2019年1月6日

2019年1月6日号


【ニュース・ヘッドライン】

  • Viela社、視神経脊髄炎関連疾患用薬を承認申請へ 
  • FDAがスプリセルの対象年齢拡大を承認 


【新薬開発】


Viela社、視神経脊髄炎関連疾患用薬を承認申請へ
(2019年1月3日発表)

米国メリーランド州のViela Bio社はinebilizumabの承認申請用試験であるN-MOmentum試験が成功したと発表した。今年上期中に米国で承認申請する予定。他の国でも計画中。

対象はNMOSD(視神経脊髄炎関連疾患)という稀だが命に係わる中枢神経系自己免疫疾患。患者の多くでAQP4蛋白に対する自己抗体が見られるが、陰性の場合もあるため、病名が多少ぼかされている。

治療はジェネンテックの抗CD19キメラ抗体rituximabがオフレーベルで使用されることがあり、新薬では、中外製薬/ロシュが抗IL-6受容体リサイクリング抗体SA237/RG6168(satralizumab)を承認申請する予定。アレクシオン社も抗C5ヒト化抗体Soliris(eculizumab)の適応拡大を申請予定。

Viela社は昨年2月にアストラゼネカ・グループのメディミューン社からスピンアウトした。リードコンパウンドがinebilizumabで、メディミューンはMEDI-551と呼んでいた。フコース装飾型抗CD19ヒト化抗体で、今回のP2/3試験の仮説はrituximabの研究者主導試験のデータなどを参考にした、

今回の試験は231人の患者を組入れて増悪発作頻度を偽薬と比較したところ、77%少なかった。二次的評価項目である障害悪化でも有意に小さかった。詳細は今年の学会で発表する計画。この試験の強みはAQP4ステータス陽性だけでなく陰性も組入れたこと。対象人口が2-3割多くなる。

リンク: Viela社のプレスリリース


【承認】


FDAがスプリセルの対象年齢拡大を承認
(2019年1月2日発表)

BMSは、FDAがSprycel(dasatinib、和名スプリセル)の対象年齢拡大を承認したと発表した。17年にフィラデルフィア染色体陽性慢性骨髄性白血病の適応を1歳以上に引き下げることが承認されたが、今回、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ芽球性白血病でも1歳以上となった。

米国連邦政府は予算成立が遅れているため多くの職員が一時帰休している。医薬品の承認審に関しては費用を承認申請者などが拠出しているため影響は小さいはずだが、審査が遅れるようなことがあっても不思議はない。

最初に審査期限を迎えたSprycelの動向が注目されたが、実際には、一時帰休が始まった前日に承認されていたようだ(Drugs@FDA収載の承認通知が12月21日付)。審査期限は12月28日、BMSは1月2日まで承認を発表しなかったため気付かなかった。

リンク: BMSのプレスリリース






今週は以上です。

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