2023年3月26日

第1095回

 

【ニュース・ヘッドライン】

  • 高量リベルサスを承認申請へ 
  • デュピクセントはCOPDにも有効 
  • 難治痛風用新薬の第3相が成功スキリージの潰瘍性大腸炎試験が成功 
  • 抗CLDN18.2抗体の二本目の第3相も成功 
  • AAD:デルゴシチニブ クリームの手湿疹試験が成功 
  • AAD:ビンゼレックスの化膿性汗腺炎試験が成功 
  • Karuna、二本目の統合失調症試験も成功 
  • 骨化性線維異形成症用薬を再承認申請 
  • ジャカビの徐放性製剤は審査完了に 
  • ヴィアレブは米国では承認お預け 
  • FDA諮問委員会、ある種のALS用の新薬を支持 
  • 初のAPDS治療薬が承認 
  • 新規エキノカンジンが承認 
  • インサイトの抗PD-1抗体もメルケル細胞腫に承認 


【新薬開発】


高量リベルサスを承認申請へ
(2023年3月24日発表)

ノボ ノルディスクは経口二型糖尿病薬Rybelsus(semaglutide)の高量投与試験の成績を発表した。過去の用量変動試験と同様に血糖降下作用も体重削減作用も承認用量を上回った。年内に欧米で承認申請する予定。GLP-1作用剤semaglutideは肥満症用途の需要が旺盛でついこの間まで供給不足状態にあった。そのせいか、ノボは製品ポートフォリオにおける優先順位や生産能力を踏まえてロールアウトの時期を決定する考えだ。

この後期第3相PIONEER PLUS試験は、1~3種類の経口糖尿病薬を服用しても血糖値を十分に管理できない二型糖尿病患者を組入れて、承認最大用量である14mg、25mg、または50mgを一日一回追加投与して52週間のHbA1c低下を比較した。GLP-1作用剤は催吐性があるため用量漸増方式を採用した(4週間おきに3mg→7mg→14mg→25mg→50mg)。

血糖降下剤の治験成績はTrial Product EstimandベースとTreatment Policy Estimandの両方が開示されるケースが増えたが、従来方式である前者の解析結果は、HbA1c(ベースラインは9.0%)が各群1.5%、1.9%、2.2%低下し、高用量二群は夫々承認用量群を有意に上回った。体重(同96.4kg)は各4.5kg、7.0kg、9.2kg低下し、有意差があった。

投与中止例や他剤スイッチ/追加後も追跡計測する後者のベースでは、HbA1cは各群1.5/1.8/2.0%低下、体重は4.4/6.7/8.0kg低下で、何れも有意差があった。

有害事象や、50mgに増量できた患者の比率、薬効解析症例数などは不明。

リンク: 同社のプレスリリース


デュピクセントはCOPDにも有効
(2023年3月23日発表)

Regeneron Pharmaceuticals(Nasdaq:REGN)とサノフィは抗IL-4受容体アルファ・サブユニット抗体、Dupixent(dupilumab)の最初の第3相難治COPD試験、BOREASで主目的を達成したと発表した。バイオ薬では初。二本目のNOTUS試験は24年に開票の見込み。

この試験はトリプル・セラピーでも管理不良の中重度COPDで血中好酸球数が300セル/mcL以上の、喫煙者または喫煙歴を持つ40~80歳の患者939人を偽薬群と試験薬群に無作為化割付けして2週毎投与を52週間実施し、急性中重度COPD増悪の年率頻度を比較した。試験薬群のほうが30%低く、p値は0.0005と増悪予防試験としてはかなり低い値が出た。第12週と52週のFEV1肺活量やSGRQ総合スコアで評価したQOL、呼吸器症状などの副次的評価も達成した。

両社のプレスリリースにはdirect to phase threeと記されているので後期第2相なりPOC試験なりをスキップして第3相を開始したのだろう。喘息症に有効ならCOPDにも効きそうな気がするが、例えば抗IL-5抗体の第3相はフェールしたことを考えると、不振の三冠王を使い続けるような勇気が奏功した。

リンク: 両社のプレスリリース


スキリージの潰瘍性大腸炎試験が成功
(2023年3月23日発表)

アッヴィは抗IL-23p19抗体Skyrizi(risankizumab-rzaa)の第3相潰瘍性大腸炎試験、INSPIREで寛解導入評価項目を達成したと発表した。寛解維持期の効果を確認したうえで適応拡大申請に向かうと推測される。

バイオ薬やJAK阻害剤、S1P受容体調節剤を含む既存薬に不耐または応答不十分な中重度活性期潰瘍性大腸炎の患者を組入れて、偽薬または1200mgを第0、4、8週に静注したところ、各群の12週時点の寛解率が6.2%と20.3%となり、有意な差があった。尚、寛解の判定はAdapted Mayo Scoreに基づいて排便頻度、直腸出血、内視鏡的などを評価した。副次的評価項目もすべて有意差が見られ、内視鏡的改善率は各群12.1%と36.5%だった。

リンク: 同社のプレスリリース


難治痛風用新薬の第3相が成功
(2023年3月21日発表)

米国のSelecta Biosciences(Nasdaq:SELB)と開発販売パートナーのSwedish Orphan Biovitrum(SOBI)は、SEL-212の第3相慢性痛風試験が二本とも良好な結果になったと発表した。24年上期に米国で承認申請する予定。

SEL-212はSEL-037(pegadricase/USAN、pegsiticase/INN)とSEL-110.36(ナノパーティクル化rapamycin)の併用法。尿酸分解酵素を点滴静注する前に後者を点滴静注することで免疫応答を抑制し、前者に対する抗体が生じて治療の妨げにならないようにする。

第3相はキサンチン酸化酵素阻害剤に十分応答しない、または不耐の症候性患者を一群40~50人ずつ組入れて、奏効率(第6月に血清尿酸値を6回検査し、その80%以上で6mg/dL未満であった患者の比率)を偽薬と比較した。SEL-037の用量は0.2mg/kg、SEL-110.36は0.1mg/kg(低用量群)または0.15mg/kg(高用量群)を28日毎に投与した。尿酸値のベースライン平均値は8mg/dL強だった。

結果は、DISSOLVE I試験では偽薬群4%、低用量群48%、高用量群56%となり二用量とも有意に上回った。DISSOLVE II試験も各群12%、41%、47%となり有意に上回った。有害事象は口内炎や点滴反応、感染症がやや増加した。深刻有害事象発生率は各群2.2%、18.2%、6.9%だった。尿酸溶解剤で散見される痛風フレアは発生しなかった。

リンク: 両社のプレスリリース(GlobeNewswire)


抗CLDN18.2抗体の二本目の第3相も成功
(2023年3月22日発表)

アステラス製薬はzolbetuximabの第3相GLOW試験が良好な結果になったことを昨年12月に公表したが、詳細を発表した。SPOTLIGHT試験とは異なる併用レジメンに追加する便益を検討したもので、メジアン生存期間が2ヶ月程度増加した。承認申請の予定。

今を時めくBioNTechの共同創設者であるCEOのUgur SahinとCFOのOzlem Tureciの夫妻が設立したGanymed Pharmaceuticalsを16年に買収して入手した抗体医薬で、胃・食道胃接合部腺癌の38%程度で高発現しているCLDN18.2を標的とする。第3相はCLDN18.2陽性、her2陰性の切除不能局所進行性または転移性胃・食道胃接合部腺癌の一次治療を受ける患者を組み入れて、先に成功したSPOTLIGHT試験ではmFOLFOX6レジメンに、今回のGLOW試験ではCAPOXレジメンに、追加した。

主評価項目のPFS(無進行生存期間)のハザードレシオはSPOTLIGHT試験が0.75、GLOW試験は0.69で、メジアン値の差は1~2ヶ月だった。副次的評価項目である全生存期間のハザードレシオは0.75と0.77でメジアン値の群間差は2~3ヶ月と、まあまあ似たような結果になった。

リンク: 同社のプレスリリース(和文)


AAD:デルゴシチニブ クリームの手湿疹試験が成功
(2023年3月18日発表)

デンマークのLEO PharmaはJTからライセンスしたJAK阻害剤、delgocitinibの第3相中重度手湿疹試験、DELTA 1の成績をAAD(米国皮膚科学会)で発表した。二本目も成功発表されており、延長試験で長期忍容性を確認し次第、承認申請に向かうのではないか。

日本では20年1月にJT/鳥居薬品がコレクチム軟膏0.25%としてアトピー性皮膚炎に承認取得している。LEOの英文プレスリリースはcreamと記されているので製剤が異なるのかもしれない。今回の試験では450人を試験薬群(2mg/g)と偽クリーム群に2対1割付けして一日二回、16週間治療し、奏効率(IGA-CHEが0または1に改善し、かつ、ベースライン比2段階以上改善した患者の比率)を比較したところ、各群19.7%と9.9%となり、有意な差があった。有害事象や深刻有害事象は両群大差なかった。

リンク: LEOのプレスリリース


AAD:ビンゼレックスの化膿性汗腺炎試験が成功
(2023年3月18日発表)

UCBはBimzelx(bimekizumab)の第3相中重度化膿性汗腺炎試験二本の結果をAADで発表した。寛解導入期の第16週奏効率(膿瘍や炎症性結節を評価するHiSCRスコアが半減した患者の比率)の解析で、偽薬群、320mg4週毎皮下注群、同2週毎皮下注群が一本では各28.7%、45.3%、47.8%、もう一本では32.2%、53.8%、52.0%となり、二用法とも偽薬を有意に上回った。第3四半期に適応拡大申請する予定。

BimzelxはIL-17AとIL-17Fの二重特異性抗体で、欧日で中重度プラク乾癬などに承認されている。

リンク: 同社のプレスリリース(PR Newswire)


Karuna、二本目の統合失調症試験も成功
(2023年3月20日発表)

Karuna Therapeutics(Nasdaq:KRTX)はKarXTの第3相統合失調症急性期治療試験、EMERGENT-3がポジティブな結果になったと発表した。本年央に米国で承認申請する計画。

KarXTはムスカリンM1・M4受容体アゴニストのxanomelineと過活動膀胱治療薬として用いられている末梢性ムスカリン受容体アンタゴニストのtrospiumの併用法。一日二回、漸増法で5週間、経口投与する。一本目ではPANSSの低下が21.2ポイント、偽薬群は11.6ポイントで、コーエン法によるイフェクト・サイズは0.61と非定型向精神薬並みだった。陽性症状、陰性症状の両方に有効だった。

今回の試験もPANSS低下が20.6ポイント対12.2ポイント、コーエンのイフェクト・サイズは0.60と似たような結果になった。陽性症状には有効、陰性症状は有意水準には達しなかったが第4週時点は有意な差があったとのことなので、有効と無効の境界線上なのだろう。

治療時発現深刻有害事象やそれによる治験離脱率は両群大差なかったようだ。血圧上昇や失神リスクは見られなかったが心拍数上昇は見られた。

イーライリリーがLY 246708としてアルツハイマー病向けなどに開発したコンパウンドを、担当者が退社して設立したKarunaがライセンスしたもの。リリーの試験では失神などが発生し、過半が有害事象で治験離脱したことを考えれば、だいぶ改善している。延長試験で忍容性等を検討しているので、承認申請される頃には長期投与時の安全性も明らかになるだろう。

リンク: 同社のプレスリリース(pdfファイル)

【承認申請】


骨化性線維異形成症用薬を再承認申請
(2023年3月16日発表)

イプセンはpalovaroteneを米国で進行性骨化性線維異形成症(FOP)用薬として承認申請し受理されたと発表した。審査期限は8月16日。

ロシュ由来のレチノイン酸受容体で19年にカナダのClementia Pharmaceuticalsを買収して入手、21年5月に米国で承認申請したが撤回、翌年6月に再び申請したが12月に審査完了通知を受領した。理由は不明だが、14歳未満の患者で成長板早期閉鎖リスクが見られ治験の対象外となった経緯や、臨床試験のエビデンスが強固でないことなどが思い当たる。EUでも申請されたが、CHMPは、成長板早期閉鎖はレチノイドの既知の副作用と指摘し、薬効のエビデンスも事前に設定された解析はフェールし事後的分析に基づくものであるため、否定的意見を表した。一方で、CHMPは再審査請求を受諾し、カナダは女性は8歳以上、男性は10歳以上に承認した。

リンク: イプセンのプレスリリース(GlobeNewswire)

【承認審査・委員会】


ジャカビの徐放性製剤は審査完了に
(2023年3月23日発表)

インサイト(Nasdaq:INCY)はruxolitinibの徐放性製剤を米国で承認申請していたが、審査完了通知を受領した。原因は明確ではない。

一日一回服用する錠剤で、一日二回服用する承認製品と生物学的同等性試験で曝露のAUC(曲線化面積)が同等だったとのことだが、報道によると、CMax(最大曝露量)は同等ではなかったようだ。FDAは他のJAK阻害剤に関して感染症や癌、血栓性疾患のリスクを警告している。本剤は用途や審査担当部署が異なることもあり警告していないが、クラス・イフェクトの可能性もあるだろうから、AUCだけでは足りないと考えたのかもしれない。

リンク: 同社のプレスリリース


ヴィアレブは米国では承認お預け
(2023年3月22日発表)

アッヴィはABBV-951(foslevodopa、foscarbidopa)を進行パーキンソン病用薬として開発し、日本では昨年12月にヴィアレブとして承認されたが、米国は審査完了通知を受領した。ポンプに関する追加情報を求められた。可能な限り早く追加申請する予定。

レボドパとカルビドパのプロドラッグを24時間持続皮下注する製品。経口剤を服用しても症状管理が不十分な患者を組入れて12週間治療した第3相試験で、良質オンタイム(パーキンソン症状が現れず副作用であるジスキネジアも煩わしくなかった時間)が2.7時間と経口剤群の1.0時間を上回った。

同社は経皮内視鏡的胃瘻増設術で設置したチューブを通じて経口液製剤を16時間連続投与するDuopaをラインアップしているが、今回の製品のほうが非侵襲的。

リンク: 同社のプレスリリース


FDA諮問委員会、ある種のALS用の新薬を支持
(2023年3月22日発表)

FDAは末梢中枢神経系用薬諮問委員会を招集し、バイオジェンがSOD1変異のある筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬として承認申請したBIIB067(tofersen)について意見を聞いた。9人の委員全員が血漿ニューロフィラメント軽鎖(NFL)量を削減する効果に基づいて加速承認することを支持した。一方、加速承認ではなく本承認する当否は、賛成3人、反対5人、棄権1人と意見が分かれた。FDAは本承認に傾いている様子だが、どうだろうか。審査期限は23年4月25日。

SOD1(スーパーオキシドディスムターゼ1)の機能獲得型変異はALS患者の2%、米国では300人程度で見られる。tofersenはSOD1のmRNAに結合し分解を誘導するアンチセンス・オリゴヌクレオチド。18年にIonis Pharmaceuticals(Nasdaq:IONS)からライセンスした。第3相試験では108人を試験薬群と偽薬群に2対1割付けして病状進行を遅らせる効果を検討した。症状はALSFRS-R(0~48点で評価、数値が小さいほうが重い)で評価。主評価項目は早い進行が予想されるサブグループが対象。被験者の6割が承認薬であるriluzoleを、5%が同じくedaravoneを、並行して用いていた。

28週間のALSFRS-R低下は7.0対8.1で群間差は1.2、p=0.97だった。パーセントで言えば低下が2%少ない程度だった。副次的評価項目もフェールした。しかし、FDAはNFLが大きく低下したことや、延長試験期間も含めた試験薬群(継続投与)と偽薬群(28週後に試験薬にスイッチ)のintent-to-treatベースALSFRS-R低下が6.0と9.5、群間差3.5と28週時点の2.1から拡大したことを重視し、加速承認または本承認に前向きだ。

正確に言うと、前向きなのは承認審査を主導する臨床的薬理学部門で、生物統計学部門は、薬効のエビデンスが後顧的解析で事前に設定された解析はすべてフェールしたことや、NFL量と病状の関連性も後付けに過ぎないことから、後ろ向き。サロゲート・マーカーに基づく加速承認審査においてしばしば見られる意見の対立だ。

アルツハイマー病薬とは異なり余命の短い超希少疾患なのできちんとした薬効のエビデンスを構築するのは実務的にも、倫理的にも、ハードルが高い。FDAは日本のエビデンスに基づいてedaravoneを承認した実績もあり、加速承認か本承認かは兎も角、承認されるのではないか。

リンク: バイオジェンのプレスリリース

【承認】


初のAPDS治療薬が承認
(2023年3月24日発表)

FDAはPharming(Euronext Amsterdam:PHARM)のJoenja(leniolisib)を初めてのAPDS(活性化PI3Kデルタ症候群)治療薬として承認した。12歳以上の患者が適応になる。体重45kg以上の患者には70mgカプセルを一日二回、経口投与する。45kg未満の患者に対する推奨用量は存在しない(!?)

APDSは100万人に1~2人の希少原発性免疫不全。白血球の成熟に係わるPI3Kデルタの遺伝子変異により免疫細胞の成熟が妨げられる。感染症やリンパ増殖、リンパ腫などを合併するリスクがある。

Joenjaはノバルティスから導入したPI3Kデルタ阻害剤。31人を2対1割付けして12週間投与した第3相偽薬対照試験でリンパ節腫脹や全B細胞に占めるナイーブB細胞の比率が有意に改善した。被験者の6~7割はステロイド且つ又IgGを同時使用していた。

リンク: FDAのプレスリリース


新規エキノカンジンが承認
(2023年3月24日発表)

Cidara Therapeutics(Nasdaq:CDTX)と米国における商業化権を持つMelinta Therapeuticsは、FDAがRezzayo(rezafungin)を成人のカンジダ血症と侵襲性カンジダ症の治療薬として承認したと発表した。他に適切な治療法がない、または限られている場合だけに投与することができる。

週一回静注した第3相試験で、30日前死亡率が23.7%とcaspofunginベースの標準療法群を施行した群の21.3%を数値上上回ったが、差の95%上限が14.4ポイントと非劣性マージンの20%を下回ったため、非劣性が認定された。EMAが好む評価方法である14日総合的治癒率は各群59.1%と60.6%で数値上下回ったが、差の95%下限は-14.9ポイントで非劣性マージンを上回り、非劣性認定された。

FDAは抗生剤の非劣性マージンを10%に置くよう求めることが多いが、他に治療方法がない、または限られている場合だけの限定使用適応ならば20%に緩めても可と考えているようだ。1月の微生物薬諮問委員会では15人の委員のうち14人が承認を支持した。caspofunginベースの標準療法では14~28週間の治療期間中に改善したら退院して経口剤による治療を続けるケースもある模様だが、耐性や薬物相互作用によりスイッチできなかったり、医療保険でカバーされなかったりすることもあるらしく、週一回、4週間入院治療する薬のほうが簡便という面もあるようだ。

rezafunginはEUでも昨年8月に承認申請が受理された。米日以外はMundipharmaが販売する予定。日本はまだCidaraが権利を留保している。

リンク: 両社のプレスリリース(Business Wire)


インサイトの抗PD-1抗体もメルケル細胞腫に承認
(2023年3月22日発表)

FDAはインサイト(Nasdaq:INCY)のZynyz(retifanlimab-dlwr)をメルケル細胞腫用薬として加速承認した。転移性または難治局所進行性で初めて全身性治療を受ける患者に、500mgを4週毎に30分点滴静注する。65人の患者を組入れた単群試験でORR(客観的反応率、独立中央評価)が52%、完全反応率は18%だった。反応した患者の62%は1年以上持続した。深刻有害事象発生率は22%で、疲労、不整脈、間質性肺炎など。

メルケル細胞腫は皮膚がんの一種で、無痛性の赤/紫色の結節が頭頚部や腕の日射に曝露する部位で発生する。転移すると余命はあまり長くない。Zynyzと同じ抗PD-1抗体であるMSDのKeytruda(pembrolizumab)が18年に適応拡大している。治験でORR56%、完全反応率24%、54%が1年以上反応持続と同じような結果になっている。

インサイトは17年にMacroGenics(Nasdaq:MGNX)からライセンスした。

リンク: FDAのプレスリリース
リンク: インサイトのプレスリリース





今週は以上です。

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