2020年10月8日

第967号(臨時発行)

 

今週はCOVID-19抗体医薬などトピックスが多いので臨時的に発行しました

【ニュース・ヘッドライン】

  • COVID-19:トランプ大統領の入院(備忘録) 
  • COVID-19:イーライリリー、抗体医薬のEUAを申請 
  • COVID-19:EMA、BioNTech/ファイザーのワクチンのローリング審査を開始 
  • 早産予防用のプロゲスチンの承認が終焉へ 
  • アムジェン、G12C変異KRAS阻害剤の第2相が良績に 
  • オプジーボの非小細胞性肺癌ネオアジュバント試験が成功 
  • BMS、メラノーマ術後アジュバント試験でオプジーボ・ヤーボイ併用がフェール 
  • イデベノンのデュシェンヌ筋ジストロフィー試験がフェール 
  • Y-mAbs、FDAがomburtamabの承認申請を受理せず 


【今週の話題】


COVID-19:トランプ大統領の入院(備忘録)
(2020年10月6日時点)

トランプ大統領が感染したのは、ブラジルや英国の首脳の前例があるので、驚きではないが、治療内容と退院の速さには驚かされる。日本でも色々な報道があるが推測だけで根拠のない言説も見られるので、最低限ではあるもののファクト・ファインディングを行って備忘録としたい。以下、日付は現地時間。

COVID-19陽性確認時期:トランプ大統領がツイッターで公表したのは10月2日(金)午前1時ごろ。検査を受けたのは10月1日にヒックス大統領顧問の感染が確認されたことがきっかけ。一部報道によると、10月1日に迅速検査で陽性判定が出たため精度の高い検査を受け、夜分に陽性であることが確認された。

感染時期:不明。疑われているのは9月26日にホワイトハウスの園庭で行われた連邦最高裁判事を指名する式典だ。出席者がマスクは付けずに抱擁したりしていた。8人が後に陽性となった。

入院治療:
10月2日、米軍のWalter Reed National Military Medical Centerに入院。症状は発熱、酸素飽和度が低下し酸素投与を1時間程度実施(複数の報道によると入院前にも投与した)。薬物療法は、主治医の発表によると、リジェネロン・ファーマシューティカルズ(Nasdaq:REGN)の抗体医薬カクテル、REGN-COV2を8mg投与。他に亜鉛、famotidine(ガスターの活性成分)、メラトニン、アスピリンも投与した。同日夕にギリアド・サイエンシズのポリメラーゼ阻害剤、Veklury(remdesivir)の5日コースを開始。
10月3日、再び一時的に酸素飽和度が低下したが、その後は安定的に推移。dexamethasoneの投与を開始。
10月4日、医師団が5日ごろの退院の可能性を指摘。体温は36.7度C、酸素飽和度(室温)は97%と症状が軽快しており、解熱から72時間経過する5日になれば主治医が採用している退院基準を充足する。米国疾病予防管理センターの退院ガイドラインは満たせないが、独自基準と推測される。記者の質問を受け、主治医は、感染診断後少なくとも5~7日間はウイルス放出リスクが高いことは認識していると回答。ウイルス検査陰転の時期(有無)やレントゲン所見については守秘義務などを理由に回答せず。
同日、車で外出し病院の前に集まった支持者に応えて、手を振る。毒ガステロに備えて車外の空気が入らないようにはなっているだろうが、出ないようになっているかは不明。運転席との間の空気循環の有無も不明。運転者や警備員は細菌対策を取っていた由だが、どの程度の強度なのかは不明。
10月5日夕、remdesivir投与の後に退院。病院前の階段を降りる時に手すりに触れたので、おそらく、記者が去った後で消毒しただろう。

退院後:ホワイトハウスはかなりの医療設備を備えている模様で、再び悪化しない限り、対応できる模様。remdesivirの点滴静注は10月6日まで続ける。dexamethasoneはその後も続ける。キリストの復活を模したのかもしれないが、治療が終わったわけではなく、転院と同じようなものか。

remdesivirはEUA(非常時使用認可)されており、dexamethasoneと併用することもNIH(米国立衛生研究所)のガイドラインで選択肢に挙げられている。REGN-COV2も小規模な試験で好ましい結果が出ている。しかし、三剤併用、しかも免疫療法やウイルス増殖抑制療法と免疫抑制剤を組み合わせる便益は明確ではないだろう。

リジェネロンによると、臨床試験以外でREGN-COV2の投与を受けたのは大統領も含めて10人足らず。FDAにEUA(非常時使用認可)を申請中という報道もあるので、近い将来に、米国の一般人も治療を受けられるようになるかもしれない。

COVID-19:イーライリリー、抗体医薬のEUAを申請
(2020年10月7日発表)

イーライリリーは抗COVID-19抗体を二種類開発しているが、LY-CoV555(bamlanivimab、以下、555)をモノセラピーでEUA(非常時使用認可)申請したこと、及び、555とLY-CoV016(etesevimab、以下、016)の併用データを、プレスリリース及びメディア/アナリスト・テレコンファレンスで発表した。効果の高い併用療法は11月にEUA申請の計画で、21年第1四半期には正式な承認申請に必要なデータも揃うとともに生産体制も拡充する見込み。

この二剤はどちらもSARS-COV-2のスパイク蛋白の受容体結合領域に結合するIgG1抗体医薬だが、結合部位が異なり、016はイフェクター機能を緩和する修飾が施されている。

555はカナダのAbCellera Biologicsが米国政府の支援を受けて構築したパンデミック予防プラットフォームを活用してスクリーニングした。イーライリリーは同社と複数の標的に対する抗体医薬の研究開発について提携交渉を進めてきたが、偶々COVID-2が流行したため、555が第一号になった。

016は中国のJunshi Biosciencesが中国科学院微生物研究所とともに創製、中国以外の権利をイーライリリーにライセンスした。

今回公表されたのは、軽中度COVID-19患者を外来治療した第2相試験、BLAZE-1の併用コフォートのデータ。112人に各剤を2800mgずつ投与した。対照群は偽薬を156人に投与。以下、先に発表された555モノセラピー群(三種類の用量を合計309人に投与)のデータと合わせて記述する(モノセラピーの効果はどの用量も大差ないため、プールしても大きな問題はないだろう。尚、モノセラピーと併用を直接比較することはできない)。

主評価項目の第11日ウイルス量は偽薬比で平均0.56 log10減少し統計的に有意。モノセラピーは0.03 log10で有意ではなかった。モノセラピーは第3日や第7日のデータはもうちょっと良いが、両時点とも有意だったのは併用群だけだった。また、併用群は抵抗性変異が偽薬群と比べてそれほど多くなかった。効果の点でも、抵抗性変異誘導リスクの点でも、併用のほうが良さそうに見える。

小規模な試験だが、症状スコアも併用、モノともに偽薬比有意に改善した。COVID-19関連入院/救急治療のリスクは併用群は1人(0.9%)、偽薬群9人(5.8%)、モノは5人(1.6%)。p値は各0.049と0.02だがサンプル数が少ないのであまり重視しないほうが良さそうだ。

治療時発現有害事象は各群、大きな差はなかった。

555モノセラピーのEUA申請は、軽中度で高リスクの患者を想定している。用量は併用試験で採用された2800mgではなく、モノセラピー試験で効果が大差なかった700mgを考えている模様だ。生産体制は一人700mgを前提に10月は10万回分、今四半期中に100万回分を供給できる能力を目指す。

併用は今四半期中に5万回分とのことで、増設が遅れているが、先日発表されたアムジェンとの生産提携などにより、来年第1四半期にはかなり多くを供給できる見込み。併用でも投与量を減らすことができれば、これだけでも4倍に増やせる計算になる。

モノセラピーを承認申請するとは思わなかったが、併用の増産体制が整うまで2~3ヶ月間の繋ぎと考えているのかもしれない。

リンク: 同社のプレスリリース

COVID-19:EMA、BioNTech/ファイザーのワクチンのローリング審査を開始
(2020年10月6日発表)

EMA(欧州薬品庁)は、CHMP(医薬品科学的評価委員会)がBioNTechがファイザーと共同開発しているCOVID-19ワクチンBNT162b2のローリング審査を開始したと発表した。先に開始した、オックスフォード大学が創製しアストラゼネカが共同開発しているAZD1222と同様に、前臨床と初期臨床試験で予防効果が見られたため、第三相試験の結果が提出される前に非臨床データの承認審査を開始するもの。

BNT162b2はウイルスのスパイク蛋白の全長RNAを、宿主細胞の受容体に融合する前の構造を再現できるように一部改変したものを、リピッド・ナノパーティクルに封入した。承認取得を前提に、EUは2億回分(さらにオプションで1億回分)、米国は1億回分(+オプション5億回分)、日本も1.2億回分を調達することで合意している。欧米で開発されているワクチンの中では最も早く、今月後半にも第3相試験の早期データが判明すると予想されている。

リンク: EMAのプレスリリース

早産予防用のプロゲスチンの承認が終焉へ
(2020年10月5日発表)

FDAで小分子薬などを担当するCDERは、AMAG Pharmaceuticals(Nasdaq:AMAG)に対してMakena(hydroxyprogesterone caproate)の承認返上を求めた。2011年に早産予防薬として加速承認したが、市販後確認試験で便益が確認されなかったため。Makenaの承認が返上されるとGE薬の承認も消滅する。調剤薬局も早産予防目的で調剤処方することができなくなる。既にGE化しているためAMAGに与える影響は小さそうだが、医師や患者にとっては悩ましい事態になった。知人が昨年、頸管縫縮術後に毎週3時間かけて(!)通院治療したが、日本など他国でも対応が迫られている。

hydroxyprogesterone caproateは1956年にスクイブ(当時)が米国で早産予防とは異なる用途で米国の販売承認を取得したが、2000年に生産問題を理由に承認返上した。ところが、2013年になって、NIH(米国医療研究所)主導試験の結果がNew England Journal of Medicine誌で論文発表され、一躍注目を集めるようになった。単胎自然早産歴を持つ妊婦の早産(37週未満の出産)率が37%と偽薬群の55%を大きく引き下げることに成功したのである。一般メディアでも取り上げられたこともあり、調剤薬局品がオフレーベルの早産予防目的で広く使われるようになった。

一方で、流産や死産の懸念も浮上したことから、FDAが改めて臨床試験を実施して承認申請することを呼びかけたところ、KV Pharmaceuticalsが応じ、06年に承認申請した。しかし、臨床試験の主評価項目の妥当性などが議論になり諮問委員会の意見も分かれたことから、承認まで5年かかった。早産予防は目的ではなく、新生児の健康を担保するための手段に過ぎないが、KVの臨床試験では便益が確立していないため、FDAは臨床的便益を示唆する代理マーカーに基づく加速承認として扱い、改めて臨床試験で新生児の便益を確認するよう求めた。

この市販後薬効確認試験であるPROLONG試験は、意外なことに、フェールした。主評価項目の新生児疾病罹患・死亡率が5.4%で偽薬群の5.2%と大差なく、副次的評価項目の37週未満の出産率も23%対22%と同程度で米国の施設だけの分析に至っては33%対28%とむしろ高かった。結果が食い違う理由として人種や国籍などが挙げられたが、FDAのファクター分析では便益を享受できそうなサブグループは見つからなかった。

19年10月に開催された諮問委員会では9人の委員が承認取消を支持、7人は再試験を要求すべきと結論した。委員のうち産婦人科の医師は6人中5人が再試験要求を支持した。17年間に及ぶ標準的療法であることや、他に適切な薬物療法がないことから、是非を決するのは困難な状況だった。

それだけに、FDAが承認返上を要求したのはサプライズであると同時に、やむを得ないことでもある。尚、承認取消ではなくメーカー側の自主返上なのは、そのほうが簡便だからで、一般的なやり方である。AMAGは聴聞会を要求することができる。この場合、FDAは開催することもしないこともできる。開催した場合、FDAは承認返上要求を撤回することもしないこともできる。要求してAMAGが応じなかった場合、FDAは承認取消に動くだろう。この場合、AMAGが不服申立て、そして裁判所に提訴する可能性もある。したがって、MakenaやGE薬がいつまで流通するかは不透明である。

さて、Makenaと同様にMakenaの販売会社も紆余曲折した。古くから使われている薬を新薬として高い値段で売るビジネスモデルは米国で流行しているが、やりすぎると反発を買う。KVは1回分が1500ドルと調剤薬局品の100倍の値段で発売したが、政治家の介入を招き、調剤薬局品の流通を止めさせることができなかったため売り上げが伸びず、12年に破産法を申請する顛末になった。

AMAGは14年にKVの事業の一部を取得、16年に新製剤の承認を取得して遂に調剤薬局品の駆逐に成功したが、やがてオリジナルの製剤がGE化し、19/12期の売上高は1.2億ドル、前期比62%とじり貧になった。AMAGは他の事業も伸び悩み、今月、Covisが5億ドルで買収することで合意した。薬品業界では国破れて山河在り、ならぬ、企業敗れて薬品在りという事例が珍しくないが、Makenaは両方倒れてしまった。

リンク: FDAのプレスリリース
リンク: 同(質疑集)
リンク: AMAGのプレスリリース


【新薬開発】


アムジェン、G12C変異KRAS阻害剤の第2相が良績に
(2020年10月5日発表)

アムジェンは、AMG 510(sotorasib)の第1/2相試験の第2相ポーションがポジティブな結果になったと発表した。FDAなどの承認審査機関と承認申請の道筋に関して相談する予定。データは21年1月のIASLC(国際肺癌会議)で発表する考え。

AMG 510はG12C変異のあるKRASに特異的不可逆的に結合、阻害する経口剤。この変異は非小細胞性肺癌(NSCLC)の13%、結腸直腸癌の3-5%、その他の癌の1-2%程度で見られる。KRAS-G12C変異がドライバー・ミューテーションである癌は米国で年3万人が罹患と推定されている。

今回のCodeBreak 100試験はKRAS-G12C変異陽性癌を組入れた用量漸増試験。第2相ポーションでは二次までの治療歴を持つ進行NSCLC126人に960mg/日を投与してORR(客観的反応率)を検討した。結果は第1相ポーションの同用量を投与したコフォートのORRと同程度だった由。New England Journal of Medicine誌で刊行された第1相ポーションの論文によると、ORRは35.3%で、G3以上の治療関連有害事象発現率は18%だった。

リンク: アムジェンのプレスリリース

オプジーボの非小細胞性肺癌ネオアジュバント試験が成功
(2020年10月7日発表)

BMSは、Opdivo(nivolumab)の第3相CheckMate-816試験が成功したと発表した。切除可能な非小細胞性肺癌の患者358人を組入れて、白金薬などによるネオアジュバント(術前補助)療法にOpdivo(360mgを3週毎に最大3サイクル投与)を追加する効果を化学療法だけと比較した試験で、主評価項目の一つであるpCR(病理学的完全反応)を達成した。

もう一つのEFS(イベント・フリー生存期間)の解析が残っているため、試験は続行する。BMSによると、非小細胞性肺癌の6割は診断時には転移がなく手術で治癒するが、30-55%が再発するとのこと。

免疫チェックポイント阻害剤の非小細胞性肺癌ネオアジュバント試験が成功したのは初めて。MSDなどライバルも治験中で、早晩結果が出るだろう。

尤も、EFS延長効果が確認されるまで予断は許されないのではないか?本試験はオープンレーベルなので、pCRとEFSが相関するのならば、pCRの結果を公表してEFSの判定にバイアスを与えるようなことはしないはずだ。

リンク: BMSのプレスリリース

BMS、メラノーマ術後アジュバント試験でオプジーボ・ヤーボイ併用がフェール
(2020年10月2日発表)

BMSはCheckMate-915試験のintent-to-treatベースの解析がフェールしたと発表した。昨年結果が出た、PD-L1陰性サブグループだけの解析もフェールだったので、意外感は小さい。オプジーボだけで十分ということになる。

この試験は、IIIb期からIV期までの悪性黒色腫を完全切除した患者を組入れたアジュバント(術後補助療法)試験で、併用群はOpdivo(nivolumab;240mg)を2週毎に、Yervoy(ipilimumab;1mg/kg)は6週毎に投与し、実薬対照群はOpdivo(480mg)を4週毎に投与して、無再発生存期間を比較した。

OpdivoはPD-L1の受容体であるPD-1をブロックする作用機序なので、幾つかの癌ではPD-L1陽性癌のほうがよく反応する。併用レジメンの長所はPD-L1陰性のほうが発揮されやすい、または陰性も陽性も同じであろうから、陰性サブグループの解析がフェールした以上、陽性も含めた解析に期待するのは難しかった。。

リンク: BMSのプレスリリース

イデベノンのデュシェンヌ筋ジストロフィー試験がフェール
(2020年10月6日発表)

Santhera Pharmaceuticals(SIX: SANN)は武田薬品が90年代に認知症治療薬アバンとして販売していたことがあるコエンザイムQ10類縁体、idebenoneをライセンスして様々な用途に開発し、遂に15年に欧州でレーバー遺伝性視神経萎縮症治療薬Raxoneとして販売承認を得た。16年にはデュシェンヌ筋ジストロフィー(DMD)治療薬Puldysaとして承認申請を行ったが、効能が呼吸機能限定的で筋力や運動機能、QOLなどは改善しないことや、治験のデザインや実施内容にも懸念があることから、承認されなかった。

欧州では追加データを基に再承認申請したが、米国はFDAの求めに応じてSIDEROS試験を開始。呼吸機能が低下しステロイド治療を受けている患者に追加投与して%努力肺活量の改善を試みたが、中間薬効解析で無益性が認定された。

同社は欧州での申請撤回とDMD用途の開発中止を決めた。リストラを断行し、経営資源を同じくDMD治療薬として開発しているvamoroloneなどに集中する考え。

リンク: 同社のプレスリリース


【承認審査・委員会】


Y-mAbs、FDAがomburtamabの承認申請を受理せず
(2020年10月5日発表)

Y-mAbs Therapeutics(Nasdaq:YMAB)は8月に8H9(omburtamab)を小児神経芽腫の中枢神経系/軟髄膜転移の治療薬としてFDAに承認申請したが、受理されなかった。CMC(化学、製造、管理)や臨床試験に関する情報が不十分と指摘されたようだ。FDAとタイプAミーティングを持ち、年内に第2相試験の追加症例データなどを提出して再申請する考え。

8H9はMemorial Sloan Kettering Cancer Centerからライセンスしたチェックポイント阻害剤で、腫瘍細胞が発現するB7-H3に結合する抗体にヨウ素131を結合したもの。外来治療が可能。ピボタル第2相試験では、4週サイクルで第1週に50ミリキュリーを脳室内投与し、必要かつ忍容なら2サイクル施行した(但し日本の施設では5週サイクルで第1週に2ミリキュリー、第2週に50ミリキュリーを投与し、必要かつ忍容なら2サイクル施行)。データは未発表。

Y-mAbsの創業者で会長兼社長のThomas Gadは娘が2歳の時に高リスク神経芽腫と診断され、同社が4月に米国で承認申請し6月に受理されたnaxitamabのひな型となったマウス抗体で治療を受けた。4歳ごろに再発したがomburtamabによる治療が奏功し、15歳の今日まで無病で来ているとのこと。Amicus Therapeutics(Nasdaq:FOLD)のJohn F. Crowley会長兼CEOも難病の娘を助けるためBMSを辞めて有望な開発品や研究者、そして資金提供者を探し、承認まで漕ぎつけたことで著名だ。誰にでもできることではなく、苦戦している経営者兼患者家族もいるが、Y-mAbsはあと一歩だ、Crowley、Gadの後に続く人たちが勇気づくよう頑張ってほしい。

リンク: 同社のプレスリリース





今回は以上です。

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