旨の連絡を受けていた。FDAは、パウチが開けにくく、アナフィラキシーのような緊急事態では安全性問題が生じる可能性があることなどを指摘した模様。同社は既に対応法を決定しており、バリデーション試験を実施する考え。米国外では第1四半期中に英国で、下期にはEUやカナダでも、承認申請する考え。

    リンク: プレス・リリース


    APDS用薬の11歳以下適応が遅延
    (2026年2月1日発表)

    オランダのPharming(Euronext Amsterdam:PHARM)は米国でJoenja(leniolisib)の適応を4~11歳に広げるべく申請していたが、審査完了通知を受領した。

    PI3Kデルタ阻害剤。23年に米国で、PI3Kデルタが異常活性化し免疫細胞が正常に成熟しない超希少原発性免疫不全であるAPDS(活性化PI3Kデルタ症候群)の12歳以上の患者向けに承認された。。4~11歳の追加申請は優先審査指定を受けたが、低体重児用の用量が足りない恐れや、バッチ検査手法の一つに関する疑義などの指摘を受けた由。

    リンク: プレス・リリース

    【承認】


    ノボ ノルディスク、二型糖尿病用のオゼンピック錠も承認
    (2026年2月4日発表)

    ノボ ノルディスクはOzempic錠(semaglutide)が米国で承認されたと発表した。成人の二型糖尿病における血糖管理と、高リスク患者における主要有害心血管イベントの抑制に用いる。GLP-1作用剤semaglutideの経口剤は19~20年に米欧日で二型糖尿病用薬Rybelsus/リベルサスとして承認され、25年12月には米国で体重管理薬Wegovy錠も承認されたが、どちらもSNAC(サルカプロザートナトリウム)を結合することで注射用薬を経口投与化したもので、同じ薬の別ブランドと勘違いしていたが、Ozempic錠とRybelsus錠の共同添付文書によると、OzempicはRybelsusより生物学的利用率が高く、用量が異なる。どちらも一日一回経口投与で、Rybelsusは3mgで開始し31日目から血糖管理効果のある7mgに増量、不十分なら61日目から14mgに増量可能。一方、Ozempic錠は1.5mgで開始し31日目から効果のある4mgに増量、不十分なら61日目から9mgに増量可となっている。

    Wegovy錠も1.5mg一日一回で開始、以降30日毎に4mg、9mg、25mgと漸増するので、目標用量は異なるもののOzempic錠と似ている。

    リンク: プレス・リリース

    【医薬品の安全性】


    FDA、フルオロウラシル系抗がん剤のDPD関連リスクを枠付き警告
    (2026年2月5日発表)

    FDAは抗癌剤fluorouracil(5-FU)とその経口プロドラッグであるcapecitabineのレーベルを改訂し、ジヒドロピリミジン脱水素酵素(DPD)の遺伝子変異に関わるリスクを枠付き警告したと発表した。DPDは5-FUの不活化酵素。白人の3-5%が部分的欠損、0.2%は完全欠損と推定されており、5-FUの作用が累積して深刻な有害事象をもたらすリスクがある。このため、迅速な投与が必要な場合を除いて、事前に検査して完全欠損の場合は投与せず、部分欠損の場合は患者毎に適否や用量を検討するよう推奨した。

    欧州でもEMAが20年に事前DPD検査を推奨した。カフカス系の最大9%が部分欠損、0.5%は完全欠損とのことだ。

    リンク: プレス・リリース

    【当面の主なFDA審査期限】


    PDUFA
    26/2推サノフィのTzield(teplizumab-mzwv、8歳以上の最近診断されたステージ3の一型糖尿病、CNPV案件)
    26/2推JNJのTecvayli(teclistamab-cqyv)とDarzalex Faspro(daratumumab、hyaluronidase-fihj)、多発骨髄腫、CNPV案件)
    26/2/8RegenxbioのRGX-121(clemidsogene lanparvovec、MPS II型)
    26/2/20MSDのKeytruda(pembrolizumab、白金抵抗性卵巣癌)
    26/2/21Vanda PharmaceuticalsのBysanti(milsaperidone、統合失調症と双極障害I型)
    26/2/25大鵬薬品のInqovi(decitabineとcedazuridine、新患急性骨髄性白血病一次治療)
    26/2/28Regeneron PharmaceuticalsのDupixent(dupilumab、アレルギー性真菌性鼻副鼻腔炎)
    25/2/28Ascendis PharmaのTransCon CNP(navepegritide、軟骨無形成症)
    26/3推Atara Biotherapeuticsのtabelecleucel(リンパ増殖性疾患)
    26/3推Concert TherapeuticsのCORT-125134(relacorilant、白金抵抗卵巣癌)
    26/3推ノボ ノルディスクのAwiqli(insulin icodec、二型糖尿病)
    26/3推ノボ ノルディスクのWegovy(semaglutide 最大用量7.2mg、CNPV案件)
    26/3/6BMSのSotyktu(deucravacitinib、乾癬性関節炎適応拡大)
    26/3/16Aldeyra TherapeuticsのADX 102(reproxalap、ドライアイ)
    26/3/20Rhythm Pharmaceuticalsのsetmelanotide(後天的視床下部性肥満症)
    26/3/24GSKのGSK2330672(linerixibat、原発性胆汁性胆管炎)
    26/3/28Rocket PharmaceuticalsのKresladi(marnetegragene autotemcel、重度白血球接着不全症1型)
    26/3/29LantheusのLNTH-2501 (Ga-68 edotreotide Injection、神経内分泌腫瘍のPET造影剤)
    26/4推アストラゼネカのbaxdrostat(難治高血圧症)
    26/4/3バイオジェンのSpinraza(nusinersen、高用量追加)
    26/4/5Denali TherapeuticsのDNL310(tividenofusp alfa、ハンター症候群)
    26/4/6Orca BioのOrca-T(血液癌の制御性T細胞・幹細胞移植)
    26/4/8BMSのOpdivo(nivolumab、未治療の進行性古典的ホジキンリンパ腫)
    26/4/10ReplimuneのRP1(vusolimogene oderparepvec、進行黒色腫)
    26/4/13Travere TherapeuticsのRE-021(sparsentan、巣状分節状糸球体硬化症を追加)
    26/4/23サノフィのSarclisa(isatuximab-irfc、多発骨髄腫用薬の皮下注用新製剤)
    26/4/23Grace TherapeuticsのGTx-104(点滴静注用nimodipine、脳動脈瘤によるくも膜下出血)
    26/4/28MSDのMK-8591A(doravirineとislatravir、HIV-1感染症)
    26/4/29サノフィのTzield(teplizumab-mzwv、1-7歳のステージ2一型糖尿病)
    26/4/30Axsome TherapeuticsのAuvelity(dextromethorphan Hbrとbupropion HCI、アルツハイマー性激昂)
    注:Disc MedicineのDISC-0974(bitopertin、赤芽球性(骨髄性)プロトポルフィリン症)は委員長国家的優先バウチャ案件なので26年1月にも承認される可能性があったが、この未上場企業は今のところ、何も発表していない。

    今週は以上です。

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