2019年12月8日

2019年12月8日号


【ニュース・ヘッドライン】

  • SUO:筋層非浸潤性膀胱癌の遺伝子療法 
  • CTAD:バイオジェン、aducanumabの追加分析結果 
  • CTAD:Nuplazidの認知症精神症状治療試験が成功 
  • 新カルシニューリン阻害剤のループス腎炎試験が成功 
  • Ardelyx社、IBS-C治療薬を高リン血症に適応拡大申請へ 
  • Sage、経口抗鬱剤の第三相がフェール 
  • Immunomedics、EGP-1標的ADCを再承認申請 
  • ヴィーヴ、アタッチメント阻害剤を承認申請 
  • MSD、キイトルーダを上皮内膀胱癌に適応拡大申請 
  • 大日本住友が子会社化する会社の再生医療製品をFDAが承認せず 
  • テセントリク、NSNSCLC一次治療の新併用レジメンが米でも承認 


【新薬開発】


SUO:筋層非浸潤性膀胱癌の遺伝子療法
(2019年12月5日発表)

スイスのフェリング・ファーマシューティカルズは、nadofaragene firadenovecの第三相試験の結果をSUO(泌尿器腫瘍学会)で発表した。ハイグレードNMIBC(筋層非浸潤膀胱癌)でBCGに反応しなかった151人に膀胱内投与したところ、3ヶ月完全反応率は53%、12ヶ月反応持続率は24%だった。薬物関連有害事象の発生率は1.9%だった。

下記のKeytruda(pembrolizumab)の治験成績と比べてもそん色なく、競争力がありそうだ。問題は、コストだろう。

大学研究者が創製した遺伝子療法で、遺伝子組換え型アデノウイルス5型をベクターとしてインターフェロン・アルファ2bの遺伝子をin vivoで導入する。細胞感染を増強するために界面活性剤様分子Syn3を表面賦形剤として用いている。膀胱内注入で、反応を見ながら3ヶ月毎に、最大4回施行する。

FKD Therapies Oyが米国で承認申請、フェリングはブラックストーンとの合弁を通じて米国で販売するほか、海外で商業化するオプションも持っている。

リンク: FerGeneのプレスリリース(Business Wire)

CTAD:バイオジェン、aducanumabの追加分析結果
(2019年月日発表)

バイオジェンはCTAD(アルツハイマー病臨床試験会議)でエーザイと共同開発している抗アミロイドベータ抗体、BIIB037(aducanumab)の第三相軽度認知障害/軽度アルツハイマー病試験二本の詳細データを発表した。内容的には10月27日号で報告したものと概ね同じだ。

これまでの経緯を要約すると、今年3月にデータ監視委員会が中間評価で無効認定したが、その後の追跡データの盲検分析で、改定されたプロトコル通りに10mg/kgを月一回静注すれば症状の悪化をある程度抑制できる可能性が浮上。FDAとの相談を踏まえて、来年初めに米国で承認申請する予定。日欧でも協議している模様。

治療効果は小さい。

アルツハイマー病の代表的な治療薬であるアセチルコリン還元酵素阻害剤の効果は、イメージ的には、症状が半年前の状態に戻るが、そこからまた悪化しはじめる。aducanumabの効果は、症状は改善せず悪化が続くが偽薬よりは穏やか。前者の試験はADAS-cogのような症状評価スコアの変化を偽薬群と比較して治療効果を悪化の差分で表現するが、aducanumabの試験は比率で表現しているので、分かりにくいところがある。

そこで、高用量群と偽薬群の数値を使ってこの二つのデータを概観しよう。尚、CTADでは更に追跡したフル・データ・セットの解析結果も発表されたが、ここでは、話を単純化するために、内容的に大差ない10月に発表された解析データを使う。

追加解析で良好な結果が出たEMERGE試験では、78週間のCDR-SBスコアの悪化が偽薬比23%小さかった。ベースライン時点の平均値は各群2.5前後で、偽薬群は1.74低下(悪化)したが、高用量群はそれより0.40小さかった(逆算すると、1.3程度低下した)。ENGAGE試験では偽薬群より少し悪かったが有意差はない。ベースライン値の2.4前後から偽薬群は1.55低下、高用量はそれより0.03悪かったので1.58程度低下したことになる。

CDRは軽度認知障害やアルツハイマー病の代表的な症状・兆候夫々について0から3までの点数で評価する。点数の刻みは0.5または1.0で、今回の試験のように早期の患者の場合は、0.5が多いだろう。従って、治療効果が0.4というのは、一つの項目で一段階進むか進まないかの差に過ぎない。まあ、元々の症状が軽いので治療効果が小さいのは当たり前と言えば当たり前なのだが。

改善はしない、治療効果も目に見えるほどではないのは情けないが、如何せん、他に新薬がないのだから贅沢は言えない。昔、でもしか先生という流行語があったが、統計的に有意な差があるなら、でもしか新薬でも受け入れざるを得ない。

尤も、治験成績は一勝一敗なのだから、もっとたくさんの患者に投与した時にEMERGE試験の結果が再現されるかどうかは何とも言えない。本来なら治験をもう一本実施すべきだが、アンメット・メディカル・ニーズなので譲歩せざるを得ない。1mg/kgで開始して漸増で10mg/kgまで持っていくことが重要というバイオジェンの感受性分析がどの程度エビデンスとして受け入れられるかが承認審査のポイントだろう。

新薬開発に携わる企業にとってこの二本の試験の教訓は、階段は一歩ずつ足元を確かめながら上がらなければならない、ということだ。アダプティブ・デザインとか新しい手法には大いに挑戦すべきだが、アルツハイマー病のような、そうでなくても成功率が低く高リスクな分野で、見込み発車のリスクを取るべきではない。

上記試験で高用量群の10mg/kgの暴露が少なかったのは、被験者の2/3を占めるApoE4陽性患者について、ARIA(アミロイド関連画像異常)を懸念して、当初は目標用量を6mg/kgに抑えたからだ。その後、1、3、6、10mg/kgと24週間かけて漸増する手法を検討した試験が良好な結果になったことや、ARIAの臨床的な転帰がそれほど悪くなく投与を再開しても大丈夫と分かったため、治験プロトコルを改定したが、その時点では既に目標症例数の半分程度の組入れを終了していた。

バイオジェンによれば、中間無益性解析で続行しても無益という結果が出てしまったのは、追跡期間が短く10mg/kg未満しか投与しなかった患者・期間が多かったからだ。EMERGEとENGAGEの違いも、ENGAGE試験のほうが組入れスピードが早かったため10mg/kgの暴露が少なかった。この仮説を裏付けるように、一定以上暴露したサブグループの事後的分析は両試験とも類似した結果になっている。

もしこの仮説が正しいとすると、第三相試験の敗因は、漸増試験やARIA症例観察の結果が出るまでに開始したこと、つまり、拙速だったことになる。

新薬開発にリスクは付き物だが、だからこそ、必要以上にリスクを高めず一歩一歩、足元を確かめながら進まなければならない。

リンク: バイオジェンのCTAD関連ページ(プレゼン・ビデオやスライドのリンクあり)

CTAD:Nuplazidの認知症精神症状治療試験が成功
(2019年12月4日発表)

ACADIA Pharmaceuticals(Nasdaq:ACAD)は、Nuplazid(pimavanserin tartrate)の第三相HARMONY試験の結果をCTAD(アルツハイマー病臨床試験会議)で発表した。認知症患者の精神症状を治療する試験で、中間解析で成功認定されたことが9月に発表済み。今回発表されたデータも良さそうな内容で、オフレーベル使用していた医師は一安心だろう。

Nuplazidは5-HT2Aインバース・アゴニスト。16年に米国でパーキンソン病の精神症状治療薬として承認された。HARMONYは幻覚や妄想などの精神症状を示す認知症患者392人を組入れて、まず、全員に12週間に亘って一日一回、34mgを目標に滴定で、経口投与した。次に、反応した患者を組入れて26週間の無作為化割付二重盲検偽薬対照離脱試験を行い、再発までの期間を比較した。

結果は、オープン・レーベル期間の反応率は62%だった。スコアは第8週時点でベースライン(平均24.4)から63%、第12週時点では75%、改善した。次に、偽薬対照期間の再発ハザードレシオは0.353で高度に有意だった。尚、主観的評価項目なので独立裁定委員会が査読した。

ACADIAは来年上期にFDAと適応拡大申請に向けて相談する考え。

非定型向精神薬を認知症に用いた試験では死亡率が高まる傾向が見られ、Nuplazidのレーベルにも警告が記載されている。認知症患者の精神症状は本人だけでなく介護者にとっても深刻な危険なので、もしNuplazidの懸念が払拭されたなら、ニーズは大きいだろう。

リンク: ACADIAのプレスリリース

新カルシニューリン阻害剤のループス腎炎試験が成功
(2019年12月4日発表)

カナダのAurinia Pharmaceuticals(Nasdaq:AUPH)は、voclosporinの第三相ループス腎炎試験が成功したと発表した。標準療法であるMMFと低量ステロイドをベースに偽薬または23.7mgを一日二回、52週間に亘って経口投与したところ、腎反応率(eGFRや尿蛋白クレアチニン・レシオなどに基づいて評価)が各22.5%と40.8%となり、統計的に有意な差があった。二次的評価項目もすべて成功した由。20年上期に米国で承認申請する考え。

voclosporinは、13年に同社と合併したIsotechnikaのパイプラインで、カルシニューリン阻害による免疫抑制作用を持つ。cyclosporinと異なり腎毒性や血圧・脂質影響が小さいことが期待されている。ロシュがライセンスして臓器移植後拒絶反応抑制剤として開発したが08年に権利返還した。開発歴が長いので知財対策や、医療保険説得に向けて、既にGE化したcyclosporinとの差別化も重要な課題になるだろう。

リンク: Auriniaのプレスリリース

Ardelyx社、IBS-C治療薬を高リン血症に適応拡大申請へ
(2019年12月9日発表)

Ardelyx(Nasdaq:ARDX)は、Ibsrela(tenapanor)を透析期慢性腎疾患の高リン血症の治療に用いる第三相PHREEDOM試験が成功したと発表した。全員に26週間投与した後に、12週間の二重盲検偽薬対照離脱試験を行ったもので、血清リン濃度が偽薬比1.4mg/dL低かった。通常の治療試験は既に二本、成功しており、同社は20年央に米国で適応拡大申請する考え。

IbsrelaはNHE3(ナトリウム水素交換輸送体3)阻害剤。ナトリウムが腸で吸収されるのを抑制する。経口剤だが殆ど吸収されず、局所的に作用する。私は見落としていたが、今年9月に米国でIBS-C治療薬として承認された。高リン血症における作用機序は、ナトリウム吸収が減少すると細胞内のプロトン濃度が上昇、細胞間接着が強固になりリンが吸収されにくくなる由。

12年にアストラゼネカがNHE3阻害剤プログラムをライセンスしたが15年に返還。日本は17年に協和発酵が心腎疾患(高リン血症を含む)分野の開発販売権を取得、今年2月に透析期慢性腎疾患高リン血症の第二相に着手した。

リンク: Ardelyxのプレスリリース

Sage、経口抗鬱剤の第三相がフェール
(2019年12月5日発表)

Sage Therapeutics(Nasdaq:SAGE)は、SAGE-217(日本などの権利を持つ塩野義製薬の開発コードはS-812217)の第三相鬱病治療試験がフェールしたと発表した。作用機序が斬新で投与開始後数日で効果が出始めるという抗鬱剤には珍しい長所を持っているため注目されていたが、反動で、株価が暴落した。塩野義製薬はこのところ、パッとしない話が続いている。

SAGE-217は、今年3月に米国で出産後鬱病の治療薬として承認されたZulresso(brexanolone)と同様な、GABA受容体の選択的陽性アロステリック調節剤。Zulressoは60時間連続点滴静注だが、SAGE-217は一日一回経口投与であることが長所で、産後鬱と大うつ病の両方に開発されている。産後鬱の第三相は既に成功した。

今回の第三相は偽薬、20mg、または30mgを14日間投与して15日目のHAM-Dスコアを比較したところ、20mgは偽薬並みだった。30mgは12.6ポイント低下したが偽薬の11.2ポイントと有意差はなかった。

同社は様々な二次的評価項目やサブグループ分析のデータを公表、治療効果が否定されたわけではないことを示唆した。中でも、血液検査で薬剤を検出されなかった症例を除けば有意差が出るという発見は興味深い。少数の治験施設で見られた模様であり、もし何らかのプロトコル違反や手違いが原因で試験薬を投与されなかった患者が発生したのならば、当該医療施設の症例全部を除外した解析を行っても良いのではないか。

抗鬱剤の第三相はフェールが珍しくなく、通常は、三本以上実施したり、承認されている薬を投与する参考群を設定して、もし実薬群も有意差が無かったら薬ではなく試験がフェールしたと判定する。しかし、SAGE-217の大うつ病の第三相は一本だけ。それだけ自信があったのだろうが、この用途の承認申請は難しくなった。薬効確認試験は他に二本進行中だが、結果が判明するのは不眠症併発大うつ病の試験が来年下期頃、うつ再発予防試験は21年だろう。

以上、まとめると、効くかどうかは未だ分からないが諦めるのは早い。

出産後鬱病で承認申請するのは可能だろうが、Zulressoとの差別化が課題になるだろう。

尚、両剤とも稀に失神が起きるため、出産後鬱病に使う時は周りに誰もいない時に子供を抱き上げない方が良い。SAGE-217の大うつ病試験では、夜に服用することで転倒リスクの抑制を試みた。20mgをテストしたのも忍容性改善を期待したものだが、薬効がなかった。

リンク: Sageのプレスリリース


【承認申請】


Immunomedics、EGP-1標的ADCを再承認申請
(2019年12月3日発表)

Immunomedics(Nasdaq:IMMU)は、IMMU-132(sacituzumab govitecan)をFDAに再承認申請したと発表した。乳癌などで発現するEGP-1に結合する抗体とSN-38(irinotecanの活性代謝物)をリンカーで結合した抗体薬剤複合体(ADC)で、転移性トリプル・ネガティブ乳癌の三次治療第二相試験でORR(客観的反応率、独立放射線学的評価)が110人中34人、31%となり、メジアン反応持続期間は9.1ヶ月だった。

昨年5月に承認申請し、優先審査指定を受けたが、今年1月に審査完了通知を受領した。FDAは新薬承認審査に際して生産拠点の査察を行うが、昨年8月の査察でCMC(化学、製造、管理)に関する検査データ改ざん等が判明したため。

2月にCEOが退任。その前のCEOはシアトル・ジェネティクスとのライセンス契約に関するゴタゴタを経て退任しており、3年の間に二人が相次いで失脚する事態になった。雨降って地固まる、今度こそ、とは言い難い会社だ。

リンク: Immunomedicsのプレスリリース

ヴィーヴ、アタッチメント阻害剤を承認申請
(2019年12月5日発表)

GSKは、ファイザーや塩野義製薬とのHIV薬合弁会社であるヴィーブヘルスケアがGSK3684934(fostemsavir)を多剤抵抗性HIV感染症のサルベージ療法としてFDAに承認申請したと発表した。欧州でも申請予定。

15年にBMSから取得したHIV/AIDS領域パイプラインの一つで、BMSが得意としていたアタッチメント・インヒビター。体内で活性成分のtemsavirに変換され、HIV-1のエンベロープのgp120に結合し、ウイルスがCD4陽性細胞に結合し侵入するのを妨げる。

標準的な薬に不応不耐な患者を組入れて、他の薬と併用で600mgを一日二回、経口投与した試験では、48週ウイルス抑制成功率(40コピー/mL未満に低下)が54%、CD4カウントが139個/mm3増加と良好な結果になった。深刻有害事象の発生率は35%、有害事象による治験離脱率は7%だった。

リンク: GSKのプレスリリース

MSD、キイトルーダを上皮内膀胱癌に適応拡大申請
(2019年12月2日発表)

MSDは、Keytruda(pembrolizumab、和名キイトルーダ)をNMIBC(筋層非浸潤膀胱癌)用薬として米国で承認申請し、受理されたと発表した。優先審査を受け、審査期限は20年1月。12月17日に腫瘍学薬諮問委員会に上程される予定。

NMIBCのうち、標準療法であるBCGに応答せず、膀胱全摘術が不適、または患者が望まない、ハイリスク上皮内癌を想定している。乳頭腫瘍の有無は不問。第二相KEYNOTE-057試験のコフォートAのデータに基づくもので、今年のESMO(欧州臨床腫瘍学会)での発表によると、3ヶ月完全反応率(中央評価)は102人中41.2%、メジアン反応持続期間は13ヶ月、G3/4治療時発現有害事象発現率は13%だった。

諮問委員会のアジェンダは不明だが、例えば、「患者が望まない」という要件をどの程度厳格に設定するか、が考えられる。余命の点でベストなのは全摘だがQOL面の懸念から拒否する患者が少なくない。Keytrudaが使えるようになったら、手術を受ける患者がもっと減るかもしれない。

3ヶ月完全反応率(中央評価)を主評価項目とする単群試験に基づいて承認申請することは、FDAが18年2月に発表した開発ガイダンス資料に即しているので、おそらく論点にはならないだろう。本承認を取れるか、それとも加速承認に留まり改めて対照試験で延命効果を確認する必要があるのかはケースバイケースのようなので、諮問事項に上がるかもしれない。

抗PD-1/PD-L1抗体製品のうち幾つかは進行性尿路上皮腫向けに承認されているが、承認後延命効果確認試験がフェールしたり、PD-L1低発現のサブグループのデータが悪かったり、意外な展開になっている。NMIBCの承認審査が慎重になっても不思議はないかもしれない。

筋層非浸潤膀胱癌ではapaziquoneなどが承認申請されたが、審査完了通知に留まった。現時点でも、KeytrudaのほかにFerringのINSTILADRIN(nadofaragene firadenovec)が承認審査中、Sesen Bio(Nasdaq:SESN)もviciniumのローリング承認申請を今月中に着手する予定と、複数のパイプラインがあり、Keytrudaの諮問委員会はインプリケーションがありそうだ。

リンク: MSDのプレスリリース


【承認審査・委員会】


大日本住友が子会社化する会社の再生医療製品をFDAが承認せず
(2019年12月5日報道)

Roivant SciencesグループのEnzyvant社は、RVT-802を先天性無胸腺症治療薬として米国で承認申請し、今年6月に受理された。RMAT(再生医療先端治療)指定第一号で、ブレークスルー・セラピー指定も受けているため注目されたが、各種報道によると、審査完了通知を受領した。生産プロセスや生産拠点査察時の指摘事項がボトルネックになった模様。

Roivantは今年9月に大日本住友製薬と戦略的提携で基本合意し、大日本がRoivantの株式を10%以上取得するとともに、Enzyvantを含む開発子会社5社を子会社化することを決めた。Enzyvantは、年内に見込まれる子会社化の後に今後の対応策を決める予定。

リンク: ロイターのプレスリリース


【承認】


テセントリク、NSNSCLC一次治療の新併用レジメンが米でも承認
(2019年12月4日発表)

ロシュは、Tecentriq(atezolizumab)の新併用レジメンがFDAに承認されたと発表した。転移性NSNSCLC(非扁平上皮性非小細胞性肺癌)の一次治療にcarboplatinおよびnab-pclitaxelと併用する。EGFRやALKに変異を持ち分子標的薬が適応になる患者は除く。

承認の根拠となったIMpower 130試験では、メジアン生存期間が18.6ヶ月とcarbopatinとnab-paclitaxelだけの群の13.9ヶ月を上回り、ハザードレシオは0.80、p=0.0384だった。PFS(無進行生存期間、担当医評価)はメジアン値は各7.2ヶ月と6.5ヶ月で大差ないがハザードレシオは0.75、p=0.0024となっている。オープンレーベル試験なので主観バイアスが生じにくい前者の解析のほうが重要だろう。

処方薬ユーザーフィー法に基づく審査期限は9月だったが、期限超過後に3ヶ月延期された。理由は不詳。欧州では9月に承認されている。

リンク: ロシュのプレスリリース
リンク: FDAのプレスリリース





今週は以上です。

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