2024年11月9日

第1080回

 

【ニュース・ヘッドライン】

  • FDA、経口フェニレフリンをOTC薬から除外へ 
  • テゼスパイアの副鼻腔炎試験が成功 
  • Intra-Cellular Therapies、ポスト・マーケティング試験が成功 
  • ASH:新規CAR-Tの承認申請用多発骨髄腫試験が良好に推移 
  • ASH:BTK阻害剤のITP試験が成功 
  • サレプタ、ペプチド結合DMD薬の開発を中止 
  • 中国企業がEGFR阻害剤を承認申請 
  • JNJ、ダラキューロをくすぶり型多発性骨髄腫に適応拡大申請 
  • HAEのアンチセンス薬を承認申請 
  • Merus、her2xher3二重特異性抗体の審査期間が延長 
  • 新規CAR-Tが承認 
  • 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会 


【今週の話題】


FDA、経口フェニレフリンをOTC薬から除外へ
(2024年11月7日発表)

FDAは、フェニレフリン塩酸塩とフェニレフリン酒石酸塩を経口OTC薬の配合成分として認めない旨の法令案(proposed order)を連邦官報で公開した。パブコメは25年5月7日まで。その後、最終決定することになりそうだ。

鬱血除去剤は風邪薬やアレルギー用薬の配合成分として広く用いられているが、あまり良い記憶がない。PPA(phenylpropanolamine)は脳卒中のリスクが高まることが判明、pseudoephedrineに切り替えが進んだが、2003年頃から不適切使用が問題になり、処方は不要だが薬剤師の説明を受けた上で所定の数量だけ購入できるbehind-the-counter薬化された。代わりにover-the-counter薬の主役に立ったのがphenylephrineで、22年の販売量は2.4億箱/ボトルとpseudoephedrineの5倍近くに達している。

ところが、07年以降に実施された季節性アレルギー鼻炎などの症状改善試験が三本ともフェールした。経口投与時の生物学的利用率が従来言われていた38%と全く異なる1%足らずであることが判明し、10~40mgを4時間毎経口投与するだけでは足りないことが原因と考えられている。FDAは23年9月に諮問委員会を招集し意見を求めたが、全員が薬効なしと判定した。用量を増やして再試験するのは、副作用が増える可能性があることや、代替品もあることから、すべての委員が反対した。

総合感冒薬は他の活性成分を配合するか、鬱血除去剤は配合しないかの選択になる。点鼻用のphenylephrineは、従来通り、販売可能。

リンク: FDAのプレスリリース
リンク: FDAの法令案

【新薬開発】


テゼスパイアの副鼻腔炎試験が成功
(2024年11月8日発表)

アストラゼネカとアムジェンは、夫々、Tezspire(tezepelumab-ekko)が第3相CRSwNP(鼻ぽりーぶを伴う慢性副鼻腔炎)試験で主目的を達成したと発表した。データは学会などで発表する。適応拡大申請も行うだろう。

TSLP(胸腺間質リンパ球増殖因子)に結合する抗体で、21~22年に米欧日で管理不良重症喘息症用薬として承認された。今回のWAYPOINT試験は成人の点鼻ステロイド不応重度CRSwNPを対象に、ポリープのサイズや鼻詰まりを改善する効果を検討した。

難治CRSwNPではRegeneron Pharmaceuticalsの抗IL-4Rサブユニット抗体Dupixent(dupilumab)が19~20年に、GSKの抗IL-5抗体Nucala(mepolizumab)が21~24年に、夫々、米欧日で承認されており、どれを最初に使うべきか、悩ましくなってきた。

リンク: アストラゼネカのプレスリリース


Intra-Cellular Therapies、ポスト・マーケティング試験が成功
(2024年11月5日発表)

Intra-Cellular Therapies(Nasdaq:ITCI)はCaplyta(lumateperone)の第3相維持療法試験(304試験)で主目的を達成したと発表した。19年に米国で成人の統合失調症治療薬として承認された時にコミットした試験で、Caplytaによる治療に応答した228人を偽薬スイッチ群と継続投与群に無作為化割付けして症状再発リスクを26週間に亘り比較したもの。結果は、ハザードレシオが0.37、各群の再発リスクは38.6%と16.4%となり、長期継続投与の有効性が示された。

Caplytaは5-HT2A受容体とドパミンD2受容体のアンタゴニスト。承認のエビデンスは第3相二本のうち一本と後期第2相。双極性障害に伴う鬱病を治療した第3相も二勝一敗となり21年に米国で承認された。鬱病試験は二本とも成功し、適応拡大申請の予定。

リンク: 同社のプレスリリース


ASH:新規CAR-Tの承認申請用多発骨髄腫試験が良好に推移
(2024年11月5日発表)

米国カリフォルニア州の医薬品開発会社、Arcellx(Nasdaq:ACLX)は、12月に開催されるASH(米国血液学会)の抄録が公開されたのを受けて、CART-ddBCMA(anitocabtagene autoleucel)の承認申請用第2相iMMagine-1試験の途中経過を公表した。

CART-ddBCMAはBCMAを標的とするキメラ抗原受容体-T細胞療法で、短鎖可変領域抗体フラグメントに代えて免疫原性が低く安定的な合成タンパク、Dドメインを、4-1BB、CD3ゼータと共にT細胞に導入している。

当試験は異なった作用機序を持つ3種類以上の医薬品による治療歴を持つ患者110人を組入れる計画だが、今回は58人のデータ。ORR(全般的反応率、独立評価委員会方式)は95%、CR/sCR(完全反応/厳格完全反応)は62%で、先行類薬と見比べても良好だ。G3/4サイトカイン放出症候群(CRS)は発生せず、G3のICANSの発生率も2%に留まった。但し、有害事象による死亡が3人あり、原因は後腹膜出血、CRS、真菌感染症となっており、一部は試験薬関連とのこと。CRSはG3/4はなかったがG5があったということなのだろうか?

同社はギリアド・サイエンシズの子会社のKite Pharmaと共同開発商業化提携を結んでおり、米国では共同販売、米国外はKiteが販売する計画。

リンク: Arcellxのプレスリリース
リンク: Freemanらの抄録(ASH 2024、No. 1031)


ASH:BTK阻害剤のITP試験が成功
(2024年11月5日公開)

サノフィは4月にSAR444671(rilzabrutinib)の第3相免疫性血小板減少症(ITP)試験が成功し今年下期に欧米で承認申請する計画であることを明らかにしたが、ASH(米国血液学会)の抄録が公表され、概要が明らかになった。このLUNA3試験はメジアン4治療歴を持ち既存治療不応の慢性ITP患者に偽薬または400mgを一日二回経口投与し、持続的血小板反応(24週の治療期間の後半12週中8週以上で血小板数が50000/マイクロリットル以上)を比較した。偽薬群はゼロだったが試験薬群は23%が達成した。試験薬群はレスキュー治療や出血のリスクが低下し、身体疲労も改善した。12月8日にPlenary Scientific Sessionで詳細発表される予定。

SAR444671は20年にPrincipia Biopharmaを37億ドルで買収して入手した、高度選択的、可逆的、共有結合性のBTK阻害剤。天疱瘡の第3相はフェールした。喘息症でも第3相に進む予定。

リンク: Kuterらの抄録(ASH 2024、No. 5)


サレプタ、ペプチド結合DMD薬の開発を中止
(2024年11月6日発表)

Sarepta Therapeutics(Nasdaq:SRPT)は、24年第3四半期決算発表に合わせて、SRP-5051(vesleteplirsen)をはじめとするPPMO(ペプチド結合フォスフォロジアミデート・モルフォリノ・オリゴマー)技術に基づく化合物の開発を中止すると発表した。低マグネシウム血症のリスクが見られたため。

SRP-5051は、16年に米国でエクソン51スキップに応答するデュシェンヌ型筋ジストロフィーの治療薬として承認されたExondys 51(eteplirsen)と同様な、エクソン51スキップ薬。PMOにペプチドを結合して組織浸透性を高め、効果や持続性を向上するPPMO技術のリード・コンパウンドだ。第2相試験でWestern blot法によるジストロフィン発現がExondys 51群より大きく増加し注目されたが、深刻な低マグネシウム血症が1名で発生、22年にFDAが治験停止を命じた。検査強化などを導入し再開が認められたが、一度発生すると投与を止めても持続することや、FDAが早期の加速承認申請に後ろ向きであることを考慮し、開発中止を決めた。

リンク: 同社の24年第3四半期決算プレスリリース

【承認申請】


中国企業がEGFR阻害剤を承認申請
(2024年11月8日発表)

中国のDizal Pharmaceutical(SHEX:688192)は米国でDZD9008(sunvozertinib)をEGFRにエクソン20挿入変異を持つ局所進行/転移非小細胞性肺癌用薬として承認申請した。白金ベースの化学療法に不応/再発した患者が対象。今年のASCO(米抗臨床腫瘍学会)発表によると、中国や米国、日韓などで実施された第2相WU-KONG1B試験で、cORR(確認客観的反応率、独立評価委員会査読)が41%、完全反応率は3%だった。メジアン追跡期間が5.5ヶ月と短く、反応持続期間は未だメジアン値に達していない。治療時発現有害事象は下痢、ラッシュ、クレアチンフォスフォキナーゼ値上昇など。同適応症の第3相一次治療化学療法対照試験が進行中(日本の施設は参加していない)。

DZD9008は選択的不可逆的EGFR阻害剤。上記試験では200mgもテストしたが、300mg一日一回が至適用量とのこと。中国では別の試験に基づき23年8月に同適応症で条件付き承認された。

リンク: 同社のプレスリリース(PR Newswire)


JNJ、ダラキューロをくすぶり型多発性骨髄腫に適応拡大申請
(2024年11月8日発表)

ジョンソン・エンド・ジョンソンは抗CD38抗体daratumumabの皮下注用製剤を欧米で高リスクくすぶり型多発性骨髄腫に適応拡大申請した。日本も参加した第3相AQUILA試験で成人患者390人を組入れてPFS(活性期多発性骨髄腫に進行又は死亡)を積極的監視療法と比較したところ、有意に上回った。先日公開された、12月のASH(米国臨床腫瘍学会)の抄録によると、ハザードレシオは0.49、メジアン値は未達(積極的監視群は41.5ヶ月)だった。5年生存率は93%(同86.9%)でハザードレシオ0.52(95%信頼区間0.27-0.98)と好ましい傾向が見られた。G3/4治療時発現有害事象の発生率は40.4%(同30.1%)、致死例の発生率は1.0%(同2.0%)だった。

この皮下注用製剤の製品名は米国ではDarzalex Faspro、EUではDarzalex SC、日本ではダラキューロ。

リンク: 同社のプレスリリース
リンク: Dimopoulosらの抄録(ASH 2024、No. 773)


HAEのアンチセンス薬を承認申請
(2024年11月4日発表)

Ionis Pharmaceuticals(Nasdaq:IONS)は米国でdonidalorsenを承認申請し受理されたと発表した。12歳以上の小児成人の遺伝性血管浮腫(HAE)による発作を抑制する。審査期限は25年8月21日。

HAE発作に関連するprekallikreinの遺伝子の翻訳・生成を妨げる、アンチセンス薬。80mgを8週または4週毎に皮下注した第3相試験で24週間のHAE発作頻度が夫々偽薬比55%と81%、低かった。

欧州でもライセンシーの大塚製薬が24年内に承認申請する見込み。

リンク: Ionisのプレスリリース

【承認審査・委員会】


Merus、her2xher3二重特異性抗体の審査期間が延長
(2024年11月5日発表)

オランダ本社のMerus(Nasdaq:MRUS)は米国でMCLA-128(zenocutuzumab)をNRG1融合陽性の非小細胞性肺癌や膵管腺腫用薬として承認申請しているが、審査期限が来年2月4日に3ヶ月延期されたと発表した。CMC(化学、製造、管理)に関する追加情報を提出したことに伴うものとのことだが、詳細は不明。

NRG1はher3のレガンドであるneuregulinの遺伝子で、上記癌の1%前後で癌原性遺伝子融合が見られる。MCLA-128はher2とher3を標的とする二重特異性抗体。neuregulinをブロックしてPI3K/AKT/mTOR経路の活性化を妨げる。22年のASCO(米国臨床腫瘍学会)発表によると、2週毎に750mgを2~4時間点滴静注した第1/2相eNRGy試験と日本を含む17ヶ国で実施した早期アクセスプログラムの合計でNRG1融合陽性非小細胞性肺癌は46人中16人(35%)、同膵管腺腫は19人中8人(42%)、がORR(客観的反応率、試験医評価)を達成した。至適用量を投与した208人におけるG3/4治療関連有害事象の発生率は5%、G5は一名(点滴関連反応)だった。23年のESMO(欧州臨床腫瘍学会)発表によると、非小細胞性肺癌79人におけるORRは37.2%、メジアン反応持続期間は14.9ヶ月だった。

リンク: 同社のプレスリリース

【承認】


新規CAR-Tが承認
(2024年11月8日発表)

FDAは英国のAutolus Therapeutics(Nasdaq:AUTL)が申請したAucatzyl(obecabtagene autoleucel)を成人の難治/再発前駆B細胞急性リンパ芽球性白血病用薬として承認した。CD19を標的とするCAR-T(キメラ抗原受容体-T細胞)療法で、CD19に結合した後の遊離が早いため副作用が起きにくいとされる。9日置いて二回に分けて投与する点もユニーク。FDAは6月にCAR-T各種製品のREMS(リスク評価緩和戦略)を簡素化したが、今回初めて、REMSを課さなかった。

第2相FELIX試験で65人中42%が3ヶ月以内に完全寛解を達成した。メジアン完解持続期間は14.1ヶ月。他のCAR-Tと同様にCRS(サイトカイン放出症候群)やICANS(免疫イフェクター細胞関連神経毒性症候群)、そして二次性血液学的腫瘍のリスクが枠付き警告されているが、G3以上の発現率は、CRS(G3のみ)は3%と低く、神経学的毒性(G5あり)は12%だった

リンク: FDAのプレスリリース

【当面の主なFDA審査期限、諮問委員会】


PDUFA
24/11推住友ファーマのGemtesa(vibegron、BPH用薬服用者の過活動膀胱)
24/11/13PTC TherapeuticsのUpstaza(eladocagene exuparvovec、AADC欠損症)
24/11/28Applied TherapeuticsのAT-007(govorestat、ガラクトース血症)
24/11/29BridgeBio Pharmaのacoramidis(ATTR心筋症)
24/11/29Jazz PharmaceuticalsのZW25(zanidatamab、her2+胆道癌)
24年12月推Zealand PharmaのZP 1848(glepaglutide、短腸症候群)・・・SR想定
24年12月推アストラゼネカのImfinzi(durvalumab、小細胞性肺癌)・・・『4Q』
24年12月推ガルデルマのNemluvio(nemolizumab-ilto、アトピー性皮膚炎)
24年12月BeiGeneのTevimbra(tislelizumab、胃・GEJ腺腫一次治療追加)
24/12/20第一三共のDS-1062(datopotamab deruxtecan、非扁平上皮非小細胞性肺癌)
24/12/20Lexicon PharmaceuticalsのZynquista(sotagliflozin、一型糖尿病)
24/12/26Syndax PharmaceuticalsのSNDX-5613(revumenib、難治再発KMT2A再編成急性白血病)←3か月延期
24/12/27Soleno Therapeuticsのdiazoxide choline(プラダー・ウィリー症候群)
24/12/28XcoveryのX-396(ensartinib、ALK陽性非小細胞性肺癌)
24/12/29BMSのOpdivo(nivolumab)の皮下注用新製剤・・・当初は25/2/28だった
24/12/29Neurocrine BiosciencesのNBI-74788(crinecerfontカプセル、古典的先天性副腎過形成)
24/12/30Neurocrine BiosciencesのNBI-74788(crinecerfont経口液)
諮問委員会
24/11/19DSRMAC/PDAC:非定型向精神薬clozapine(流通処方制限の緩和)
24/11/21CTGTAC:アストラゼネカのAndexxa(遺伝子組換え不活化血液凝固Xa因子-zhzo)



今週は以上です。

2024年11月2日

第1079回

 

【ニュース・ヘッドライン】

  • Sage、産後鬱病治療薬の販売を中止へ 
  • ノボ、セマグルチドの第3相MASH試験が成功 
  • 抗インターフェロン・ガンマのマクロファージ活性化症候群試験が成功 
  • ゾコーバの同居人感染予防試験が成功 
  • ケサンラの緩徐漸増法がARIA-Eを抑制 
  • エムパベリの適応拡大試験が成功 
  • ノバルティス、新規抗IgE抗体の開発を断念 
  • エーザイ、レケンビの維持療法用皮注用製剤を承認申請 
  • PTC、米国でナンセンスDMD用薬を承認申請 
  • ノバルティス、放射性医薬をプリキモに適応拡大申請 
  • 劣性栄養障害型表皮水疱症の遺伝子療法を再申請 
  • ファビハルタを日中欧でC3腎症に適応拡大申請 
  • テリックス、PET造影剤を承認申請 
  • FDA諮問委員会、sotagliflozinの適応拡大を支持せず 
  • アステラス、欧州で地図状萎縮用薬の申請を取り下げ 
  • ノバルティスのCML用薬が一次治療に加速承認 
  • 当面の主なFDA審査期限、諮問委員会 


【今週の話題】


Sage、産後鬱病治療薬の販売を中止へ
(2024年10月29日発表)

Sage Therapeutics(Nasdaq:SAGE)は、19年に米国で産後鬱の治療薬として承認されたZulresso(brexanolone)の販売を、24年一杯で終了することを決定した。24年1-9月の売上高は300万ドル。連続点滴ではなく経口投与できるZurzuvae(zuranolone)が産後鬱だけに承認され市場が大きい鬱病全般には承認されなかったために、製品ラインアップの整理や全社的なリストラが必要になった。

両製品はGABA A選択的ポジティブ・アロステリック・モジュレーター。Zulressoは60時間点滴静注、Zurzuvaeは一日一回、5日間、経口投与する。Zurzuvaeは鬱病試験も第3相が二勝一敗だったので承認されても不思議はなかったが、審査完了通知を受領した。治療効果が小さいと判定されたのではないかとの見方もあるようだ。日本ではZurzuvaeをライセンスした塩野義製薬が9月に日本で鬱病薬として承認申請した。

リンク: Sageのプレスリリース

【新薬開発】


ノボ、セマグルチドの第3相MASH試験が成功
(2024年11月1日発表)

ノボ ノルディスクは皮下注用semaglutideの第3相MASH(代謝機能障害関連脂肪肝炎)試験のパート1で共同主評価項目を達成したと発表した。25年上期に欧米で承認申請する考え。このESSENCE試験はステージ2または3の肝線維化を伴うMASH患者1200人を組入れて偽薬または2.4mgを週一回、皮下注し、病状進行を240週間追跡するもの。パート1は最初の800人を72週追跡し、肝線維症改善奏効率と脂肪肝炎解消奏効率を群間比較した。尚、肝線維症と脂肪肝炎のうち片方が改善してももう片方が悪化したら奏功とは判定されない。結果は、前者が各群22.5%と37.0%、後者は34.1%と62.9%で、何れも試験薬が有意に上回った。

3月に米国でMASH治療薬として加速承認されたMadrigal Pharmaceuticals(Nasdaq:MDGL)の甲状腺ホルモン受容体ベータ・アゴニストRezdiffra(resmetirom)は、類似した第3相で、52週時点の前者の奏効率が23~28%(偽薬群は13~15%)、後者は24~36%(同9~13%)だった。幅があるのは評価者により多寡があるため。ノボの試験とは投与期間が異なり、奏効判定基準が同じとは限らないので、比較は難しい。尚、Rezdiffraは一日一回経口投与する。

semaglutideはGLP-1作用剤。米国では二型糖尿病にWegovy名で、肥満症向けはOzempic名で、経口投与用製剤が二型糖尿病向けにRybelsus名で、承認されている。

リンク: ノボのプレスリリース


Sobi、マクロファージ活性化症候群試験が成功
(2024年10月30日発表)

Sobi(STO:SOBI)は、emapalumab-lzsgの第3相マクロファージ活性化症候群(MAS)試験が成功したことをACR(米国リウマチ学会)で発表した。24年内に米国で適応拡大申請する予定。

スイスのNovimmuneを買収して入手したインターフェロン・ガンマを標的とする抗体医薬で、18年に米国でGamifant名でHLH(原発性血球貪食リンパ組織球症)の治療薬として承認された。難治再発性の、進行性で従来治療不耐な患者27人(メジアン年齢1歳)に投与した臨床試験で反応率が63%だった。

今回の試験は全身性若年性特発性関節炎などのStill病患者におけるMASの治療効果をテストしたもの。MASは発熱、肝脾腫、肝機能不全、血球減少症などを伴う疾患で、二次性HLHと分類されている。二本の試験のプール分析を行ったところ、第8週の完全反応率が53.8%(n=39)、72%の患者はステロイドの用量を1mg/kg/日以下に減量することができた。

リンク: 同社のプレスリリース


ゾコーバの同居人感染予防試験が成功
(2024年10月29日発表)

塩野義製薬は、日本などでCOVID-19治療薬として承認されているゾコーバ(Xocova、ensitrelvir)の第3相曝露後発症予防試験、SCORPIO-PEP)で主目的を達成したと発表した。米国や日本などで実施されたグローバル試験で、COVID-19発症後72時間以内の患者と同居する12歳以上の非感染者約2400人を偽薬群とensitrelvir群に無作為化割付けして5日間投与し、初回投与から10日間のCOVID-19発症リスクを比較したところ、後者が有意に下回った。データは学会などで発表する予定。

SARS-CoV-2が変遷しCOVID-19感染症が以前ほど重体化しにくくなり感染後も自宅で過ごすケースが増えたので、感染者だけでなく家族などにも服用させて流行の広がりを抑えるのは意味がある。特に、例えば妊婦や呼吸器/心血管疾患のようなリスク因子を持つ人には選択肢の一つになるかもしれない。いずれにせよ、有用性は両群の発症率次第だろう。

類薬ではファイザーのPaxlovid(nirmatrelvir、ritonavir)は曝露後予防試験がフェールした。

リンク: 同社のプレスリリース(和文)


ケサンラの緩徐漸増法がARIA-Eを抑制
(2024年10月29日発表)

イーライリリーはCTAD(アルツハイマー病臨床試験)カンファレンスで7~9月に米日で早期アルツハイマー病用薬として承認された抗アミロイド・ベータ抗体Kisunla(donanemab-azbt)の用量緩徐漸増試験の結果を発表した。テストした3用法のうち一つでARIA-E(アミロイド関連画像異常-浮腫)の発生を4割以上抑制することができた。一部変更申請に向かうのではないか。

この後期第3相TRAILBLAZER-ALZ 6試験は、早期症候性アルツハイマー病の成人約840人を3種類の用量漸増群と承認されている用法群に無作為化割付けして、ARIA-Eの発生率などを24週に亘り観察した。承認用法群では24%と、承認の根拠となったTRAILBLAZER-ALZ 2試験の24%と同程度だったが、一番良かった群(以下、至適用法群)では14%に留まり、他の2群では18%強だった。ARIA-EのリスクはApoE4多型を持つ人で高く、二つの遺伝子とも該当するホモ接合型では特に高まるが、至適用法群のホモ接合型患者における発生率は19%と承認用法群の57%を大きく下回った(因みに承認申請用試験におけるホモ接合型の発生率は50%)。

リスクが低下しても効果まで低下したら悩ましくなるが、至適用法群のアミロイド・プラク水準は67%低下し、承認用法群の69%低下と同程度だった。

ARIA-Eは多くが無症状だが、学会発表に関する一部報道によると、症候性ARIA-Eも抑制された模様だ。一方、ARIA-H(アミロイド関連画像異常ー出血)は大差なかったようだ。

至適用法群で、ARIA-E発生後に卒中様症状を示しtPA治療を受けた患者が1名、脳実質内出血により死亡した。至適用法の弱点というよりは、抗アミロイド・ベータ抗体のこれまでの臨床試験で稀に見られた現象がこの用法でも発生したということだろう。おそらく、実医療でも発生するだろうから、抗アミロイド・ベータ治療を受けていることを緊急搬送先の脳卒中救急医にどのように使えるか、考える必要があるだろう。

リンク: 同社のプレスリリース


エムパベリの適応拡大試験が成功
(2024年10月26日発表)

Apellis Pharmaceuticals(Nasdaq: APLS)と開発販売パートナーのSwedish Orphan Biovitrum(Sobi)は、Empaveli(pegcetacoplan)の第3相VALIANT試験で主目的等を達成したと8月に公表したが、詳細をASN(米国腎臓学会)で発表した。

12歳以上のC3G(C3腎症)またはIC-MPGN(免疫複合体膜性増殖性糸球体腎炎)の患者124人を組入れて、1080mgを週二回皮下注したところ、26週間で蛋白尿(尿蛋白クレアチニン比のlog変換値)が偽薬比68.1%低下した。C3GでもIC-MPGNでも、青年でも成人でも、腎移植を受けた患者でもそれ以外でも、低下が見られた。副次的評価項目だが最も重要な指標であるeGFR(推算糸球体濾過量)でも群間差が+6.3mL/分/1.73m2となり、名目p=0.03だった。

重度有害事象発現率は4.8%(偽薬群は6.6%)、有害事象による治験離脱は両群同程度だった。髄膜炎菌性髄膜炎や被包性細菌による深刻感染症は見られなかった。

25年初めに米国で適応拡大申請する考え。欧州でもSobiが25年内に申請する考え。

EmpaveliはC5補体阻害剤。発作性夜間ヘモグロビン尿症の治療薬として21年に米欧で、23年には日本でも、承認された。硝子体注射用製剤のSyfovreも加齢性黄斑変性による地図状萎縮の治療薬として23年に米国で承認された。

リンク: 両社のプレスリリース


ノバルティス、新規抗IgE抗体の開発を断念
(2024年10月29日発表)

ノバルティスは、24年第3四半期決算発表の中で、第3相段階だったQGE031(ligelizumab)の開発を打ち切ることを明らかにした。同社がジェネンテックと共同開発し重度難治喘息症などの治療に用いられているXolair(omalizumab)と同様な、免疫グロブリンEを標的とする抗体医薬で、親和性がXolairの88倍高いことが注目された。しかし、第3相慢性特発性蕁麻疹試験で掻痒改善効果がXolairを有意に上回らず、今年1月に第3相ピーナツ・アレルギー試験も中止された。

同社は同じく抗IgE抗体のtalizumabの開発も中止しており、ネクスト・ゾレアをなかなか見つけられずにいる。

リンク: ノバルティスの24年第3四半期決算補足情報(p.16に記載あり)

【承認申請】


エーザイ、レケンビの維持療法用皮注用製剤を承認申請
(2024年10月31日発表)

エーザイはバイオジェンと共同開発販売している早期アルツハイマー病用薬Leqembi(lecanemab-irmb)の皮下注用新製剤を、点滴静注用製剤による導入療法を終えた患者の維持療法として米国で承認申請した。オートインジェクターで360mgを週一回、15秒かけて投与する。点滴静注用製剤は10mg/kgを2週毎に1時間かけて投与するのでだいぶ簡便になる。もしかしたら自己注も可能になるかもしれない。

皮下注は720mg週一回が10mg/kg2週毎静注と生物学的に同等と言われていたが、申請された量は半分だ。そういえば3月に承認申請された静注用製剤の維持療法(月一回)も、用量やタイミングが良く分からない。

リンク: バイオジェンのプレスリリース


PTC、米国でナンセンスDMD用薬を承認申請
(2024年10月30日発表)

PTC Therapeutics(Nasdaq:PTCT)は7月にTranslarna(ataluren)をナンセンス変異のあるデュシェンヌ型筋ジストロフィー用薬として再承認申請したが、無事、受理された。初回の申請はfile over protest(受理されなかったことに異議を申し立てた上で承認申請)によるもので、案の定、審査完了通知を受領したが、このような場合の再申請はPDUFA(処方薬ユーザー・フィー法)の適応対象外であるようで、審査期限(PDUFA日)は設定されない由。

数奇な経緯を持つ薬で、EUでは14年に条件付き承認されたが、市販後薬効確認試験である041試験で臨床的便益が確認されなかったため、9年後にEMA(欧州薬品庁)が年次更新を打ち切るよう勧告した。PTCが新しいデータを提出したことや手続き上の問題があったことから欧州委員会に差し戻されたものの、CHMP(医薬品専門家委員会)が今年10月に四たび否定的意見をまとめた。

米国は16年に承認申請を却下(refuse to file)したが、17年にfile over protestが認められ受理を余儀なくされた。9月に開催された諮問委員会では11人の委員中10人が薬効の確認が不十分と判定、10月に審査完了となった。ところが、今回はFDAが前向きで、再申請に至った。筋ジストロフィーのような希少疾患やアルツハイマー病のような難病における新薬承認のハードルを引き下げたからだろう。同社のプレスリリースによると、041試験で72週間治療したところ、6分歩行距離(p=0.0248)、NorthStar Ambulatory Assessment(p=0.0283)、10メートル歩行走行(p=0.0422)、4段昇段(p=0.0293)などの評価項目で偽薬比有意な差が見られたとのこと。当方の理解とはだいぶp値が異なっている。

リンク: 同社のプレスリリース


ノバルティス、放射性医薬をプリキモに適応拡大申請
(2024年10月29日発表)

ノバルティスは、24年第3四半期決算の中で、米国でPluvicto(lutetium Lu 177 vipivotide tetraxetan)の適応拡大申請を行ったことを明らかにした。現在はアンドロゲン受容体回路阻害剤とタクサン・ベースの化学療法による治療歴を持つ患者が適応だが、未だ化学療法は受けていない段階(プリキモ)での使用を求めるもの。第3相PSMAfore試験でPFS(無進行生存期間、放射線学的評価)がメジアン12ヶ月と、前治療とは異なるアンドロゲン受容体回路阻害剤を投与した群の5.6ヶ月を上回り、ハザードレシオは0.41だった。

ドイツの癌研究所DKFZとハイデルベルグ大学病院が共同開発した、PSMAに結合するライガンドと放射線核種を結合した放射性医薬。ノバルティスはEndocyte社を約21億ドルで買収して入手、22年に米欧で販売承認を取得した。

リンク: ノバルティスのプレスリリース


劣性栄養障害型表皮水疱症の遺伝子療法を再申請
(2024年10月29日発表)

Abeona Therapeutics(Nasdaq:ABEO)はEB-101(prademagene zamikeracel)を劣性遺伝性栄養障害型表皮水疱症(RDEB)の治療法として米国で再承認申請した。23年に申請したが、製造法やバリデーションに関する挙証が不十分として今年4月に審査完了通知を受領していた。承認審査におけるCMC(化学、製造、管理)に関わる問題は第3者には見当がつかないので、結果を見守るしかない。

RDEBは真皮と表皮をつなぐ係留線維の構成成分である7型コラーゲンの遺伝子、COL7A1に機能喪失変異があり、皮膚に水疱やびらんが生じやすく、感染症や扁平上皮腫のリスクがある。食道などに生じると摂食減少、栄養障害を合併することがある。米国の推定患者数は3000人。EB-101は患者のケラチノサイトや前駆細胞にex vivoでCOL7A1遺伝子を導入、シート化して焼灼した病変床に縫合固定化するもの。第3相では治癒率や疼痛緩和が治療しなかった病変を大きく上回った。臨床試験ではインディアナ大学製と同社製の二種類のバッチを用いたため、同等性の確認を求められ承認申請が遅延した経緯がある。

リンク: 同社のプレスリリース


ファビハルタを日中欧でC3腎症に適応拡大申請
(2024年10月27日発表)

ノバルティスは、ASN(米国腎臓学会)における学会発表に合わせて、Fabhalta(iptacopan)をC3G(C3腎症)の治療に用いる適応拡大申請を日本、中国、欧州で行い、米国でも年内に予定していることを公表した。

23~24年に夜間ヘモグロビン血症治療薬として米欧日で承認された経口可逆的B因子阻害剤。適応拡大申請のエビデンスとなる第3相APPEAR-C3G試験で成人のC3腎症患者に200mgを一日二回、経口投与したところ、24時間尿蛋白クレアチニン比が6ヶ月で偽薬比35.1%低下した。副次的評価項目だが最も重要なeGFR(推算糸球体濾過率)は偽薬比2.2mL/分/1.73m2改善したが検出力不足だったのかp=0.19だった、

リンク: 同社のプレスリリース


テリックス、PET造影剤を承認申請
(2024年10月24日発表)

Telix Pharmaceuticals(ASX:TLX)は米国でPixclara(18F-floretyrosine)を神経膠腫のPET(陽電子放出断層撮影)造影剤として承認申請し受理された。優先審査を受け、審査期限は来年4月26日。この種の造影剤がこの適応で承認されれば初。

リンク: 同社のプレスリリース


筋層非浸潤膀胱癌用薬を承認申請
(2024年10月15日発表)

UroGen Pharma(Nasdaq:URGN)は米国でUGN-102(mitomycin 0.18%)を低グレード中等リスクの筋層非浸潤膀胱癌用薬として承認申請し受理された。審査期限は来年6月13日。術後アジュバントなどに用いられているmitomycinの新製剤で、カテーテルなどで膀胱内に注入すると体内でゲル化し薬剤を長期にわたり放出する。第3相でDFS(無病生存期間)を第一選択の治療法であるTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)と比較したところ、UGN-102群(一回投与、TURBT併用可)のハザードレシオは0.45(95%信頼区間0.29-0.68)だった。UGN-102だけを施行した患者の第3月完全反応率は64.8%、TURBT群は63.6%だった。深刻有害事象の発現率は7.9%、治療時発現有害事象による死亡が2名(8%)発生した。

同社は類似した製品であるJulmyto(mitomycin 0.4%)が20年に米国で成人の低グレード上部尿路上皮癌用薬として承認された。

リンク: 同社のプレスリリース

【承認審査・委員会】


FDA諮問委員会、sotagliflozinの適応拡大を支持せず
(2024年11月1日発表)

FDAは10月31日にEMDAC(内分泌学代謝薬諮問委員会)を招集し、Lexicon Pharmaceuticals(Nasdaq:LXRX)が慢性腎疾患を伴う一型糖尿病の血糖治療薬として承認申請したZynquista(sotagliflozin)について意見を聞いた。便益が棄権を上回るか、という質問に3人がYES、11人がNOと回答した。審査期限は12月20日。

このSGLT1/2阻害剤はInpefaというブランド名で、23年に米国で慢性心不全や心血管リスク因子を持つ二型糖尿病や慢性腎疾患などの心不全リスクを抑制する適応・効能で承認された。一型糖尿病用途は18年に当時のライセンシーのサノフィが欧米で承認申請したが、米国では承認されず、EUでは19年に承認されたが22年に申請取り下げとなった。

ボトルネックとなったのは糖尿病ケトアシドーシスのリスク。二型糖尿病でも起こりうるが、一型では発生率が上がる。第3相試験ではnumber needed to halmが26だった(26人に投与すると一人が発症する)。今回の申請では適応を慢性腎疾患を伴う患者に限定したが、第3相ではeGFRが45~60mLの患者47人中3人と偽薬群の42人中ゼロを上回っており、糖尿病性ケトアシドーシスの懸念は払拭されていない。

リンク: 同社のプレスリリース


アステラス、欧州で地図状萎縮用薬の申請を取り下げ
(2024年10月28日発表)

アステラス製薬はavacincaptad pegolをEUでも承認申請していたが、取り下げた。詳細は不明だが、Apellis Pharmaceuticals(Nasdaq:APLS)の類薬であるSyfovre(pegcetacoplan)もEUでは承認されなかった。CHMP(医薬品専門家委員会)が11月の会議後に取下げ時点における評価を公表するだろう。

Iveric Bioを59億ドルで買収して入手した硝子体注射用C5阻害剤。米国で23年8月に加齢性黄斑変性による地図状萎縮の治療薬として承認された。

Syfovreも米国では23年2月に同適応症で承認されたが、EUはCHMPが否定的意見をまとめ、Apellisが再審請求中。CHMPは、病変の拡大を抑制したが臨床的に意味のある便益は見られず、日常生活機能も改善しなかったことや、他の種類の加齢性黄斑変性を誘発するリスクが危惧されることなどを指摘している。

リンク: アステラスのプレスリリース(和文)


【承認】


ノバルティスのCML用薬が一次治療に加速承認
(2024年10月29日発表)

FDAはノバルティスのScemblix(asciminib)を慢性期フィラデルフィア陽性慢性骨髄性白血病(Ph+CML-CP)の新患成人に用いる適応拡大を加速承認した。21~22年に米日欧で2種類以上のチロシン・キナーゼ阻害剤歴を持つPh+CML-CPなどに承認されたが、一次治療承認で対象患者数が6~7倍に増加する。尤も、競合も多く、同社自身が開発したimatinibも発売後23年経った今でも人気があるようだ。

第3相ASC4FIRST試験で48週MMR(分子遺伝学的第奏効)率が67.7%と、標準療法群(imatinib、nilotinib、dasatinib、bosutinibの中から医師が選ぶ)の49.0%を大きく上回り、imatinibだけとの比較でも69%対40%と上回った。G3以上の有害事象や有害事象治験離脱は少なかった。

リンク: FDAのプレスリリース

【当面の主なFDA審査期限、諮問委員会】



PDUFA
24/11推住友ファーマのGemtesa(vibegron、BPH用薬服用者の過活動膀胱)
24/11/13PTC TherapeuticsのUpstaza(eladocagene exuparvovec、AADC欠損症)
24/11/16Autolus TherapeuticsのAUTO1(obecabtagene autoleucel、急性リンパ芽球性白血病)
24/11/28Applied TherapeuticsのAT-007(govorestat、ガラクトース血症)
24/11/29BridgeBio Pharmaのacoramidis(ATTR心筋症)
24/11/29Jazz PharmaceuticalsのZW25(zanidatamab、her2+胆道癌)
24年12月推Zealand PharmaのZP 1848(glepaglutide、短腸症候群)
24年12月推アストラゼネカのImfinzi(durvalumab、小細胞性肺癌)
24年12月推ガルデルマのNemluvio(nemolizumab-ilto、アトピー性皮膚炎)
24年12月BeiGeneのTevimbra(tislelizumab、胃・GEJ腺腫一次治療追加)
24/12/20第一三共のDS-1062(datopotamab deruxtecan、非扁平上皮非小細胞性肺癌)
24/12/20Lexicon PharmaceuticalsのZynquista(sotagliflozin、一型糖尿病)
24/12/26Syndax PharmaceuticalsのSNDX-5613(revumenib、難治再発KMT2A再編成急性白血病)
24/12/27Soleno Therapeuticsのdiazoxide choline(プラダー・ウィリー症候群)
24/12/28XcoveryのX-396(ensartinib、ALK陽性非小細胞性肺癌)
24/12/29BMSのOpdivo(nivolumab)の皮下注用新製剤
24/12/29Neurocrine BiosciencesのNBI-74788(crinecerfontカプセル、古典的先天性副腎過形成)
24/12/30Neurocrine BiosciencesのNBI-74788(crinecerfont経口液)
諮問委員会
24/11/19DSRMAC/PDAC:非定型向精神薬clozapine(流通処方制限の緩和)
24/11/21CTGTAC:アストラゼネカのAndexxa(遺伝子組換え不活化血液凝固Xa因子-zhzo)



今週は以上です。